TOEIC満点講師が教える「使える英語」と「TOEICのスコアアップ」を両立させる勉強方法

最初にお断り

前回の記事「TOEICの解き方を変えれば、スコアも英語力も獲得できる!(1)」では、パート3と4の「間違った」解き方について解説しました。

「間違った」というのは、「僕自身が良くないと判断し、塾生にお勧めしていない」という意味です。

特に「聞きながらチョン」すると、「リスニング力が付かない」「スコアも頭打ちになる」ということを指摘させていただいたのですが、この解き方を実践していて、結果を出されている方にとっては納得がいかない内容だったかもしれません。

「聞きながらチョン」によって、450点以上、あるは満点を取っている方は、そもそもリスニング力が相当ある人です。そのような方は、他の方法でも高いスコアが取れる可能性があります。

僕自身も、「聞きながらチョン」で満点を取ることは可能です。ですが、100パーセント取れる保証はありません。(今のやり方では100パーセントです)

「聞きながらチョン」で満点を取られている方は、僕がこの記事で提案する方法を実践されたら、より高い確率で満点を取れるのではないかと個人的には思っているのですが、「聞きながらチョン」の方がより高いスコアが出やすいというのであれば、ぜひそれを続けてください。

そういう人にとっては、そのやり方がベストなのだと思います。

また、「聞きながらチョン」で結果も出ていないし、英語も聞こえないという方でも、それが自分に合っていると思われるのであれば、まずはそのやり方を極めてみるのも手だと思います。

いずれにしても、様々な解き方や勉強法がある中で、僕が提案しているものは、その1つに過ぎません。共感されて実行して結果を出される方もいれば、「自分には合わない」と思う方がいて当然です。

僕自身も多様な考え方から学んでいきたいと思っておりますので、「聞きながらチョン」や「聞きながらマーク」を提唱されている指導者の方とも、いつか建設的な議論が出来たらと思っております。

この記事での主張も、「価値観の押し付け」ではなく、単に澤田塾で僕が実践して成果を上げている1つの方法に過ぎません。

パート3と4のベストな解き方とは?

この記事では、僕自身が実践し、リスニングセクションでは100パーセントの確率で満点を取り、澤田塾の生徒さんのスコアも大幅に伸ばしているパート3と4の解き方をご紹介します。(僕にとってはベストでも、他の人にとってはベストとは限りません)

赤字で表記してあるのが「設問」で、青字が「選択肢」です。

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Why is the woman calling?

(A) To place an order
(B) To request technical assistance
(C) To inquire about shipping rates
(D) To discuss sales results

まず、放送文が流れる前に設問を先読みするところまでは、全ての方法で共通しています。

「聞きながらチョン」する人は、前の問題に解答してから、次の放送文が流れるまでに、3つの設問とそれぞれ4つずつある選択肢を血眼になって必死に速読します。

各問題の合間に一息つく暇は一切ないため、かなり体力を消耗しますし、おまけに英語もあまり聞こえてこない(人もいる)ので、過度にストレスがかかることがあります。僕もかつてこの方法を実践していたのですが、今の3倍くらい疲れました。

しかし、僕が提唱する3つ目の方法では、基本的に、3つの設問だけ先読みすればよいです。(選択肢については、時間の余裕があれば、長めのものだけ読んでおいても構いませんが、必須ではありません)

放送文が流れている時には、選択肢は見ないというか、ピントをぼかすような感じにして、設問だけぼんやり眺めるようにします。

このようなイメージです。

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Why is the woman calling?

(A) To place an order
(B) To request technical assistance
(C) To inquire about shipping rates
(D) To discuss sales results

「放送文を聞きながら設問を読んでいる」というより、「設問を念頭に置きながら放送文を聞いている」という感じです。

つまり、あくまで「放送文を聞くこと」がメインです。

放送文が進むにしたがって、念頭に置く設問も次のものに移ります。

「電話かけている理由は掴めた(後で正解を選べるはず)! 次の設問!」という感じです。

この方法の最大のメリットは、聞きながら選択肢を見ていないので、それによってリスニングの理解度がほとんど落ちないということです。

また、聞きどころをしっかりおさえながら聞いていきますので、放送文を聞いてから設問を見た時に、3つ目の何も見ないで放送文だけ聞く解き方のように、「そこ聞いてなかった!」とならずに、ちゃんと解答を見つけることができます。

放送文を聞きながら、選択肢を見ない(リアルタイムで解答を選ばない)ことに対して不安を覚える人も多いのですが、「聞き取った内容から、後で解答できそうだ」という感覚を得られれば大丈夫です。

設問を念頭において、「聞きどころ」をしっかりおさえながら聞いていけば、TOEICのパート3や4くらいの短い会話やトークの内容は覚えておけるものです。

選択肢を念頭に置きながら聞く際の注意点

基本的に、1つ目の設問に関連した内容が、放送文の最初で言われ、3つ目の設問のカギとなる情報は最後の方に出てくるものですが、2つ目の設問は要注意です。

というのも、文頭でいきなり2つ目の設問の解答の根拠が出てきてしまうことがあるからです。

ですので、放送文の前半部分を聞きながら、最初の2つの設問を同時に念頭に置いておくとよいでしょう。

1つ目の設問は簡単だったり、放送文全体から判断させるものだったりすることも多いので、特に2つ目の設問をしっかり念頭に置きながら、放送文の出だしをしっかり聞き取るのがコツです。

解答を選んで、次の放送文が聞こえるまで

放送文を聞き終えた時点で、選択肢をさっと読んでいき、先ほどの理解に基づいて、解答を選んでマークするようにします。

「聞きながらチョン」と違って、放送文を聞きながら解答しているわけではないので、マークし終えてから、次の放送文が流れるまでの時間は短くなります。

結果的に、前の問題を解答した後に残っている時間では、次の問題に対する3つの設問を先読みすることしかできないと思います。

ですので、選択肢まで先読みする時間はほとんどありませんが、設問を念頭に置きながら放送文をしっかり聞き、設問の手がかりをキャッチしていけば、後で選択肢を見たときに、理解したことに基づいて解答できるはずです。

2つの方法を併用しても良い

澤田塾生の多くは、1つ目の方法「聞きながらチョン」から3つ目の方法「設問を念頭に置きながら、しっかり聞く」に切り替えることで、パート3と4の正答率を上げるとともに、より英語が聞こえるようになっていきます。

これは、「聞いていない解き方」から「ちゃんと聞く解き方」に変えた結果とも言えます。

基本的には、この3つ目の方法をお勧めしているのですが、1~2単語だけから成る短い選択肢に関しては、「聞きながらチョン」しても良いことにしています。

なぜなら短い選択肢は、聞きながら見ていても、それほどリスニングの理解度に影響しないからです。

短い選択肢の例
49.
What are available free of charge?
(A) Photo frames
(B) T-shirts
(C) Key rings
(D) Notepads

ですが、選択肢が長い(特にセンテンスになっている)場合は、メッセージを聞き取ることに集中して、後で解答した方が、概して正答率は上がります。

なぜなら長い選択肢を読みながら聞くと、人によっては耳がパタッと閉じてしまい、その間に流れている放送文の理解度が一気に下がってしまうからです。このような問題ほど、「聞きながらチョンする」解き方をされる人たちが最も落としがちで、差がつき易い問題です。

長い選択肢の例
64.
Why is the woman concerned?
(E) The delivery takes a long time.
(F) The product is too expensive.
(G) The credit card is not working
(H) The merchandise is too large.

つまり、どちらかの方法に固執するのではなく、問題に応じて、2つの方法を併用することも出来るわけです。(ただし、「聞きながらチョン」は全体の1~2割程度に抑えることをお勧めしています)

問題を解いた後は、放送文の理解度をチェック

1つ目の解き方では、選択肢を見ながら解答を選ぶことに気を取られるため、特に初級者の場合は、放送文そのものの理解度は、物凄く低くなる傾向があります。

まだスコアが400~500点くらいの人に、「放送文の内容はどれくらい理解できましたか?」と聞くと、「5パーセント」とか「10パーセント」という答えが返ってくることがよくあります。考えてみれば、当然です。

「まだリスニング力がないのに、リスニングしていないからです」

澤田塾では、答え合わせの際に、もう一度放送文を聞いてもらい、問題を解いていた時と純粋に聞いた時とで、放送文の理解度がどれくらい違うかを確認します。

「純粋に放送文だけを聞いたら、どれくらい理解できるのか?」

このチェックをすると、「さっきは5パーセントだけど、今聞いたら10パーセントくらい」とか、「10パーセントが30パーセント」、「20パーセントが40パーセント」のように、そもそも「放送文の理解度が低い」、つまり「英語が聞けていない」ということが判明するケースが多くあります。

TOEIC以前の問題として、「英語が聞き取れない」「放送文についていけない」ということです。

純粋に放送文を聞いたときの理解度が低いという事実から、「まずは、英語を聞き取る力そのものを上げなければいけない」ということを十分に理解していただき、そのための手段としてシャドーイングなどの音声トレーニングの練習をしていただきます。(音声トレーニングについては次の記事で詳述します)

また、「聞きながら選択肢を見て解答する」という1つ目の解き方をしていたことによって、「聞こえない英語がさらに聞こえなくなっていた」ということにも気づきます。

英語が聞こえない人が、「聞きながらチョン」をすると、放送文の中で聞こえてきた単語や表現と、選択肢中にある単語や表現をマッチングさせるだけになってしまいます。

初級者がこのような解き方をしていると、ちゃんと放送文を聞かない癖がつき、根本的なリスニング力は伸びません。

また、試験中に、「英語が全然聞こえない」「内容自体はほとんどわかっていない」という感覚になってしまいがちなのも、この方法の特徴です。(かつての僕がそうでした)

中上級者が解き方を変えるとどうなるか?

受講生の中には、「さっきは40~50パーセントで、今聞いたら70~80パーセント」という方もいます。

そのようなタイプの生徒さんの多くが、リスニングセクションで、300点後半~400点前半で伸び悩んでいたりします。これは非常にもったいないことです。

というのも、普通に放送文を聞いた時に70~80パーセント理解できるということは、「聞きながらチョン」によって放送文の理解度を殺してしまわなければ、もっと高いスコアを取れるはずだからです。

実際、解き方を改めて、リスニングセクションで370点から430点になった方や、420点から470点になった方、450点から495点(満点)になった方もいます。

「聞きながらチョン」をしていた時は、放送文の理解度が40~70パーセントだったのを、「設問を念頭に置きながら聞く」方法に変えることによって、理解度を60~90パーセントに上げることに成功したのが大きな要因です。

こういう生徒さんの共通点は、「せっかく英語を聞こえる耳を持っているのに、聞きながらチョンをしていたために、放送文の理解度を犠牲にしてしまい、本来の実力を発揮できていなかった」ということです。

最終的には、何も見ないで聞いていても、設問を念頭に置きながら聞いていても、放送文の理解度そのものは変わらないという状態に持っていければ、満点も見えてきます。

「聞きながら選択肢に目を走らせても、放送文の理解度がまったく同じ」ということはまずないでしょう。

僕がこのやり方で解くと、最大で50~60パーセントにまで理解度が落ちてしまい、パート3と4で1~2問ずつくらい間違えてしまう可能性があります。

解き方を変えるだけでなく、放送文を「暗唱」(ナレーターと同じスピードで空で言えるようにする)できるようにすることで、リスニング力そのものをさらに上げることが、スコアアップのカギとなります。

次回の記事では、澤田塾で、初級者から上級者まで全ての受講生に実践してもらい、成果を上げているパート4の暗唱についてご紹介したいと思います。

澤田健治

TOEICの解き方を変えれば、スコアも英語力も獲得できる!(3)

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TOEICスクール「澤田塾」の代表

ブログ「本当に役立つTOEIC勉強法」 管理人
日英翻訳者(ひらがなタイムズ/NHK)

TOEIC990点(満点)
英検1級(通算13回合格、うち優良賞3回)
2013年ICEE(国際英語コミュニケーション能力検定)優勝
(松本道弘主催の、英語コミュニケーション能力を競い合うトーナメント)

私塾「澤田塾」では、音声トレーニングやスラッシュリーディング、暗唱などを取り入れた独自の指導法で、「使える英語」と「スコアアップ」を同時に獲得するレッスンを行っている。

書籍:TOEICテスト最強攻略PART1&2

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