アメリカ留学 期間:9年間
sunflower

音楽留学のため渡米しました。日本で学士号を取得していたので、音楽大学の修士課程履修を最終目的としていたのですが、英語と音楽理論に自信がなかったので、学士課程から始めることにしました。

音楽留学は自分の専攻する楽器の先生選びが重要な要素の1つなのですが、最初にこの人の元で学びたいと思った先生が教えているたのが音楽専門大学ではなく、州立大学、しかも総生徒数4万人というマンモス校でした。

音楽科とはいえ、英語ライティングや数学、社会科を含めた一般教養を多く履修しなくてはならず、楽器の練習に集中したい私は非常に悩みましたが、アメリカの普通の大学生活を経験してみるのも楽しいかもしれないと思い、その大学に留学を決めました。

留学前にTOEFLの勉強をし、必要スコアも満たしていたのですが、最初の1年目は苦労の連続でした。寮生活でもいろいろ大変なことやびっくりすることもあったのですが、突き抜けていたのは「English 101」のクラスでした。

「101」というのは初級クラスにつけられる数字で、このクラスではその席の大学生活で必要となるディスカッションやライティングの基本を学びます。これは全生徒必修科目ですが、ネイティブ向けと留学生向けに分かれています。

私はもちろん「English 101(留学生向け)」です。

その州立大学はアメリカの中でも田舎にありましたが、ビジネスやコンピューター科学が強い学校で、世界中の本当にいろいろな国から生徒が集まって来ていました。私のクラスにもインド人、ヨルダン人、イラン人、ロシア人、韓国人、中国人など、様々な国籍の人たちがいました。

クラスではライティングなどについて書かれた教科書を元に意見を言い合ったり、自分の国の文化について短いスピーチをしたり、1人だけ黙って聞いているということは許される環境ではありませんでした。

音楽のことしか考えずに渡米した私にとっては予想外の展開です。それでも課題はなんとかこなし、失敗しても片言でもとにかく話せとせっついてくる教師に追い立てられるようにしてなんとか授業に参加していました。

そんな私が一番困惑する時間が、そのクラスの合間の10分間休憩です。

留学生同士、お互いのお国事情や文化に興味があるのか、とにかく活発におしゃべりするのです。話しかけられても10パーセントくらいしか理解できなかった私はいつも、心の中で「誰も話しかけないで!」と思っていました。

しかし、そのうち同じアジア圏出身の生徒たち、そして私と会話レベルのあまり変わらない生徒達と少しずつ自分自身のことを話し始めるようになりました。似たような外見の人たち相手だと安心感もあったのでしょう。だんだんアジア人同士固まって座るようになってきました。

ある時、お調子者でおしゃべりなヨルダン人の男子学生が私たちの会話に割って入りました。「君たち、同じアジア人なのにどうして英語で話してるの?」

普段から彼の態度をあまり快く思っていなかった私はその言葉にいらだちを覚えてしまい、思わず「彼女は台湾人、彼女は韓国人、私は日本人でみんな母国語が違うの!アジア人だからって同じ言葉しゃべると思ってるの?アジア語という言葉でも存在すると思ってるの?」と言い返してしまいました。

彼は一瞬ひるんだ後、「いや、アジア人が何語を話すとか考えた事もなかったけど、なんとなく同じ言葉しゃべるのかと思ってた・・・じゃあ、みんなそれぞれ何語をしゃべってるの?」と聞き返してくれました。

その後は冷静に、話せる範囲で文化の違いなどをたどたどしく説明し、私が刺々しくしてしまった雰囲気も和やかなものとなりました。

その後しばらくその事件のことは忘れていたのですが、アメリカ生活に慣れてきたある時にふと思い出し、突然自分が恥ずかしくなりました。

私だって、ヨルダンで何語が話されているのか知らなかったじゃないか、ヨルダンの正確な位置だって言ってみろと言われたらちょっと怪しい。自分の国のことだけ誤解されていたら腹が立つというのは非常に視野が狭かったと思いました。

そして、彼の冷静な対応で私は救われたのだということにも気がつきました。真にインターナショナルであるということはどういうことなのか考えさせられました。

そして、せっかくあのクラスに、その後ほとんど出会うことのなかった国籍の人々がたくさんいたのに、ほとんど話すことがなかったことを非常に残念に思いました。

今思えば、どんなに片言でも必死で話せば一生懸命答えてくれたのではないかと思います。それなのに、恥ずかしさや面倒くささが勝ってしまっていたのです。

私は留学前は頑張ってTOEFLの勉強をしましたが、タイトなスケジュールだったため、会話の勉強はいっさいしないまま渡米しました。

日本で英会話レッスンなどを受けてから留学することができればベストなのかもしれませんが、それができなくても口語表現を少しでも学んでから行けば会話の恐怖感が少なくなると思います。

私の場合は話そうとしても固い「英作文」のような文章しか浮かばず、それを口にするのに違和感を感じて躊躇することが多かったです。

もちろん、留学先で授業についていくことが最重要かもしれませんが、人間関係がスムーズにいけば何かと助けを求めやすくなりますし、海外暮らしの不安も減って学習に集中しやすくなります。

ディープなスラングを使ってかっこよく話す必要はありません。もっと基本的な口語表現、例えば「What’s up?」など、本当によく使われるけれど日本の教科書では見かけない、または文字通りの意味とかけはなれているフレーズを少し知っておくだけでも違うと思います。

そのような口語表現を集めた書籍もたくさん出版されていますし、インターネットでも情報は集まると思います。

また、英語の学園ものドラマを字幕で見るのもよい口語の勉強になると思います。ただ、字幕は非常に意訳されていることが多いので、気になる表現をキャッチしたらそれが実際にどのような意味なのか、辞書やインターネットで調べてみることをお勧めします。

留学は履修する教科の学習だけでなく、いろいろな国の人たちと交流し、まったく違うものの見方に出会い、自分の世界を圧倒的に広げる貴重な機会です。

ぜひ恐れずにできるだけ多くの人と「会話」してください!

最後に、私がサンドイッチ屋さんでしてしまった恥ずかしい失敗を1つ。

「パンはどの種類にしますか?」と聞かれ、「Wheat(全粒粉のパン)」と答えようとして焦って「Whale!(くじら!)」と言ってしまったこと。

それでもカウンターの向こうのおばちゃんは何も言わず、Wheatのサンドイッチを作ってくれました!

【まとめ】セブ島にある有名・評判な語学学校の一覧表

当サイトに不定期で寄稿しているゲストライターさんの記事です。

様々な職業や経験を持ち合わせた方から寄稿頂いているので、ぜひチェックしてみてください。

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