「海外で身に付く力」と 「企業が留学生に期待する力」

留学生活を就活に活かすために、最も重要な事とは?

私は普段、留学エージェントや教育機関に呼ばれ、留学前の方に向けて講演や研修を行います。

テーマは実に様々ですが、特に「留学生活を帰国後の就活に活かしたい人」に対しては、しばしばお伝えしていることがあります。

それは、「留学前に知っておくべき内容を知り、海外で実践に移すことで、より充実した留学生活が送れるようになる」ということです。

留学前に知っておくべき内容とは何だと思いますか?

それは下記の二つです。

●「留学中に身に付く力」について知ること。
●「企業が留学経験者に対してどんな要素を求めているか」を知ること。

留学前にこれらの二つを知ることで、帰国後の就活に留学経験を生かしたい人であれば、海外でどんな力を身に付ければいいのかが必然的に絞れ、かつそのためのプランニングが立案できるからです。

留学すると決めたものの、留学動機がいまいち見えてこないという人も今回のコラムの内容は参考になるはずです。

もちろん留学中に、行き当たりばったりで生活することは可能です。
しかし残念ながら誰でも留学できる期間は限られてますよね。偶然の出来事ばかりに頼っていては、どんな力が身に付けることができるのかは分かりません。

一番確実で効率が良い方法は、行き当たりばったりに任せるのではなく、ある程度自分が求める力を身に付けるように自分自身に対して仕向けることが大切なのです。

それがプランニングの存在です。

留学前に、ある程度「こんな力を身に付けよう!」と考えプランニングにし、意識して留学することで、その力は「意識しないで留学するよりも」より早く身に付くし、それらの力が「より顕著に身に付ける」ことが可能なことは経験則で断言ができます。

約束します。

それでは早速、上記の二つの内容を解説していきましょう。

留学中に身に付く力とは?

まずは、「留学中に身に付く力」についてです。

ここは実際に私が関わった委員会の調査報告書のデータより解説していきましょう。
平成25年に海外経験者(1,583名)にとったアンケート結果です。回答者の7割以上が「習得できた」と自覚している能力・資質は下記の通りです。

「海外で身に付く力」と 「企業が留学生に期待する力」
出典:「海外就業体験が若年者の職業能力開発・キャリア形成に及ぼす影響に関する調査研究」(平成25年度厚生労働省委託 JAOS海外留学協議会調べ)

1位 国際感覚異文化適応能力
2位 幅広い視野
3位 コミュニケーション能力
4位 主体性・積極性
5位 外国語能力
6位 忍耐力・我慢強さ

いかがでしょうか?留学する方に留学中に身に付く力を聞くと、大概、外国語能力と答える人が大半なのではないでしょうか?

ところがこのアンケート結果では、第5番目です。それ以上に、国際感覚異文化適応能力、幅広い視野、コミュニケーション能力、主体性・積極性が上位に来ていることは注目すべき点かもしれません。

このように海外留学では、単に外国語能力以上に、ヒューマンスキル(人間力)が圧倒的に身に付くという事実を押さえておいてください。

企業が留学生に求めている人物像

次に、企業がどんな人物を求めているのか、を知ることでしたね。

企業に行ったアンケートに基づいて、実際に企業が留学経験者に対してどんな能力を期待しているのか、求めているかを見ていきます。まずは、下記の表をご覧ください。

これは中小企業約1,000社に、海外体験のある若者に企業が期待する能力・資質に関してアンケートをとった結果です。これらを順に見ていきましょう。

「海外で身に付く力」と 「企業が留学生に期待する力」
「海外で身に付く力」と 「企業が留学生に期待する力」
出典:「海外体験を有する若者の採用・活用に関する調査報告書」(平成25年度厚生労働省委託 JAOS海外留学協議会調べ)

上記の結果を見るかぎりでは、外国語能力は第3位です。外国語力以上に、主体性・積極性やコミュニケーション力が求められていますね。

つまり、留学動機を語学力の上達だけに置いている人も多いのですが、それだけではせっかくのコストと時間をかける留学ですから勿体ないことになります。

上記の表をご覧いただくとお分かりのように、企業は必ずしも留学したからといって語学力ばかりを求めているのではなく、海外ではむしろ自分から動ける主体性や積極性や、コミュニケーション力を磨いてきた人のほうが魅力的に考えていることが伺えます。

ここで断っておきたいのですが、もちろん、企業によって求める力は異なりますので、これらはすべての企業が共通しているのではなく、一般的な傾向としてご理解くださいね。

企業にアピールするポイントとは?

さて、これまでの内容を見ると「海外体験者に対して求める能力」と「海外生活で身につく能力」に共通項が見えてきませんか? 

これこそが、海外留学生ならではの就活で企業にアピールするポイントになります。共通した能力は、下記の4つです。

・「コミュニケーション能力」
・「主体性・積極性」
・「外国語能力」
・「忍耐力・我慢強さ」

これらを見ると、どれも仕事に直結する能力と言えますね。これらの4つの力は「言葉、文化、生活習慣の異なる海外で、リスクを取って、自らの意思で海外留学に挑戦してきた者こそ身に付くであろう」と企業は期待しているのです。

繰り返しますが、大切なことは、留学する前から、海外ではこのような能力が身に付くということをしっかり認識することです。

そして、これらの力をよりスピーディーに、かつ顕著に身に付けて帰国するために、留学中に何をすればいいのかをしっかり知っておくことです。

今回のコラムの内容からあなたの留学中にプランニングに一助にしてもらえると嬉しいです。

次回のコラムは、『意外と知られていない留学生に対する企業の視点とは?』についてご紹介します。お楽しみに!

海外留学キャリアコンサルタント
本橋幸夫

12回に渡る本橋氏のコラムまとめ

第一回:帰国後の就活でうまくいった海外留学生の知られざる共通点
第二回:企業が海外留学生に何を期待しているか
第三回:海外留学生に対する企業の3つの視点、企業からのイメージ
第四回:社会人の適切な留学期間は存在するのか?
第五回:計画倒れにならない留学プランニング3つのコツ
第六回:フィリピン留学が欧米留学に勝てるポイント!
第七回:現地インターンシップやボランティアで心がけるべき鉄則!
第八回:国内328社に聞く「現地でこんなことを体験してきた人を採用したい」
第九回:海外留学後に就職が決まらない人達の4つの共通点
第十回:帰国後の就活で「こんなはずじゃなかった!」にならないために
第十一回:『隠れた求人の探し方と裏ワザ』
最終回:留学帰国者で就活が上手くいく人、いかない人

【まとめ】セブ島にある有名・評判な語学学校の一覧表

海外留学キャリアコンサルタント

有限会社あうとりがー代表取締役
●米国 CCE,Inc. 認定 GCDF-Japan キャリアカウンセラー
●国家資格 2級 キャリア・コンサルティング技能士
●総合旅行業務取扱管理者

大学卒業後、ファイナンス会社入社。その後渡米し、帰国後、スイスに本部を持つ、世界最大級の国際教育機関の日本支社に11年間勤務。2003年に独立し、留学コンサルティング会社、有限会社あうとりがーを設立。現在、留学およびキャリアの両面から留学生を支援している。国内初の留学・キャリアコンサルタントとして活動中。

これまで 留学生支援を開始以来、23年間で、のべ10,000 名を超える留学生に接し、留学希望者や留学生帰国者対象に留学・キャリア講演をはじめ、キャリア・コンサルティング・就職支援を行なう。

著書
留学キャリア・コンサルタントが教える留学帰国者の就活』(本の泉社)
海外で英語をモノにする人、できない人』電子書籍(マイナビ)
語学留学指南』(ナカニシヤ出版)
『語学留学を10倍成功させる秘訣』(小冊子)
HP:http://ryugaku-career.com/

コメント

この記事、あなたはどう思いましたか?ぜひご感想をください。