社会人の適切な留学期間は存在するのか?上手くいく人の共通点。

留学期間は長いほど良い!?

一般的に留学期間を考えた時、長ければ長いほど良いと考える方が多いようです。
かりに語学力の上達を例にとれば、その理由の一つは、やはり期間が長ければそれだけ語学力をアップさせる環境にどっぷり漬かれると考えるからでしょう。

もちろん、それは一理あると思います。ただその一方で、留学期間が長い人であっても一向に語学力が上達しない人もいることも事実としてありますね。

私がこれまで数多くの留学生と接していて思うことがあります。それは、留学期間よりももっと大事なことがあるということなのです。それは短期留学でも、中期留学でも、長期留学であっても、最も大切なことは「その留学期間にその方がどんな姿勢で日々生活し、何をしてきたのか」という留学の中味なのです。

以前私がサポートした社会人の方の話です。
その方は普段仕事が忙しくやっとの思いで1週間休暇が取れ留学したのですが、帰国後に「その後の私の人生観が変わるような体験ができました!」と目を輝かせて報告をしてくれました。

日本を離れてみて、異文化の中これまでに出会ったことのない国の人達との交流や、日本にはない環境、習慣、価値観に触れ、視野が広がり、その結果、帰国後には何事にも好奇心を持って物事に接するようになり「これまでの同じ景色が全く違って見えるようになった。」と話してくれたのです。

3か月、半年、1年の留学ではなく、たった1週間の留学です。

その一方で、1年間の留学をしながら、帰国後に自分の留学の成果が感じられず、落ち込んでいる人もいるのです。
これらの例でも分かるように、充実した留学生活を送るには留学期間が必ずしも原因でないことが言えますよね。逆にいうと、人によってまちまちだと言えます。

上記の例から想像できるように、留学期間が短ければ、その期間を一日も無駄にしたくないと綿密に計画を立てて行動する傾向がある一方、留学期間が長いと、まだ時間はたっぷりあるとばかり、のんびり構えてしまい、身が入らない人もいるのかもしれません。

つまり、適切な留学期間というのがあるのではなく、期間に関わらず、留学中にどんな行動をしてきたかによって留学の充実度が決まる。

もっと突き詰めて言うならば、その行動を起こすための「留学中のプランニングの有無が留学の充実度を大きく左右する」といえるのでしょう。なお、留学中の効果的なプランニングの立案の仕方は次回に譲りたいと思います。

英語を流暢にする最適な留学期間はあるか?

これに似た質問にこんなものもあります。

「語学学校にはどれくらい通うと流暢に話せるようになりますか?」

これは実に多くの方が関心を持つ質問だと思います。気持ちはよく分かります。

そのような基準があれば期間を決め易いですからね。しかし、わたしはこの種の質問が寄せられた際には、次のように伝えるようにしています。

それは、

「一定期間、海外生活さえすれば、自動的にその国の言語を誰でも流暢に話せるようになるということはない」と。

その証拠に、何年間も海外生活をしようが、一向にその国の言語を話せるようにならない人は大勢いるのです。

留学する本人が積極的に話せるようになろうと自分から能動的な行動を起こさないかぎり、語学力の上達は決して望めるものではありません。海外生活を何年したところで、その姿勢がないかぎり、残念ながら、日本国内にいるのと同じ状況なのです。

にも関わらず、語学を習得するためには留学期間が長いほど良いと考え、語学学校に1年も2年も通うことを検討している人がいるのが実情です。

しかし、正直に言うならば、語学を学ぶ目的のみで考えた場合であれば、語学学校へ通うのは、長くても1年で十分です。それ以上通ってしまうと惰性になってしまう可能性があります。

語学力上達は自動車教習所に似ている

私はよく語学学校での語学力上達を、自動車教習所に例えて説明することがあります。

自動車教習所に通う目的は、ズバリ、免許の取得ですよね。免許を取得するための最低限度の運転に関する必要な知識、技術を学びます。

実際にドライビングテクニックを磨くためには自動車教習所ではなく、免許を取得した後に、路上へ出てから磨かれませんか?

そうです。実際の路上で試行錯誤を繰り返し運転経験を積んでいくことで、ドライビングテクニックが磨かれます。それを一緒だと考えています。

つまり、自動車教習所は語学学校と同じ。実践的な英語の習得は、語学学校を離れた後に日常生活で磨かれるということです。

語学を上達させるための一番の勝負は学校を離れた後です。

もちろん、基本的な英語を学ぶためには、しっかりした環境や教授法を持つ語学学校で学ぶことに越したことはないことは付け加えておきたいと思います。

そして、ここで私が提案していることは、ある程度、学校で英語を学んだら、「英語を」学ぶことから、「英語で」何かを学ぶ、チャレンジしてみることへシフトすることなのです。

そうすることでさらに語学力が磨かれていきます。

「英語で何かを学ぶ」、「チャレンジする」ということは、たとえば、興味のある専門分野を現地の専門学校や大学で学んだり、現地の企業でインターンシップをしたり、ボランティアに参加するもの良いでしょう。

そうすることで、実践的な語学習得の一番の近道になりますし、かつ帰国後に「留学中に身につけたのは英語だけではない!」というアピールを就活の面接時に伝えることが出来ます。

いかがでしょうか?今回の内容から、留学期間よりももっと大切なことを掴んでもらえれば嬉しく思います。

次回は、『計画倒れにならない留学プランニング立案のコツ』について述べたいと思います。

お楽しみに!

海外留学キャリアコンサルタント
本橋幸夫

12回に渡る本橋氏のコラムまとめ

第一回:帰国後の就活でうまくいった海外留学生の知られざる共通点
第二回:企業が海外留学生に何を期待しているか
第三回:海外留学生に対する企業の3つの視点、企業からのイメージ
第四回:社会人の適切な留学期間は存在するのか?
第五回:計画倒れにならない留学プランニング3つのコツ
第六回:フィリピン留学が欧米留学に勝てるポイント!
第七回:現地インターンシップやボランティアで心がけるべき鉄則!
第八回:国内328社に聞く「現地でこんなことを体験してきた人を採用したい」
第九回:海外留学後に就職が決まらない人達の4つの共通点
第十回:帰国後の就活で「こんなはずじゃなかった!」にならないために
第十一回:『隠れた求人の探し方と裏ワザ』
最終回:留学帰国者で就活が上手くいく人、いかない人

【まとめ】セブ島にある有名・評判な語学学校の一覧表

海外留学キャリアコンサルタント

有限会社あうとりがー代表取締役
●米国 CCE,Inc. 認定 GCDF-Japan キャリアカウンセラー
●国家資格 2級 キャリア・コンサルティング技能士
●総合旅行業務取扱管理者

大学卒業後、ファイナンス会社入社。その後渡米し、帰国後、スイスに本部を持つ、世界最大級の国際教育機関の日本支社に11年間勤務。2003年に独立し、留学コンサルティング会社、有限会社あうとりがーを設立。現在、留学およびキャリアの両面から留学生を支援している。国内初の留学・キャリアコンサルタントとして活動中。

これまで 留学生支援を開始以来、23年間で、のべ10,000 名を超える留学生に接し、留学希望者や留学生帰国者対象に留学・キャリア講演をはじめ、キャリア・コンサルティング・就職支援を行なう。

著書
留学キャリア・コンサルタントが教える留学帰国者の就活』(本の泉社)
海外で英語をモノにする人、できない人』電子書籍(マイナビ)
語学留学指南』(ナカニシヤ出版)
『語学留学を10倍成功させる秘訣』(小冊子)
HP:http://ryugaku-career.com/

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