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2012年のセブ島の地震体験談

こんにちは、nobuと申します。現在60歳です。
2011年12月フィリピン・マニラに1ヶ月、そして翌年2012年2月にフィリピン・セブに1ヶ月、合計2ヶ月滞在していました。

目的は二つの英会話スクールで英会話の勉強をすることでした。まだビギナーから英会話を初めて1年経っていない状況でしたので、カタコト英語しか話せなくて、初めてのフィリピンは結構神経を使う毎日の連続でした。

今のような本格的なフィリピンへの英会話留学ブームがまだ始まる前でしたので、セブ島には当時東京からの直通便しかなく、私のように関西以西に住んでいるものには関西国際空港・マニラ経由国内便でしかセブ島に入るルートはありませんでした。(2016年現在、すでに関空からセブ直通便が就航しています)

セブ島ではその英会話スクールは割と大きな規模でしたので、韓国人学生が主として300名強、その中に私も含めて20名程度の日本人が混じって、同じ寄宿舎で食事や宿泊を共にしながら、英会話習得に励んでいました。

その寄宿舎は6階建てのコンクリートビルディングで私は当時6階の1部屋を単独で利用していました。後で聞きましたが、その建物は新築物件でなく、築20年以上経過した中古物件を現在の英会話学校を経営するオーナーが購入したものでした。(←これが後に色々な不安感につながってきます)

またスクールは、この寄宿舎の隣にあったフィリピンの医学系大学の校舎の空いている、3階部分を間借りして運営されていました。とにかく若い学生に囲まれて賑やかな雰囲気のスクールでした。

地震当日

私はその週の月曜日からスクール生活がスタートでしたので、前週土曜日にセブ島入りして、日曜日をゆっくり寄宿舎で過ごしていました。そしてまさに私のスクール初日、あれがいきなり襲ってきたのです。

月曜日午前中はオリエンテーションの後、TOEICのようなレベルチェックテストを受けました。お昼12時終了予定。
そして最初の大きな地震が来たのがまさにそのテストの終了間際、最初小さな振動から始まり、段々と大きな振幅になって建物全体を上下からユッサユッサ揺り動かすような振動が襲いました。

スクール全体に悲鳴が上がりました。なぜなら、一般的にフィリピンでは,特にセブ島周辺では地震はほとんど起きないとフィリピン人には認識されていたからからです。いはばフィリピン人には地震の免疫がありません。

同様なことは韓国人にも言えて、韓国もほぼ地震と無関係の国だそうです。したがって彼ら学生にも地震に対する免疫がないのでこれは初めての体験、しかも日本で言えば震度4クラスの揺れでしたから、パニックになるのも無理はありません。

後で情報を得ると、この地震の震源地は同じビサヤ地方のネグロス島を震源として震度は5強でした。甚大ではありませんでしたが死傷者も100名以上出ました。

この日の出来事はセブ島に住むたくさんのフィリピン人にも恐怖だったようです。後で現地テレビを見たら大きいスーパーの入り口でパニックになりあちこち逃げ惑うフィリピン人の姿が放送されていました。

しかしどうもパニックの原因は地震だけでなくて、デマに依るものもあったようです。デマというのは「セブに津波が襲ってくる」というもの。

この背景には「TSUNAMI」として既に国際的に認識されている、2011年3月に日本で発生した東日本大震災があります。多くのフィリピン人はこの時の津波のイメージが重なって、今回のフィリピンの地震で津波がセブ市を襲うと思い込み、恐怖が恐怖を呼びパニックになったのです。

しかしこれは所詮デマでしかありませんでした。なぜなら、セブ島の位置をフィリピンの地図で確認してもらうとよくわかりますが、セブ島は太平洋に面して東側を大きなレイテ島とホホール島ですっぽり囲まれ、西側はこれまた今回の震源地となった大きなネグロス島で囲まれていますので、セブ島が地震の震源地にでもならない限り、そもそも人や建物に甚大な被害を与えるような津波など起きる形状にはなっていないのです。

にもかかわらず、デマがこれだけ広がってしまったわけです。

最初の地震はそれで終了したので、なんとか全員平静に戻ってそのスクールでの生活が始まりました。私も人間は臆病ですからこの手の体験はもうしたくはないなと思いました。

なぜなら日本の建物の中で同じレベルの地震の体験なら日本の建物に信頼性があるので揺れだけ我慢すればいいのですが、どうしてもフィリピンの建物には当時信頼感を持っていませんでしたので、もう同じことは起きないで欲しいとその日は願ったものでした。

しかし2回目の揺れがまた来ました。今後は同じ週の水曜日、夜8時過ぎの出来事。今度の揺れも相当ありました。特に6階部分は震幅も大きく感じたのか、さすがに私も最初は部屋にいましたがたまらず、廊下を駆け下りて1階に逃げました。

すでに多くの学生が各部屋から飛び出していて、寄宿舎に面する道路は着の身着のままの学生で溢れかえっていました。約2~3時間、スクールのスタッフから戸外で待機するよう命ぜられました。余震が怖かったからです。

全員が不安そうな顔つきになっていました。幸いにもその日はそれ以降の揺れもなかったので、全員各部屋に戻りましたが既に韓国人学生の間に動揺が広がっていました。

翌日、朝から変な動きが始まっていました。どうも学生達がスクールの勉強を中止して帰国し始めたようです。精神的に耐えられない学生たちが決断をしたようでした。次々とタクシーが学校に呼ばれ大きな荷物と共に帰国する学生を運んでいきました。さらにこの傾向に拍車をかける揺れが来ました。

その日、木曜日の朝1時限目、また震度2クラスの体が揺れを感じる地震があり、同日深夜2時過ぎにまた余震が発生。
もうこうなると学生のパニックはピークに達し、金曜日、その週末には韓国人学生の8割以上が帰国してしまって残りは2割程度の韓国人と日本人だけが残る状態になっていました。

私も本音は帰国したい気持ちにもなっていましたが、日本人は地震に強いというフィリピン人の一般的な共通認識もありましたし、同じような行動したら格好悪いし、払い込んだお金ももったいなかったので、他の日本人同様平静を装って行動していました。ただ本当の事書けば、気持ちはビクビクしていて夜寝る時もいつも靴はいて、いつでも逃げられるようにしてベッドに横になっていました。

ただ我慢したかいがあって、翌週からは学生がいなくなってスクールがガラガラになり、グループレッスンでも生徒が数名、従ってアメリカ人やイギリス人の講師もひとり占めできる贅沢なレッスンを残り3週間受けることができたのです。怪我の功名でした。

フィリピンの地震情報について

ここからは現地フィリピン・セブのこの体験の後に得た地震情報も加えて、これからセブ島に観光や英会話の勉強に来られる人に向けて、地震が起こっても安心して滞在していただける情報を提供したいと思います。

たしかに、最初の1週間で体験した4度の地震で私を一番不安にさせたものは建物の地震に対する耐久性でした。それにこの寄宿舎そのものが築後20年以上経った中古物件というのも気になっていました。それに周りにいた同スクールの日本人生徒がささやく建物に対する不確定な情報が私をより不安にさせたのも事実です。

しかし実際の現地に住んでいる日本人の建築関係者によると、フィリピンにも日本の建築基準法のような基準があり、それによってこの手の3階建て以上のコンクリート製ビルディングは設計されているので、震度6クラス以上の地震でも起こらない限り、建物の崩壊など起こらないそうです。もちろん一般的な2階建の木造建築などはこの限りでもないですが、これは日本でも同様です。

そして私の心配をよそに、私の住んでいた寄宿舎も一切ダメージを受けた感じはありませんでした。揺れを感じるのは逆に地震に対してしっかり建物が弾力的に揺れてダメージを解放するからで、これが揺れないと逆にショックをまともに吸収して一挙に建物が崩壊してしまいます。そういう意味では私の不安は取り越し苦労でした。

さらに地震を確率の問題から捉える必要があります。専門家によると、フィリピンのM5クラス以上の地震が観測される確率は0.57回/年、ほぼ2年に1回だそうです。一方日本の場合は1.14回/年ですからフィリピンの倍以上ありますが、データ的にはフィリピンでも決して地震は少なくはありません。

それでも現地・セブ在住のフィリピン人に聞いたら、高齢の方でもほとんど地震を経験したことがないという人が大半でした。スクールでレッスンしてくれる講師に聞いてもほとんど同じ答が返ってきました。それだけに私の体験した最初のセブの1週間がいかに異常な状態だったかご想像いただけると思います。

なぜセブのフィリピン人がこのように感じているかというと、データが示すにはフィリピンで起きる地震のほとんどがフィリピンの最南端部ミンダナオ島の南の太平洋沖で発生する地震群だからです。

それがフィリピンのど真ん中、ビサヤ地方のさらに真ん中に位置するセブ島では、距離的にもかなり遠いので体に感じるような地震として体験できないのが理由だと思われます。

まして、セブ島を訪れる多くの日本人は観光目的でセブ・マクタン空港に隣接する近代的なホテルで宿泊するか、英会話の勉強に来ても、私の経験したようなスクールの所有する頑丈な建物に住むか、あるいは最近は日本人生徒もホテル住まいをしながら勉強するようなので、粗末な作りの建物に居住して大きな地震に合うことなど極めてレアなケースだと考えます。そういう意味ではあまりフィリピンでの地震について心配されるような必要はないのではないかというのが私の意見です。

ただ日本と比べても、フィリピン人は依然として地震のようなタイプの天災にはウブですので、発生すればパニックになりやすい体質は変わっていませんし、日本ほど情報網が発達していません。

それだけに渡比の前には十分現地情報は仕入れて来られることをオススメしますし、それでもホテル等にいる限りは仮に地震が発生してもそれほど慌てる必要もないことを書き添えます。

nobu

フィリピンネグロス沖地震(ウィキ)
ボホール島を震源地とした地震(ウィキ、英語版)

↓当サイト内の2013年ボホール島で起きた地震に関する記事↓
2013年、ボホール島を震源地とした地震時の影響と様子
地震後、市内を少し見周りました。

【まとめ】セブ島にある有名・評判な語学学校の一覧表

当サイトに不定期で寄稿しているゲストライターさんの記事です。

様々な職業や経験を持ち合わせた方から寄稿頂いているので、ぜひチェックしてみてください。

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