留学ソムリエ 大川

外資系企業やグローバル企業で働くことに関心がある方のヒントとなるような「世界でトップセールスになるための7つのアプローチ」、初回は『英語でのプレゼンテーション力』です。

Appleのiphone発表会やTEDで見られるような人を惹きつけるプレゼンにどうやったら近づけるか。筆者もまだまだTED登壇者たちには遠く及びませんが、前回記事でお伝えしましたように、日本の企業から外資系企業に移り、苦労しながら戦ってきました。

このシリーズでは、ビジネス英語のハウツーではなく、社会人の方でも参考になるような実践的な局面でのエッセンスをお伝えします。

世界でトップセールスになるための7つのアプローチ その1

『ビジネスチャンスをつかむ 英語でのプレゼンテーション力』前編

グローバル企業で出世できるかどうかは、プレゼン力によって決まると言っても過言ではありません。
日本企業ではよく『報・連・相』というのが社内コミュニケーションで重視されますが、外資系企業ではこれに加えてプレゼンの要素が必要不可欠です。仕事上、常に発信する能力が求められるのです。

筆者自身も社内及び社外で様々な場面でそういった機会があり、どうすれば効果的に相手に伝えることができるか考え抜いてきました。大勢の前でという場面では、海外の大学で数百名の学生を前にプレゼンする機会がありました。

アメリカの教育団体に所属していた当時は日本及び海外の大学の新規開拓を担当していたのですが、日本へ学生を誘致するミッションを与えられました。そこで海外の大学にアポイントを取って訪問、キーパーソンに交渉(プレゼン)し、説明会の実施に至ります。

英語プレゼン例

今回は具体事例として、その際、筆者が行った次の2つのケースでの英語プレゼンについて見ていきましょう。

ケース1 アメリカの大学生500名へのプレゼンテーション
ケース2 アメリカの学部長1名へのプレゼンテーション

ケース1 大人数を前にしたプレゼンテーション

大きなホールに満員の観衆!アメリカの州立大学で500名の学生に向けた60分間の説明会、日本での企業研修についてのプレゼンを任されたのです。

ここで質問ですが、そんな中でのプレゼンではどのようなことに気をつけるべきでしょうか?

(ア)  パワーポントを駆使して観衆を惹きつける
(イ)  第1印象が大切 特にファッションに気を使う
(ウ)  とにかく練習あるのみ 英語のトークを繰り返し
(エ)  特別なことはしない まずはリラックス
(オ)  フライヤーや資料の準備を完璧に行う

いかがでしょう?
実は、どれも間違ってはいないのですが、強いて正解を言えば(ウ)です。非常にアナログなようですが、大勢の観衆の前でのプレゼンでは誰でも緊張するもの。

頭が真っ白になって普段の力の50%しか出せないことも多いです。それを克服し、観衆をプレゼンに引き込むためには、シンプルで考え抜いた構成でトーク内容をひたすら練習することが最も有効です。特に開始5分間が最も大切、詳細の内容を説明するだけでは、学生も興味を失ってしまいます。

順を追ってみていきましょう。

大まかなプレゼンテーションの流れ

① イントロダクション(自己紹介)
最初の挨拶が大切なのは、万国共通。しっかりと笑顔で自分が何者なのか話しましょう。紹介を受けたら”Thank you (名前).” も忘れずに。
(例)My name is “Sho Okawa”. Today, I’d like to talk about “title”.
自己紹介の後は学生を惹きつけるようなオープニングトークを考えてみましょう。

② オープニングトーク(つかみ)
今回のテーマであれば、質問から入るのも「手」です。
(例) What comes to mind when you hear “Japan”?
あなたは「日本」に対してどういうイメージがありますか?

前方に座っている3名〜5名の学生を当てて答えてもらいます。すると、「フジサン」「ニンジャ」「ポケモン」などの回答が出てくるかもしれません。いわゆる『アイスブレイク』的な要素を入れてウォーミングアップをしてから本題に入ると注目度が一気に増します。できる限り、身近な話題であまり硬くならないトピックから入るのがオススメです。

③ ボディ(本題)
オープニングトークが終わったら、いよいよ本題に入ります。欧米では必ず要点を先に、説明をその後にします。また日本語と英語のプレゼンの違いの一つとして、英語はビジネス的にある程度決まった言い回しがあります。
(例)
I’ll explain~:~について説明いたします。
I’d like to introduce~:〜を紹介いたします。
~is as follows.:~は以下の通りです。
As you know, :ご存知のように
This shows ~:これは〜を表しています。
As I mentioned before, :前述しましたように

構成を考える上で、オープニングと締めの箇所は特に重要なので、よりメッセージ性のある構成を考えましょう。

有名なスティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での卒業式スピーチはたいへん勉強になります。もうご存知の方も多いと思いますが、ご参考までに紹介します。

I am honored to be with you today at your commencement from one of the finest universities in the world. I never graduated from college. Truth be told, this is the closest I’ve ever gotten to a college graduation. Today I want to tell you three stories from my life. That’s it. No big deal. Just three stories.
The first story is about connecting the dots.(以後略)
http://www.nikkei.com/article/DGXZZO35455660Y1A001C1000000/
(出典:日本経済新聞 電子版(2011-10-09掲載))

原文を読んでいただければ分かるのですが、非常に分かりやすい単語や表現を使用しています。(太字部分は特によく使います)
このスピーチ以外にも有名なオバマ大統領の就任演説など、自分が好きなもので結構ですので、何回も聞いて覚えてしまうと、オープニングや構成、締めなど自分のものとして応用しやすくなります。

④ クロージング(結論)
セールスのプロセスでは、『クロージング』が最も大切です。今回のミッションは日本での企業研修に優秀な学生を応募してもらうというものですので、説明会後の「Call To Action」(行動喚起)を明確にしておくことを忘れずに!
例:ウェブサイトのURL案内やアンケートの配布・回収など

成功のヒント

●パワーポント、キーノートなどのツールに関しては、今回細かい作成手順は割愛しますが、なるべくシンプルに纏めるのが主流です。(TEDをご覧いただくとお分かりのとおりです)とは言っても、今回のテーマやターゲットの場合は、文章少なめにして魅力的な写真や動画(今回の場合は過去の参加者が実際に日本で働いている様子など)を使うと、英語力をカバーすることができます。特にオープニングの写真はインパクト大!

●細かい情報はhandout(配布資料)に記載します。今回だとitinerary(旅程表)やプログラム情報などです。

●日本のプレゼンでは、あまり観衆と目線を合わせ過ぎるのは好まれませんが、欧米では何名か熱心に聞いてくれている人とアイコンタクトすることも有効です。筆者の場合は5名くらいモチベーションの高そうな人を見つけて話しかける感じで行っていました。

●海外では、とにかく自信と熱意を持って話すことが大切です。→身振り手振りも入れながら熱く!話しましょう。

プレゼンが成功したかどうかの目安として、説明会後にプレゼンターのところに質問に来る学生が何名くらいいるかで計ることができます。10名以上なら大成功です!この際は幸いにも10名以上の学生が質問に来てくれました。

観衆が大人数の場合のプレゼンを上達させるコツは、とにかく「慣れること!」です。エキサイティングにその場を楽しむという気概で望むと良いでしょう。

同じプレゼンテーションでも、説明会のような相手が大人数の場合と、商談や交渉のような少人数の場合では、全く違ったアプローチが必要となります。

次回、ケース2「キーパーソン1名へのプレゼンテーション」もお楽しみに。

留学ソムリエ 大川彰一
 

【まとめ】セブ島にある有名・評判な語学学校の一覧表

留学ソムリエ代表
国際教育コンサルタント

1970年京都市生まれ。大学卒業後、関西の小売業でセールスやマーケティングに約10年間携わり、その後研修のためカナダに渡航。

帰国後は、大手留学エージェントのチーフカウンセラーとして1,000名以上の留学に関わり、在籍中の4年間はトップセールス。紹介した主な国はアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど。

その後、米国の教育団体にて約6年間、日本や東南アジアの教育機関および企業との連携によりグローバル人材育成に尽力。また高校交換留学や東北復興プロジェクト、アジアの国際協力プログラム開発にも関わる。全国の大学や高校、留学イベントでの講演実績は多数。
HP: http://www.ryugakusommelier.com
Facebook:https://www.facebook.com/ryugakusommelier

最近のメディア寄稿記事
<東洋経済オンライン>
「新定番のフィリピン留学は、ココを見誤るな」
<COURRiER Japon>
「留学ソムリエが見た成功する留学・失敗する留学」

コメント

この記事、あなたはどう思いましたか?ぜひご感想をください。