微笑みの国タイ

外資系企業やグローバル企業で成功するためのエッセンス「世界でトップセールスになるための7つのアプローチ」、第3弾は『海外での新規ビジネス開拓』です。(前回の記事はこちら:『ビジネスチャンスをつかむ 英語でのプレゼンテーション力』

当時は日本の大学との新規プロジェクトで、東南アジアのタイでの実習プログラムを作ることになり、現地オフィスの立ち上げやスタッフの雇用、学生受け入れ機関の開拓などを行うことになったのですが…。

「日本に帰りたい…」

扇風機が壊れているためうだるように暑いチェンマイ旧市街のゲストハウスの中で、じっと天井を見上げる自分がいました。あまりに疲れて晩ご飯を食べに行く気力もありません。「明日のスケジュールは…」と思ったところで、記憶がなくなりました。

時間をその日の朝にさかのぼります。

運転初日に事故に遭遇

成田空港から韓国インチョン経由でチェンマイに行く便に乗り、意気揚々と出発しました。海外出張では良くあることですが、飛行機の機材トラブルのため、経由地の韓国で大幅に遅れ、早朝にチェンマイに到着。

微笑みの国タイでまさかの引きこもり? 出張先のチェンマイで途方にくれた話 ①

その後、眠気と戦いながらレンタカーを借りて目的地に向かいました。しかし、ここからが大変でした。

まず出会ったのは日本ではありえない程の交通渋滞、車だけでなくソンテオ(乗り合いバス)、トゥクトゥク、バイクが入れ替わり立ち替り行き来し、割り込みは当たり前の運転と、一方通行が多いその土地の道路事情にすっかり混乱してしまい、有名な旧市街ターペー門の近くでは、何度かヒヤリとする場面がありました。

当日のアポ先は車で2時間ほどの郊外、交通渋滞も落ち着いてなんとか運転も慣れてきた頃に、目の前で車とバイクの多重事故が発生。運転初日だったということもあり、かなりショックを受けてしまいました。

目的地はカーナビにも載っていないため、道行く人に聞きながらなんとか目的地にたどり着いたのは、待ち合わせ時間から2時間が経過した頃です。その後はなんとか宿泊先まで帰り、先ほどの場面に戻ります。

そして、次の日も

翌日は事前にリサーチしていた受け入れ先候補3件のアポイントメントがあり、恐る恐る運転して向かいました。
だんだん運転や現地の道路標識にも慣れてきて、100KM以上離れたアポ先にも時間通りにたどり着けました。しかし、ようやく着いたアポ先では担当者が不在。「嘘やろ…」

もちろん事前確認として、昨日も電話で話していたにもかかわらずです。何回か電話してようやく繋がり事情を話すと、「今から向かいますね〜」と明るく言われる始末。

そうして2日目が終了しました。

「北方のバラ」チェンマイの魅力

3日目は土曜日でアポがなかったため、気分転換に街を散策することにしました。

微笑みの国タイでまさかの引きこもり? 出張先のチェンマイで途方にくれた話 ①

昨日までの出来事が嘘のように穏やかな旧市街の伝統的な街並み。ランナー王朝時代の寺院「ワット・チェディルアン」「ワット・プラシン」などを訪れたり、昔ながらの食堂でチェンマイ名物のカレーヌードル「カウソーイ」などを食べたりしながら徐々に落ち着いてきたのを実感します。昨日までは気づかなかった「北方のバラ」チェンマイの魅力にようやく気づくことができました。

ソンテオに乗ってお洒落なカフェや雑貨屋さんが多いニマンヘミン通りに移動、スターバックスで甘いアイスコーヒーを飲みながら自己分析してみました。

海外出張にも慣れて、タフだと思っていた自分がここまで落ち込むことになったワケは、一言で言うと「タイ仕様」になっていなかったためと思われます。

外資系企業で働くようになって4年目となり、かなり仕事も慣れてきた頃だったのですが、海外慣れしていると思っていた自分は単に欧米の習慣に慣れているだけで、東南アジアの文化には適合していなかったと気づきました。特に次の要素が足りなかったようです。

・現地の交通事情の把握
・スケジュール管理
・体調管理
・タイの文化、特にビジネス上でのコミュニケーションの把握

タイ最初の出張にして東南アジアの洗礼を浴びることになったのですが、今となっては理解するきっかけとなったので良かったと考えています。

微笑みの国タイでまさかの引きこもり? 出張先のチェンマイで途方にくれた話 ①

出張3日目を境にだんだんタイが大好きになり、現地に友人もできて今では年に5回以上訪れるほどに。

私のようにならないために、東南アジア(特にタイ)出張において大切なポイントをまとめてみましょう。

途方にくれないための方策

その1「郷に入れば郷に従え」

どこの国でも言えることですが、その国の文化や風習、国民性を尊重し、適合することで相手の信頼を得る助けになります。タイの場合は、「国王に対する敬愛心」「仏教に対する信仰心」「時間に対する考え方の違い」などの特徴があります。

日本におけるビジネスで遅刻は厳禁です。私もアポイントがある場合は通常は三十分前に現場近くに入るようにしており、時間を計って十分前くらいに建物に入るようにしています。

タイの場合は、時間管理に関してそこまで厳密ではないので、相手が遅れることも想定の範囲としてゆったり構えておくぐらいで丁度いいです。

タイ人がよく使うフレーズで「マイペンライ」という言葉があります。日本語では「大丈夫!」とか「気にしない」などに相当する複数の意味を持っていますが、タイ人の大らかな気質を表していると思います。
私もタイに到着した時から「タイモード」に切り替えるようになりました。

その2「交通を制するものは出張を制する」

現地の交通事情を事前に把握しておくことは、訪問スケジュールを円滑に進めるために必要です。タイのチェンマイの場合は、ソンテオ(乗り合いバス)・トゥクトゥク・タクシーがあり、目的によって交通手段が変わります。

また私のようにレンタカーを借りる場合は、レンタルの小型ナビかスマホでナビゲーションできるようにしておくと便利です。ちなみにバンコク出張の際は、タイ人の友人の勧めに従い運転手付きレンタカーを1日チャーターしていましたが、バンコク名物の交通渋滞も計算して予定を組みました。

その3「やっぱり体調管理が大切」

最近は飛行機も朝に現地に到着するケースも増えてきています。すぐ仕事に移れて便利な反面、睡眠と食事がおろそかになりがちだったりします。

はやる気持ちを抑えて、初日は特に余裕を持って臨みましょう。現地の美味しいものをお腹いっぱい食べて睡眠もしっかり取れていると、多少の困難な状況があっても頑張れるものです。また水分補給(ペットボトル)も忘れずに。

その4「相手にとって心地いいコミュニケーションを」

タイ人の性格の傾向として日本人以上に「シャイ」だったりします。またコミュニケーションも日本人以上に「インダイレクト」なので、ビジネスを進める上で注意が必要です。私も何回か経験したことがあるのですが、商談の際にその場では「マイペンライ」と言っていても、実際は全く大丈夫ではないこともしばしばあります。

本心はどうなのか、見極めるのは難しいので、慎重に事を運ぶことが大切です。その辺りは次回詳しくお話する予定です。

その5「事前準備が命綱」

海外では日本では考えられないような事態が必ず起こります。それを想定して、シッカリした事前準備を行い、調べた内容はスマホと紙ベースの双方にバックアップを取っておくことがポイント。私も実際に何度も助けられたことがあります。

具体的には「地図」「パスポートのコピー」「コンタクト先一覧」「滞在先情報」「各種バウチャー」などです。

また多少のコミュニケーションを現地語で話せると、先方と距離が縮まることがありますので、自己紹介や簡単な挨拶は現地語で話せるように事前に練習しておきましょう。お土産に関しては、ビジネスで初対面の場合は特に必要ないので、大丈夫です。

微笑みの国タイでまさかの引きこもり? 出張先のチェンマイで途方にくれた話 ①
次回は実際にタイでどのように新規ビジネス交渉を進めていったかを具体例を交えてお話させていただきます。

留学ソムリエ 大川彰一
 

【まとめ】セブ島にある有名・評判な語学学校の一覧表

留学ソムリエ代表
国際教育コンサルタント

1970年京都市生まれ。大学卒業後、関西の小売業でセールスやマーケティングに約10年間携わり、その後研修のためカナダに渡航。

帰国後は、大手留学エージェントのチーフカウンセラーとして1,000名以上の留学に関わり、在籍中の4年間はトップセールス。紹介した主な国はアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど。

その後、米国の教育団体にて約6年間、日本や東南アジアの教育機関および企業との連携によりグローバル人材育成に尽力。また高校交換留学や東北復興プロジェクト、アジアの国際協力プログラム開発にも関わる。全国の大学や高校、留学イベントでの講演実績は多数。
HP: http://www.ryugakusommelier.com
Facebook:https://www.facebook.com/ryugakusommelier

最近のメディア寄稿記事
<東洋経済オンライン>
「新定番のフィリピン留学は、ココを見誤るな」
<COURRiER Japon>
「留学ソムリエが見た成功する留学・失敗する留学」

コメント

この記事、あなたはどう思いましたか?ぜひご感想をください。