ヨランダ台風基金10億ペソを浪費?監査委員会が指摘

スーパー台風ヨランダ(国際名:ハイエン)の甚大な被害を受けた多くのタクロバン市民が、数億ペソの復興基金の恩恵を感じていないとすれば、それは様々なプロジェクトで不正行為があったためだと監査委員会が指摘しました。

不正行為の総額は9億756万ペソ(約19億7千万円:記事初回掲載日現在のレート、以下本記事中同じ)に上り、インフラ、水産養殖業、避難用シェルター設置支援等のプロジェクトに支出されるはずであったと、市に対して実施された2015年監査報告書に記載されています。

この監査報告書は、7月27日水曜日に公開されました。

復興基金は、内務自治省、社会福祉開発省、漁業水産資源局から市に提供されたものです。

バランガイ・ホール(町内会の集会所)や小規模体育館の建設又は修繕を行う合計31のインフラ事業が、2016年2月3日現在まだ完了していません。

報告書によれば、ヨランダ災害復興支援計画に基づく総額1億23万ペソ(約2億1800万円)のプロジェクト請負業者には、いまだに政府調達改革法に基づく罰則は適用されていないとのことです。

一方で、4,653万ペソ(約1億100万円)分の追加プロジェクト19件は、契約締結後になって計画の見直しや「建設禁止区域」にあることなど様々な理由で延期されています。

その他に監査委員会は、漁業者に生け簀やバンガス(ミルクフィッシュ)の稚魚を提供することを目的としていた3,255万ペソ(約7,060万円)相当の海洋養殖場復興プロジェクトで、期限の超過やずさんな事前計画があったことを明らかにしました。

1基の価格が16万ペソ(約35万円)の生け簀を150基提供する計画であったところ、95基しか届けられていませんでした。

監査委員会はその理由として、生け簀を受領した漁業者が、バンガスの収穫を1回行うためには生け簀1基あたり21万6,000ペソ(約47万円)の餌代を負担しなければならないため、としています。

さらに、バンガスの稚魚に至っては期限通り届いたものは1匹もおらず、この契約は850万ペソ(約1,850万円)に相当するとのことです。

違反の数々

さらに、市の社会福祉事務所が行う数億ペソ規模の避難用シェルター設置支援プログラムでも、対象者5名に1名はその要件を満たしていなかったことを監査委員会は指摘しました。

報告書では、「2015年、138のバランガイを対象に社会福祉開発省の避難用シェルター設置支援プログラムを実施するため、タクロバン市は総額7億2,826万ペソ(約15億8千万円)を支出した。市の社会福祉開発局は、シェルター設置のために策定されたガイドラインのいくつかに違反していた」とされています。

ガイドライン違反の内容としては、収入が月額15,000ペソ(約3万3千円)以上ある家庭に援助を実施し、受領者宅の実地調査を行っていなかったというものがありました。

また、配布された金額が受領者によって大きく異なっており、台風による被災程度に比例していないことが分かりました。

これらの違反の理由として社会開発福祉局長は、被害評価の過程で受領者側が「正しい情報」を提供しなかったためだ、と監査委員会に述べました。

また、ヨランダ台風による最も壊滅的な被害を受けたタクロバン市は、全住民に受領資格があるとみなされるべきだ、とも述べています。

しかし監査委員会は、援助対象者の選定にあたっては、市が選定基準を厳密に順守すべきであるとしています。

監査委員会によると、基準に違反した基金の支出には差し止め又は却下の通知が行われ、受領資格を満たすことの証明を提出しない限り、すでに受領した援助金全額の返金が求められるということです。

前市長談「市民が必要とするものを提供したまでだ」

7月30日土曜日にアルフレッド・ロムアルデス前市長陣営は、ヨランダ台風復興支援基金の浪費はなかった、との声明を発表しました。

「我々は市民が必要とする支援を行ったまでであり、反論せざるを得ない」
と声明では述べています。(関連記事:タクロバン前市長「ヨランダ基金の浪費はなかった」(英語サイト))

さらに声明では、「市長として、また選挙で選ばれた市政の責任者として、私の第一の職責は私を市長として選出した有権者に対して果たすべきものだ」としています。

Rappler.comでのコメント

4日前
Marietta Akehurst
タクロバン市長が政府からの支援が全然ないってメディアに言っていたのは覚えてる。これもまた一種の政治腐敗でしょ!!

4日前
Jalyd Beo
悪いのは地元政府であって国じゃないよ。

4日前
Alfred Sanchez
タクロバンの市長は政府から何の援助もないって以前かなりうるさく言っていたよね。でも吠えているのが誰だか考えてみろよ。援助の遅れも、おそらく腐敗も、こいつが原因だよ。

4日前
Arnz Basiliote
これを「浪費」と呼ぶのは全く間違ってるよ。基金の金は腐敗した役人のポケットに消えたってのが本当の話だろ!!

5日前
Tony Escano
驚いた! 不正行為だって? 証拠はどこにあるんだ?
法と基本的人権に基づいた手続きがなされるはずだ。見ているがいいさ。

5日前
Franco Daanghari
これに関わった人は絶対に全員無罪だと思うよ。結局この話の裏は、反政府的な嘘を広めることでロハスをつぶしてドゥテルテを一気に大統領に仕立て上げるってことだよ。

5 days ago
Agnus Tique
横領にも死刑を適用するべきだよ。このひどい怠慢を引き起こしたタクロバン市の責任者は一体誰だ? 説明責任を果たすべきじゃないのか? 不正な調達は無効にする法律があるはずじゃないのか? 腐敗した役人を捕まえるためのおとり捜査をやるべきだ。奴らはきっと武器を持っていて麻薬の売人よりタチが悪いに違いない。

3日前
Dante Barona
この報告書をセンセーショナルに取り上げて欲しい。「ヨランダの被害者に何の支援もない」「ヨランダ基金はどこに消えたんだ」と言っている人間はようやく黙るだろう。

メディアや監査委員会はこの件をもっと調査して明らかにしてほしい。

4 days ago
Marita Suguitan
ロハスはヨランダ基金を盗んだって糾弾されていたからね。今でもその金を選挙戦に使ったと信じている人がいるよ。

3日前
Larz B
この人って嵐の最中に奥さんと別荘でカラオケしてた人だっけ? 以前は国に全責任を押し付けてたよね。結局全てはこいつのせいだってことのようだね。

4日前
juan
Rapplerでこの件を徹底的に調査してくれないかな。

3日前
Alain Veloso
監査委員会の報告書を読んだけど、タクロバン市が10億ペソを浪費したなんてどこにも書いてなかったよ。Rapplerさんこの記事の根拠を教えてもらえますか?

翻訳:HansodeBZ
——訳文ここまで——

コメント

この記事は7月29日に投稿されてから実に69コメントが入ったRapplerの記事です。
元々は2013年に起こった世界でも類を見ない巨大な台風、ヨランダがレイテ島に上陸し、多大な被害を出しました。
本来ならば迅速に対応すべきところを、フィリピン政府は支援が遅れ、更に多くの犠牲者・被災者を出したとして、レイテ島を中心に多くの国民から怒りを買った・・・という話があります。当時、環境大臣(のような役目)だったらロハス氏はこれを機に人気を落とし、今回の大統領選で敗戦する主な原因となりました。

しかしながら、今回Rapplerが投げた問題は「実は政府は支援をしていたが、タクロバン市(レイテ島内の一番被害が出た都市)が、受け取ったお金を正しい所に使わなかったのではないか?」という話です。

「ロハス氏は悪くなかったのではないか?」「いや、これはRapplerがミスリードをしている」など色々話が飛び交っています。

私自身も少し興味を持ちタクロバンのレポートを読もうとしたのですが、英語よりもサイト自体が見づらいため読むのを諦めました(苦笑)

もしこの話に興味がある方はぜひ、Rapper本文やレポートなどを読んでみてください。

翻訳元サイト
▶︎http://www.rappler.com/nation/141258-coa-tacloban-misspent-yolanda-funds

【まとめ】セブ島にある有名・評判な語学学校の一覧表

当サイトに不定期で寄稿しているゲストライターさんの記事です。

様々な職業や経験を持ち合わせた方から寄稿頂いているので、ぜひチェックしてみてください。

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