フィリピンで大成功を収めたレアジョブの軌跡

フィリピンで成功した日本企業として、よく真っ先にあげられるのがレアジョブです。レアジョブはオンライン英会話の草分け的存在です。

今でこそスカイプを通して英会話を学ぶという形式は一般化していますが、これをはじめて会社組織として提供したのがレアジョブです。

現在ではオンライン英会話を主とする会社は、日本だけでも150社を超えるといわれています。しかし、講師の数や生徒の数において、レアジョブは他を圧倒しています。

レアジョブはなぜ、オンライン英会話ナンバー1の座を長年にわたって維持できたのでしょうか? フィリピンの情報サイトであるentrepreneur.com.phに掲載された記事を翻訳・加筆しながら、その秘密を探ってみましょう。

最初の難関

レアジョブの代表である加藤智久は、レアジョブをフィリピンに進出させた2007年に、フィリピン人マリー・シェミュエル・ウニダと出会いました。この出会いが、レアジョブに大きな成功をもたらすことになります。

加藤とウニダの二人は互いに協力し合い、わずか9年後には何十億ペソの収益を上げる大企業へとレアジョブを成長させたのです。

彼らにとって最初の難関となったのは、オンライン講師サービスがまっとうなビジネスであることを市場にわかってもらうことでした。

「当時、自宅にいながら学べるオンライン英会話という形式は、従来にはないまったく新しいコンセプトだったため、多くの人が疑わしい目で見ていました」と、レアジョブCEOである加藤は、フォーブス・フィリピン2016年12月号での取材で語りました。

なぜフィリピンでオンライン英会をはじめたのか?

実はレアジョブは当初、中国語をオンラインで学べるというサービスを提供していました。オンライン中国語は当時としては画期的なアイデアでしたが、この事業は失敗に終わりました。

中国語へのニーズが、なかったからです。「中国語じゃなくて英語だったらやるよ」と多くの人にいわれたことを受けて、レアジョブはオンライン英会話へと舵を切ったのです。

しかし問題はコストでした。当時は英会話といえば欧米人から習うことが当たり前でしたが、欧米人の講師だとどうしても人件費が高く、オンライン英会話の強みである低コストを実現することができません。

そこで加藤らは市場調査を繰り返し、フィリピンに白羽の矢をたてました。フィリピンこそがオンライン英会話にもっとも適していると判断したためです。

その理由として、フィリピン人の英語力が極めて高いこと、人件費が安いこと、そしてなによりもフィリピン人のホスピタリティ精神が盛んなことがあげられています。

フィリピンの公用語はタガログ語ですが、フィリピンにはさまざまな言語が混在しているため、学校教育は国語の時間以外はすべて英語で行われています。小学校から大学まで、英語によって教育が行われているのです。

そのためフィリピン人にとって英語は、第二の母国語ともいえる存在になっています。2012年にアメリカのGlobal English社がビジネス英語運用能力について調査し、各国を順位付けしましたが、その第一位に選ばれたのはフィリピンでした。

この調査は、英語を母国語とする国でも行われています。つまり、イギリスやアメリカ・オーストラリアといった英語を母国語とする国の英語力を、フィリピンが上回ったことになります。

それでいてフィリピン人にはホスピタリティ精神が備わっているため、英会話の講師としての資質は、世界で一番といえます。

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オンライン英会話をはじめて9年後

現在ではフィリピン人に英語を教わることが一般化していますが、レアジョブがフィリピン人講師を立ててオンライン英会話をはじめた頃は、まだそのような土壌はできていませんでした。

欧米人から英語を学ぶことに慣れていた日本人の多くは、フィリピン人の講師に対して疑いの目を向けたのです。そのことが、レアジョブのはじめた画期的なビジネスの信頼性を落としていました。

しかし、創業から9年が経った今、レアジョブは4,000人の講師ネットワークを抱え、世界中の40万人の生徒たちに英語レッスンを提供しています。レアジョブは、周囲を驚かせるほどの急成長を遂げたのです。2016年3月までの年度売上は、10億ペソ(およそ23億5千万円)にわずかに届かないほどの高収益をあげています。

また加藤は、「レアジョブ設立時からの投資家は、6年間で当初の投資額の2,000%の利益を得ている」と推測しています。

成功を導いた4つの教訓とは?

レアジョブを立ち上げ、ここまで成長させるには何が必要だったのでしょうか?

彼らの成功の軌跡に見える4つの教訓は、起業を考えるすべての人が心に留めておくべきかもしれません。

1. よいサービスはよい広告になる

レアジョブ創設者の加藤氏

レアジョブのサービスミッションは、「日本人1,000万人を英語が話せるようにする」こと。

加藤とウニダは、彼らのオンライン英会話が市場から「妙なコンセプトを掲げたビジネス」と見られていたことに、早くから気づいていました。そこで彼らは、雇ったフィリピン人講師や生徒に対して小まめに対応して、良いサービスを提供することを徹底しました。

たとえば講師に対しては、自分の都合に合わせてスケジュールが組めるシステムが提供され、生徒に対しては英語講師と1対1でのレッスンに替わるリーズナブルな選択肢が用意されたのです。

こうした努力により、講師にしても生徒にしてもレアジョブを気に入るようになり、友人にどんどん紹介してくれるようになりました。やがて友人のそのまた友人へと、ドミノが倒れるようにレアジョブの噂は伝わり、顧客層は次第に広がっていきました。

現在、レアジョブのビジネス拡大にもっとも貢献しているのは、こうした口コミの力です。このことは、広告や宣伝に費用を使う競合他社と明らかに一線を画しています。

また加藤は、「日本人生徒が韓国人や中国人の友人に口コミを広げてくれたことにより、それまでレアジョブの主なマーケットではなかった国の生徒たちにも、アプローチできるようになった」と話しています。

オンライン英会話を成り立たせるためには、優秀なフィリピン人英語講師を集めることも重要です。講師を集める際にも、口コミがもっとも効果を発揮しました。

「講師の人たちが、レアジョブが働きやすく、講師を大切に扱ってくれると感じてくれたこと、そしてなによりも社の将来性を高く評価してくれたことで、次々に友人を紹介してくれました」と、レアジョブのフィリピン運営部長のウニダは語ります。

講師にとっても、生徒にとっても、良いサービスを提供することによって広がる口コミを最大限に活かして、レアジョブは急成長を遂げることに成功したのです。

2. 多くの人に機会を与える

2007年、ウニダがフィリピン大学ディリマン校で講師を探しはじめたとき、あえて経済的に困っている生徒を積極的に勧誘しました。

「こんなことわざがあります。『魚を与えるな。網を与え、魚の取り方を教えなさい』」。

ウニダにはひとつの信念がありました。それは「できるだけ多くの人に機会を与える」ということです。ベンチャー企業の創設者としての状況をうまく活用し、ウニダは自らの信念を実行に移したのです。

レアジョブの採用条件は、働く側にとって融通が利き、手が届きやすいものでした。そのため多くの人に、その門戸を開くことになりました。

ウニダによると、レアジョブの講師には専業主婦もいれば、退職したシニア世代や障害をもつ人もいます。

多くの人に機会を与えるという姿勢は、企業のビジョンにも反映されています。

「私たちのサービスミッションは、日本人1,000万人を英語が話せるようにすることです」と加藤は言います。

オンライン英会話を通して日本の英語教育の裾野を広げることが、レアジョブの目標です。

3. 戦略的な拡大には戦略的な提携が必要

この9年間でレアジョブは目覚ましい成長をしてきましたが、それは日本人専門家や一般人という市場を超えて、少しずつ顧客層を拡大してきた結果です。

たとえば、日本の高校生にシェアを広げるために、塾業界で存在感を放つZ会と提携しました。

このような提携により、レアジョブは日本人以外にもレッスンを提供できるようになりました。三井物産と提携を結んだことにより、レアジョブの生徒のなかにブラジル人の割合が増えてきています。

加藤によると、ブラジル人を狙ったのは文化的な背景があるとのことです。ブラジル・日本、そしてフィリピンの文化には共通点が多いからです。

「文化的な共通点が多いことで、レアジョブの講師が人気を得ているのだと思います」と加藤は話しました。

4. 妙なアイデアとは、素晴らしいアイデアの製造過程

2016年のはじめ、加藤とウニダはフィリピン人のIT習熟度を高めることを目的とした、新たなベンチャー企業を立ち上げました。これはtuittと呼ばれ、3か月のトレーニングプログラムによるコーディングブートキャンプを開催しています。

プログラムには、「今学び、後で支払う」という制度が導入され、多くの人に機会を与えることを実現しています。

「フィリピン人は他国からITに強いとは見られていないため、面白くなりそうだ」と、加藤は話しています。

立ち上げたばかりのサービスのため、まだ軌道には乗っていません。9年前に日本人のユーザーに対し、フィリピン人は欧米人と同レベルの英語を教える能力があることを納得してもらうために、レアジョブのスタッフはたいへんな苦労をしました。

今はまさに、そのときと同じ状況にあると、加藤は感じています。

「私たちのような起業家にとっては、古い考え方を打ち破ることが収入につながるのです」

オンライン英会話が古い既成観念を打ち破って成功したように、今回もまた旧来の常識を覆すことで成功できることを、加藤とウニダは信じています。

▶ 参照元: http://www.entrepreneur.com.ph/run-and-grow/4-takeaways-from-the-founders-of-billion-peso-startup-rarejob-a36-20161223?ref=home_feed_1

文:斉藤 翻訳:Nina

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【まとめ】セブ島にある有名・評判な語学学校の一覧表

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