カナダ人・中国人・フィリピン人投資家のグループは、セブ市にモノレールを建設する計画に興味を示しており、提案のため現地の高官と面会した。モノレールの柱はかなり細いため、道路の通行を妨げる心配がほとんどないという強みがある(提供されたイメージ図)

セブの交通インフラとモノレール

セブで生活をはじめてもっとも不快なことといえば、なんといっても交通渋滞です。セブの交通渋滞は年々ひどくなる一方で、こればかりはなかなか慣れるわけにもいきません。

朝夕のラッシュアワーと週末、そして給料日は最悪です。セブで行動するときは、渋滞のことを常に考えて時間に余裕をもたせるよりありません。

ところが、そんなセブの劣悪な交通事情に一筋の光明が差そうとしています。なんとセブに、モノレールができる計画が進んでいるというのです。

今回はセブの交通インフラの現状を振り返りながら、モノレール計画について紹介しましょう。

セブを歩いて一周したい!?

セブ島の海岸

セブといえば、やたらと美しいビーチの画像ばかりが出回っています。その影響か、セブのことを自然にあふれた美しい無人島とイメージしている人もいるようです。

無人島とはいかないまでも、セブを小さな島と思っている人は案外多いようです。よくある笑い話として、こんな会話があります。

「せっかくセブ島に来たから、ぜひ歩いて一周してみたいんだけど、どれくらいかかりますか?」
「そうですねぇ・・・・・・、一週間ほどですかね
「え!?」

歩いて数時間でセブ島を一周できると勘違いしている人も、けっこういるみたいですね。

しかし、セブ島はけして小さな島ではありません。セブ島の全長は南北に225キロありますから、一周するとなると全長500キロは超えるでしょうね。500キロといわれても、どのくらいの距離かイメージできませんか?

東京を起点として、北へ500キロ進めば秋田か盛岡にたどり着きます。南へ向かえば京都か大阪です。東京から秋田や大阪まで歩いて行く気は、おそらく起きないことでしょう!

セブ島は想像するよりもはるかに大きな島なのです。ちなみに面積においても、人口においても、沖縄の3倍を誇っています。セブのイメージがだいぶ変わったでしょうか?

ちなみにセブ島の中心であるメトロ・セブは、メトロ・マニラに次ぐフィリピン第二の大都市圏です。メトロ・セブはけして田舎ではありませんので、ご注意を!

セブ市街

セブ市街地の風景 これって都会? それとも田舎? う~ん、微妙かも!

セブにも以前は鉄道があった!

フィリピンの鉄道

人口が密集するセブ島では、マニラ同様に交通渋滞が大きな問題になっています。交通渋滞の一番の原因は、人口が過密なのに道路幅が狭いことです。道路幅を含めて交通インフラの整備が遅れていることが、セブの発展を妨げています。

メトロ・セブはフィリピン第二の大都市圏であるにもかかわらず、高速道路もなければ鉄道もありません。まとまった資金を用意する余裕がないため、交通インフラの整備が遅々として進まないのが実状です。

もっとも、過去にはセブにも鉄道がありました。セブ島は山に囲まれていますが、セブ北部のボコ市からメデリン町にかけては、サトウキビ畑が連なる平坦地になっています。メデリンの町には製糖工場があり、刈り取ったサトウキビを工場へ運ぶために、レールが敷かれていました。

1929年以来続けられてきた砂糖きびの鉄道輸送は、2004年6月をもって廃線となりました。線路と車両の保守費用がかさむために、割に合わなくなったためです。

また、戦前には北は東海岸のダナオから、セブ市を通って南はアルガオまで全長96kmの鉄道が走っていました。実はかつてのフィリピンは鉄道網の発達した国だったのです。しかし戦後は自動車の登場によって鉄道は衰退し、次々に廃線となりました。

今日では、セブ市内に鉄道の痕跡は残っていません。

BRTプロジェクトとは?

セブのBRT計画イメージ図

現在のセブ市の交通を支えているのは、タクシーやジプニー・バス、モーターサイクルや自転車です。SMプライムホールディングスによる市内バス MyBusの運行により、マクタン国際空港と巨大モールであるSMモール・SMシーサイドシティモールへのアクセスが、かなり便利になっています。

さらにセブ島では、フィリピンの運輸通信省(Department of Transportation and Communication: DOTC)がおよそ16㎞に渡るバス・ラピッド・トランジット(BRT)を2018年までに運行させる予定になっています。

BRTとはバスを基盤にした大量輸送システムのことです。既存の道路に専用レーンを設けることで運行を計るため、今ある交通インフラを活用しながら、多くの人を運べるようになります。

ドゥテルテ大統領はセブとミンダナオ島の鉄道建設について演説しています。しかし、セブ市長は鉄道建設に難色を示しています。鉄道には莫大な建設コストがかかることに加え、保守コストが年間30億ペソ以上(約75億円)もかかるためです。そのため、セブ市長は鉄道ではなくBRTを推進することを発表しています。

BRTプロジェクトが完成すると、16㎞の営業路線に33ヵ所のバス停留所ができ、176台のバスが運行します。これにより、1日あたり33万人の利用が見込まれています。

ただし、BRTができてもセブ島の交通渋滞の解消にはつながらないとする指摘もあります。現在ある道路の一部をBRT専用レーンにすれば渋滞する車と競合することになり、交通渋滞にさらに拍車をかけることになると危ぶまれているからです。

そんななか、信じられないようなビッグニュースが飛び込んできました。セブ島にモノレールを建設する計画が、着々と進んでいるそうです。

フィリピンのニュースサイトである sunstar.com に掲載された記事を翻訳して紹介しましょう。

国外企業がセブにモノレールを建設

セブのモノレールイメージ画像

フィリピン人・中国人、そしてカナダ人の投資家グループは、「マンダウエ市とセブ市を通るモノレールを3年以内に建設できる」と話しました。

このグループが、名前を明かさない条件でSun.Starセブに語ってくれたところによると、中国から派遣された技術チームが調査した結果、マンダウエ市・セブ市・ラプ=ラプ市とタリサイ市は、モノレールを建設できる地域であることがわかったとのことです。

この投資家グループは12月22日、すでにセブ市長のトマス・オスメニャ(Tomas Osmeña)とマンダウエ市長のガブリエル・ルイス・クイサミン(Gabriel Luis Quisumbing)との面会を済ませています。

グループの代表者は、モノレールはライト・レール・トランジット(LRT = 次世代型路面電車システム)やメトロ・レール・トランジット(MRT)に比べて利点が多く、マンダウエ市やセブ市、そしてメトロ・セブ全体の渋滞を長期的に解決するためのベストな選択であると話しました。

「メトロ・セブの地方自治体はモノレール計画を支持してくれています。私たちはすべてが計画通りに進んでくれることを望み、祈っています」とプレスリリースには書かれています。

グループ代表者はまた、「モノレール計画の調査をはじめる覚書を各地方自治体と交わす予定だ」と語りました。

その後グループは、「機関工学的に難しいところはないか確認し、マンダウエ・ユナイテッド・ネイションズ通りの2番目の橋から、海に面した高架橋を通ってサウス・ロード・プロパティ(SRP)までモノレールを延線する」ために、中鉄工程設計諮問集団有限公司(China Railway Engineering Consulting Group)と共同して詳細なエンジニアリング調査を行うことになっています。

最大乗客人数や料金などを決めるために、採算性を含めてプロジェクトの実現可能性の調査も行われます。

「予定通りに進めばモノレール供給会社が約束した通り、図面から運営までプロジェクトは3年で完了します」と投資家グループは述べました。

セブのモノレール ターミナルハブ・イメージ

CEBU – DAVAO MONORAIL PROJECTの動画

この投資家グループは、マンダウエ市に大規模交通機関を建設する計画に興味を示した、国外企業3社のうちの1つです。

クイサミン市長は年明け、ヨーロッパで同様の経験がある他の1社との面会を控えています。

記者会見で、マンダウエ市の市長代理も務めたことのある副市長のカルロ・フォーチュナ(Carlo Fortuna)は、モノレール・プロジェクトに対する感謝の意を表明しました。

「LRTと比べてもより費用効率が高く、見た目も素晴らしい」と彼は褒めたたえています。

投資家グループによるプロジェクト概要によると、モノレールは細いコンクリートの梁を走り、半径200~300メートルでしか曲がれないMRTやLRTと違い、半径46メートルのカーブを曲がることができると言います。

「モノレールの利点は、支柱の直径が1.22メートルしかなく、それが20~36メートルの間隔で設置されることです。支柱のサイズが平均的な中央分離帯の面積と変わらないため、道路の通行を妨げることは最低限に抑えられるか、まったくなくなります」。

このプロジェクトには、マルセロ・フェルナン橋のたもとに位置するターミナルハブと、マンダウエ市からセブ市までの13か所の駅を設置することも含まれています。

モノレールは渋滞の激しいバニラッド地域やタランバン地域にも行くことができます。

去る12月23日には、投資家グループはラプ=ラプ市長のパズ・ラダーザ(Paz Radaza)にも表敬訪問を行いました。

彼らはまた、モノレールを空港へ接続することも考えています。

▶ 参照元:http://www.sunstar.com.ph/cebu/local-news/2016/12/28/foreign-firm-build-monorail-cebu-517151

以上、sunstar.com のスクープ記事を翻訳して紹介しました。

モノレールはほんとにできるの?

海沿いを走るモノレール

モノレールといえば人口800万人を擁するマレーシアのクアラルンプールが有名です。セブもクアラルンプールのように便利になるのでしょうか?

セブのように道幅が狭い道路しかない地では、モノレールはたしかにベストな選択かもしれません。記事にあったように中央に橋脚を建てるだけで敷設できるだけに、新たに鉄道を敷くよりは現実的です。

莫大なコストがかかる問題も、投資家グループがつくことで解決します。となると、3年後には本当にセブにモノレールが!?

しかし、実際にモノレールの建設を請け負うのが中国企業となると、話半分程度に聞いておいた方がよいかもしれませんね。

中国はインドネシアをはじめ、世界各国で高速鉄道の受注に成功しています。破格の条件を提示しているためです。

しかし、そうした中国による高速鉄道計画は次々と失敗に終わっています。計画があまりにもずさんなため、遅々として進まないことが、各国をあきれさせています。

2016年6月に、アメリカはついに中国といったんは結んだ高速鉄道計画をキャンセルしました。インドネシアでもキャンセルに向けた動きが本格化しています。

こうした状況を目の当たりにすると、セブのモノレール計画もどれだけの信頼性があるのか疑問です。車両故障率の高さも、中国企業の抱える大きな問題になっています。

セブにモノレールが来れば今のような交通渋滞はなくなるでしょうから、ぜひとも実現してほしいものです。

果たしてセブにモノレールが走る日はやって来るのでしょうか?

翻訳:Nina
編集、追記:jun, yamamoto

【まとめ】セブ島にある有名・評判な語学学校の一覧表

当サイトの管理人
2012年に初めてセブ島に留学。以降今までに複数の語学学校に留学&訪問。フィリピン留学を通じて「英語が伝わる楽しさ」をより多くの方に体験してもらいたいと思い、このサイトを立ち上げました。

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