https://blog.apnic.net/2016/11/17/access-education-key-future-philippines-internet-growth/

家族愛をつなぐフィリピンのネット事情

現代人にとって、ネット環境はもはや欠かせません。わからないことや知りたい情報があれば、まず真っ先に検索エンジンに打ち込みます。

FacebookやLINE・Twitterを通して友人とつながったり、Amazonでオンラインショッピングを楽しんだり、オンラインゲームに熱中したり、Skypeで家族や恋人とビデオ通話を楽しんだりと、毎日ネットを活用しています。

さて、では問題です。

日本とフィリピンのネットユーザーで、1日当たりにネットに費やす時間が多いのは、どちらでしょうか?

Facebookなどのアイコンが並んだスマホの画面日本とフィリピンを比べてみると、日本の方がフィリピンよりはるかにネットが普及しています。

回線の速さも比較になりません。日本での光ファイバーの普及率は73%を超えており、世界トップです。

100Mbpsが当たり前のように出る日本に比べて、フィリピンでは未だに3~5Mbpsの回線速度が平均です。

日本人がフィリピンでネットにつなぐと、そのあまりの重さにカルチャーショックを覚えるものです。ときにはSkypeのビデオ通話やYouTubeの動画さえも、まともに動かないこともあります。

ことに雨が降ったら最悪で、回線速度は明らかに遅くなります。

しかし、1日にネットに費やす時間を比べると、フィリピンと日本では天と地ほどの違いがあるのです。

え? どっちが天でどっちが地かって?

それは、このあとの記事を見てからのお楽しみです。

まずはじめに、フィリピンでのネット事情を知るために、フィリピンの情報サイトEntrepreneur に掲載された「フィリピン国内のネットユーザー2016年に27%増加、6,000万人へ」という記事を翻訳の上、紹介しましょう。

フィリピン国内のネットユーザー2016年に27%増加、6,000万人へ

ソーシャルメディアエージェンシーのウィー・アー・ソーシャル(We Are Social)とソーシャルメディアマネジメントプラットフォームフットスイート(Hootsuite)の調べによると、フィリピンのインターネットユーザー数は、2016年1月から2017年1月までの1年間に、1,300万人増えました。

比率にすると、27%増加したことになります。直前の12か月での伸び率が7%だったことを考えると、ほぼ4倍の成長率となります。

アントレプレナー・フィリピンの算出によると、2017年1月時点でのフィリピンのインターネットユーザー数は、6,000万人に達したことになります。このユーザー数は、フィリピンの人口の60%にあたります。

世界平均のインターネット普及率は50%ですから、フィリピンのインターネット普及率60%は、かなり高い数字といえます。

フィリピンのネットについてのグラフ

「2017年のデジタル」と題された報告のなかで、ウィー・アー・ソーシャルとフットスイートはまた、国内のソーシャルメディアユーザーは1,200万人(25%)の増加、そして携帯でのソーシャルメディアユーザーは1,300万人(32%)増加したと発表しています。これらの数字もまた、前年と比べて高くなっています。

また、報告書ではフィリピン人がソーシャルメディアに費やす時間についても言及されています。2016年1月までの1年間では3.7時間だったにもかかわらず、2017年1月までの1年間では、平均4.3時間にまで増えています。

ソーシャルメディアに費やす時間は、昨年に引き続きフィリピンが世界最長です。

一方、携帯端末ユーザーの数は200万人(3%)の増加にとどまっています。このことから、フィーチャーフォン(いわゆるガラケー)ではなく、スマホを使う人が増えていることが、インターネットや携帯でのソーシャルメディアユーザーの増加に貢献していることがわかります。

2012年から毎年発表されているこの報告書は、世界238か国からインターネット普及率やソーシャルメディアの使用、その他デジタルトレンドに関するデータを集め、分析しています。
( 翻訳 Nina )

参照元 ▶ http://www.entrepreneur.com.ph/news-and-events/ph-now-has-60-million-internet-users-growing-27-in-2016-a36-20170124?ref=home_feed_1

フィリピン人のネット事情

フィリピンのネット普及率

http://ssg-advisors.com/universal-internet-access/
http://ssg-advisors.com/universal-internet-access/

上記の Entrepreneur の記事で引用されている「Digital in 2017」は、イギリスのロンドンに本社を置くソーシャルメディア・コンサルティング企業「We Are Social」が毎年、最新の調査報告として公開しているデータです。

この統計によると、日常的にインターネットを利用しているユーザーは、全世界で37.7億人に達しています。この数字から、世界の人口の50%がネットを利用していることがわかります。

昨年に比べると、ネットユーザーがおよそ10%増えたことになります。

ところがフィリピンのネットユーザーは、この1年間で27%増加していますから、世界のネット普及率に比べて、フィリピンでのネット普及率がずば抜けて加速していることがわかります。

1日にネットに費やす時間

しかも、フィリピンの人が1日にネットに費やす時間の多いこと!

http://wearesocial.com/blog/2017/01/digital-in-2017-global-overview
http://wearesocial.com/blog/2017/01/digital-in-2017-global-overview

フィリピン人が1日にネットに費やす時間は、パソコンとスマホを併せて8時間59分で、世界第一位です。

昨年はブラジルに僅差で1位の座を奪われましたが、今年はフィリピンがトップに返り咲いています。

ちなみに日本は4時間6分で、他の国と比べてもかなり低いことがわかります。(グラフの一番右が日本)

というよりも、比較された国のなかで日本は世界最下位です。平均的な日本人は多忙を極める生活を送っているため、なかなかネットに費やす時間も確保できないようですね。

1日にソーシャルメディアの利用に費やす時間

さらに、フィリピンが世界一となったのは、1日にソーシャルメディアの利用に費やす時間です。

フィリピンは4時間を超えており、ダントツの世界第一位です。

http://wearesocial.com/blog/2017/01/digital-in-2017-global-overview
http://wearesocial.com/blog/2017/01/digital-in-2017-global-overview

ちなみに日本は0.4時間に過ぎず、比較されている国のなかでは、これまたダントツのビリです。

ネット普及率で比較するなら、日本は91%でアジアでは韓国に次ぐ第二位です。対してフィリピンの60%は、アジアで第5位です。

インターネットの普及率と実際の利用時間の間には、大きな隔たりがあるようです。

フィリピンでもっとも利用されているソーシャルメディアは、Facebookです。2016年の時点でフィリピンのFacebookユーザーは5,400万人に達しています。

これは、当時のフィリピンのネットユーザー数と同じです。つまり100%です。フィリピンではネットを利用している人は全員、Facebookを利用していることになります。

日本でのFacebook利用率が21%に留まっていることと比べれば、フィリピンの人がFacebookに寄せる情熱は、まさにすさまじいの一言に尽きます。

仕事中でも平気でスマホ!

仕事中にスマホをいじる女性

でも、数字だけでは当てになりません。実際のところどうなのかは、フィリピンの街中を歩いてみなければ実感できません。

では、歩いてみましょう。

あちらこちらで、スマホをいじる人が目立ちます。バスを待っている人も、渋滞で停まっている車の中でも、カフェのなかでも、なにやらスマホをいじっている人の多いこと!

ちょっと失礼してのぞいてみると、たしかにFacebookを見ている人がけっこういます。

日本よりも圧倒的にたくさんの人が、スマホをいじっています。ことに日本と大きく異なるのは、フィリピンではさまざまなショップの店員さんや会社のオフィスにいる従業員が、仕事中でもかまわずにスマホをいじっていることです。

ときには、客を待たせても平気でスマホに熱中している従業員もいますから、困ったものです。

考えてみれば、平均して1日5時間以上ネットを利用するとなると、就業時間も当てなければ間に合わないかもしれませんね。

勤務時間中に個人的なスマホを勝手にいじることは、日本ではけして許されないことですが、フィリピンをはじめとする東南アジアでは、どこでもよく見られる光景です。

そんなとき、自分が待たされる立場になると、ついイライラしてしまうものですが「郷に入っては郷にしたがえ」です。

そんなときでも、声を荒げて怒ってはいけません。そんなことをしたら周囲から、「なぜ怒っているの?」と不思議な目で見られるだけです。あくまで紳士・淑女らしく、優しくせかしてくださいね。

なんといってもフィリピンの人は、世界で一番ネットを利用しているのですから!

フィリピンはなぜ、ネットとソーシャルメディア利用時間が世界一なのか?

Facebookの活用イメージ

では、なぜフィリピン人は、1日当たりにネットに費やす時間とソーシャルメディアの利用に費やす時間が、世界で一番なのでしょうか?

それは、多忙を極める日本人とは逆で、フィリピン人が暇だからです……、と思ったら、大間違いですよ!

その答えは、フィリピン人がソーシャルメディアを使って何をしているのかがわかれば、自然に見えてきます。

フィリピンの海外出稼ぎ労働者の実態

https://ofw-this-is-my-life-and-story.blogspot.com/
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フィリピン人がソーシャルメディア、具体的にはFacebookをなぜ使うのかといえば、遠く離れた家族と連絡をとるためです。

フィリピンでは家族と離れ、外国に出稼ぎに出る労働者がかなりいます。フィリピンの総人口の1割に当たる一千万人以上が、海外で仕事をしているといわれています。

一千万人といわれてもピンとこないかもしれませんが、実は一千万人という数字は、フィリピンの労働人口の四分の一にあたります。

つまり、フィリピンで働いている人の四人に一人は、海外で出稼ぎ労働をしていることになります。

たとえば小学校や中学校で40人ぐらいのクラスがあったとしたら、同級生のうち10人ほどは海外で仕事をしているってことです。

どうして、それほど多くの人が海外で仕事をしているのかといえば、フィリピン国内に仕事がないからです。

フィリピン人は日本人以上に、家族をとても大切にします。家族と離れて暮らしたいと思っている人など、ほとんどいません。

多くのフィリピン人は、家族とともに暮らすことを願っています。それが無理なら、せめて家族の住んでいる近くで仕事をしたいと願っています。

しかし、フィリピンには雇用の受け皿がありません。国内に仕事がないため、やむなく海外まで出て仕事を見つけるよりないのが現実です。

フィリピン人にとって幸いしていることは、多くの人が英語に堪能なことです。フィリピンでは英語が第二公用語になっています。

英語がネイティブ同様に使いこなせるため、アメリカなど英語圏の国はもちろん、サウジアラビア・アラブ首長国連邦などでも、仕事を見つけやすいのです。

ハウスメイドや建設現場での単純労働、タクシーの運転手などの仕事もあれば、医師や看護師・プラントエンジニア・船員など、高度な専門技術を活かした仕事もあります。

ネットが結ぶ家族愛

http://slideplayer.com/slide/10989984/
http://slideplayer.com/slide/10989984/

海外に出稼ぎに出たフィリピン人のほとんどは倹約を心がけ、給料の大半をフィリピンに残る家族に送金します。

フィリピンの世帯は大家族です。送金によって、家族の生活が支えられています。いくら送金しても、そのほとんどは家族の生活費にすぐに消えていきます。

家族愛の深さが、彼らをつなぐ架け橋です。家族と連絡をとる際に使われるのが、FacebookやSkypeです。

フィリピン人のFacebookの使い方は、日本人とはまったく違います。1日に何度も何度もタイムラインが流れてきます。

そのほとんどが、ある意味、どうでもよい情報です。「お昼をどこそこで食べた、仕事で疲れた、暇でつまらない」などなど、フィリピン人の友人をもつと、そのタイムラインの多さに閉口します。

しかし、こうした日常のささいな情報こそが、離れて暮らす家族にとって、とても大切な安否確認になっています。

お互いにタイムラインを何度も何度も交わすことで、今日も無事に元気に過ごしているのだと知り、安心しあえるのです。

自撮り画像が多いことも、フィリピン人のFacebookに見られる特徴です。家族の笑顔が映る画像を通して、家族間のコミュニケーションがとられています。

つまり、ネットの使用時間やFacebookなどの使用時間でフィリピン人が世界一の理由は、フィリピン人の家族に向ける愛情が、深いからこそといえるでしょう。

地理的に離れた距離を、ネットが縮めています。フィリピン人にとってネットとは、家族の絆(きずな)そのものなのかもしれません。

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