みなさんこんにちは、STです。私の寄稿文も早いものでもう10回目となりました。これから英語を学習し、英語を活かした仕事に就こうとしているみなさんの参考になっていると嬉しく思います。
今日は私がアメリカのペンシルバニア州にある、ピッツバーグの工場を視察した際のアメリカ出張のお話ができたらと思います。まずは背景を説明させていただきますと、私がいた製薬会社が買収され、私は医療機器メーカーに転職する決断をしました。その際にManager職の募集があったので応募して採用されました。
なぜ私が採用されたかというと、その当時TOEICは830取っていましたし、何よりもキャリアが募集のManager職にフィットしていたからです。製薬会社で積んだ生産計画や輸入計画などを活かし、さらに倉庫の適正化と在庫の適正化ができる人材が欲しいとのことで、私が積んだキャリアを持って挑戦したところ、採用となりました。
アメリカは巨大な国で、取り上げてくれる時は本当によくしてくれる
アメリカに行ったことのある読者は同感していただけるでしょうが、アメリカはとても巨大な国。そして取り上げてくれる時には本当に良くしてくれくれます。私が行った採用後の1週間のアメリカ出張もそれに当たります。
まずは本社のピッツバーグを視察して仲間たちと顔合わせをし、現地の業務で日本に取り入れられることがないか視察して欲しいとのことで、私の直属の上司のアメリカ人がピッツバーグを案内してくれました。
しかし今思うに、私がこうやって取り上げられたのも、前の製薬会社での経験のおかげだと思います。前の会社で、私は大人しい性格なので仕事を押し付けられると嫌と言えず、押し付けられるがままにこなしているところがありました。そのうちに部署でやっていたことの概要を覚えてしまったので、次の転職の際に有利だったのではないかと思います。
ですのでみなさんも、「こんな仕事やって何になるんだろう?」と疑問に思うことがあるかもしれませんが、まずはその仕事がなぜ存在するのかよく調べ、省くことも視野に入れて取り組んでみてくださいね。
何もかもがスピーディーに進んでゆく
ピッツバーグまでたどり着き、空港に降り立った私を待っていたのはリムジンでした。あの後部座席が迎え合わせになっていて、ウイスキーなんかがさりげなく置かれているリムジン車です。それはそれは驚きました。アメリカでは取り上げるときは本当に持ち上げてくれます。
そして私の1週間の滞在スケジュールはびっしりと組まれ、会社についてから日程をこなすのが精一杯でした。アメリカでは何事もスピーディーに進み、無駄なことをしていると効率が悪いと思われてしまいます。
私は過去に製薬会社で新システムを導入した経験もありましたので、新しい会社ではシステムの研修も受けました。こちらもやはり、私が前職でもシステムのことを学んでいたので新しい会社でもシステムに関わって欲しいとのことで得たチャンスです。
そしてこういったチャンスを掴む上でも仕事をこなす上でも大切なのは英語力でした。ただし、英語力だけでなく実務経験がないと転職などには不利ですので、そこは慎重に考えてくださいね。
新しい会社に採用された時に、アメリカ人のGeneral Manager(部長)に「英語力が不十分だと判断したら英語研修に送る」と言われていましたが、その後そういった話しは出ませんでした。
私はTOEIC 830を取ってからも毎日ラジオで英語ニュースを聞いていましたし、スカパーでCNNを購読して英語はニュースで見ていました。そして日々の努力は怠りませんでした。ただ、以前の寄稿でご紹介したメールレターの転写はもう卒業していました。
英語には自信があったが、ネイティブ同士の会議に太刀打ちできなかった
そうやって英語については努力していましたし、自信も持っていた私でした。
しかし、会議に出席させられ、米国社員同士が議論を始めると私は全然ついていけず、後から上司に「さっきの議論は何だったのですか?」と質問するありさまでした。この議論が何だったかについては次の項目で述べますが、みんなが集まって熱く議論していることから取り残されているのは不安な経験でした。
また、改めて世界は広いと思ったのですが、米国本社には様々な人種が働いていて、例えばルーマニアから移住して来た人だとか、ブラジルから移住して来たという社員がいました。そして彼らは母国語の国(出身国含む)からの注文を直接受けるなどの業務についていました。やはりアメリカはだいぶ進んでいると感じました。彼らは実際にアメリカに住んでいるわけですから、私などより英語は堪能で、ほぼネイティブのように英語で仕事をしていました。
読者の皆さんがもしも留学をすることになったら、彼らのように現地の言葉と日本語が活かせるような仕事で海外進出も視野に入れるとよいかもしれませんね。
中国の脅威が見えてきた
先程の私が聞き取れなかった議論が何だったのか、私の直属の上司にあたるアメリカ人に後から聞いてみたところ、中国からの注文が激増していて、しかもその数が半端ではないので、どうやって生産をこなすかみんなで話し合っていたとのことでした。
その会社は日本での市場はそれほど大きくなく、中国の方が大きな市場だったのです。それまでかつての製薬会社で日本の医薬品市場の大きさに慣れていた私には少しショックでした。
しかし考えてみたら中国には日本の十倍以上の人口がいるわけですから、これから病院も増えてゆくでしょうし、医療機器の購入も増えるでしょうから、確実に大きな市場となってゆくはずです。読者のみなさんも中国市場は念頭に置いてくださいね。
アメリカ出張でその後、各部署を視察させてもらいましたが、私は医薬分野の製造業に慣れていたので現場を見て混乱することもなく、びっしりと詰まっていたスケジュールをひたすらこなしてゆきました。
キャリアアップをお考えの読者の皆さんは、過去のキャリアを大切にすることも一つの選択肢かと思います。まったく別の業界に行くのも良いかもしれませんが、採用する側はやはり業界経験があるかどうかを気にする傾向があるように思えます。
私は製薬会社が買収されて部署が閉鎖になったので転職活動をしたのですが、何社か面接をしてやはりどの企業も業界での経験、業種での経験は気にしていたようです。
クリスマスパーティーでの価値観の違いと素敵な思い出
私の寄稿も最後になってしまいましたが、私がピッツバーグ出張で印象に残った小さな物語を一つご紹介したいと思います。
私が1週間の出張に行ったのが12月中旬で、アメリカはクリスマスムードに包まれていました。そして会社の同じ部署の人たちとクリスマスパーティーをする席に私も招待してもらいました。総勢20人くらいの同じ部署の同僚たちでレストランに行って食事をし、それからビンゴゲームをしました。
すると、なんと私が一番高価な景品のiPodを当ててしまったのです。
時は2006年で、私はまだiPodは名前は聞いたことがある、程度の認識だったので驚きました。景品を見てみると明らかにiPodが一番高価です。私は職歴はこれだけグローバルに活躍して来たのに、変なところで日本人気質なものですから、部外者の私は遠慮するべきではないかと思いました。
「I don’t know if I am the right person to take it because I am a outsider…」(自分があの景品を受け取るべきかどうかわからない、なぜなら部外者だから)と言ったところ、私の直属の上司は「Take whatever you are given」(与えられたものはなんでも受け取りたまえ)と言いました。ここら辺も日本と少し価値観が違うところかもしれません。
出張から帰ってから日常の職務につきましたが、顔合わせは済んでいるのでメールや電話のやり取りもスムーズにいったように思います。出張で対面する大きなメリットと言えるでしょう。
いかがでしたか?
この度は10回の寄稿で私、STの英語を活かして仕事をしたことについてお話しさせていただきました。英語の学習に関してはいつ始めても遅いということはありませんし、前に申し上げた通り、学んだことは一生の財産になります。
しかし、英語を活かした仕事をしようとするとプロ意識も必要です。そして雇う側にも本心があるでしょう。雇う側はできるだけ若くてできるだけ優秀な人材が欲しいと望んでいるわけですから、英語を使った仕事をしたいなら早めの行動が良いと言えます。
また、英語はブランクからの転職やフリーランスを目指している方の役にも立つと言えます。何事にも果敢に挑戦する強い心を持ってくださいね。それは英語学習に関してだけではなく、何事に対しても強い心を持っていただきたいと思います。
それでは私からはこれをもって締めさせていただきます。みなさまのご活躍を心よりお祈りしております。
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