マナビジン 英語勉強法ブログ 新しい英語学習#02【2010年代】英会話はコスパよく学ぶもの!オンライン英会話...

新しい英語学習#02【2010年代】英会話はコスパよく学ぶもの!オンライン英会話とフィリピン留学の台頭

2020年以降の新しい英語学習法を探るシリーズの第2回目です。

このシリーズでは、時代ごとにトレンドとなった英語学習法を振り返ることで、最新の英語学習法の行方を明らかにしようと試みています。

前回は1990年代から2000年代にかけて主流となった英語学習法として、国内編として英会話スクールへの通学、海外編として欧米留学について振り返りました。
新しい英語学習#01【〜2000年代】英会話はネイティブから学ぶもの 駅前留学と海外留学

今回は2010年代に流行した英語学習法として、オンライン留学とフィリピン留学について考察してみます。

1.2010年代の英会話学習

英語文
2010年代を迎えても日本経済はふるわず、長期のデフレによる不況に喘いでいました。深刻な経済不況は日本人一人ひとりの財布を直撃し、高品質を保ちながらも低価格のものを求める風潮を育みました。

その余波は英会話学習にも、及んでいます。英会話学習においても高品質、なおかつ低価格というフィルターがかけたられたことで、ある大きな変化が生じます。

それは、ネイティブ志向一辺倒からの脱却です。

2000年代までは「英会話はネイティブから教わるもの」という価値観が共有されていました。

しかし、2010年代に入ると、この常識が覆ります。なにも欧米圏にこだわらなくても、英語を公用語として用いている国があることに、気がついたからです。

ネイティブではないものの、英語を幼少の頃より公用語として用いている国の人々は、ネイティブとほぼ変わらないレベルで英語を自由に操ることができます。

そうであれば、「英会話はネイティブから教わるもの」という価値観にこだわる必要は、まったくありません。

日本から距離的に近いアジア圏にも、理想的な国がありました。白羽の矢が立ったのはフィリピンです。

先進国であるネイティブ人講師の雇用コストは、軒並み高めです。ところが発展途上国のフィリピンであれば物価も安く、講師の雇用にかかる費用も格安で済みます。

コストが抑えられれば、授業料も当然ながら安く設定されます。

つまり、フィリピン人講師を採用することで「高品質なおかつ低価格」という時代の要請を、英会話学習においても実現することができたのです。

もっとも、英会話スクールの講師がネイティブからフィリピン人へと変わったわけではありません。外国人を雇用する際の法律の影響もあり、国内の英会話スクールが多くのフィリピン人を講師として雇用することには無理がありました。

2000年代後半に起きていた英会話スクール離れについては前回紹介したとおりですが、その流れは2010年代になっても変わることなく、英会話学習に意欲をもつ人々は新たな英語学習法を模索していました。

そこへ満を持して登場したのが、フィリピン人を講師とするオンライン英会話です。

高品質、なおかつ安い「オンライン英会話」は、たちまち英会話学習者の心を射貫き、2010年代を代表する英会話学習法として人気を博しました。

また、2010年代後半になると、通常の英会話スクールに代わってコーチング型の英会話スクールが登場し、多くの受講生を集めました。コーチング型の英会話スクールについては、後ほど説明します。

一方、海外留学についても、「欧米圏にこだわらない」という新たな価値観が生まれました。

2000年代までは海外語学留学といえば欧米留学以外の選択肢は、ほぼない状況でした。

しかし、2010年代になるとフィリピンへの注目度が増し、フィリピン留学の人気が一気に高まりました。

2010年代はまさに、「フィリピンを中心にして英語学習の輪が広がった」といっても過言ではありません。

ではここで、2010年代の英語学習法について、それぞれの学習法の長所と短所についてまとめてみます。

【2010年代の英会話学習法のまとめ】

2010年代の英会話

メリット

デメリット

国内
オンライン英会話
コーチング型スクール

安い、始めやすい
マンツーマン
モチベーションが持つ

国際交流はなし
毎回予約なので面倒になり続かない
非ネイティブ中心
高額(コーチング型)
ほぼ自習、英会話量が足りない

海外
フィリピン留学

マンツーマン中心
初心者が伸びる
発展途上国の文化を知れる
近い、1週間から可能

留学としては安いが、月に最低15万はかかる
講師は非ネイティブ
欧米人と交流できるわけではない
街中を楽しむ留学ではない

次に、それぞれの英語学習法について考察していきましょう。まずは国内編からです。2010年代前半にブームを起こした「オンライン英会話」と 2010年代後半に登場した「コーチング型英会話スクール」の2つに分けて紹介します。

2.2010年代前半における国内での英会話学習

レッスン

その1.2010年前半:オンライン英会話の全盛期

英会話の講師としてフィリピン人に適性を見出したのは、韓国の英語業界です。フィリピンのバギオやセブ島に韓国系の語学学校が進出し、主として韓国人留学生を対象にフィリピン留学を始めました。

この動きに追随したのが、日本の英語業界です。ことにレアジョブが、Skypeを利用してオンラインでフィリピン人講師とマンツーマンでレッスンができる「オンライン英会話」を立ち上げると、次第に多くの受講生を集めるようになりました。

やがて「オンライン英会話」は、従来の英会話スクールへの通学とは全く異なる画期的な英会話学習法として、もてはやされるようになります。

レアジョブが創業したのは2000年代後半ですが、本格的に知名度が上がったのは 2010年代に入ってからのことです。

レアジョブ以外にも DMM英会話やネイティブキャンプなど、やはりフィリピン人講師を用いたオンライン英会話のサービスを提供する会社が現れ、2010年代前半にはフィリピン留学と並ぶように「オンライン英会話」のブームが到来したのです。

その2.オンライン英会話についての考察

では、オンライン英会話の長所と短所について見ていきましょう。

【オンライン英会話のメリット】
・既存の駅前留学型の英会話スクールに比べて安い
・通わなくてよい
・毎日続けやすい

【オンライン英会話のデメリット】
・だらけやすい
・ネットでの会話に抵抗がある人もいる
・授業の質に幅がある

オンライン留学の最大のメリットは、なんといっても圧倒的にコストパフォーマンスに優れていることです。

駅前留学が1レッスンあたり数千円のところ、オンライン英会話はマンツーマン授業にもかかわらず、わずか数百円で受けられます。

従来までの英会話学習法に比べて、あまりにも安い料金で学べることが話題となり、オンライン英会話は瞬く間に受講生を増やしていきました。

オンラインで学ぶだけに場所の制約を受けないことも、オンライン英会話のもつ魅力のひとつです。

これまで、英会話スクールに通いたくても通えない人たちが数多いました。地方在住の場合、通学できる範囲に英会話スクールがないことも珍しくないからです。

ところがオンライン英会話であれば、どこに住んでいようとも、レッスンを好きなだけ受けられます。オンライン英会話が普及したことによって、今まで英会話スクールになかなか通えなかった地方在住の人たちにも、英語教育が行き届くようになったといえます。

時間の制約がないこともオンライン英会話のメリットです。自分の都合に合わせて、いつでも好きな時間に予約を入れられます。週にどれだけレッスンを受けるかも、自分のペースに合わせて自由に決められます。

従来までの英会話スクールでは週に1~2回ほどのペースでレッスンを受けることが一般的でしたが、オンライン英会話であれば毎日、レッスンを入れることも簡単にできます。

毎日のように英会話をする習慣をつけることで、英語力は飛躍的に上がります。そのため中級者以上にも、オンライン英会話は浸透していきました。

もちろん英会話初級者にとっても、オンライン英会話は最も効率的な勉強法として支持されました。グループレッスンとは異なりマンツーマンでレッスンを受けられるため、疑問に思ったことをすべて解決できます。英語に自信がなくてもマンツーマンのため、他の受講生の前で恥をかくこともありません。

まったく英語が話せない人でも安心して受講できるため、オンライン英会話は初級者が最も続けやすい勉強法の一つとして、定着していきました。

良いところばかりが目立つオンライン英会話ですが、デメリットももちろんあります。

最大のデメリットは、英会話スクールと違って予めスケジュールを固定できないことです(一部の英会話は可能)。
オンライン英会話では自分の都合の良い時間を選び、レッスンを予約できます。自由度が高いことはオンライン英会話のメリットですが、その反面、毎回レッスンを予約しなければならない煩わしさが生じます。

レッスンの予約は、案外手間のかかる作業です。自分の都合だけで、すんなりと予約ができれば簡単ですが、現実はそれほど甘くはありません。

自分がレッスンを受けたいと思う先生の空いている時間が、自分の都合とかみ合わないことは往々にして起こります。そもそも教えることが上手な先生や容姿に優れた先生の人気は高いため、予約が集中します。予約をとるだけでも、一苦労です。

どうしても人気の先生のレッスンを受けたいときは、数日先の予約になることも珍しくありません。毎日のようにレッスンを受けられることがオンライン英会話の売りなのに、レッスンの間隔が数日も空いてしまったのでは本末転倒です。

十分な英会話量を確保しなければ、オンライン英会話を続ける意味がありません。

レッスンの間隔が空くのが嫌で、とりあえず違う先生に教えてもらおうとすれば、今度は先生選びに時間をとられてしまいます。複数の先生のプロフィールや口コミに目を通すだけでも、それなりに時間がかかります。

こうして毎回の予約を入れるために、かなりの時間と労力を割くことを繰り返していては、そのうち疲れ果ててしまいます。

やがて予約を入れることが次第に面倒になり、いつのまにかレッスンの予約が途絶えてしまう人も少なくありません。

また、オンライン特有の問題もあります。オンライン英会話を提供している側のインフラ整備や先生の管理具合によっては、レッスンを受けるにあたり、さまざまなストレスがかかる場合もあります。

たとえば回線速度です。フィリピンは発展途上国のため、日本のようなインターネットの高速回線は整っていません。雨が降るだけで回線が重くなることも珍しくありません。

予約を入れたにもかかわらず、先生の都合でキャンセルになることもあります。

先生が自宅からレッスンを行う形態のオンライン英会話は格安で提供されることが多いものの、その分、トラブルも多く発生しがちです。

その点、先生が語学学校のオフィスに赴いてレッスンを行う形態のオンライン英会話であれば、こうしたトラブルはまず起きません。

オンライン英会話の提供先を選ぶ際は、価格だけに惑わされることなく、インフラ整備や先生の管理具合、引いてはレッスンの質などを総合的に判断する必要があります。

関連記事:初心者向け!オンライン英会話スクールまとめ

ここまで、オンライン英会話のメリットとデメリットを考察してきました。その上でいえることは、「オンライン英会話はマンツーマンレッスンゆえに、先生の能力や先生との相性が重要になる」ということです。

レッスンのクオリティは先生によって、まったく異なります。その意味では、研修制度が充実した語学学校の提供するオンライン英会話を利用した方が、安心です。

満足度の高い、優秀な先生をいかにキープしてレッスンを回せるかこそが、オンライン英会話で英語力を伸ばせるかどうかの分水嶺です。

その3.2020年以降のオンライン英会話について

通学型の英会話スクールに比べて圧倒的に低価格でありながら、グループではなくマンツーマンでレッスンを受けられるオンライン英会話は、今後も高い人気を保ち続けると予測できます。

ましてコロナ禍による不況が長引くと懸念されるなか、バブル崩壊後に英語を学ぶことの需要が高まったように、今回もまた、より多くの人が英語を本格的に学ぶための行動を開始することでしょう。

そうなると、オンライン英会話を始める人は、ますます増えそうです。

また、今後はキッズ向けのオンライン英会話も主流になっていくものと思われます。ただし、現状において、キッズ向けの英会話学習法ではオンラインよりも通学型の英会話スクールの方が人気のようです。キッズは集中力を保つのが大人に比べて難しく、低年齢になるほど、人と直接コンタクトを取れるほうを好む傾向にあります。

もっとも今はコロナ禍のため、英会話スクールへの通学は難しい状況です。

そのため、キッズ向けの研修や教材が充実しているキッズ専門のオンライン英会話が脚光を浴びています。

コロナ禍によってオンライン英会話の需要が高まったことは事実ですが、新型コロナはオンライン英会話にも少なからぬ悪影響を与えています。

新型コロナの流行により、フィリピンでも多くの人々が在宅を余儀なくされました。そのため、ネットを使う人が激増したことにより、フィリピンの貧弱なネット回線は大渋滞に陥りました。

その影響は自宅でオンライン英会話のレッスンを行っていた先生たちを直撃しました。これまで回線速度で問題のなかった先生たちの多くが、回線があまりに重くなったため、まともなレッスンを提供できない状態に陥ったのです。

フィリピンの現状から見てインフラ整備が急激に改善するとは思えないため、コロナ禍が続く間は、先生が自宅からレッスンを行うタイプのオンライン英会話の受講生は、とばっちりを受けそうです。

先生が学校に寝泊まりして、回線が安定している学校からレッスンを提供しているオンライン英会話スクールや、あるいはDMM英会話のように世界各国に分散してサービスを提供しているいる企業が、年内いっぱいはアドバンテージを握りそうです。

2.2010年代後半における国内での英会話学習

blank

その1.2010年後半:コーチング型英会話スクールの台頭

オンライン英会話の人気ぶりに変わりはなかったものの、2010年代後半になると新たな形態の英会話スクールが登場し、多くの受講生を集めました。

コーチング型英会話スクールが、それです。

当時は、受講生の減少に歯止めがかからなくなった英会話スクールの一部が強引な勧誘を進めたことが社会問題となり、英会話スクールとの契約を躊躇する動きが広がっていました。

そこで、コーチング型英会話スクールが掲げたのが「成果保証」です。「成果保証」とはスクールに通い、コーチの言うとおりに勉強したにもかかわらず目標とした成果を上げられなかった際に、受講料の返還を保証する制度のことです。

「結果にコミット」とテレビCMで繰り返したライザップの知名度が上がるとともに、成果保証を掲げるコーチング型英会話スクールが複数立ち上がり、一つのムーブメントが起きました。

既存の英会話スクールに通っていても、「これで本当に成果が上がるのか?」と疑問を持つ受講生は多くいました。受講生の立場からすれば、従来にはない「成果保証」を掲げる英会話スクールは十分に魅力的です。

ことに費用対効果を求めるビジネスマンのハートを、コーチング型英会話スクールの掲げる成果保証は見事に射貫いたのです。

結果がはっきりと数字となって表れるTOEICと「成果保証」との相性は抜群によく、TOEIC対策としてコーチング型英会話スクールを利用する受講生が目立ちました。

コーチング型英会話スクールの一番の強みは、受講生の一人ひとりに専属のコーチが担当としてつくことです。コーチと講師の役割は、まったく違います。コーチの仕事は英語を教えることではなく、受講生の英語学習計画や学習時間を徹底的に管理することを通して、受講生の目標とする成果を達成できるようにフォローすることにあります。

駅前留学など既存の通学型英会話スクールでは特に目標を設けるわけでもなく、細く長く学習を続けるスタイルでしたが、コーチング型は1ヶ月〜3ヶ月の短期集中型です。短期集中であることも、TOEICなどの試験対策に追われる英語学習者の駆け込み先として、大いに魅力的でした。

こうして2010年代後半は、コーチング型英会話スクールの人気が一気に高まりました。

その2.コーチング型英会話スクールについての考察

コーチング型英会話スクールのメリットとデメリットについて、見ていきます。

【コーチング型英会話スクールのメリット】
・二人三脚型で学習を習慣づける
・短期間のためモチベーションが続く
・1日3時間前後は学習を強制されるため、英語力が伸びる
・資格試験に強い

【コーチング型英会話スクールのデメリット】
・短期間で高額
・英会話力が伸びるか疑問
・自習中心のため面白くない

このように、コーチング型英会話スクールにも長所と短所があります。コーチング型英会話スクールを選ぶか否かの判断を下す前に、まずは自分の目標をどこに置くのかを、はっきりさせることが大切です。

判断基準を明瞭にするためにざっくり2つに分けると、「TOEICなどの試験対策で目標とする点数を達成したいのか、それとも英会話を流暢にこなせるようになりたいのか」のどちらなのか、ということです。

コーチング型英会話スクールでは一般的に、「英会話コース」のほかに「TOEICコース」など資格系のコースも用意されています。

TOEICコースは結果として点数が明確に出るため、全額返金保証の定義もわかりやすく、多くの学習者に支持されています。

試験対策として活用する分には、コーチング型英会話スクールのシステムは秀逸といえるでしょう。

ただし、英会話のスキルを上げることを目標に置くのであれば、話は違ってきます。

もともとコーチング型英会話スクールのビジネスモデルを切り開いたのはライザップイングリッシュです。

その最大の特徴は「日々のモチベーション管理」に焦点を置いているため、英語学習の継続率が飛躍的に高まることです。通学型の英会話スクールにしてもオンライン英会話にしても、従来までの英語学習法ではモチベーションを持続することが難しく、途中で投げ出してしまう人が数多くいました。

そこで専属コーチがつくことでモチベーションを高め、目標達成に向けてコーチと二人三脚で完走することを目指したのがコーチング型英会話スクールです。

コーチング型の登場により、受講生が英語を学習する際の継続率はたしかに向上しました。短期集中で学ぶため、集中力が保ちやすいことも強みです。

コーチング型では1日に3時間前後の学習をするスケジュールを組むため、オンライン英会話のように「毎日ちょっとだけやる」勉強法に比べると、学習時間を大幅に伸ばすことができます。そのため、日々の学習を積み重ねることで英語力アップを期待できます。

しかし、コーチング型英会話スクールの最大の問題点は、英会話量が少ないことです。コーチング型においても実際に英会話のトレーニングができるのは、通学型の英会話スクールと同様に週に1~2回が基本です。レッスン以外の日々の学習は自習となるため、英会話を対面で喋る機会は極端に少ないのです。

英会話量が少ないことは、コーチング型英会話スクールにとっての致命的な欠点です。なぜなら、英会話をマスターするために最も重要なことは「英会話量」だからです。

コーチング型英会話スクールでは「英会話は自習で身につけられる」という前提を置いていますが、この点は大いに疑問です。

マナビジンでは英会話中級者以上の160人を対象にアンケート調査を行い、「英会話を話せるようになるために重視していたことは何ですか?」と質問を投げかけてみました。その結果、ほとんどの人が「英会話を実践すること」と答えています。
(*「英会話中級者」の定義は、英検2級の単語や文法を流暢に使いこなせる人です。)

アンケートからは、「中級者以上は英会話を大量に行っている」という事実が見えてきます。

ある程度の英会話量をこなすことこそが、英語を流暢に話すための条件といっても過言ではありません。

海外留学によって英会話力を習得できるのは、半年から1年、2年ほどの留学期間中、24時間いつでも英語にふれられるからこそです。必要十分な英会話量を確保することで、初めて流暢に英語を話す力が身につくのです。

24時間英語漬けの環境に身を置いても半年から1年はかかるのに、わずか2~3ヶ月、週1~2回の乏しい英会話量のみで、本当に英語を話せるようになるでしょうか?

自習にどれだけ多くの時間を割いたとしても、英会話量を増やさない限り、英語でコミュニケーションをとる力は身につきません。

したがって、コーチング型を受講しながらも別に英会話量を確保できるならともかく、コーチング型だけに頼ったところで英会話をものにすることは難しいように思えます。

コーチング型の英会話コースを受講することで流暢に英会話ができるようになったとの成功事例が、今後多く出てくることを期待したいと思います。

その3.2020年以降のコーチング型英会話スクールについて

コーチング型英会話スクールのデメリットの一つは、オンライン英会話はもとより、一般の英会話スクールと比べても受講料が高額なことです。

専属でつくコーチの人件費が高いこと、成果保証を打ち出していることから、どうしても受講料は跳ね上がりがちです。

それでも最近は企業努力を重ねたのか、以前に比べると受講料が下がる傾向にあります。コーチング型の英会話スクールが増えたため、市場が飽和状態に達したと見なすこともできそうです。

価格競争が始まると、体力的に弱いスクールから撤退する動きが加速するかもしれません。

そんな状況下で降りかかってきたのが新型コロナの蔓延です。店舗展開をしてきた英会話スクールはどこも、コロナ禍によって大打撃を受けています。

教室に受講生を集めることが難しい状況のため、英会話スクールの多くはオンラインでのサービス提供へと切り替えています。コーチング型英会話スクールも同様です。

今後はオンラインを活用したコーチング型が主流になっていくことでしょう。

3.2010年代における海外での英会話学習

その1.フィリピン留学の台頭

2000年代までは欧米留学一辺倒だった海外留学事情が、2010年代からは大きく変化します。欧米圏に代わってフィリピンに渡航する留学生が激増したからです。

フィリピン留学の台頭は、「英語はネイティブから学ぶもの」という従来までの常識を完全に覆しました。

もともと世界に先駆けてフィリピン留学に目をつけたのは、韓国の英語業界です。韓国ではアジア通貨危機という国難を機に、どのようにしてグローバル化していくかを探る動きが広がりました。

その結果として、国内ではTOEIC学習(現在はIELTSやTOEIC SW、その他諸々などスピーキングを重視)が重んじられ、海外ではフィリピン留学が盛んに行われるようになりました。

なぜ韓国人が英語学習の場としてフィリピンを選んだのかといえば、「英語が公用語のため、多くのフィリピン人が世界レベルの英語力を有しているにもかかわらず、発展途上国ゆえに人件費が安い」ためです。人口の多さと、国内における雇用の受け皿が圧倒的に少ないことも、先生の集めやすさにつながる好条件でした。

これらのメリットに目をつけた韓国人によって、2000年前後からマニラ・バギオ・セブ島などを中心に語学学校が乱立しました。

ことにバギオに多くの韓国系語学学校が誕生したことには、驚かされます。バギオはマニラからバスで5時間もかかる奥深い山のなかにあるリゾート地です。飛行機も飛んでいないため、移動するだけでも一苦労です。あえて交通の便が悪い、そんな場所へ、大量の韓国人が送り込まれたのです。

セブ島やマニラには直行便があるため送客も容易ですが、バギオとなると話は別です。そのような僻地に多くの留学生を呼び込める営業力と行動力に、韓国英語業界の底力を感じずにはいられません。

主として韓国人の留学生を対象に行われていたフィリピン留学ですが、日本から参加する留学生も次第に増えていきました。やがて、日本人の経営する語学学校も次々に誕生します。

韓国から遅れること10年を経た2010年を過ぎたあたりから、日本においてもフィリピン留学の一大ムーブメントが起きました。フィリピン留学の留学生数は年間数万人規模に膨れ上がり、JAOS(一般社団法人海外留学協議会)の日本人留学生数調査2019調査レポート調べによると、ついに定番のイギリス留学を上回るようになります。

JAOSの統計では、留学先のなかでフィリピンは第4位でした。ただし、このデータにはフィリピン留学を推奨している留学エージェントは、ほとんど入っていません。そのことを考慮すると、実質上、フィリピンはアメリカ留学に次いで第2位、もしくは3位だったと思われます。

実際のところ、グーグル検索の検索ボリュームを見てみると、「フィリピン留学」や「セブ島留学」のキーワードは、「アメリカ留学」についで第2位です。

アメリカと肩を並べるほどポピュラーな留学先として、フィリピンはすっかり定着したといえそうです。

その2.フィリピン留学についての考察

では、フィリピン留学の長所と短所について見ていきましょう。

【フィリピン留学のメリット】
・留学費用が安い
・日本から近い
・マンツーマン中心の授業
・初心者にやさしい

【フィリピン留学のデメリット】
・ネイティブではない
・発展途上国である
・留学というよりは合宿

フィリピン留学のメリットは何と言っても「価格の安さ」「近さ」「マンツーマン」の三拍子が揃っていることです。

フィリピン留学によって、従来までの海外留学が抱えていたデメリットの多くが取り払われました。これまでのアメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアへの留学にともなう主な欠点は、「費用が高い」「遠い」「授業だけでは英語力を上げられない(授業だけでは英会話量が足りないため、英語力が伸びるかどうかは授業以外の時間の使い方にかかっている)」ことです。

フィリピン留学は、これらの欠点をすべて補ってみせました。フィリピン留学であれば、発展途上国への留学となるため、授業料も滞在費も格安です。欧米に比べれば飛行時間も短く、5~6時間で到着するほどの近さです。さらに、マンツーマンレッスンを1日に長時間受けられるため、授業だけで英語力を上げられます。

料金や日程の関係で、これまで海外留学を断念するよりなかった人々でも、フィリピン留学であれば手が届きます。こうして今まで留学とは縁遠かった人々を新たに取り込むことでフィリピン留学は市場を広げ、瞬く間にスタンダードな留学先としての地位を築き上げました。

フィリピン留学の掲げる「価格の安さ」「近さ」「マンツーマン」の3つの特徴は、英会話を志す様々な層に対して、それぞれに魅力的でした。

若年層にとって「価格の安さ」は極めて重要なことであり、多忙な社会人にとっては「近さ」が何より重要です。また、英会話が苦手な人、もしくは英会話の勉強を始めたばかりの人にとっては「マンツーマン」であることが、グッと心に刺さります。

多くの人々に、それぞれの求めるものを提供したことにより、フィリピン留学の人気が高まったのだといえます。

たとえば社会人であれば、距離的に近く、マンツーマンレッスンを大量にできるという理由からフィリピン留学を選ぶ人が多数います。

社会人は仕事の関係で長期間の休みをとることができません。数ヶ月から数年を基本とする欧米留学に行くことは、現実的に無理でした。また、欧米留学をしたからといって必ずしも英語を喋れるようになるとは限りません。欧米留学では、自分で努力して英会話量を増やす必要があるからです。授業だけでは英会話量が足りないため、英会話力を身につけることはできません。

つまり、欧米留学で本当に英会話できる力が身につくのかどうかは、あくまで不確定要素だということです。不確定であるからには、時間とお金の無駄遣いになる可能性も捨てきれません。社会人が欧米留学に踏み込めないのは、無理からぬことといえるでしょう。

一方、マンツーマンレッスンによって毎日大量に英会話をこなすフィリピン留学であれば、その英会話量の多さからして、欧米留学よりも確実に英語力の底上げを期待できます。

かけた時間を無駄にしないフィリピン留学は、十分に魅力的な英語学習法の一つといえます。

さらに、セブ島に関しては世界を代表するリゾートとして知名度は抜群であり、多くの日本人観光客が押し寄せる場所でもありました。それだけに、安心して海外留学できる渡航先の一つとして受け入れられ、人気を博しました。セブには日本人が運営している語学学校が多いことも、安心材料の一つです。海外渡航にともなう不安も、日本人スタッフが多ければ解消されます。

しかし、万能に見えるフィリピン留学にも、欠点はあります。よく指摘されるのは、フィリピン人講師がネイティブではないことです。ネイティブと非ネイティブでは、発音に大きさ差が生じます。フィリピン人講師が、どれだけ正確な文法を駆使して美しい英語を吐き出したとしても、ネイティブの発音と比べると、その違いは明らかです。

日本人にとって英語といえば、一般的には「アメリカ英語」を意味します。アメリカ英語を非ネイティブから教わること自体が、受け入れがたい人も少なからずいることでしょう。

あくまでネイティブの発音にこだわるのであれば、フィリピン留学は不向きです。もっとも、最終目標は欧米留学におくとしても、そのためのステップアップのひとつとしてフィリピン留学を利用する人も、多くいます。

このあたりは自分の描く将来設計を踏まえた上で、ネイティブ並みの発音を必要とするのかどうかを自問してみるとよいでしょう。

ちなみに世界を見渡してみると、英会話ができる人の8割以上は非ネイティブで占められています。ネイティブと非ネイティブの発音に違いがあるのはたしかですが、ある程度のスキルに達した非ネイティブの英会話がネイティブに通じないことは、まずありません。その逆もまた然りです。

英語を通してコミュニケーションをとりたいのであれば、ネイティブ並みの発音にこだわる必要はまったくありません。

したがって、「フィリピン人講師がネイティブではない」というデメリットは、ごく一部の人を除けば、大した問題ではありません。

次の問題は、フィリピンが発展途上国である事実です。日本で暮らしている限り、日本人の多くは発展途上国の抱える現実を知りません。「本当の貧困とは何なのか」など、発展途上国に滞在することで初めて気づかされることが多々あります。

「海外留学」と聞くと欧米留学をイメージすることが一般的ですが、先進国である欧米各国と発展途上国に過ぎないフィリピンとでは、日々の暮らしに大きな違いがあります。

街中を歩くだけでも、その違いを肌感覚として知ることができることでしょう。美しく清潔に保たれた先進国の町並みと、メイン道路から外れたところにスラムが見えるフィリピンの町並みとの違いは明らかです。

セブ島留学でも同様です。セブ島には南国ビーチリゾートのイメージがつきまといます。ですが、旅行ガイドのパンフレットにあるような美しいイメージは、実際にはセブ島のごく一部の私有地に限られています。セブの市街地は、発展途上国の現実にあふれています。

日本や欧米とは異なり、フィリピンはまだ発展途上の国に過ぎないという事実と向き合う必要があります。少なくとも欧米留学のイメージは捨て去った方がよいでしょう。

しかし、発展途上国のリアルを知るという経験は、あなたの価値観を大きく変えるかもしれません。これからの人生を変える契機になる可能性さえあります。

海外留学は単に英語を学ぶだけの場ではありません。異文化の国に暮らすことで多くの発見が得られるはずです。それらが自分自身の成長に繋がることも、留学ならではの醍醐味といえます。

さらにフィリピン留学は、どちらかといえば「合宿」に近いことを知っておいた方がよいでしょう。ほとんどの語学学校で1日8時間前後の授業が行われ、3食が提供されます。その状況はまさに強化合宿です。そのため欧米留学に比べると、自由時間は少なくなります。

他国から来た留学生とふれあう機会も当然ありますが、留学生のほとんどはアジア人です。欧米留学のような多国籍の留学生との国際交流は期待できません。

また、食中毒にも気をつける必要があります。清潔な環境で暮らしている日本人は雑菌に対する抵抗力が弱いため、お腹を壊しがちです。食事については十分に注意した方がよいでしょう。

これらフィリピン留学についてのメリットとデメリットを勘案しながら、活用するかどうかを決めるようにしてください。

その3.2020年以降のフィリピン留学について

思いがけず世界を襲った新型コロナウイルスによるパンデミックは、フィリピン留学にも壊滅的なダメージを与えています。フィリピンが留学生の受け入れを制限している以上、語学学校としても為す術がありません。

この状態は、まだしばらく続きそうです。ドゥテルテ大統領は国内経済における需要の回復を最優先しているため、海外からの旅行客や留学生を安易に受け入れるとは考えにくい状況です。

留学のためのビザを取得する手続きにしても、これまでフィリピンは煩雑な手続きを要する欧米留学と比べて、とても簡単でした。短期滞在者はもとより中長期滞在者であっても、「VISA関連」の手続きで苦労することは、まずなかったといえます。

しかしながら、今後の対応については不透明です。新型コロナの「抗体検査」や「PCR検査」などが必須になることも十分に考えられ、留学のしやすさがどの程度のレベルで落ち着くのか、まだ見通しがつきません。

もっとも、新型コロナ対策はフィリピンに限らず、海外留学を受け入れている国であれば、どの国でも実施していることです。留学先がどこであれ、まだしばらくは気軽に海外留学できる状況にはならないと推測されます。この状況はおそらく、中長期的に続くのではないかと思われます。

新型コロナがいつ終息するのかが見通せない以上、こればかりはどうにもなりません。「海外留学」という英語学習法が封印されたことは、英会話のスキルを身につけようとする者にとって大きな痛手です。

しかし、コロナ禍にあっても、実は新しい英会話学習法が確実に台頭し始めています。2020年代の主流となる勢いで伸びている、この新しい英会話学習法について、次回は詳しく追いかけてみます。

斉藤淳 マナビジン編集長
斉藤淳 マナビジン編集長
マナビジン編集長
兼メディアコンサル
株式会社reminisce 代表

2012年のフィリピン留学までTOEIC300点台、英会話力ほぼゼロ。試行錯誤した果てにフィリピン留学にたどりつき、4ヶ月の留学で英会話力が伸びるコツを会得。

自身の経験を元に2013年から俺のセブ島留学(マナビジンの前身)としてサイトを立ち上げ、フィリピン留学関連サイトとしてアクセス数トップクラス。8年間で4000人以上の留学生を間近で見てきました。

そこから見えたのは、英会話が伸びる人と伸びない人の差です。
多くの英語学習者を見守るうちに、短期間で英会話のスキルを身につけた成功者には、共通点があることに気がつきました。

マナビジンではその答えを出来るだけ詳しくご紹介していきます。

《英語歴》
留学前 TOEIC300点台
フィリピン留学4ヶ月(2012年)
オンライン英会話半年(2013年)
ハワイ留学2週間(2019年)

《結果》
TOEIC 815点(2013年、以降受講歴なし)
Versant 56点(2020年10月)
*TOEIC900点の平均が54点

《海外の語学学校訪問数》
フィリピン(100校以上)、ハワイ(7校)

《セミナー主催》
フィリピン語学学校、法人向け主催セミナー2015年から年2回開催(最大72校参加)

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here

おすすめ記事

PICK UP

初心者向け!オンライン英会話【おすすめ51社】比較ランキング

初心者向け!オンライン英会話【おすすめ51社】比較 -2020年後半-

0
オンライン英会話スクールは、フィリピン、ネイティブなど大小合わせて50社以上あります。 その中で初心者向けのオンラ...

新着記事