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新型コロナの影響#04 大学病院研究員の私が考える業界のネガティブな面とポジティブな面

女性40歳、大学病院研究員の方へインタビュー

このシリーズではwithコロナの今「英語を使う仕事」をする方へ、ご自身が働いている業界の新型コロナにおける影響、会社の取り組み、業界の未来、そして何よりその渦中で今後のキャリアをどう見据えているのか、についてインタビュー形式で伺いました。

インタビューを受けて頂いた方の考察が含まれているため、同業種の方はもちろん、異業種でもお役に立つはずです。

新型コロナの影響と取り組み

1. 自身のお仕事を具体的に教えて下さい

私は医療業界に属しています。具体的な所属機関は病院です。大学病院である医療機関は、治療機関であると同時に研究教育機関です。そこで、研究員として働いています。研究では大まかに下記のような流れが必要になります。

まず、患者様に研究に協力してもらい、データを取得する。そして、そのデータを分析して、新たに業界の発展に寄与するシステムやルール、ツールといったものを構築していくことをしています。

こうしたものが導入されるには、それなりの科学的な根拠が必要となるからです。研究のデータ解析などをした後は、それで終わりというわけではなく、研究内容を論文にして、雑誌に投稿して、それが雑誌にアクセプト(承認)され、掲載されることが必要になってきます。新しいツールを導入するにしろ、それが研究が科学的な根拠がなければならないのです。

投稿する雑誌は主にアメリカなどの海外の雑誌になり、日本語の論文ではなく、英語での論文での投稿が必要になってきます。そのため、論文を書く際、日本語での場合は翻訳する作業が必要になってきます。

また、英語で直接書く場合でも、過去にどのような論文があったかなどを調べるリサーチ業務が必要となってきます。論文は海外のものが多いので、この作業でも英語を使用します。

また、研究所内ではチームで仕事をすることが多いのですが、海外の案件も多く、海外の研究員もいるので英語でミーティングをすることもあります。私はこれらの仕事に関わっています。

2. 新型コロナは業界にどのように影響を受けましたか?

まず1つは、研究というと食品流通業界や介護業務とは違い、必要不可欠性があるという分野ではありません。いってしまえば、研究をしなくても今の生活がよりよくなることはなくても、悪くなるわけではないのです。

そのため、「今この大変なときに研究をしなくてもよいのではないか」などの批判もあり、業務が滞ったり、ストップしてしまうこともありました。

特に緊急事態宣言の際は、全て業務が停止してしまいました。また、研究に協力してもらえる人を集めるにしろ、皆さま日々の生活をするのに精一杯ですので、協力者も集まらず、そうすると必然的にデータの分析も出来ず、論文投稿の作業も滞ってしまいます。

次に、これはこの業界のみではなく、他の業界全体に言えることだと思いますが、人が通常通りに出勤しないので、全体的に流れが滞ったということが言えます。メールで問い合わせをしても、全てのところがテレワークを取り入れているわけではないので、返事も通常2、3日で来るものが2週間かかったり、ひどいときには返事が返ってこないということもありました。

論文を投稿する際にも、その後のチェックなどいろいろな工程が入りますが、人がいないと当然返信の速度も遅くなり、次のステージにいけないということも起こります。すると、今まで1年で出来ていたものが、2年と時間がかかってくるようになります。

海外の同僚もいたのですが、やむを得ない事情で帰国しなければならないなどということもありました。この点で、英語を職場で使う機会は減ってしまったと言えると思います。主な連絡手段はメールですが、どうしてもメールだと職場に実際にいるのとは違い、連絡事項など必要なものに限られているようで、交流が減ったように思います。

3. コロナ禍での勤める病院の対応

会社では基本的に緊急事態宣言のときは、テレワークのみで一切研究機関に立ち入るということはしませんでした。病院ということもあり、仕方のない対応だし、むしろ正しい対応だったと思います。

現在、緊急事態宣言は解除されていますが、可能な限りテレワークで対応することが続いており、職員の安全性を第一に考えていると思いました。

研究については引き続き行なってはいますが、どうしても「無理のない範囲で」というしばりがついてきます。

コロナの騒ぎの前には自分の裁量でどんどん進めたりということも出来たのですが、どうしてもそれが出来なくなってきています。研究の協力者に対しても強く協力は要請出来ないし、また、場所が場所だけに当然かもしれませんが、敬遠しがちになってしまっているようです。

会社としては、このままコロナが収まらなかった場合、研究が進むペースが落ちてしまうということは承知していますが、会社自体の存続自体が危ういというところまではいっておらず、様子を見ながら可能な限り、今できることをというスタンスを取っているように思います。しばらく、テレワークでの対応は続くのではないかと思います。

4. ウィズコロナにおける業界の展望を教えて下さい

医療研究機関ということもあり、まず、前よりも研究が格段にやりにくくなったということがあげられると思います。

研究はプラスアルファのものなので、最低限のことが保証された社会のうえで、はじめて成り立つものです。そうすると研究自体がそこまで必要でなくても「有用」であれば認められていた研究も、「必要な研究」ではないと認められないなど、研究の内容や対象者に関して、研究として認められる基準がどんどん厳しくなっていくのではないでしょうか。

また、テレワークや時間差出勤で対応できるような職種なので、人との関わりが対面からメールやテレビ電話越しにシフトしていくのだと思います。英語を使う機会も職場で話して英語を使うということよりも、読み書きで英語を使うということにシフトしていくのだと思います。これらは、どちらかというとネガティブなことです。

ただ、ポジティブな面も挙げられると思います。研究機関なので、新しいものを開発することを目標にしています。したがって、「コロナ社会を救う」という点から、研究が後押しされる可能性も全くないわけではないと思います。

例えば、コロナに効くワクチンなども開発が急がれていたり、検査をするにもPCRキットが必要でその生産も急がれています。マスクが不足したときのことを考えてみるとわかりやすいと思いますが、マスクが必要なので、大量に生産するように政府をはじめ、生産者も全力で取り組んでいたのは記憶に新しいと思います。

同じように、例えば、コロナ社会において遠隔技術や接触しないで社会が回せるようになるツールや機械の開発といった研究内容であれば、それはコロナは逆に研究を後押しするようなものになるのではないかと思っています。

とはいえ、研究を進めていくにしろ、研究計画から構築していろいろな組織の承認を受けるなどの段階を踏む必要があるので、すぐに取り組めるかどうかは別の問題になると思います。全体的に業界のペースダウンは、避けることが出来ない課題のように思います。

5. コロナ禍でのご自身の将来への取り組みを教えて下さい

今現在、そして、将来も引き続き出来ることは、自分自身が感染しないこと、周りに感染させないことなど基本的なことしかないと思います。

こればかりはコントロール出来ないので、粛々と出来ることをやるしかないと思っています。

コロナの騒ぎの前のようにはスムーズに物事が進まなくなってきてはいますが、幸い仕事がすぐになくなったり、会社が潰れてしまったりというようなことはなさそうなので、出来る範囲のことを出来る限りやるようにするしかないと思います。

テレワークでも対応が出来る職種だったので、この点では恵まれていたと思います。仕事も業界のペースが落ちているとはいえ、メールやテレビ電話でリモートワークにシフトできるようにしたいと思います。

ただ、将来の自分の仕事や身の振り方について考えるようになりました。

以前であれば、会社は潰れないだろうし、なあなあと毎日過ごしていたとしても食いはぐれるということはないと信じていました。しかし、この一件で絶対に安全な職場(倒産しないという観点で)は存在しないし、自分自身生計を立てるだけの能力を持つ必要性を感じました。

例えば、資格を取ったり、副業で稼ぐことなども念頭に置いて考えるようになりました。今、すぐに会社を辞めるということではありませんが、独立して働けるというようなことも考えるようになったのも事実です。

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