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新型コロナの影響#05 教育旅行業界「地方のインバウンド観光は7~8年かかってもおかしくない」

35歳、地域活性化を目的とした一般社団法人の職員の方へインタビュー

このシリーズではwithコロナの今「英語を使う仕事」をする方へ、ご自身が働いている業界の新型コロナにおける影響、会社の取り組み、業界の未来、そして何よりその渦中で今後のキャリアをどう見据えているのか、についてインタビュー形式で伺いました。

インタビューを受けて頂いた方の考察が含まれているため、同業種の方はもちろん、異業種でもお役に立つはずです。

新型コロナの影響と取り組み

1.自身のお仕事を具体的に教えて下さい

私は、日本国内の学校団体、企業の社員研修、インバウンド団体(主に学生団体)を地域住民の協力の基で農泊を行っていただき、地域活性化を目的とした旅行サービス手配業登録をしている一般社団法人でコーディネーターとして働いています。

業界で言うと狭いのですが、教育旅行業界というのがあり、その分類に当てはまります。旅行業法上の旅行会社ではなく、あくまでも一般社団法人となります。

英語に特化した主な業務といたしましては、インバウンド団体や海外からの個人のお客様を地域に誘致し、着地型観光を推進する為に資料作成(英語版のパンフ作成とホームページ作成)、予約の調整、農泊家庭の確保、マッチング、団体の場合は添乗員の方のお宿や食事の手配、精算業務など幅広く行っております。

英語については、先述したパンフレット作成やホームページ作成、現地旅行会社との電話やメールでのやり取り、旅行当日の現場対応があります。

インバウンドの学生団体の場合は引率教諭等がおられますので、その方々を社用車で農泊家庭に案内し、実際に子どもたちが体験をしている様子を見学いただくことも業務の一貫として行っております。

2. 新型コロナは業界にどのように影響を受けましたか?

新型コロナウイルス感染症が今年の1月に中国武漢で発生したとニュースに流れた瞬間から雲行きは怪しくなり、2月上旬に予約の入っていた中国からの大学生団体のキャンセルが最初の影響でした。

そこから、今年に関しては、ハワイからの大学生団体や、ベルギーからのファミリー団体客など10団体ほどの予約が全てキャンセルとなりました。

インバウンド事業は、日本政府の国策もあり渡航制限がかけられていますので仕方ない部分がありましたが、日本国内の学生団体、いわゆる修学旅行や野外活動などの学生団体も受入業務の一つになるのですが、すべてキャンセルとなっている状況です。

中には、元々新型コロナウイルス感染症が流行する以前から、来日している外国人留学生が在籍している学校を受入れる予定もありましたが、地域の方から外国人を受入れることについて理解が得られないのではないかと社内協議で判断を下し、当方からお断りを申し入れたケースもございました。

その他、国内の企業研修や一般団体客のキャンセルも相次いでおり、8月末現在、ほぼ稼働していない状況となっています。

事業をはじめて11年目を迎えていますが、かつてないほどの影響を受けており、収益事業が行えない状況に陥っております。

3. コロナ禍での勤める会社の対応

会社の対応としては、新型コロナウイルス感染症で国(厚生労働省)や当地域の都道府県、自治体などから発表された助成金制度、セーフティーネットなど様々な制度を活用し雇用維持に努めています。

具体的には、3月から雇用調整助成金申請を社員自らが行い、8月現在で200万円近い金額の助成を受けています。その他、持続化給付金を満額の200万円、都道府県+自治体からの新型コロナウイルス感染症対策臨時支援金約50万円、労働局管轄の働き方改革推進支援助成金(職場意識改善特例コース)による労務管理ソフトの導入を図り事務効率を高めることも行いました。助成金額は28万円です。

さらに、都道府県が「新しい生活・産業様式確立支援事業」という制度を策定されたので、その対象になるため10万円の助成を行っていただく予定です。助成金制度については、タイムリーに支給してもらうよう社員は努力しています。

社員の給与の支払い時に発生する社会保険料についても、算定基礎の見直しによって、使用者負担も本人負担も軽減されるように申請を行いました。

上記の通り、会社としては出来るだけ経費を抑え、出来る限り助成金を確保し、これまでの内部留保を切り崩すことで今年度は乗り切ろうと判断されたところです。

社員については上記に記した通り、雇用調整助成金を取得するため、出来る限り出勤数を減らし、協業保障ができるように急務で特別休暇の整備を行いました。

協力していただいている地域住民、関係機関についても今年度の観光客を受け入れないという判断に賛同いただいているところです。来年以降どう対応していくかが、これからの課題となっています。

4. ウィズコロナにおける業界の展望を教えて下さい

新型コロナウイルス感染症がここまで大きな影響を与えると思っていなかった今年の2月3月は正直夏ごろまでには終息する予定でしたが、全てが変わりつつあります。

教育旅行業界においては、修学旅行の延期または中止が相次いでおり、実施したい学校団体があっても、学生が無症状のまま地域に入ることへの懸念があり、学校側から遠慮されるケースや、当地域も地域住民の理解あっての事業であるため、簡単に来てほしい判断を下せないという瀬戸際にあります。

送客いただく旅行会社からの問い合わせも、新型コロナウイルス感染症に対するガイドラインの策定が出来ているのか、今後の方針や受入判断基準を求められていますので作成段階にあります。旅行会社も、JRやバス会社と協議の上、新幹線の車内やバスの車内が3密にならないよう、各方面から出されたガイドラインに沿った対応に追われている状況です。

国内の旅行は、GO TO トラベルキャンペーンが始まりましたが、東京除外の影響もあり、大きな成果が出ているとは言える状況にありません。

修学旅行や団体旅行にも、このGO TO トラベルキャンペーンが適用するのですが、利用する学校団体はあまり話に上がってきていません。

国内の状況が以上のように回復傾向に見えない業界であって、インバウンド団体はさらに厳しいものがあります。

昨年、過去最多のインバウンド観光客が訪れた日本ですが、今年はかなりの落ち込みが予想されています。コロナ前に戻るには、最低3年~5年かかるのではないかと言っておられる専門家の方がおられます。

これは、東京や京都のような観光地に外国人観光客が戻るのを前提としており、地方に至ってはもっと時間がかかるものと予想をしています。私の見解では7~8年かかってもおかしくないと考えています。地方ほど、インバウンド観光客の戻りは、深刻な問題と捉えています。

5. コロナ禍でのご自身の将来への取り組み方を教えて下さい

コロナ禍においては、自分自身を見つめなおす良い時間が与えられたと前向きに捉えるしかありません。現に、休業状態であり、出勤調整をしていますので、これまでになかった時間の過ごし方をしています。

まずは、冷静に現職の将来性を見据えた時に、新型コロナウイルス感染症が終息し、誰もが臆することなく都道府県を跨ぐ移動が出来る状況になれば、仕事も回復の見込みがあります。

しかしながら、ワクチン開発、PCR検査の拡充など、誰もが安心して観光客を受け入れ出来る体制になるには、まだまだ時間がかかります。そのため、今を我慢して回復を待つのか、これまでの経験を活かして次へ向けてステップアップするのか非常に悩みました。

結果的に、将来の取り組みとしては、現職を今年いっぱいまで全うし、これまでのキャリアを活かせることの出来る仕事を探すため、転職活動を開始しました。

また、資格取得にもチャレンジし、無事に合格することも出来ました。これらは全て、自らを見つめなおし、ステップアップするための時間を神様が与えてくれているのだと捉えるようにしています。マイナス面ばかり見ていても仕方がないと思いますので、出来る限り前向きに考えています。

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