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新型コロナの影響#06 30歳商社で貿易実務、ファッション業界で働く私が思う業界の未来と自身のキャリア

女性30歳、商社での貿易実務(英語必須)の方へインタビュー

このシリーズではwithコロナの今「英語を使う仕事」をする方へ、ご自身が働いている業界の新型コロナにおける影響、会社の取り組み、業界の未来、そして何よりその渦中で今後のキャリアをどう見据えているのか、についてインタビュー形式で伺いました。

インタビューを受けて頂いた方の考察が含まれているため、同業種の方はもちろん、異業種でもお役に立つはずです。

新型コロナの影響と取り組み

1. 自身のお仕事を具体的に教えて下さい

ファッション業界にて、商社に勤めております。私はその中で貿易実務の仕事をしており、生産管理部とともに社内の製品・資材の在庫を把握し、発注の計画を立て、海外の取引メーカーへの発注をしております。

輸入に関わる各種契約書などの書類の作成や翻訳、納品までのスケジュール調整、支払処理、打ち合わせや商談での通訳を担当しています。一連の輸入の流れは、1か月間でおよそ20サイクルほどです。

やり取りは全て英語となっており、年に3~4回はヨーロッパへの出張があります。展示会に多く取引企業が出展しておりますし、新規企業の開拓・現地の市場調査や、工場視察などが目的です。特に注力しているのは新規企業の開拓で、常にクオリティの高いものをより安く仕入れられないか探しています。

また、既存の取引先とも、現地に足を運ばないとシーズンごとに出している新しいものを包括してキャッチできないので、大事な仕事となっております。

反対に日本への視察などの受け入れの際も対応しており、商談はもちろん、夕食ではもてなしの席も案内します。製品は相手先企業が最初から持っていたものを仕入れる場合のほか、1からデザインを考え、試作していく企画も立案しているので、細かなやり取りが必要です。

日本で売り込むには材質や機能性にもこだわるため、何度も折衝を繰り返し、新しい製品を産み出します。海外企業とはそもそもの文化や製造方法、考え方が異なることも多いので、都度状況に適した判断が求められ、その中でお互いの妥協点を見つけること、価格の交渉などで苦労することもあります。

輸入業務では、日欧経済連携協定に基づく原産品申告書の作成や関税割当の使用など公的機関とのやり取りもありますが、大まかな流れの部分はフォワーダーが請け負っているので、書類の準備や出荷・フライトや本船の選択、スケジュール管理や指示などが仕事となっております。

海外企業は日本と比べて品質検査が甘いので、品質が悪い物や中には仕様が間違っている物も少なくありません。到着した製品のチェックを担当者が念入りにし、そういった物が見つかったときには連絡を入れますが、相手がスピーディーに対応してくれなかったり、返品に応じなかったりと、折衝が生じることも多々あり、それを語学力でどれだけフォローできるかが重要となっております。

2. 新型コロナは業界にどのように影響を受けましたか?

日本のファッション業界ももちろんですが、ヨーロッパ企業は更に新型コロナによる打撃を受けたかと思われます。

特にメーカーは日本以上に軒並みロックダウンや休業でほぼ稼働しておらず、発注ができない(営業していないので、受けたとしても納期がいつになるか分からない)状態です。連絡もつきづらいです。

航空便や船便も、便数が圧倒的に減り、また対応人数も減ったので、輸出入の動きも悪くなりました。マスクなどの衛生用品が優先されている背景もあります。相手先企業も在庫を抱えることになった以上、現地での資材の調達もまた苦労しているようです。

日本のファッション業界としても、緊急事態宣言から、デパートや工場の休業などにより、クライアントからの受注が激減しました。予定していた生産が全くできなくなり、春夏の売り上げの大幅な売り上げ低下とともに、秋冬の企画やメーカーへの発注もストップしました。生産が元通りになるのには相当な時間を要するかと思います。

また、今まではアパレル企業が在庫を抱えても、デパートでのセールはもちろん、アウトレットや、ファミリーセールなどで安価でも捌くこともできたのですが、密になれない今はそういった二次流通も低迷しています。

3. コロナ禍での勤める会社の対応

社としてはテレワークという名の実質の休業を実施し、減った分の仕事量を調整しております。

ヨーロッパから輸入ができない以上、部署として処理する仕事が減少し、今後の仕入れもままならないので、雑務を片付けることくらいしかやることがないです。

サプライヤーとは、相手が稼働していないので特に連絡事項もなく、再開したら連絡をしてほしいということのみ伝えていました。現地では感染者は減ってきてはいるものの、今後自分の会社が継続しているかということも確約できない状況ということを聞いたので、代わりの企業を見つけることも必要になってくるかと思います。

ヨーロッパにおいてはどこも似たような状況かとは思うので、同じクオリティで価格面でも納得のできるような企業が見つかるかどうかも見通しがつきません。

ファッションにおいては品質やセンスの点で、やはりヨーロッパと仕事がしたいのですが、比較的コロナの影響を受けていないような国の企業にも目をつけ、発掘することが大事になってきそうです。

4. ウィズコロナにおける業界の展望を教えて下さい

ファッション業界で大きなイベントとなるファッションショーや展示会などは、数年単位で大規模なものは開催できないでしょう。特に海外で開催するようなものは、日本ほど感染対策が徹底しているとも、衛生観念が高いとも思えないので、出展企業・参加者ともに集められないのではないでしょうか。

ここまでコロナに感染した際のリスクが報道されている今、日本の企業がそう簡単に派遣させるようになるとも想像がつきません。しかしだからといって、パリ、ミラノ、ニューヨーク以外での開催が求められるかと問われると、やはり難しいと思います。

再びファッションとしてのビジネスが盛り返すのは遠い未来になりそうなので、早い段階でマスクや医療防護服などの販売にシフトチェンジし、製造会社や販売ルートの獲得ができたところは成功している企業です。

日本の商社としてもコロナのダメージを比較的受けておらず、封じ込めに成功している国との事業開拓が求められていると思います。

ただ、将来的に輸入、販売が回復してきたとしても、コロナで社会全体が不景気に傾いた以上、ファッションに対する消費者の購買意欲も元に戻るかは疑問視しており、その後も業界としての売り上げが戻るとは思えません。現在すでに閉店などが多くなってきていますが、今後も立ち行かなくなった企業が店舗の閉店やリストラなどをしていくかと思われます。

また、ウィズコロナによって、外出自粛モードやリモートワークが推奨されていくと、スーツや革靴などのオフィス向きのアイテムはますます不要になっていき、そういった意味でもファッション業界は大きく変わっていくのではないかと思います。

5. コロナ禍でのご自身の将来への取り組み方を教えて下さい

正直、ファッションなど生きていく上で必要不可欠ではない業界は、このような伝染病が流行したときには大打撃を食らうと気づきました。エンタメ・スポーツ・旅行業界なども然りです。

特に世界的に流行してしまったら、しばらく流通や行き来を絶つしかないので、海外とやり取りをする仕事はその点安定性に乏しく、弱いでしょう。

もし英語を使うような国際的な仕事でも、商社などではなく、生活必需品や、インフラなどの食いっぱぐれのないような業界がよかったのではないかと思い、そういった業界への転職も視野に入れています。

しかし英語ができるといっても、コロナの影響で求人自体が減っている今、未経験の業種に引く手あまたとは思えませんので、なかなか苦しい状況です。

もし今後、英語を使う仕事に興味がある方は、その業界や業種を深く考え、やりたい仕事よりも、社会の変動があってもそれによる影響が少なく、続けていける仕事を見極めて、選ぶ必要があるかと僭越ながら申し上げます。

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