学生時代に力を入れたこと、略して「ガクチカ」。
学生は、このガクチカと向き合いながら就職活動を行いますが、「ガクチカに書くことが本当にない」と困っている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、そのような学生の悩みを解決すべく、ガクチカに書くための短期留学プランを提案します!
「ガクチカどうしよう」と悩んでいる方、何か真剣に取り組みたいけど、何すべきかわからない方、この記事を読めば、短期留学の経験を使ってガクチカが書けます。
留学経験を使ったガクチカを作るまでのストーリーもご紹介していますので、ぜひ読んでいただければと思います。
目次
1. ガクチカについて
就職活動中に「ガクチカ」から逃げることはできません。学生時代にそれぞれの学生が経験したこと、学んだことは企業が最も関心を持っていることと言っても過言ではありません。
しかし、学生側と企業側で「ガクチカの捉え方、認識」に違いがあるため、学生がアピールしたいことが企業に伝わらないケースも少なくありません。
まず、本章では、就職活動においてガクチカがどのように位置付けられており、「ガクチカが本当にない」と言われることについて、解説していきたいと思います。
(1)就活におけるガクチカの位置づけ
ガクチカは就職活動において、学生の強みや人柄、そしてどのような価値観・考えをもって行動しているのかを判断するために、エントリーシートや面接で企業が問うものです。
企業はガクチカを聞くことで、その学生が自分の企業で活躍してくれるかを判断し、人材を確保しています。
しかし、学生にとっては、このガクチカが大きな「壁」であり、どのような内容、構成で書こうか頭を悩ませています。
その大きな理由は、多くの学生が、偉大な経験や面接官を感心させるためのストーリーを作ろうと試み、「こんなガクチカでは採用されない」と思い込んでしまっているためです。
もちろん、コミュニティのリーダー経験や起業した経験などがあれば、企業から高い評価を得ることができますが、そのような経験をしているのは、ほんの一握りの学生のみです。
また、日本の新卒採用では、「ポテンシャル採用」形式のため、スキルや能力よりもその企業で今後活躍できる「可能性が高いか」という評価基準が採られているため、自身の経験の大小にあまりこだわる必要はありません。
そのため、ガクチカを作る際には、「経験の大きさ」よりも「ストーリーの伝え方」に焦点を当てましょう!
仮に自身の経験が小さくとも、その成功/失敗経験からどのようなことを学び今に活かしているのか、これまでに自ら仮説を立て、課題解決に取り組んだことはあるか、自己分析を行い、ガクチカに落とし込んでいきましょう。
(2)ガクチカが本当にない学生
上述の通り、ガクチカを「壁」と思い込んでしまう就職活動中の学生から、「ガクチカに書くことがない」という声をよく聞きます。
それは、ガクチカを「経験が大きくないと評価されない」と勘違いしてしまっていることが原因です。
しかし、最近では、コロナウイルス感染症の影響によって、アルバイトやサークル活動に支障が生じ、「ガクチカが本当にない」という学生もいると思います。
または、アルバイトやサークル活動などを行っているけれども、アピールできることが少ないので、もっと刺激的な経験やエピソードについてガクチカに書きたいという学生も多いのではないでしょうか。
そのような「ガクチカが本当にない」学生はこれから何らかのアクションをとり、就職活動でアピールできる経験を積むことが必須となります。
2. ガクチカがないなら留学が最適!
上記でご紹介した通り、多くの学生はガクチカのエピソードを持っていない(またはアピールできるほどではない)ことに悩んでいます。なので、この記事を読んでいる学生の方も焦ったり心配する必要はありません。
ここで、「ガクチカが本当にない」という方には、短期留学がおすすめです。
なぜなら、たとえ短期でも、留学経験は他の活動(アルバイトやサークル活動など)に比べてアピールできることがたくさんあるためです。
本章では、なぜ留学経験はガクチカで企業の面接官に「刺さる」のか、ご説明していきたいと思います。
(1)行動力
まず、「留学に行く」という決断は、多くの学生が選ばない道であり、自ら過酷な環境に飛び込む覚悟を持って異国の地で勉学に励む体験ですので、「行動力がある学生」として、他の学生と差別化を図ることができます。
言語も文化も生活習慣も異なる国で過ごす経験があると、バイタリティのある人材として評価されますし、様々な困難や課題を乗り越えたり、それらに柔軟に対応する力をアピールすることができます。
また、将来的に海外進出を目指している企業やすでに海外に事業を展開している企業としては、海外経験がある学生と全く海外で生活をしたことのない学生では、その行動力やバイタリティから、前者の学生を採用する可能性が高いでしょう。
(2)語学力
留学をすると、日本にいるよりも効率的に語学力を向上させることができるため、ガクチカで語学力の向上についてアピールすることができます。
もちろん、1ヶ月〜3ヶ月の短期留学では語学力を飛躍的に向上させることはできませんが、初級レベルから中級レベルまで伸ばすことは可能です。
語学は中級レベルから上級レベルまで到達するにはかなりの時間がかかりますが、初級レベルから中級レベルまで到達することはそこまで難しくありません。
企業としても、すでに語学力がある学生に対して「即戦力」として活躍してくれることを期待しますので、語学力はアピールポイントとして十分に使うことができます。
ただし、語学力をアピールする際に注意しなければならないことがあり、それは、「語学力のみアピールしてしまう」ことです。
語学力はアピールすべきポイントなのですが、「語学力+α」で留学中に学んだことや吸収したこと、今後活かしていきたいことをアピールできると、企業に対し「この学生はぜひ採用したい」と思わせることができます。
(3)コミュニケーション能力
留学中には、自分とは全く異なるバックグラウンドを持った留学生、現地学生と交流する機会があり、また日常生活でもその時と場に応じたコミュニケーションをとる必要があります。
大学を卒業し、社会に出ると、老若男女、多種多様なバックグラウンドを持った人と関わることとなるため、仕事を滞りなく円滑に進めたり、人間関係を築く上でもコミュニケーション能力を身につけることはとても重要です。
留学経験を通して培うことができるコミュニケーション能力は、企業にとっても重要視しているポイントですので、アピールすると高い評価を得ることができます。
ただし、「コミュニケーション能力」といっても抽象的ですので、具体的にどのようなことに配慮してコミュニケーションを取ったか、どのような意識づけを行っていたか、を考えておくようにしましょう!
3. ガクチカ作成例
前章では、「ガクチカが本当にない」学生向けに短期留学を1つのプランとしてご紹介し、留学をガクチカで使うとどのようなことをアピールできるか、ご紹介しました。
続いては、短期留学の経験を活かして、実際にどのようにガクチカを書くことができるのか、ストーリー(プラン)を作成していきたいと思います。
短期留学を軸としたガクチカが出来上がるまでの過程ですので、参考にしてみてください。
(1)グローバル人材になりたい
現代のグローバル社会に適応し、将来グローバル人材として活躍するために、学生時代に英語をはじめとする国際感覚を身につけたいと志し、大学が募集している短期留学プログラムに申し込みます(大半の短期留学プログラムは応募条件は広く設定されています)。
申請から留学出発までは半年間あるため、オンライン英会話などを活用した英語学習を行いながら、留学のための資金を集めるため毎日アルバイトをします。
※ここで、なんとしても留学に行きたいという熱意を伝えることができます。
(2)語学の資格試験を受験
留学に出発する前に語学の資格試験を受験しましょう。
詳細は後述しますが、資格試験のスコアは客観的なデータとして自分の語学力を証明することができますので、留学後にスコアアップがあれば、自身の努力と成長をアピールすることができます。
(3)留学に出発
留学に出発し、現地の大学または語学学校で集中的に語学学習をします。
その際、単に語学学習を行うのではなく、何らかの工夫や人と違った努力をし、効果的・効率的に語学力を伸ばすことができれば理想的ですが、上手くいかなくとも帰国後に軌道修正し、その学びを活かすことができれば全く問題ありません。
(4)帰国後も英会話継続
留学で語学学習を集中的に行った効果を持続させるためにも、留学から帰国した後も英会話学習を継続しましょう。
オンライン英会話であれば、いつでもどこでも接続環境のみあればレッスンを受講することができますので、積極的に英語に触れる機会を設けましょう。
最近では、英会話カフェやMeet Upなど気軽かつ安く参加し、英会話を学習することができる学習環境もありますので、自分の学習スタイルに合ったものを見つけてもらえればと思います。
(5)語学の資格試験を再受験
留学前に受験した資格試験を再受験しましょう。留学前と同じ資格試験を受験することで、自分の英語能力がどれほど伸びたか、正確に比較することができます。
資格試験の場合、出題される問題の内容や種類によって、スコアが全く異なる結果となることもありますので、納得できないスコアの場合は、再度受験することやスコアアップのため試験対策を行うことも検討してみましょう。
(6)ストーリーの解説
このストーリーでは、留学前から留学中、留学後まで継続的に英会話学習を行う設定としており、このエピソードから主にアピールすることができるのは、「語学力」と「継続力」です。
他方、アピールポイントとは別にガクチカの中で肝となるのは、「その活動の中で1番困難だったことや挫折」です。
企業は「この学生は挫折をどのように乗り越えることができる(た)のか」関心があります。
このストーリーの中で最も挫折となりうるのは、どこかのタイミングで「英語力が伸びない壁」に直面することです。上記でご説明した通り、中級レベルから上級レベルまでの伸びは遅く、挫折しそうになるかもしれません。
ガクチカでは、それをどのような手段で乗り越えることができたのか、または今現在乗り越えようと努力しているところなのか、伝えるようにしましょう!
4. ガクチカを書く時の注意点
ガクチカを書く時には、自分がアピールすることに精一杯にならないよう、「企業側の目線」でアピールすることがとても重要です。
続いては、ガクチカを書くときの注意点、意識すべき点について、ご説明していきたいと思います!
(1)短期間のストーリーではなく長期間努力したストーリーが好まれる
ガクチカを書くにあたっては、「企業に入った時にどのように活躍してくれるか」を採用担当者にイメージさせることが大切です。
そのため、企業は短期的ではなく、長期的に目標に向かって努力することができる人材を求めています。
なぜなら、短期的に努力できる人よりも長期的かつ継続的に努力できる人の方が少ないためです。
そのため、「長期的に努力しました」とアピールするよう意識してガクチカを書きましょう。
具体的に例を挙げますと、留学自体は短期でも全く問題ありませんが、上記でご紹介したように、留学前、留学中、留学後、という風にストーリーを作り、その期間にどのように自分が変化、成長したか書くことで、長期的に何かに取り組んだことをアピールすることができます。
「長期的に」という意味合いですと、長期留学の方がより高く評価される可能性もありますが、いきなり長期留学に挑戦することはハードルが高いですし、筆者としても短期留学で一度、海外で生活し、海外の人と直接コミュニケーションをとり、交流する経験で十分であり、上記の通り、アピールする点がたくさんあると考えます。
短期留学を経て、再度留学したいという希望があれば、ぜひ長期留学への挑戦も検討してみて下さい。
(2)嘘をついたり、誇張はしない
ガクチカでは、嘘の内容を書いたり、内容を少し誇張して書いたりすることはおすすめしません。
なぜなら、嘘や誇張を書いてガクチカで書いて書類選考を通過したとしても、面接でその書いたことが嘘だとバレてしまうからです。
どんなにストーリーをうまく作ったとしても、面接ではあらゆる角度から質問をされますので、どこかでボロが出てしまいます。
また、仮に嘘や誇張がバレずに採用されたとしても、働き始めた後にその嘘がバレてしまうことも可能性として考えられます。
留学では初めて経験することも多いため、失敗することや上手くいかないことはたくさんあると思いますが、それを綺麗に「成功」としてみせる必要はありませんし、企業側が知りたいのは、「その失敗から何を学んで、どのように行動したのか」ということですので正直にストーリーを作り、アピールするようにしましょう。
(3)語学力をアピールするには留学前後のスコアが大事
上記2.で留学に関するアピールポイントとして「語学力」を挙げましたが、単純にガクチカに「語学力を向上させることができました」と記載するだけでは、説得力に欠けるため、留学前と留学後に語学の資格試験を受験しましょう。
資格試験のスコアを提出すれば、留学前と留学後でどのような成長があったのかを可視化することができますし、客観的なデータとしてアピールすることができます。
「TOEIC●●点以上、取得しているとよい」という風に、語学力の目安を記載している企業もありますので、それを達成することができるように、英語学習に励みましょう。
自分が伝えようとしていることと読者の捉え方が全く異なるということもありますので、自分本位のガクチカになっていないか、また自分がアピールしたいことを理解してもらえるか、友人や家族などの第3者に確認してもらうことをおすすめします!
5. 終わりに
本記事では、「ガクチカが本当にない」という学生に向け、短期留学を経験し、それをガクチカのストーリーで使うことについて、解説してきました。
留学経験は自身のバイタリティを十二分にアピールすることができますし、短期といえども留学経験者は多くの企業が求める人材です。上記でご紹介したストーリーを参考に、留学プランを立ててみてはいかがでしょうか。
ガクチカの書き方や留意点はこちらをチェック!
>>留学経験は「ガクチカ」でアピールできるか?書き方(ポイントや例文)、留意点も解説!