今回はリクルート進学総研の「進学センサス2016」を参考にしながら、多くの人が考えている留学したい理由と留学したくない理由について紹介していきたいと思います。
尚、この調査レポートの調査対象は2016年に高校を卒業した全国の50,000人で、今回紹介する大学進学者は有効回答数3,051人になります。
留学したい理由のトップは英語(外国語力)の上達
今年の4月に大学生になって留学したいと回答した人たちの中で、一番多かった留学したい理由は「英語で会話が出来るようになりたい」(74.5%)でした。やはり留学を語学習得のための強力な手段という認識を、皆が持っているということだと思います。
逆に考えると、留学しなければ外国語の会話は上達できないと思っている人が多いと推察されます。過去の経験や自分の周りの人たちを見てそう感じているのかもしれません。
ところでこの、「英語(外国語での会話)で会話できるようになりたい」という希望を叶えるためのもってこいの留学先はフィリピンだと思います。
それはフィリピンの英語学校がマンツーマンレッスン中心で、スキーキング力の向上のためのカリキュラムに力を入れているからです。
次に多かった理由は「自分の視野や考え方を広げたい」(69.4%)で3番目は「外国の価値観・文化などを理解できる」(59.7%)でした。
両方とも、島国でまだまだ海外より多様化に乏しい日本社会にあって、日本を出て海外で学び生活することでなくては、この2つは中々得られないものだということを若い人たちも実感しているということでしょう。
面白いなと思ったのは、2013年に行われた前回の調査と比べ唯一ポイントが増加したのが「就職の時に役に立つ」(0.8ポイント増加)になっていたことです。
今回は36.5%で6位の回答でした。これは企業のグローバル化が進み、より多くの企業が海外留学組の日本人採用を増やしているということが、社会的にも認知されてきているということかもしれません。
出典:リクルート進学総研の「進学センサス2016」
留学の3大ハードルとは?そしてその克服法は?
では、留学したくない理由を見ていきましょう。
留学したいと思わない理由の1位は「費用が高いから」(43.9%)です。
2013年と2011年に行われた調査でもこのお金に関してが1位でした。ある意味、いつの時代でも留学実現のための最大のハードルと言えましょう。
ただ一つ学生にとっての朗報は、現在、国や地方自治体、そして大学などが以前より大幅に、海外留学のための奨学金や助成金を充実させてきています。
確実に以前よりお金のハードルが下がっていると言えるでしょう。また、欧米留学よりコスパが高いフィリピン留学などアジアでの留学が広まってきたのも、費用のハードルを下げることに繋がっています。
ハードルの2番目は「英語(外国語)が苦手だから」(40.5%)です。この回答が2番目になるというのは私にとっては残念ですね。
それはまだまだ学生には語学留学の存在が身近になっていないということの表れだと思うことが1点、そしてもう1点は、この回答からは苦手を克服しようという挑戦心ではなくて、そこから逃げようとする弱い気持ちが感じられるからです。
是非、若い人たちにはもっと挑戦心を持ってほしいですね。ただこの「英語(外国語)が苦手だから」という点に関してもフィリピン留学は、そのようないきなり欧米留学デビューはきついという層にうまく対応してくれています。
それは多くの学校が常駐の日本人スタッフを配置していたり、先生が同じアジア人でしかも若くてフレンドリーなフィリピン人であったりするので、精神的に気軽に留学生活がおくれるからです。
3番目のハードルは「海外の治安に不安があるから」(34.3%)になっています。これは世界でこれだけテロなどが多発している現在の情勢を思うと仕方がないことかもしれません。
他の国に比べ、日本がとても安全であることもこの回答の要因になっているでしょう。ただ海外全ての都市が危険な訳ではないし、日本人が危険と感じる国や都市でも普通に生活している人々がいるし、そこで留学生活を送っている日本人もいるという事実を知ってほしいと思います。
現地の状況を知って、現地の常識に従って生活していれば、多くの危険や事件は回避できます。現在、10万に以上の日本人留学生が海外で生活しています。その人たちが皆、危険な目に合っていると思いますか?必要以上に臆病になって、せっかくの留学のチャンスをつぶしてしまわないようにしてほしいものです。
出典:リクルート進学総研の「進学センサス2016」
上の2つの表には今回解説していない留学したい理由としたくない理由も示してあります。留学検討中の人には、それらを参考にして、自分の留学の目的と、留学実現のための課題のそれぞれの明確化を行ってみてください。明確化プロセスは非常に重要です。明確化ができれば対応法や準備方がわかります。
多くの方の成功留学の実現を願っています。
国際教育事業コンサルタント
星野達彦
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