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執筆:国際教育事業コンサルタント 星野達彦

ワーキングホリデー後、帰国前に隠れ留学?

フィリピンやタイなどの英語学校関係者の間では広く知られていることですが、オーストラリアやニュージーランドで1年近くワーキングホリデーをした後に、アジアにある留学費用の安い英語学校に通う学生が数多くいます。

「1年も英語圏で暮らしていたのに、今さら英語学校に通う必要なんてあるの?」と思うかもしれませんが、実際そのような学生は相当います。なぜでしょうか? 今回はこのあたりの事情について、切り込んでみます。

海外の大学に入学している学生でも、英語力に自信がない!

英語圏の大学に入学するためには、授業についていけるだけの英語力が必要になることは、皆さんもご存じだと思います。その英語力の有無は、TOEFLやIELTSといった英語力の認定試験のスコアで判断されます。それらの試験で十分なスコアを取得している学生だけが、大学への入学を許可されます。ところが、そんな英語に堪能な学生でさえ「自分の英語力に自信がない」と答えている調査統計があります。

実際に留学をして思うことグラフ

この統計は、アメリカのボストンにあるディスコという会社が調査したものです。ディスコは主にアメリカの学部や大学院に通う日本人留学生向けに、就職フェア「Boston Career Forum」を行っている会社です。調査対象となったのは、ディスコが運営するCFN(www.careerforum.net)に登録している7,500人近くの学生です。

彼らのほとんどは米国や英国の大学に在籍する大学生です。その調査によると、実に41.7%もの学生が「語学力不足」で困ったと回答しています。

海外生活や留学で誰でも英語が習得できるという勘違い

留学経験のない多くの人は、「海外で長く生活すれば英語ができるようになる」と思っています。実際のところ留学希望者にも、そう思っている人は数多くいます。でも実際は、そんなに甘いものではありません。

ワーキングホリデーなどで1年海外生活をした人も、海外の大学に通う学生も、自分の英語力に自信がないのです。ちょっと考えれば当たり前のことですが、生活の仕方によって英語力の習得度合いは大きく変わってきます。特にワーキングホリデーの参加者は、習得できる英語力に大きな差が出ます。なぜでしょうか?

英語力があまりなくても海外生活ができてしまう?

カナダ・オーストラリアなどワーキングホリデー参加者に人気がある国の都市には、日本人在住者が多くいます。たとえばバンクーバーやシドニーなどは、日系企業もたくさんあります。日本人のコミュニティーもあり、生活に必要な最低限の英語力さえあれば、その環境のなかだけで十分生活できてしまいます。

友人も日本人、バイト先も日本食レストランといった生活を送るようでは、英語力がつかなくて当たり前です。でも、意外にこれに近いパターンのワーホリ生活を送る人が多くいます。

そんな人たちが帰国前になって「自分のこの英語力ではまずい(恥ずかしい)」と自覚することで、日本への帰国前に留学費用が安いフィリピンなどの英語学校に通っている、というのが冒頭紹介したケースです。

英語留学と大学留学を経験した私のケース

私は日本の大学を卒業してから1年間働いてお金を貯め、アメリカに留学しました。はじめは大学付属の英語集中コース(ESL)で4カ月ほど学び、TOEFLのスコアを上げてから大学に編入しました。自分の英語力に関して振返ってみると、いくつかの段階があったと思います。

・留学当初:
まったく英語がわからず、自信がない段階
・留学開始3か月後:
生活に必要な最低限の英語力がつき、少し自信がついてきた状態(この頃から英語で夢を見るようになりました)
・1年後:
アメリカ人の友人もでき、大学生活にも慣れてきました。だいぶ英語に自信がついたものの、まだもどかしさが抜けない状態(「けっこう俺の英語いけるな!」と変な自信をもっていました)
・2年後以降:
毎年前年の英語力を振りかえっては、「なんて1年前は英語力がなかったのだろう」と反省していました。そして、この頃完全にネイティブ化志向から離れ、コミュニケーションツールとしての英語力を磨くという割り切りをした時期でもあります。
・帰国後現在まで:
毎日常に英語に接して、今でも英語学習をしている日々です。

つまり、「ネイティブでない限り、自分がパーフェクトだという自信をもてるようにはならない」ということだと思います。「日常会話だったらOK」とか「非英語圏の人たちとの会話ならOK」とか、自信というものはどんなことを対象とするのかによって変わってくるものなのです。

ワーホリ中や留学中に、より英語力をつける方法

英語で積極的にコミュニケーションする女性

英語で積極的にコミュニケーションすることが大切!

海外生活中に英語力をよりつける方法については色々語れますが、まずその前に一番重要なことを書きます。それは「自分のコンフォートゾーン(ぬるま湯状態)を抜け出すこと」です。

前述したように、海外にいても日本語環境のなかで生活できてしまいます。また、大学留学をしていても、学校の講義を受けるだけの生活では十分な英語力は身につきません。

英語学校はさらに、もっと深刻です。英語学校では先生たちが留学生慣れしているため、わかりやすく話してくれます。また、こちらのつたない英語でも一生懸命聞いて理解してくれます。

この環境ではネイティブの土俵に出たときに「あれ? 会話のスピードについていけないぞ」「どうして言っていることを理解してくれないの?」、といったことが頻繁に起きるようになってしまいます。

だからこそ、そのようなコンフォートゾーンを抜け出して、あえて自分に負荷をかける必要があるのです。つまりネイティブの土俵に積極的に出るようにする、ということですね。

具体的には「現地の友人を作る」「コミュニティーやボランティア活動をする」「非日系企業でバイトする」「地域のスポーツや趣味のサークルに入る」などです。この様な活動を通じて得られるのは、英語力だけではありません。自分を成長させてくれる素晴らしい経験ができることでしょう。そうして得られた英語力と経験こそが、留学後の就活やキャリアに活きてくるのです。

【まとめ】セブ島にある有名・評判な語学学校の一覧表

国際教育事業コンサルタント
1960年東京生まれ。1986年から留学事業のキャリアを積み、25年以上の経験の中で数多くの留学カウンセリングや大学・政府関連機関主催の留学イベントなどので講演をこなす。海外での多くの国際会議に参加するとともに世界の600校以上の学校を視察している。

著書に「こうすれなれる留学カウンセラー」、「英語はアジアで学べばうまくいく」がある。

2013年 厚生労働省委託事業「勤労青少年の国際交流を活用したキャリア形成支援事業」委員長
一般社団法人JAOS留学協議会事務局長
日本認定留学カウンセラー協会(JACSAC)代表幹事
国際教育事業コンサルタント ライジング・スター代表 

ブログ:留学カウンセラー・国際教育事業者向け情報ブログ
http://ryugakuth.blog.fc2.com/
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