http://primer.com.ph/blog/2016/04/23/metromart-officially-launches-in-the-philippines/

フレッシュな戦略こそが道を照らす

力の弱い者が巨大な力をもつ者を打ち負かすという構図は、いつでも人の心を踊らせるものがあります。フィリピンのマニラで起きた日用品配達サービスをめぐるビジネス戦争も、そのひとつです。

東南アジアではじめて日用品配達サービスをはじめた業界大手のハッピーフレッシュと、地元企業のメトロマートは、激しい戦いを繰り広げました。その結果は・・・・・・。

今回は、見事に大手を打ち負かしたメトロマートのビジネス戦略について、entrepreneur.com.phに掲載されていた記事を翻訳しながら紹介しましょう。

対立の果て

メトロマートのアプリ

メトロマートは現在マニラ首都圏で利用可能で、2017年3月までにセブへ事業拡大する予定。

「買いたいものはたくさんあるけれども、持ち運ぶのがたいへんだからやめた!」、そんな経験は誰しもあるものですよね。

たとえば仕事帰りにスーパーで食品を買うにしても、スーパーに立ち寄ることも面倒なら、重い買い物袋を下げて歩くことを考えただけでもうんざりします。

でも、オンラインから注文をすることで、帰宅時間に合わせて配達してくれるサービスがあったら楽だと思いませんか? しかも、配達料が日本円にして100円ほどだったら、めちゃくちゃうれしくないですか?

フィリピンには実は、こうしたオンデマンド日用品配達サービスを実際に行っている会社があります。2016年2月から開業したメトロマート・テクノロジーです。

しかし、同年3月には、インドネシア・ジャカルタに拠点を置くオンライン日用品店「ハッピーフレッシュ」も、マニラでサービスを開始しました。

ハッピーフレッシュはオンライン生鮮食品注文サイトとして2014年の創業以来、わずか2年でマレーシア・インドネシア・タイ・台湾へと進出しました。そして意気揚々とマニラでも営業を開始したのです。

創業間もないメトロマートにとって、すでに実績のある大手オンライン日用品店であるハッピーフレッシュは、最大のライバルと目されていました。

資金面でも、東南アジア全体に広がる広範囲なネットワークにおいても、またオンライン日用品店として培ってきた経験やノウハウの面からも、ハッピーフレッシュはフィリピンの地元企業に過ぎないメトロマートをはるかに上回っていました。

メトロマートにとっては、分が悪い相手と見られていましたが・・・・・・。

フタを開けてみると、周囲を驚かせる結果が待っていました。ハッピーフレッシュの売り上げは予想外に悪く、開業から半年が過ぎた9月には、マニラと台北から早々に撤退する羽目に陥ったのです。

一方、メトロマートは順調に業績を伸ばしました。登録ユーザー数はおよそ9万人を超え、そのうち62%がリピーターです。さらに同社は、2017年3月までにセブ市へ事業を拡大することを計画しています。

二社の明暗を分けたもの

メトロマートのCEO兼共同所有者であるステファノ・ファジーニ

メトロマートCEO、ステファノ・ファジーニは、2015年4月に同社のインフラ構築を始めた。

業界大手のハッピーフレッシュに比べると弱小に過ぎないと思われていたメトロマートは、大方の予想に反して、なぜこの激しい競争に勝つことができたのでしょうか?

ほぼ同時に、しかも同じマニラでサービスを開始したメトロマートとハッピーフレッシュの対照的な運命は、新興市場におけるオンデマンド日用品配達サービスの難しさを表しています。

裕福な国と発展途上国の間には、大きな隔たりがあります。途上国ではオンラインで買い物をする客層自体が限られているからです。さらに日用品からの利益が少ないという特徴があります。

メトロマートのCEO兼共同所有者であるステファノ・ファジーニ(Stefano Fazzini)は語ります。
「オンデマンド配達における最も重要な点は、利益です。継続して利益を生み続けることのできるビジネスモデルを描くことができなければ、廃業のリスクは高くなるでしょう」。

同じ時期に同じ場所で同じオンデマンド日用品配達サービスを行いながらも、フレッシュマートは利益を上げることができずに撤退し、メトロマートは利益を上げ続けています。

二社の明暗を分けた違いの最たるものは、取り扱う商品の幅広さです。メトロマートは、オンラインサイトが通常扱わないベーカリー商品やオフィス・学校で使う事務用品、玩具にまでそのラインナップを広げました。

SMスーパーマーケットから日用品を配達するだけでなく、メトロマートはまた、エリック・カイザー(Eric Kayser)の手の込んだパンやホーリー・カラバオ(Holy Carabao)の有機食材、ナショナル・ブックストア(National Bookstore)の文具や教材まで取り扱っています。

こうして品揃えを豊富にすることで、日用品の利益の低さという問題を克服したのです。メトロマートと提携している小売店は、2016年2月にはわずか6店舗でしたが、年末までには22店舗へと成長しました。

利用料無料のからくり

メトロマートのアプリ2

このサービスを使えば、日用品から事務用品に至るまで22の店舗から配達してもらうことができる。

消費者の立場から見ると、メトロマートの日用品配達サービスはとても魅力的です。あえてショップに行かなくてもネットで簡単に注文できて、配達までしてもらえるのに、利用料がかなり安いからです。

安いというよりも、基本的には無料で利用できます。1,000ペソ以上の注文を入れると、利用料は無料になるからです。合計金額が1,000ペソ以下でも、わずか40ペソの利用料を払うだけで配達してもらえる仕組みになっています。支払いはクレジットカードや、配達時に現金でも行うことができます。

40ペソは日本円に換算すると95円ほどです。スーパーなどで実際に購入する金額と同じか、あるいは逆に安く買えるにもかかわらず、わずかな手数料で配達までしてもらえるのです。

でも、不思議ですよね。配達の際のガソリン代や人件費を考えると、これでほんとに儲かるのでしょうか?

そのからくりについて、ファジーニは説明してくれました。
「ユーザーと店舗の両者から料金をいただきます。日用品などは利益が低いかもしれませんが、多店舗からの利益で補っているのです」と。

その一例としてファジーニがあげたのは、チーズ・ハムやソーセージなどのコールドカット、そしてワインなどの輸入品を扱うデリセクションです。デリセクションの製品は、ファジーニのお気に入りとのことです。

「メトロマートは専門店より比較的低価格で輸入品を提供していますが、それでも入れ替えの速い商品より利益は高いのです。利益の約60%をそこから得ています。確実ですからね」。

イタリア系フィリピン人であるファジーニは、快活な笑みを浮かべました。

進化する配達システム

メトロマートの従業員たち

2月の開業時には10名以下のスタッフしかいなかったメトロマートは今や、80名のスタッフ、35名のドライバー、そして20名のランナー(買い物係)を抱えています。

マニラ首都圏やその他の大都市では渋滞が激しいため、物理的にインフラが整っていないと大きな障害になります。メトロマートと同様にオンライン日用品配達サービスを行っているウォルター・マート(Walter Mart)では、場所によって多少の差はあるものの、顧客が注文した商品を3~4時間で配達しているとサイトに明記されています。

一方、メトロマートは毎日午前11時から午後9時までの間は、スーパーでの清算が終わってから90分の間に届けると約束しています。そのためほとんどの場合、競合するウォルター・マートよりも素早く顧客に配達できることになります。

しかし、この約束を守るためには、品質管理の維持やドライバーのトレーニング、またリアルタイムの情報がスタッフに入るようにするための技術開発にも、大きな投資が必要となります。

「最新の呼び出し技術を使ってこの問題に対処しています。どこにランナーがいるかが鳥瞰図でわかるようになっており、誰が仕事中で誰が対応可能か、そして誰がもうすぐ対応可能な状態になるかなどを見ることができます。ランナーが店舗の近くにいても渋滞のため時間に間に合わないかもしれないので、最適なルートを見て別の人を探します」とファジーニは説明してくれました。

メトロマートは現在、自社従業員として35名のドライバーと、「もっとも新鮮な商品を選ぶ」よう訓練された20名のパーソナルショッパー(実際に買い物を行う人)を雇用しています。ファジーニにとってメトロマートは、買い物をする場所というだけではなく、大きなeコマースの夢を運ぶ物流企業なのです

「ビジネスの核となる部分を見て行けば、やっていることは物流だとわかります。もちろん、店舗や商品のアピールもします。でも、注文が入ってきてからが本番です。顧客には見えませんが、ここからもっとも過酷な仕事が始まるのです。私たちは、フィリピンでもっとも優れた物流企業になることを目指しています」。

ファジーニと彼の兄・マイケルは2015年4月にアプリを開発しました。開発には莫大な金額がかかりました。資本の多くをアプリ開発に注ぎ込み、それでも足りないため何名かのエンジェル投資家からも資金を集めました。エンジェル投資家とは、創業間もない企業に対して資金を提供する裕福な個人のことです。

メトロマート・テクノロジー社は、250万ペソの資金寄付を受けており、ファジーニ一家がその90%を所有しています。同社は2017年第一四半期には、第一回目の資金調達を開始する予定です。

これからの課題

メトロマートは、オンライン日用品通販の利便性により多くの顧客を獲得しています。顧客の大部分を占めるのは、都市部の住人と女性です。実にユーザーの60~75%が女性です。

ユーザーのなかには、レストランやオフィスのようなビジネスも含まれています。また、このサービスにより身体的障害を抱える人も、自分に必要なものを購入できるようになりました。

ファジーニによると、毎月の注文数は今や数万件に及び、サービス開始からのべ300万もの商品を配達したことになります。

「メトロマートは買い物をするところであり、私たちは日用必需品を買う際の基盤でありたいと考えています。毎日必要なものをお届けしているのです」とファジーニ。

しかし、オンライン日用品通販サイトの利便性がありながらも、彼らにとって最大の挑戦は「スーパーで買い物をしている大多数の市場をどうやって納得させ、オンライン通販へ流れ込ませるか?」ということです。

ファジーニは言います、「フィリピンでは、インターネットを使わずに行っている習慣をオンラインでさせこと自体が難しいのです。しかし、タクシー配車サービスのウーバーやファッション通販のザローラ(Zalora)、フードデリバリーのフードパンダ(foodpanda)などの開業により、人々はサービスの価値に気づき始めています。インターネットを使うことの便利さを市場が学んでくれれば、状況はよくなると思います」。

▶ 参照元: http://www.entrepreneur.com.ph/run-and-grow/how-a-local-grocery-delivery-startup-is-surviving-low-margins-a00178-20161225?ref=home_feed_1

コメント

セブ島のスーパーマーケットはどこも大抵、超混んでいます。混んでいる要因としては、カゴいっぱいに購入する人が多いこと、バーコードが全然反応しなく、手打ちが多いこと、そして何よりレジスタッフの効率の悪さが挙げられます。
ちょっとしたものを購入しようと思っても、時間がかかるので面倒なんですよね。。。。

しかしながら、セブ島にもこのメトロマートがすぐに来るとのこと!セブ島留学中の皆さんが今まで面倒だと思っていた、お土産用のドライマンゴーの買い出しをしないで済むようになるかもしれませんね。

▶︎俺セブパーフェクトガイド!セブ島観光ガイドマップはこちら

【まとめ】セブ島にある有名・評判な語学学校の一覧表
海外ニュースの翻訳担当 沖縄県でフリーランスとして活動しておりますOffice Ninaと申します。タイムリーな記事を読みやすくお届けするのがモットーです! フリーランスとしては記事翻訳の他、通訳、英会話レッスンなど行っています!詳細はOffice NINAのFacebookページをご覧ください。 ▶ https://www.facebook.com/Office-NINA

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