トランプ大統領
http://edition.cnn.com/2017/03/30/politics/

2016年11月9日、世界に激震が走りました。

世界で注目されていたアメリカの大統領選挙ですが、僅差ではあったものの共和党のトランプ大統領が、民主党のヒラリークリントン大統領候補を破ったのです。この大統領選はアメリカだけではなく、日本を含む世界各国が予想していた結果とは違うものでした。

11月9日の選挙日以前から、すでに民主党系のメディアからOUTLAW(ならず者)として軽蔑するかの如く呼ばれていたトランプ大統領でしたが、世界最大の経済大国であり、かつ世界最大の軍事力を持つ国のトップがそのならず者によって統治される事になってしまったのです。

世界の先進国の中でも最もアメリカに近い場所にあり、歴史的も経済的にもつながりがとても強く、このアメリカ大統領選での影響は世界の国々の中で一番大きいと考えられています。

すでにカナダではいくつかのトランプ大統領の伝家の宝刀、大統領令(executive order)に対して直接非難声明(例えばテロリストの可能性を含むイスラム教信者の入国禁止)を出しています。

今回はアメリカ新大統領ドナルドトランプ氏が、カナダに与えた大きな影響の数々の一部をお伝えします。

1,移民関係

http://www.wbdaily.com/compehensive-immigration-reform/

すでに大統領選が始まる前に一部の歌手や芸能人からは、万が一トランプ大統領が大統領選に勝利した場合はカナダに移民するという話が出てましたが、実際に一部のセレブや歌手は移民を実行に移したのでしょうか?

昨年の大統領選でトランプ大統領が勝って7か月経ちますが、今のところ有名どころのセレブや歌手がカナダに移民してきたという話はありません。しかし、一般の民間人レベルでは去年を上回るスピードで、多くのアメリカ人が移民としてカナダに来ているという事は間違いないようです。

すでにトランプ大統領が誕生した翌日には、カナダ移民局のウェブサイトが集中アクセスによりダウンしており、アメリカ市民によるカナダ移民の需要の高まりを見て取れます。

そしてその日から半年以上たちますが、2017年の5月現在でアメリカからカナダの移民者数は2008年以来の高い水準で推移しており、2015年に比べると30%も高いのだそうです。

移民先として人気の高いカナダ東部のキングストンの移民コンサルタントの求人は、4倍にもなったという話です。アメリカの新大統領誕生から100日間が経過してますが、すでにアメリカを見限った人が多くなってきているという事なのでしょう。

 

2,国境関係

アメリカ
http://www.newsweek.com/

トランプ大統領が当選して数か月足らずでしたことと言えば、国境警備の強化です。前政権のオバマ時代では、不法移民が暗黙の了解としてアメリカ社会で働くことが許さていましたが、トランプ政権になってから不法移民の強制送還が現実になりつつあるのです。

アメリカのトランプ政権はすでに、アメリカ国内で不法に働いているメキシコ人の一部をすでに強制的に送還し始めています。さらに世界から冗談だと思われていた、アメリカとメキシコの国境に壁を立てる計画も現実の物になりつつあります。

トランプ大統領は、先日の大統領令により中東のいくつかの国をテロ支援国家としてアメリカの入国を禁止しており、カナダからアメリカへの空路も陸路もオバマ政権の時と比べて入国審査が厳しくなっています。

日本からくる留学生で、観光ビザを使って語学学校に通われている方は、アメリカに観光に行くだけで観光ビザが半年間延長される事が一般的にでしたが、今年の初めくらいからオンラインで申請をしてからでないと、観光ビザの延長がされないようになっていますので気をつけてください。

参照:http://www.cbsnews.com/news/(英語)、URLがリンク切れになったため、他のサイトでご確認ください)

 

3,雇用関係

トランプ大統領の誕生によって、カナダには悪い影響しかないと考えるのは実は間違いです。カナダとアメリカは隣同士の国で、経済規模の差はGDP比で10倍以上、つまり観光やビジネスの面での影響は非常に大きいのです。

アメリカのトランプ政権が、雇用対策や景気対策として大型の減税の案を打ち出しています。また個人だけに限らず、法人税まで幅を広げたものや、アメリカを対象する1兆ドル(113兆円規模)のインフラ投資などを表明しているトランプ政権。

その影響でしょうか?アメリカの株価は連日、過去最高値を更新し続けています。

これにより、アメリカの景気と連動するとまで言われたカナダ経済にも好影響は出ています。カナダの景気は最近の原油価格の低下でかなり冷え込んでおり、アメリカの好景気の影響でカナダの不景気が少し緩和されたと考えているエコノミストが多いです。

4,貿易関係

アメリカ
https://www.thestar.com/news/world/2017/01/23/

ロジスティックス関係の仕事をしていると、貿易関係の情報には非常に敏感になると思いますが、個人的に貿易関係の仕事をしている関係上、アメリカがカナダに与える影響は他人事ではないと考えております。

今年の1月30日にドナルドトランプ氏の大統領命令で、アメリカのTPPの離脱通知が他の11ヶ国のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加国に通告されました。TPP交渉国は、我々日本と実はカナダもこの中に入っていました。

カナダ国内では、TPPでの貿易では相対的に勝ち組と考えられていたため、残念な結果に終わってしまいました。しかしカナダにとっての悪夢はこれだけにとどまらないようです。TPPだけはなくNAFTAも最悪の場合は破棄という話がされています。非常に重要な話ですので、この話はまた改めて書かせていただきたいと思います。

5,環境関係

アメリカ
https://www.bostonglobe.com/news/nation/2017/01/24/

アメリカの新大統領の影響で、環境問題には非常に大きな影響が出ています。世界第2位の温室効果ガスを出している大国が、世界中の先進国の国々が加盟しているパリ協定の脱退を表明するというハプニングが起きました。

アメリカ政府の環境対策はアメリカの雇用に悪影響になる、また他の新興国がほとんど経費を払わない中で、アメリカが最大の資金出資国になっていることに不満を表したもようです。

そして2020年までに正式に、この協定から離脱する予定です。世界最大の基金の拠出国の脱退で、他の先進国の日本やカナダの拠出の増額は避けられそうにもありません。もちろんカナダへの影響はこれだけではあません。

カナダは世界で有名な石油と天然ガスの原産国です。カナダ経済が潤うためには、直接的に資源を他国に売る事が必要不可欠です。そのために2010年にカナダのアルバータ州で掘削された原油や天然ガスを、アメリカ南部に約4000キロもテキサス州までパイプラインを建設して送るというKeyStone PipeLine構想が計画されました。

しかしながらこのKeyStone Pipe Line計画は、環境への負担が大きすぎるという事で、2015年にオバマ政権下で計画自体が凍結されましたが、今年の1月にトランプ大統領によりこの計画の凍結解除の審議を始める宣言がありました。

この構想の計画が再度認められれば、カナダにとっては大きな利益になる事は間違いありません、しかしながら環境への配慮が全くできていない事もあり、カナダ国内でも推進派と反対派に真っ二つに分かれて議論をするという事になっています。

参照:https://en.wikipedia.org/wiki/(英語)

 

6,治安関係

アメリカ合衆国はグループセブン(G7)と言う先進7か国の一角ですが、銃犯罪の多さでは他の国を圧倒しています。またアメリカでは、銃犯罪による事件やテロが絶えず起きているという欠点もあります。

前回の政権のオバマ民主党で、銃を規制しようという強い動きで銃販売を規制する法案が数多く出されて可決されました(例えば、アサルトライフルやサブマシンガンの銃の販売の禁止や、精神障害者への銃の販売など)。

しかしこのトランプ政権で、それらの規制撤廃する大統領令を出すに至ってます。カナダとアメリカは陸続きで、アメリカでの銃の規制はカナダへの銃の密輸を減らす役割がある事が長年の統計で分かっています。

特にアメリカから輸入される銃は火力が強いものが多く、カナダのギャングたちによって抗争に使われる事が多々あるのです。そしてお決まりのようにギャングの抗争の陰には、罪もない人々が流れ弾で殺されるというような悲劇がカナダの至るとこで起きています。

カナダ留学の皆さんも気を付けてください。

まとめ

アメリカのトランプ大統領の誕生で色々な影響を受けているカナダですが、その影響はまだ始まったばっかりです。

移民、国境また貿易や治安で言えば、アメリカ共和党の悪影響は今のところ避けられないように見えますが、雇用や環境などの面ではカナダは得をする可能性もゼロではなく、カナダ政府にはこれからは難しい判断が迫られそうです。

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カナダ留学のスペシャリスト

カナダ在住10年目、2006年にワーホリでトロントに来てからレストラン、携帯ショップなどのワーホリ生活を体験。その後、語学留学後に2008年からトロントにある大学に通い2012年に卒業。

大学在学中は、トロントにある2つの留学エージェントへの勤務経験、日本人留学生向けの英語教師などを行う。
2013年より「通関士」として貿易関係の仕事に従事。

ワーホリ、語学留学、正規留学、正規社員までをカナダで経験してきた、言わばカナダ留学のスペシャリスト。

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