ビットコイン
https://totalbitcoin.org/two-proposals-for-bitcoin-sidechains/

第一弾は、ビットコインは世界のなにを変えたのか、ビットコインについてお話しました。ビットコインの基礎部分について話しています。まだお読みで無い方は先にご覧ください。
▶︎【ビットコインとは①】当時より○○万倍!?ビットコインってなに?その仕組みと経済効果とは?

第二弾は、フィリピンで進行しているビットコインによる金融革命についてお話ししました。まだお読みで無い方はこちらから先にご覧ください。
▶︎【ビットコインとは②】ビットコインがフィリピンに浸透した送金事情

第三弾は、ビットコインがなぜ改ざんできない仕組みになっているのかについて紹介しました。わかりやすくするために専門用語はできるだけ避けるようにしましたが、その分、理論的な部分の説明が省略されています。
▶︎【ビットコインとは③】ビットコインの仕組み -ブロックチェーン・マイナー・暗号鍵-

ビットコインのシステムについてより深く理解したい際は、「ハッシュ」・「P2P」・「ビザンチン将軍問題」などのキーワードでググってみるとよいでしょう。

シリーズ四回目となる今回は、ビットコインとその中核の技術であるブロックチェーンが、世界を具体的にどのように変えつつあるのかを見ていきましょう。

1.ビットコインは世界をどう変えるのか?

ネットを通して見ず知らずの人たちと経済取引を行うことは、互いが信頼できないために不可能と信じられていた世界を、ビットコインは固い信頼で結ばれた世界へと塗り替えてしまいました。

ビットコインが誕生したことにより、今や管理者がいなくても、ネットワークだけを使って誰もが安心して経済取引を行えるようになったのです。

これにより、ネットワークに対する社会全体の価値観が劇的に変化しました。このことは明らかなパラダイムシフトと呼んでよいでしょう。

1-1.技術革新により、過去に衰退したもの

技術革新によるパラダイムシフトが起きると、従来にはない新たな経済活動がはじまるとともに、これまで栄えていた既存の経済活動に壊滅的なダメージを与えることが、歴史上幾度となく繰り返されてきました。

たとえば中世に起きた産業革命では、機械による労働が盛んになるにつれて、従来までの手による労働はその多くが姿を消しました。

直近ではインターネットによる技術革新が、世界中の通信コストを実質上ゼロにしたことで、それまで栄えていた既存のメディアは衰退の一途をたどりました。アメリカでは多くの新聞社が実際に倒産しています。

日本でも雑誌や書籍の売上げが激減し、出版業界は危機に瀕しています。旅行代理店やCDショップなども、インターネットの登場とともに大きく衰退しました。

1-2.ビットコイン登場で衰退していくもの

ビットコイン
http://www.admix.com/admixture/and-you-can-take-that-to-the-bank

では、ビットコインからはじまった技術革新により、どのような既存の業界が壊滅的なダメージを受けるのでしょうか?

その答えは、金融業界です。

先に、フィリピンではすでに銀行離れが加速しており、ビットコインによる金融革命が進行しつつある現状について紹介しました。
▶︎【ビットコインとは③】ビットコインの仕組み -ブロックチェーン・マイナー・暗号鍵-

こうした現象はフィリピンばかりではなく、新興国を中心に世界中に広がっています。発展途上国や新興国の方が、先進国に比べてビットコインが普及しやすい環境にあります。

それらの国では銀行などの金融業界がまだ発達していないため、ビットコインの勢いを阻むだけの力がないためです。

現時点でビットコインにとって最大の抵抗勢力となっているのは、銀行です。銀行業務のほとんどは、ビットコインをはじめとする仮想通貨と、ブロックチェーンを応用した技術によって次々と奪われる定めにあるからです。

現に世界中の多くの識者によって、ビットコインが普及することで金融機関で働く人々の職が奪われる可能性が高いことが予測されています。

これまで紹介してきたように、ビットコインを使うことで銀行で行われている取引を今よりはるかに低コストに抑え、より速く完了させることができます。

これにより、銀行業務がビットコインを使った取引へと切り替わることは時代の移り変わりであり、世界が変わったのです。

銀行業務は企業や個人の経済活動と密接につながっているため、手数料の低コスト化とスピードアップは世界中に経済成長をもたらし、豊かさを加速させるからです。

これまでは海外送金、とりわけ新興国に対する送金コストは馬鹿げたほどに高くつきました。このことが先進国と新興国との経済分業を妨げてきました。

これまで説明してきたように、銀行をはじめとする金融業はセキュリティを保つために、情報技術を利用することに背を向けてきました。そのため、他の産業に比べて金融業界では情報技術の応用が大幅に遅れています。

こうした旧態依然とした金融業界の成り立ちが、国や地域による経済格差を生む一因となっています。

ところがビットコインは今、先進国であろうと新興国であろうとおかまいなしに、送金コストを飛躍的に下げることで世界中に豊かさをもたらそうとしています。

新興国にとってビットコインをはじめとする仮想通貨は、まさに希望の光です。

銀行がすでに十分に発達した先進国にばかり有利だった世界が、今や平等になろうとしています。世界を覆うこの動きは、もはや止めようがありません。すでに先進国でもかなりの勢いでビットコインは浸透しています。

ビットコインの取引をする上で、銀行が入り込む余地はまったくありません。銀行という存在そのものが、近い将来世の中から不要になる可能性は年々高まっています。

1-3.いずれ銀行はなくなる?

ビットコイン

2016年2月19日の「プレジデント」誌に「今ある銀行は必要なくなる」と断言した記事が掲載され、大いに話題となりました。この記事を書いたのは、ビル・ゲイツです。

ロシア最大の商業銀行にあたる、ロシア貯蓄銀行の副社長アンドレイ・シャロヴィ氏「2026年までにはこの世から銀行という存在が消え去っているだろう」と大胆にコメントしています。

現在は「Finance(金融)」と「technology(技術)」を組み合わせた「フィンテック」という造語がもてはやされています。フィンテックの中心となっているのは、ビットコインに代表される仮想通貨とAIです。

世界では今、フィンテック企業が銀行を滅ぼそうとしていると、捉えられています。銀行というサービスが早晩、世界中から姿を消すことになるという危機感が、銀行側の大きな危機感を呼んでいます。

ことに外国為替業務はいま、もの凄い勢いでビットコインに侵食されています。その分、銀行に入ってくるはずの手数料が減るため、銀行の経営基盤は揺らいでいます。

少なくとも国際送金とweb決済で大きな変化が起こりつつある今、近いうちに銀行の決済業務の大半はなくなり、ビットコインなどの仮想通貨にとって代わられるだろうと予測されています。

もちろん銀行はなにも手数料だけで儲けているわけではありません。資金の貸し出しも銀行の主要業務です。しかし、実はこの分野でさえ銀行はいらなくなる可能性があります。

融資では銀行は絶大な力をもっているように映りますが、実際は顧客から預かった資金を運用しているだけのことです。つまり、銀行は金融仲介業者としての役割を果たしているに過ぎません。

実はあらゆる仲介業者は、ブロックチェーンを応用することでことごとく排除できるようになります。

銀行という仲介業者がいなくても、ブロックチェーンを使うことで借り手と貸し手を直接結びつけることが可能になるからです。

その基本的な仕組みは、管理者なしでビットコインが健全に運営されていることと同じです。

ブロックチェーンを使うことで信頼性が担保され、ネットワーク全体で監視し合うことができるため、もはや銀行なしで借り手と貸し手が互いの利益のためにダイレクトに取引できるようになります。

金融仲介業者は銀行だけに留まりませんが、そのすべての業者が排除される未来が開ける可能性があります。そうなれば、やはり多くの人が職を失うことになるでしょう。

銀行をはじめとする金融仲介業者がなくなる世界など、ビットコイン誕生前までは想像もできないことでした。

しかし、ビットコインがブロックチェーンという技術革新を成し遂げたことで、今や世界中の銀行が経営危機の瀬戸際に立たされています。ビットコインが投じた一石は、かくも重大な変化を世の中にもたらしたのです。

2.ブロックチェーンが切り開く新たな世界

ビットコインがブロックチェーンを世に放って変えたのは、金融業界だけではありません。中間業者を排除することで、世界全体の成り立ちが変わろうとしています。

2-1.ダイレクトに募金できる

ビットコイン
https://fundraising.co.uk/2015/02/05/new-bitcoin-donation-handbook-for-nonprofits/#.Wbc4zq3ANE4

たとえば募金活動です。これまで募金をダイレクトに被災地に届けることはできませんでした。

なぜなら10円単位、あるいは100円単位の少額の募金をしたくても、送金手数料があまりにも高過ぎたため、ダイレクトに送金することなど心情的にできなかったためです。

100円の募金をするのに数千円の手数料を払おうとする人は、まずいません。

そのため、募金活動には支援団体やボランティア団体が中間に入り、募金を集めてから現地に送金することが一般的です。ところが中間業者が入ることで、実は様々な問題が起きています。

2010年に起きたハイチ地震では死者が10万〜30万にのぼり、世界中から募金が寄せられました。募金の窓口となったのは赤十字です。5億ドルを超える募金が集まったことを受け、赤十字は被災地に13万軒の家を建てると約束していました。

では、実際に何軒の家が建ったと思いますか?

わずか6軒です。

なぜなら募金のほとんどが現地に届くまでに消えてしまったからです。

赤十字から現地に届くまでの間に、募金は複数の中間業者の手を渡りました。ところが、その課程でほとんどの募金が盗まれてしまったのです。

規模の大小はあれ、ハイチに限らず募金の消失は現実に多々起きています。

しかし、ビットコインを使えばこのような不祥事は未然に防げます。

ビットコインでは金額にかかわらず送金手数料を数円程度で納めることができます。そのため、数十円から百円程度の少額の募金であっても、被災地に直接届けることができます。募金の窓口をはじめ、中間業者の類いは一切必要ありません。

しかもブロックチェーンには透明性という大きなおまけがついてきます。通常、募金をしてもそれが実際になにに使われたのかを確かめることはできません。募金を主催した側の一方的な発表を信じるよりありませんでした。

でもブロックチェーンであれば、送金された募金の行方を追うことができます。ワクチンを購入したり、学校を建てたりした資金の取引の記録が、ブロックチェーンに記録されるからです。

募金に参加した全員がブロックチェーンを自由に見ることができ、全員で監視ができます。衆人環視のなかでは、もはや募金の不正使用などできなくなります。

このようにブロックチェーンは世界中に張り巡らされたネットワークの力を使うことで、不正を弾き、なおかつ信頼できるシステムを作り上げることに成功したのです。

2-2.資金支援が簡単にできる

同じことは募金に限らず、なんらかの政治的な動きにも反映できます。たとえば世界のどこかで民主革命が起きたとき、それに賛同するのであれば、革命側に簡単に資金を送って支援することができます。

ブロックチェーンの力を借りることで、ビットコインは支援者と支援を必要な人をダイレクトに結ぶことができます。もはやそこに、国家の意思が入り込む余地はありません。

選挙システムにもブロックチェーンは応用できます。

アメリカでは今、トランプ氏が大統領選挙でロシアの支援を受けた疑惑が取りざたされ、大騒ぎになっています。アメリカに限らず、既存の電子投票の信頼性はけして高いものではありません。

攻撃に弱いソフトウェアやハードウェアの問題に加えて、操作する側のヒューマンエラーが常につきまとうからです。

それらの問題を一瞬にして解決できる方法があります。ブロックチェーンを投票に利用すればよいのです。ブロックチェーンを使うことで透明性が高く、なおかつ信頼性の高い投票システムが誕生します。

ビットコインなどで不正ができないことからもわかるように、ブロックチェーンを使えば二重投票やなりすましを確実に防ぐことができます。

2-3.ブロックチェーンの応用で全てが透明に

さらに、国民の意思をダイレクトに反映させる政治システムを作る際にも、ブロックチェーンは十分に応用できます。

これが実現すれば、「国民不在の政治」と言われて久しい世界の政治のあり方が大きく変わることでしょう。

ブロックチェーンの政治への利用は、すでに実用の段階に来ているといわれています。現在までブロックチェーンが政治に利用されないのは、技術的な問題ではありません。

ほとんどの政治家は選挙に勝つことを最優先するため、既存のシステムを残そうとする方向に向けて動くためと指摘されています。

票が読めない新たなシステムへの移行を、もっとも恐れて嫌っているのは政治家自身です。

ビットコインが開いたブロックチェーンという新たな扉はある意味、禁断の果実であったのかもしれません。ブロックチェーンを応用することで、社会の成り立ちそのものが大きく変わろうとしています。

3.ビットコインは国家を超える

世界を確実に変えてしまったビットコインですが、その成り立ちは謎に包まれています。

3-1.ビットコインの創設者

ビットコイン

ビットコインの構想をはじめて論文として発表したのはナカモト・サトシであることははっきりしているものの、彼の正体はいまだにわかっていません。

名前からすると明らかに日本人ですが、論文はすべて正確な英語で書かれていることから、おそらく日本人ではないだろうと言われています。

これだけの功績を挙げながら、その正体が明かされないのは異例のことです。はじめにビットコインを開発したグループについても、誰が関わっていたのかはっきりとはわかっていません。

もし正体がわかれば、ナカモト・サトシのノーベル賞受賞は間違いないだろうといわれています。自分こそがナカモト・サトシであると名乗りを上げた研究者や実業家もいますが、現時点ではまだ疑わしいとされています。

ビットコインの生みの親であるナカモト・サトシの正体は謎に包まれているものの、ビットコインはある日突然もたらされ、人類の歴史を大きく変えようとしています。

3-2.ブロックチェーンは国家をも揺るがす

ビットコインという存在そのものが世界を変えたことは間違いありませんが、ビットコインを支えているブロックチェーンという革新的な技術が、まさに世界に革命を起こそうとしています。

ブロックチェーンはあらゆる管理者を不要にしました。これまでは国や銀行などの企業、あるいは権力者が管理者として君臨することで取引の正当性が保たれていましたが、ブロックチェーンではネットワークそのものが正当性を保証してくれます。

ビットコインは通貨の発行さえ管理者なしで行えることを実証してみせました。これまで通貨は各国の中央銀行を通すことで、国家による管理の下に発行されてきました。

ところがビットコインではあらかじめ設定されたプログラム通りに、通貨の発行さえネットワークが自動で行います。そこにはもはや国家という存在を必要としません。

信頼に欠けるとされていたネットワークの世界が、ビットコインとブロックチェーンの登場により今やもっとも信頼性が高く、国家や企業などの巨大な権力さえも立ち入ることのできない聖域と化したのです。

ブロックチェーンによって情報を分散して共有することの意味には、大きなものがあります。

ブロックチェーンがひとたびネットワークに拡散したならば、もはやいかなる権力をもってしても止めようがありません。そもそもブロックチェーンを管理する主体が存在しないため、規制する対象がどこにもないからです。

このことは国家にとって大きな問題になっています。

事はビットコインというひとつの仮想通貨だけの問題ではありません。ブロックチェーンが行き届けば、やがては国家という存在そのものが否定される可能性さえあるのです。

ブロックチェーンはネットワークに参加している人々の合意のもとに成長を続けます。ネットワークに参加している一人ひとりが、まさに主役です。国家が決めたことにただ従うだけの存在ではなく、ブロックチェーンを通して自らの意思を反映させることができます。

つまりブロックチェーンは突き詰めれば、国家なしで究極の民主主義を実現できる可能性があるのです。既得権益を握る国家や大企業にとって、これは許しがたいことです。

ビットコインが世界中に瞬く間に普及しつつある現在、各国政府ともビットコインの規制に乗り出しています。もはやビットコインを野放しにしておいてよい状況ではありません。

しかし、ビットコインの規制の背景には、ブロックチェーンが紡ぎ出す新たな世界を規制する目的があることも、見逃すべきではないでしょう。

4.ビットコインの規制

ビットコイン
https://cointimes.tech/2016/08/why-bitcoin-is-the-best-hope-for-the-denationalization-of-money/

ブロックチェーンが実現した分散ネットワークは、規制や検閲に対して強く、あらゆる権力の介入を防ぐことができます。そのネットワークは全世界に張り巡らすことができるため、政府のコントロール下に収めようとしても無理があります。

それでも国家の権力は絶大です。国家といえどもビットコインそのものを駆逐することはできないものの、国内でのビットコインの流通を妨げることはできます。

4-1.中国でのビットコイン規制

ビットコイン
http://www.crypto-economy.net/china-is-moving-towards-bitcoin-regulation/?lang=en

たとえば中国は実際にビットコインの規制に乗り出しています。中国では、ネット自体を規制して丸ごと国家の枠内に押さえ込んでいるため、ビットコインを封じ込めることも簡単です。

2013年12月、中国は国内の金融機関によるビットコイン取引を禁止しました。この影響を受けて当時、ビットコインは一時的に大暴落しました。

今のところ全面禁止には至っていませんが、国家統制が強い中国では、いつかビットコインが本格的に規制されるのではないかと恐れられています。

もし、中国が本腰を上げてビットコインの規制に乗り出すとなると、事は深刻です。それは単に中国一国の問題ではありません。

現在、ビットコインのマイニングは中国国内のコミュニティの手で集中して行われているからです。

中国国内でマイニングが禁止されると、ビットコインにとっては大きな痛手になります。もっともそのことでビットコインの存続が危ぶまれるような事態にはなりません。

中国のマイニングコミュニティが潰れれば、それを幸いとして世界中で新たに多くのマイニング集団が誕生し、滞ることなくマイニングが行われるに決まっているからです。

4-2.インドでのビットコイン規制

インドではビットコインをこれまで違法としてきました。ビットコインでの取引所を犯罪に利用される可能性があるとして、閉鎖させたこともあります。

しかし2016年11月に、インド政府が突如として高額紙幣の無効化と新札交換を通達したことは記憶に新しいかと思います。インド経済がパニックに陥ったことをきっかけに、現金の代わりとしてビットコインを利用する人々が急増しました。

これを受けインド政府は、ビットコインを合法化する代わりに、規制を設ける方向に舵を切りつつあります。

4-3.その他の国での規制

一方、ビットコインを課税の対象として税収に組み込む国も増えています。

アメリカ国税庁(IRS)はビットコインを通貨ではなく、資産として規定しています。ノルウェーもビットコインを通貨としては認めないものの、資産扱いでの課税に乗り出しています。

ビットコインは国家が統制する通貨とは、多くの点で衝突します。ことに国家のコントロールが及ばないため、これを国家に対する反逆であるとして、中国のように排斥しようとする国もあります。

しかし、そうした強権でビットコインを押さえ込もうとする国家はごく一部に過ぎず、多くの民主的な国家では、通貨としては認めないものの課税対象にしたり、様々な規制を加えることでビットコインを取り込もうとしています。

すでにビットコインによる金融革命が進行中のフィリピンでも同様です。

では、フィリピンではビットコインに対してどのような規制が行われているのかについて、具体的に見ていきましょう。

5.フィリピンで始まったビットコインの規制

まずは techinasia.com に掲載された記事「取引急増を受け、フィリピン中央銀行がビットコインの規制に踏み切る」を翻訳の上、紹介しましょう。

5-1.取引急増を受け、フィリピン中央銀行がビットコインの規制に踏み切る

ビットコイン

フィリピン中央銀行は、国際的な送金にビットコインを使う人々の増加を受け、仮想通貨(特にビットコイン)の規制を決定しました。

アジアでビットコインの規制を定めた最初の国である日本から、この動きは始まりました。

フィリピン中央銀行はこの仮想通貨が「金融サービスの提供に革命を起こす可能性を秘めている」また「財政的支援をさらに促進する」ことは認識しています。

しかしながら、汚れた資金(マネーロンダリング、テロリストの資金など)に使われる恐れもあるため、関連するリスクを管理したいとして規制に踏み切りました。中央銀行はまた、ビットコインを通貨として認めてはいないことを明らかにしています。

2週間後に発効される新しい信用状には、ビットコインやその他の仮想通貨を法定通貨に交換すること(またはその逆も含む)を促進している企業が記載されています。

「ビットコインのスタートアップは、新しい規制は運営にほとんど影響がないと予測している」

マニラではビットコインは主に送金と支払に使用されており、ある大企業ではその取引額は毎月600万米ドルにも上ります。つまりビットコイン業界は今、送金企業として扱われているのです。

つまり、登録制・最低資本金・内部統制・規制報告書・顧客確認プログラムおよびマネーロンダリング防止指針への準拠など、送金会社に適用される要件がビットコインにも適用されるということです。

5-2.決定に好意的な声も

SCI(Satoshi Citadel Industries)の共同創設者であるジョン・バイロン氏(John Bailon)は以下のように述べました。

「我々は、過去2年間に中央銀行と協力し、ビットコイン企業が法律の範囲内で業務を行うことができる適切な規制枠組みを策定するとともに、それを正確に提供してきました」

Coins.phの共同創設者ロン・ホセ(Ron Hose)もまた、この動きを称賛しています。

「技術の可能性を認識し、業界において企業が満たさなければならないスタンダードを設定したと言えます」

ブルームソリューションズ(BloomSolutions)の共同創設者であるルイス・ブエナベントゥラ(Luis Buenaventura)は、新しい規制を有意義で前向きなものと捉える一方、

「ビットコインのビジネスアイデアに対し、1つで全て対応できるかのように考えているため、行き過ぎている」と指摘しています。

「通貨換算を行うビットコイン企業が全て『送金』会社であるという考えは、ビットペイのようなスタートアップの考え方が機能しないということを意味します。

なぜなら、これらのビジネスモデルは基本的に送金を意図して構造化されていないにもかかわらず、あたかもそうであるかのように準拠しなければならないからです」と彼は説明しました。

ビットペイは、クレジットカードの代わりにビットコインを使用して通販業者からの購入を可能にする支払プロセッサーです。

しかし、中央銀行にとってこれが最適な決断だとジョンは考えています。「この決断により、彼らはビットコイン企業を迅速にサポートすることができました。ゼロから規制の枠組みを構築する必要はなかったのです」。

5-3.影響はほとんどない

スタートアップは、従来の送金企業や銀行より安いサービスを提供できるという点で、新しいルールは運営にほとんど影響を与えないと考えています。

ビットコイン企業は、従来の企業に課されている顧客確認プログラムや、マネーロンダリング防止規制への順守不足により費用を削減していることで知られていました。

「Coins.phは、努力を重ね強固な順守プログラムを確立しました。幸運にも、これはつまり、これまで我々が順守してきた厳しい習慣をそのまま維持していけば、我々の運営には最低限の影響しかないことを意味しています」とロンは語ります。

「別の運営費用はかかるでしょうが、それらは吸収できます。ユーザーに予測される影響といえば、顧客確認プログラムがより厳しくなることですが、我々は信用状の準備段階でそのような厳しい規制を徐々に導入してきましたので、問題はありません」とジョンは述べました。

( 翻訳 Nina )

参照元:https://www.techinasia.com/philippines-central-bank-bitcoin-regulation


以上、techinasia.comに掲載された記事を翻訳の上、紹介しました。

記事だけ読んでいるとわかりにくいかもしれませんね。

記事の要旨をざっくりまとめると、

「フィリピンではビットコインを通貨としては認めないものの、ビットコインなどの仮想通貨取扱事業者をノンバンク系金融機関と認定し、事業者に向けたガイドラインを新たに制定した」ということです。

通貨をビットコインに替えたり、ビットコインを通貨に交換するためには、仮想通貨取扱事業者が必要になります。ドルと円を交換するためには両替所が必要なことと同じです。

各国政府とも規制の対象としているのは、これら仮想通貨取扱事業者に過ぎません。ビットコイン自体を規制する方法はないため、もっぱら仮想通貨取扱事業者に絞って規制をかけています。

フィリピンで施行されたビットコインを規制するためのガイドラインは、フィリピン中央銀行によって制定されました。今回の規制は、かねてからフィリピン中央銀行が、ビットコインに対して打ち出してきた姿勢を法制化したものです。

フィリピン中央銀行は、「我々はビットコインのような何らかの価値の裏付けもなく、中央銀行によって発行されていない仮想通貨の利用を推奨してはいない。

むしろフィリピン中央銀行は、金融サービスの安定性を求めるため仮想通貨の規制に焦点を当てている」とかねてから明言していました。

今回の規制により、ビットコインの送金サービス事業者と取引所事業者は、フィリピン中央銀行の管理下に置かれることになります。

しかし、記事のなかでもふれられていたように、規制されたからといってビットコインの流通に支障を来すことは考えられないとの見方が大勢を占めています。

規制により顧客確認プログラムや、マネーロンダリング防止規制を守らなければならないため、その分新たな運営資金を捻出しなければならないものの、それがビットコインの送金手数料に跳ね返るとは考えられません。

ビットコインの手数料が安いのは、再三紹介しているように、ブロックチェーンを中心とする革新的な技術のためです。

仮想通貨取扱事業者の運営資金を多少削ったとしても、それはビットコイン全体の運営から見れば微々たるものです。その程度でビットコインの手数料が影響を受けることはありません。

フィリピンでは銀行などの金融業界が、ビットコインの手数料が安いのは「ビットコイン関連企業が法令順守をしていないため費用を節約しているからだ」と説明してきましたが、それは顧客向けの単なるパフォーマンスに過ぎません。

今回の規制により、仮想通貨取扱事業者は法令順守のための費用を捻出することになりますが、それでもなおビットコインの手数料が安いままであれば、金融業界側のこれまでのアナウンスが嘘であることが、白日の下にさらされることになります。

その意味では今回の規制は、ビットコインが普及するための支障になるどころか、追い風になる可能性さえあります。

フィリピン中央銀行が仮想通貨取扱事業者を正式に認めたことで、ビットコインがより普及するのではないかと予想する識者も多くいます。

さらに、ビットコインにとって追い風となったのはフィリピン中央銀行がガイドラインのなかで「仮想通貨が送金や決済、国内外の資産移転手段として金融サービスに革命を起こす可能性を認識している」と表明したことです。

信用の裏付けがないビットコインに対して、不審の目を向ける人たちが未だに多いことは、日本もフィリピンも大差ありません。

ところが中央銀行自らが「ビットコインをはじめとする仮想通貨が金融に革命をもたらす」と認めたことで、ビットコインの信用度は一気に上がりました。

仮想通貨に対して否定的な態度をとり続けていたフィリピン中央銀行が、自らの輪の中に取り込まなければならないほどビットコインが勢いを増しているという現実を、多くの人が目の当たりにしたことで、ビットコインの普及率がますます上がる可能性が高まっています。

第四弾は以上です。

今回はビットコインとブロックチェーンが世界のあり方を変えようとしていること、それに対して政府がビットコインに規制をかけようとしても、逆にビットコインの流通に輪をかけているフィリピンの実状について紹介しました。

シリーズ最終回となる次回は、日本での仮想通貨に対する規制を振り返りながら、銀行がもうすぐなくなると言われているなか、日本ではそれと逆行する動きが起きつつあることを紹介します。

この記事はビットコインを徹底解剖する第四回目です。前回の記事は、こちらからどうぞ。
▶︎【ビットコインとは①】当時より○○万倍!?ビットコインってなに?その仕組みと経済効果とは?
▶︎【ビットコインとは②】ビットコインがフィリピンに浸透した送金事情
▶︎【ビットコインとは③】ビットコインの仕組み -ブロックチェーン・マイナー・暗号鍵-

【まとめ】セブ島にある有名・評判な語学学校の一覧表

この記事、あなたはどう思いましたか?ぜひご感想をください。

Please enter your comment!
Please enter your name here