前回は、ビットコインに代表される仮想通貨とその中核を為す技術であるブロックチェーンが、近い将来に銀行を世界から葬る結果を招くかもしれないことと合わせて、各国政府によるビットコインに対する規制について紹介してきました。

▶︎【ビットコインとは④】ブロックチェーンが世界をどのように変えるのか

今回でビットコインを徹底解剖するシリーズ最終回となります。

今回は仮想通貨に対する日本での規制を紹介しながら、銀行が生き残りをかけて大逆転の一手を指そうと狙っている現実についてレポートしましょう。

こちらの記事はシリーズの最終回第五弾です。前回の記事をお読みで無い方はこちらから先にご覧ください。

第一弾は、ビットコインは世界のなにを変えたのか、ビットコインについてお話しました。ビットコインの基礎部分について話しています。まだお読みで無い方は先にご覧ください。
▶︎【ビットコインとは①】当時より○○万倍!?ビットコインってなに?その仕組みと経済効果とは?

第二弾は、フィリピンで進行しているビットコインによる金融革命についてお話ししました。まだお読みで無い方はこちらから先にご覧ください。
▶︎【ビットコインとは②】ビットコインがフィリピンに浸透した送金事情

第三弾は、ビットコインがなぜ改ざんできない仕組みになっているのかについて紹介しました。わかりやすくするために専門用語はできるだけ避けるようにしましたが、その分理論的な部分の説明が省略されています。
▶︎【ビットコインとは③】ビットコインの仕組み -ブロックチェーン・マイナー・暗号鍵-

1.日本でのビットコインに対する規制

日本でもビットコインをはじめとする仮想通貨に関する規制が、いち早く行われています。2016年5月に成立した「銀行法・資金決済法等」がこれです。

1-1.銀行法・資金決算法

仮想通貨への法規制として、取引所を登録制にすることが定められました。改正法以後は、国に登録をしないと取引所を運営できなくなりました。

さらに、顧客の資産と自己資産を分ける「分別管理」を導入すること、監査法人や公認会計士の定期監査も義務付けられました。基本的にはビットコインを使った、マネーロンダリングを防止するための規制です。

規制とともに、仮想通貨が法的に位置づけられました。仮想通貨の定義が条文によって定められ、「代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる」とはっきりと明記されたのです。

仮想通貨が決済手段として正式に認められたことは画期的なことであり、大きな意味があります。日本政府が、仮想通貨を「通貨」としての役割を担う存在として位置づけたことになるからです。

この改正法によって、日本においてビットコインなどの仮想通貨は、通貨同等の財産的価値を持つものと定められました。

しかし、この改正法のもっとも重要な部分は、仮想通貨に対する規制ではありません。改正法の骨子は、IT企業に対する銀行の出資を大幅に緩和した条文にあります。

1-2.IT企業に対する緩和

これまで銀行がIT企業に出資する際は銀行は5%、銀行持ち株会社は15%までという出資制限がありました。

出資制限が設けられたのは、銀行による度を超した事業支配を防ぐとともに、銀行が本業以外の事業により健全性を損なうことがないようにするためです。

ところが改正法により、IT企業に出資する際の規制が大幅に緩和されました。この規制緩和により、銀行とIT企業との結びつきが今よりもはるかに強くなります。

その狙いは明らかです。金融とIT(情報技術)を組み合わせた「フィンテック」を促進させるためです。これまでの銀行業務に欠けていたIT企業の技術を、一気に銀行内に取り込ませようとする日本政府の意思を感じます。

どうやら日本での法整備を見ていると、仮想通貨を決済手段のひとつとして認めながらも、銀行を中心とする金融業界の既得権益を守る方向に舵が切られているといえるでしょう。

銀行の出資制限を緩和してIT企業との関係を深めさせようとする政策からは、露骨にその意図を読み取れます。

2.銀行による仮想通貨の発行

メガバンク

ビットコインによって銀行が不要になると予測されるなか、現在の日本では予測と異なる独自の動きが静かに進行しています。

それは、メガバンクが独自に仮想通貨を発行しようとする動きです。

中央サーバに情報を集中させる旧来の銀行システムから抜けだし、最先端のIT技術を取り込むことでブロックチェーンを用いた仮想通貨を発行し、自ら管理者に収まろうとする思惑です。

こうした動きの背景には、日本的な価値観がひそんでいます。すなわち、企業間で自由に競争するよりも、政府に頼ることで置いてけぼりにならないように、仲良く歩を進めていけばよいとするスタンスです。

いわゆる『護送船団方式』と呼ばれるこの手法は、戦後の日本の金融政策そのものでした。

軍事戦術として用いられた「護送船団」が船団の中で最も速度の遅い船に速度を合わせて、全体が統制を確保しつつ進んでいくことになぞらえて、日本の特定の業界において経営体力・競争力に最も欠ける事業者(企業)が落伍することなく存続していけるよう、行政官庁がその許認可権限などを駆使して業界全体をコントロールしていくこと。参照:ウィキペディア

政府の保護と規制のもと、銀行を一行たりともつぶさないように、金融界全体で歩調を合わせて少しずつ進む護送船団方式は、企業への安定した融資を実現することで、日本の高度経済成長を支えました。

しかし、世界の主要国が金融自由化に転じたあとも、かたくなに護送船団方式が守られたため、日本の金融界全体の国際的地位を低下させる結果を招きました。

こうした慣習は良しにつけ悪しきにつけ、今も根強く日本の金融業界にくすぶっています。

IT企業への銀行の出資制限が緩和されたことも、銀行をつぶさないように発展させたい思惑をもつ官民一体となった動きと捉えることができます。

海外でこのような動きが鈍いのは、銀行とフィンテックとが対立関係にあるからです。

フィンテックは銀行をつぶし、自分たちが金融業界に君臨しようと画策しています。銀行はそれに激しく抗っており、両者が協力関係を築くとは考えにくい状況です。

日本で起きている銀行とフィンテックによる協調は、世界的に見て珍しいケースといえるでしょう。

2-1.MUFGコイン

MUFGコイン

メガバンクによる仮想通貨発行の口火を切ったのは、三菱東京UFJ銀行です。2016年6月10日付の朝日新聞は、1面トップで三菱東京UFJ銀行が仮想通貨「MUFGコイン」を2017年秋頃から一般に公開することを報じました。

メガバンクが仮想通貨を自ら発行するのは、世界初の快挙です。

「MUFGコイン」の実験は2017年の5月から始まっています。当初予定されていた2017年秋頃からの一般公開は先延ばしとなりましたが、2018年からは実用される予定です。

これが実現すれば、三菱東京UFJ銀行に口座をもつ人は「1円=1MUFGコイン」の比率で、誰でも預金を仮想通貨と交換できるようになります。

MUFGコインを使うことで、送金手数料を今より安く抑えることができます。三菱東京UFJの海外拠点の口座に送金すると、現在4,000円前後の手数料がかかりますが、これも大幅に安くなります。

また、スマートフォンにMUFGコインを取り込むことで、空港などで外貨として引き出すこともできます。

将来的には、三菱東京UFJ銀行に口座を持たない人でも、MUFGコインを利用できる仕組みが検討されています。

マイナス金利が続くなか銀行経営も圧迫されつつあり、銀行はどこもコストを下げる必要に迫られています。三菱東京UFJ銀行が仮想通貨の発行に踏み切ったのも、コストを削減するためです。

これまでは取引を管理するために中央コンピューターを維持しなければならず、莫大な費用がかかっていました。

しかし、ブロックチェーン技術を活用した仮想通貨を取り入れることで、中央コンピュータは不要になります。

複数の小型コンピューターのネットワーク上でブロックチェーンを管理できるため、システム運用コストを大幅に引き下げることができるのです。

預金残高170兆円のメガバンクが発行する仮想通貨だけに、MUFGコインは日本経済、あるいは世界経済に想像以上の衝撃を与えることになるかもしれません。

ただし、三菱東京UFJ銀行が発行する仮想通貨は、ビットコインとはまったく異なる仮想通貨であることに注意が必要です。

2-2.MUFGコインとビットコインの違い

両者のもっとも大きな違いは、管理者の存在です。ビットコインには管理者がいませんが、MUFGコインは三菱東京UFJ銀行が管理しています。

もうひとつの大きな違いは、ブロックチェーンという技術を使っていることは同じでも、その用い方が180度異なることです。

ビットコインで用いられるブロックチェーンは誰でも自由に参加できるパブリック・ブロックチェーンです。

しかし、MUFGコインのネットワークにつながるコンピュータは、三菱東京UFJ銀行が選定したものに限られます。つまり、三菱東京UFJ銀行に許可された人しか参加できません。

こうした閉じられたブロックチェーンは、「プライベート・ブロックチェーン」と呼ばれています。

マスコミ報道では「ブロックチェーン」で一括りされることが多いため両者を混同しがちですが、パブリックとプライベートの差は大きく、両者は似て非なるものです。

2-3.プライベート・ブロックチェーン

管理者が存在しなくても取引の信頼性が保たれ、絶対に改ざんされないのは、パブリック・ブロックチェーンのみに与えられた特徴です。

プライベート・ブロックチェーンはコスト低下は実現しますが、ネットワーク全体で信頼性を高める仕組みや改ざんされないための仕組みはもっていません。

同じ仮想通貨でも、ビットコインとMUFGコインではコンセプトがまったく違うのです。

メガバンクによる世界初の仮想通貨の発行を、世界が見守っています。MUFGコインが成功すれば、世界中の多くのメガバンクがこれに続くでしょう。

日本でもみずほフィナンシャルグループが、ブロックチェーン技術の実証実験に取り組んでいます。横浜銀行や住信SBIネット銀行も、ブロックチェーンを用いた24時間365日稼働の送金システムの構築を急いでいます。

近い将来、他のメガバンクも三菱東京UFJ銀行に続き、一斉に仮想通貨の発行に踏み切るかもしれません。そうなれば、仮想通貨の間で激しいサービス競争が起こることでしょう。

現在の勢いから見て、やがては淘汰され消えていく定めにある銀行が、自らフィンテックを取り入れ仮想通貨を発行することで生き残ろうとする試みが、日本を舞台にはじまっています。

日本での銀行の斬新な取り組みは今、世界中から注目されています。

3.国家による仮想通貨の発行

銀行とフィンテックの協調は、官民一体の動きを見せて進められていますが、銀行による仮想通貨の発行は、実は国家にとって大きな危険をはらんでいます。

3-1.国家が仮想通貨を発行するとどうなるのか

銀行が仮想通貨を発行する流れが加速することで、中央銀行に計り知れないダメージを与えるからです。

現在はまだ仮想通貨を使う人は一部に過ぎないため、中央銀行に影響を及ぼすことはありません。

しかし、メガバンクが仮想通貨を発行するとなると、当然ながら普及率は跳ね上がります。

そうなると国家にとって極めて深刻な事態が起きます。政府主導で進められる中央銀行による金融政策の影響力が、かなり低下してしまうからです。

3-2.マイナス金利

たとえばマイナス金利です。民間の銀行が発行する仮想通貨が広く使われるようになれば、中央銀行によるマイナス金利政策は意味がなくなります。

それどころか仮想通貨が主流になれば、最後の貸し手としての中央銀行の存在価値が失われるかもしれません。

中央銀行による民間銀行のコントロールがきかない事態は、国家としてはなんとしても避けたいところです。

そこで今、中央銀行自体が仮想通貨を発行する計画が浮上しています。銀行が発行する仮想通貨は銀行という組織によってコントロールされますが、中央銀行が仮想通貨を発行するとなると、それを支配するのは国家です。

3-3.国家が後ろ盾となる

国家が後ろ盾になり、新たに仮想通貨を発行するからには、既存の通貨と置き換わる可能性さえ現実味を帯びてきます。

ビットコインを疑わしい目で見る人々の一番の要因は、ビットコインがどの国家の後ろ盾ももたないことです。

ビットコインが国家や大企業の後ろ盾がなくても、ネットワークに参加する人々の間で培われる信頼によって、その価値を保ってきたことは、すでに説明した通りです。

それでも既存の通貨システムに染まった人々からは、マウントゴックス社の破綻の際に「こんなものは長く続かないと思っていた。どこかで破綻すると思っていた」と本音を吐いた麻生財務大臣のように、ビットコインを未だにうさんくさいものと見ています。

ところがこうした問題は、国家がブロックチェーンを運営して仮想通貨を発行することで、すべて解決します。国家が発行する仮想通貨には、ブロックチェーンが本来もっている技術的な信頼度に加えて、国家としての信頼をも上積みされるからです。

そうなればもはや鬼に金棒です。既存の通貨は国家の発行する仮想通貨へと、やがて置き換わることでしょう。

3-4.新たなマネーの誕生

歴史を振り返るなら、マネーとは国家そのものでした。マネーは一片の紙に過ぎず、素材自体に価値はありません。国家が宣言することではじめて信用が生まれ、マネーはマネーとしての価値を持ちます。

国家が仮想通貨を発行するならば、それは新たなマネーの誕生を意味します。

国家の信頼に裏打ちされた仮想通貨は早晩、ビットコインなどの仮想通貨を排除し、メガバンクが発行する仮想通貨をも排除します。

メガバンクは自行が発行する仮想通貨に金利をつけて対抗するかもしれませんが、国家の権威の前にやがて姿を消す未来が予想できます。

では、国家が仮想通貨を発行して既存の通貨と置き換わった場合、私たちの暮らしぶりはなにか変わるのでしょうか?

4.「1984年」が現実になる日

中央銀行による仮想通貨の発行は、日本ばかりでなく世界規模で検討されています。イングランド銀行は2014年9月に報告書を出し、中央銀行の未来に警鐘を鳴らしました。

ビットコインなどのブロックチェーンによる決済が広く行なわれるようになれば、中央銀行による決済は不必要になる可能性があることを指摘したのです。

こうした危機感は世界中の中央銀行が共有しています。中央銀行が消えるとなると国家による通貨のコントロールがきかなくなるため、国家存亡の危機にもつながりかねません。

ビットコインに代表される仮想通貨は、地球上から国家を消し去るかもしれないまでの衝撃を与えているのです。

中央銀行の生き残りをかけ、イングランド銀行では報告書のなかで、中央銀行がデジタル通貨を発行する可能性についても述べ、イングランド銀行とカナダ中央銀行が研究をはじめたと記しています。

オランダの中央銀行も2016年に仮想通貨「DNBコイン」の開発を検討中だと表明しています。韓国の中央銀行である韓国銀行も、独自の仮想通貨を発行する計画があることを公にしています。

ただでさえ国家による統制が強い中国も例外ではありません。中国人民銀行が仮想通貨を発行する計画が進んでいるとされています。

どうやら各国の中央銀行が自ら仮想通貨を発行する準備を着々と進めているようです。

しかし、このことは私たちにとって、極めて深刻な事態を招くと予測されています。

中央銀行が仮想通貨を発行し、既存の通貨が仮想通貨に置き換わることでどんな世界が訪れるのかを予測する際に、必ずと言ってよいほど取り上げられる作品があります。

それは、ジョージ・オーウェルが近未来を想像して描いた小説「1984年」です。

映画化もされていますから、小説を読んだり映画を見た人は多いことでしょう。

4-1.ジョージ・オーウェルの1984年の内容とは

http://dailycaller.com/2017/06/26/the-new-1984-play-is-so-gory-people-are-vomiting-and-passing-out/

「1984年」で描かれたのは「ビッグ・ブラザー」の支配する暗黒世界です。全国民の情報のすべてを握ることで、ビッグ・ブラザーは全知全能の独裁者となりえました。

「ビッグ・ブラザーがあなたを見ている」という有名なセリフが、徹底した監視社会を浮き彫りにしています。

ジョージ・オーウェルは持ち前の鋭い観察眼をもって、近未来、つまり現代の世界では情報こそが力であることを適確に予見したのです。

国家が仮想通貨を発行し、その管理を一手に担うとき、すべてを国家が支配する世界が現実になります。国家による経済政策はストレートに国民の生活を直撃し、その意向には誰も逆らえなくなります。

仮想通貨のブロックチェーンを抑えることにより、国家が経済を完全にコントロールできるからです。資本を逃避させる自由さえ、私たちは奪われます。

それはジョージ・オーウェルが「1984年」で予言したように、全体主義や独裁者がはびこす温床となります。

通貨を完全に握ることで、国家は経済活動のすべてを統制できます。そのような近未来はあまりに重苦しく、自由が封殺された世界です。今とは想像できないほどの管理社会になると予測されています。

中央銀行が仮想通貨を発行することで、どうして情報が国家に吸い上げられるのかといえば、すべての国民や企業が中央銀行に口座をもち、あらゆる取引をそこで行うことになるからです。

仮想通貨のブロックチェーンを管理する中央銀行は、すべての国民と企業の経済活動を自由にのぞき見ることができます。

プライベート・ブロックチェーンは匿名性が保たれているため、誰がどんな取引を行ったのかまでは一般からはわかりません。

しかし、管理者である中央銀行は匿名性を取り払い、すべてを追跡できます。

個人にしても企業にしてもすべての経済活動を握られるということは、すべてのプライバシーが暴かれることを意味しています。

中央銀行が仮想通貨を発行することで、国家による徹底した管理社会が実現するのです。

5.未来は誰が握るのか?

http://koalifiedleads.com/future-business-business-telemarketing/

ビットコインがこじ開けた未来への扉が、息苦しいまでの管理社会につながっているのであれば、こんなに悲しいことはありません。

少なくともそれは、ビットコインを世に送り出したナカモト・サトシの目指していた世界とは真逆の世界です。

5-1.貧しい地域の人々のためのビットコインのはずが

謎の人物ナカモト・サトシは、人が国家や大企業に縛られることなく世界中の誰もが平等で自由な経済活動を行えるようにという願いを、ビットコインに託していました。

ビットコインの最小単位である0.00000001BTCを開発者の名を冠して1サトシと呼んでいますが、このような小さな単位をあえて設けたのは、経済的に貧しい地域の人々にこそ、ビットコインの恩恵を届けたいからこそでした。

これまで紹介してきたように手数料がただ同然に安く、なおかつ早く送金できるビットコインが世界中に広まれば、現在の世界を覆っている経済格差を確実に埋めることができます。

国家の枠にとらわれないビットコインを使うことで、世界中の人々が国家を超えて自由に経済活動を行えるようになります。それは人々が国家や大企業に、つながれた鎖を断ち切ることを意味します。

もちろん、それによって国家ごとの貧富の格差が一瞬で消えるわけではありません。しかし、今よりもはるかに貧富の差が少ない世界が到来することは間違いありません。

ビットコインという仮想通貨は、究極の自由世界を実現するために誕生したのです。ビットコインはフィリピンのような新興国をはじめ、さらなる貧困にあえぐ国の人々にとっての救いの手となるはずでした。

5-2.銀行や国家が支配するのか

ところが、現在進行している仮想通貨を巡る動きは、自由で平等な世界を造るというビットコインの理念とは、真逆を行っています。

新たな仮想通貨を銀行や中央銀行が発行するとなると、世界中で享受できるはずだった自由で平等な経済活動は、永遠に失われます。

むしろ現在よりも銀行や国家の力が強くなり、世界の不平等はますます拡大し、自由の制限された管理社会が訪れます。

もはやひとたび野に解き放たれた仮想通貨を、今さらなかったことにはできません。問題は、誰が仮想通貨を支配するかにかかっています。

ビットコインに続けとばかりに、リップルやイーサリアムなどの仮想通貨も勢いを増しています。

これら管理者を持たない真の意味でのブロックチェーンに支えられた仮想通貨と、銀行や大企業、そして中央銀行が管理するプライベートなブロックチェーンを元とする仮想通貨の争いが、近い将来起こることは避けられそうにありません。

果たして、生き残るのはどちらでしょうか?

ブロックチェーンを管理するのはネットワーク上に存在する我々自身なのか、それとも銀行や大企業、はたまた国家なのか? その結果によって私たちの未来も大きく変わってきます。

どちらが勝ち残るのかは、まだわかりません。

インターネットが誕生した際にも、自由で平等な世界が訪れると多くの人々が夢を見ましたが、それは実現しませんでした。ビットコインという仮想通貨によって欠けていたピースが埋まり、世界は再び公平な世界を目指し動き始めています。

インターネットだけでは築けなかった公平な社会が、仮想通貨によっていよいよ実現するのか、それとも大企業によってインターネットを管理されている現在のような状況が再び繰り返されるのか、それはまだ誰にもわかりません。

わかっていることは、ビットコインが世界の成り立ちそのものを確実に変えてしまったという事実です。

ビットコイン誕生以前と以後では、私たちの世界のあり方が大きく変わってしまいました。

今はまだ緩やかに変化している最中のため、今どんな事態が進行しているのか、私たちの多くは気がついていません。しかし、早晩、世界が急激に様変わりしてしまったことに誰もが気づくことになるでしょう。

ビットコインがもたらしたブロックチェーンによる革命は、まだ見たことのない新たな世界へと私たちを運ぼうとしています。

世界はもっと豊かになることで貧富の差がなくなり、誰もが自由を手にすることで真の意味でのグローバルな時代が訪れようとしています。

地球上に暮らす50億を超える人々が、公平に自由にグローバルな経済活動を行える日はすぐそこまで来ています。

ナカモト・サトシが思いを託したビットコイン型の仮想通貨が、そのような理想社会を現出するのか、それとも国家や銀行・大企業が仮想通貨を支配し、恐ろしいほどに統制された世界が訪れるのか、私たちは今、その分岐点に立っています。

ビットコインについて5回に渡り紹介してきました。いかがでしたでしょうか?
ビットコインの登場によって、私たちの世界は大きく変わりました。日本人の私たちにとってみたら、さほど大きい影響はないと思えますが、世界では違います。

少しでも日本の皆さんにビットコインを知っていただきたいと思います。

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【まとめ】セブ島にある有名・評判な語学学校の一覧表
ドン山本

アジア在中のジャーナリスト

タウン誌の副編集長を経て独立。フリーライターとして別冊宝島などの編集に加わりながらIT関連の知識を吸収し、IT系ベンチャー企業を起業。

その後、持ち前の放浪癖を抑え難くアジアに移住。フィリピンとタイを中心に、フリージャーナリストとして現地からの情報を発信している。

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