一般

海外移住ならリタイアメントビザ

海外で暮らす上で最も基本となる大切なこと、それはビザを取得することです。
ビザとは「入国許可証」のことです。

どの国にせよ、入国するためには原則として必ずビザが必要です。でも、私たちはフィリピンやタイなどのアジア各国、あるいは欧米の国に観光で出かける際に、ビザについて意識することなどほとんどありません。

その理由は日本の場合、「ビザがなくても入国してもいいですよ」という協定を多くの国と結んでいるからです。日本のパスポートがあれば、172カ国にビザがなくても入国できます。

ですが、ビザなしでの入国が当たり前になっている私たち日本人は、外国に滞在するにはビザが必要になることを案外軽視しがちです。短期滞在では問題なくても、長期滞在となるとどうやってビザを取得するかを考えることが必須になってきます。

ビザなし入国には期限が設けられています。たとえばフィリピンでは30日間です。もし30日を過ぎてフィリピンに滞在したいときには、必ずビザが必要になります。

ビザがないまま外国に居座ると、それは不法滞在という犯罪行為になり、処罰の対象になってしまいます。不法滞在で逮捕された場合、強制送還で済むのであれば、まだましなほうです。最悪、刑務所に入れられることさえ覚悟しなければいけません。

ですから、海外で長期滞在をする場合は、事前にビザについての知識をしっかりと身につけておく必要があります。

観光ビザや就業ビザ・配偶者ビザなど、ビザには様々な種類があります。今回は長期滞在ではもっとも需要が高いリタイアメントビザについて紹介しましょう。リタイアメントビザは、年金受給者などの退職者を主対象にした「長期滞在ビザ」の通称です。
*今回の記事はあくまで2017年12月時点の情報です。来年以降、各国変わる可能性がありますので、最新情報は必ずご自身でお調べください。

1.各国のリタイアメントビザ

リタイアメントビザを取得するための条件は、各国によって異なります。フィリピンのリタイアメントビザが取りやすいのかどうか、あるいはその特徴を知るには、各国の対応と比べてみるのが最もわかりやすいでしょう。

そこで、日本からリタイアメントビザを取得する人が多い各国の状況を見てみましょう。

1-1.フィリピンのリタイアメントビザ

まずは、フィリピンです。フィリピンのリタイアメントビザは、特別居住退職者ビザ(SRRV)と呼ばれています。

SRRVには複数の種類がありますが、一般的なのはクラシックとスマイルの2つです。詳しいことは次の章で解説しますので、ここでは簡単にその取得条件について紹介しましょう。

SRRVは35歳以上であれば、申請できます。健康上の問題と犯罪歴がないことをクリアすれば、あとは必要な預託金を準備することで取得できます。

預託金の額はSRRVの種類と年齢によって異なります。たとえば50歳以上でSRRVクラシックを取得したいのであれば、年金を受給していない場合で2万USドル(224万円)、年金を受給している場合は1万USドル(112万円)の預託金が必要です。

フィリピンのSRRVには取得後の滞在義務がありません。そのため自由に出入国できます。

さらに、一度取得すれば永住が許可されることも、他国のリタイアメントビザとは異なる大きなメリットです。

1-2.タイのリタイアメントビザ

タイはリタイア後の移住先として、日本人にもっとも人気があります。

タイのリタイアメントビザの基本となるのはノンイミグラントO-Aビザです。満50歳以上に達していないと申請できません。

筆者は最近までタイで長らく暮らしており、ビザの取得と更新手続きを何度も行っているため、そのときの経験を交えながらタイのビザについて紹介しましょう。

タイのリタイアメントビザの取得条件として、犯罪歴がないこと、タイ国内での労働を目的としないことに加え、以下の経済的条件を満たさないといけません。

タイ国内の金融機関に80万バーツ(約272万円)を超える額を90日間以上預金していること、もしくは60歳以上で月額6万5千バーツ(約22万円)以上の年金を受給していることです。

どちらかひとつの条件を満たしていれば大丈夫です。年金が月額6万5千バーツに達しない場合でも、年金の年間受給額と預金を合わせて80万バーツを超えていれば、問題ありません。

これらの条件をクリアしていれば、タイのO-Aビザは案外簡単に取得できます。80万バーツの預金は見せ金でよく、ビザを取得したあとは自由に使えます。

タイではO-Aビザの取得を有料にて手伝ってくれる業者が複数存在します。80万バーツの預金がない場合であっても、それらの業者に依頼することで一時的に80万バーツを立て替えてもらえるため、50歳以上であればO-Aビザの取得は簡単です。業者に払う手数料は、10万円前後です。

タイといえば、赤服を着たタクシン派と黄色い服を着た反タクシン派との間で、大規模な暴動が起きたことが記憶に新しいと思いますが、タクシン派と反タクシン派では、ビザに対する姿勢がまったく異なります。

反タクシン派が政権をとって以来、タイでのビザ取得は厳しさを増しています。O-Aビザに対するスタンスは比較的緩やかですが、その他のビザの取得は年々難しくなっています。

タクシン派が牛耳っていた頃のタイでは、観光ビザを何度でも簡単に取得できたため、観光ビザのみで長期滞在することができました。しかし、現在は長期滞在者が観光ビザをとる道が事実上閉ざされたため、多くの外国人がタイを去っています。

50際未満の人がタイで長期滞在ビザを入手することは、かなり難しいと思った方がよいでしょう。

O-Aビザについても、今後は預金額が引き上げられるなど、ビザの取得が難しくなる可能性がささやかれています。

タイのO-Aビザは1年ごとに更新する必要があります。更新の際には、O-Aビザ取得時と同様の預金があることを証明しないといけません。ここでも預金額が80万バーツに達していいない場合は、業者を通すことで預金証明書を取得できますが、その分の高額な手数料が必要になってきます。

受給する年金額が低く、預金額も80万バーツに達していない場合は、毎年O-Aビザの更新に頭を痛めることになります。

また、タイに長期滞在する場合は、90日ごとに滞在届けを提出する必要があります。現在はオンラインでも手続きができるようになっていますが、うっかり忘れると罰金が課せられます。

オンラインでの手続きがわからない場合は、90日ごとに入国管理局に赴く必要があります。朝早く出かけても長蛇の列ができていることが多く、人数制限があるため、何時間も待たされたあげくに「明日また来て下さい」と言われることもあります。

90日レポートを提出するだけで丸二日つぶれることもあり、なんともわずらわしい制度です。最近ではオンラインによる90日レポートの提出を有料で代行してくれる民間業者も人気のようです。

2017年8月より、タイのリタイアメントビザの新基準がスタートしています。従来までは1年ごとに更新が必要でしたが、新基準では5年で更新すればよく、合計十年間の滞在許可を得られます。

毎年更新する煩わしさからは解放されるものの、その分、取得条件のハードルは高くなっています。80万バーツ(約272万円)でよかった貯金は300万バーツ(約1,020万円)に引き上げられ、月額の最低収入も6万5千バーツ(約22万円)から10万バーツ(約34万円)に引き上げられています。

さらに、通院で1,000ドル以上の保障、通院で1万ドル以上の保障がある民間の保険への加入が義務づけられています。タイの民間の保険料は高額です。おそらく年間で10万円は軽く超えると思われます。

タイでは無料情報誌に現行のリタイアメントビザが廃止され、すべて新基準に切り替わるという記事が出たため、一時大騒ぎになりました。しかし、これは誤報で、現時点で現行のリタイアメントビザが廃止されるという発表はなされていません。

ですから、リタイアメントビザの申請者は、現行のリタイアメントビザか、新基準のリタイアメントビザを選んで申請できることになります。

現行のリタイアメントビザがいずれ廃止されるのかどうかは、まだ不透明です。

1-3.マレーシアのリタイアメントビザ

マレーシアはタイやフィリピンと同様に温暖な地であるため、リタイア後の移住先として近年、人気が高まっています。

マレーシアにはマレーシア退職者ビザ(MM2H)と呼ばれるリタイアメントビザがあります。その一番の特徴は、年齢制限が一切ないことです。経済的条件を満たせば何歳からでも取得できます。

その経済的条件ですが、他国と比べてハードルが高くなっています。50歳を超えているかどうかで大きく異なります。

50歳を超えている場合は、最低35万リンギ(約942万円)以上の財産証明と月額1万リンギ(約26万9千円)以上の収入証明が必要です。

50歳未満の場合は、最低50万リンギ(約1,346万円)以上の財産証明と月額1万リンギ(約26万9千円)以上の収入証明が必要です。

財産証明として認められるのは預金と有価証券のみです。不動産については認められていません。

これらの条件を満たすと仮承諾が下ります。次に50歳以上の場合は、マレーシアの金融機関に15万リンギ(約403万円)の定期預金をするか、毎月1万リンギ以上の年金を受領している証明を行います。50際未満の場合は、30万リンギ(約807万円)の定期預金が求められます。

フィリピンやタイよりもはるかに高額な経済的条件が課されているだけに、富裕層でないとマレーシアのMM2Hを取得することは難しいといえるでしょう。

ビザは10年間有効で、その間の出入国は自由です。

現時点でも経済的条件が厳しいマレーシアですが、この条件をさらに引き上げようとする動きも出ています。条件に合致するのであれば、早めに取得しておいた方がよいでしょう。

1-4.インドネシアのリタイアメントビザ

バリ島やジャカルタがあるインドネシアは、フィリピンに次いで海外移住者が多い国です。

新興国では年を追うごとにビザ取得の条件が厳しくなることが普通ですが、インドネシアは逆で、積極的に外国人を招き入れる政策をとっています。

経済的条件にしても以前は月に2,500ドル(28万円)必要だった年金額が現在では1,500ドル(16万8千円)に引き下げられるなど、ビザ取得のための経済的条件は緩和されています。

原則として月1,500ドル以上の年金受給、あるいは銀行金利配当や定額収入があることが求められます。しかし、金額についてはかなり大雑把です。月1,500ドルに満たない場合でも、審査に通ることが多々あります。

ただし、経済的条件は緩いものの、インドネシアの高齢者一時滞在ビザを取得するためには様々な証明書を提出する必要があり、その手続きは複雑です。そのため、専門の業者に有料にて依頼することが一般的です。

一例をあげると、指定された観光地域において35,000USドル(392万円)以上の宿泊滞在施設の購入証明書、または月額1,000USドル(11万2千円)以上の賃貸物件の賃貸契約書、インドネシア人の使用人を雇用する旨の証明書、医療保険の加入証明書などです。

ビザ取得後の滞在期間は1年間で、1年ごとに5回までインドネシア国内にてビザの延長ができます。ですから、最長で6年間の滞在が可能です。

その後、いったん日本に帰国することで、再び高齢者一時滞在ビザの申請ができます。

1-5.台湾のリタイアメントビザ

親日国である台湾は、日本人にとっても移住しやすい国です。台湾では日本人の退職者向けに「日本人退職者180日滞在の数次ビザ」を発行しています。これが台湾でのリタイアメントビザに相当します。

その取得条件は55歳以上であること、5万ドル(560万円)以上の金融資産を保有する年金受給者であることです。まだ年金の受給年令に達していない場合でも、年間所得証明があれば、申請できます。

問題は、台湾のリタイアメントビザの有効期間がわずか180日であることです。そのため、リタイアメントビザをあえて取得するメリットは見当たりません。

なぜなら日本人は、ビザがなくても台湾に90日間滞在できるからです。90日後にいったん台湾から出る必要がありますが、戻れば再びビザなしで90日間滞在できます。

入出国を繰り返しても、今のところなにも問題ありません。そのため、90日ごとに出入国を繰り返すことで、ビザがなくても台湾に長期滞在することが可能です。

たとえば、日帰りで香港に出かけるだけでもOKです。格安チケットが売られているため、リタイアメントビザを取得するための手数料よりも安く済ませることができます。

台湾に長期滞在している日本人で、リタイアメントビザを取得している人はごくわずかです。

1-6.アジア以外の人気国のリタイアメントビザ

アジア以外で退職者の移住先として人気が高い国をまとめて紹介します。まずはオーストラリアです。

オーストラリアには退職者ビザがありましたが、2005年に廃止されています。現在のリタイアメントビザは、「投資退職者ビザ」と呼ばれるものです。その名称からもわかるように、投資家として渡航するためのビザになっています。

以前から、オーストラリアの経済的条件はハードルが高いことで知られていましたが、新制度になってもそれは変わっていません。かなりの資産提示が求められます。大都市・高人口成長都市に居住する場合と地方・低人口成長地域に居住をする場合で経済的条件が異なります。

前者の場合は、75万豪ドル(6,360万円)の資産を提示することに加え、6万5千豪ドル(636万円)以上の所得証明および75万豪ドル以上の債券に投資することが求められます。

後者の場合、50万豪ドル(4,240万円)の資産を提示することに加え、5万豪ドル(424万円)以上の所得証明および50万豪ドル以上の債券に投資することが求められます。

配偶者以外の扶養家族がいないことも条件になりますので、注意が必要です。

次にニュージーランドです。ニュージーランドも、オーストラリアと引けをとらないほど経済的条件が厳しい国です。

一時退職者ビザを取得するための経済的条件は、ビザ申請時にNZ$6万ドル(460万円)、移民局が認める適格投資先にNZ$75万ドル(5,740万円)投資し続けること、投資資金とは別にNZ$50万ドル(3,830万円)の資産証明ができることが求められます。

一時退職者ビザは66歳から申請できます。また、年齢制限のない「ペアレントリタイアメントビザ」も用意されています。こちらは、ニュージーランド在住の子供がいることで永住権を取得できる制度です。

ペアレントリタイアメントビザを取得するための経済的条件は、ビザ申請時の所得と資産証明の額は一時退職者ビザと同じですが、移民局が認める適格投資先にNZ$1ミリオンドル(7,650万円)を4年間投資し続けることが課されるため、一時退職者ビザよりもハードルが高くなっています。

先進国のなかで人気が高いのはイギリスです。イギリスのリタイアメントビザを取得するための条件として、過去に滞在経験があったり、家族が居住していたりとイギリスとつながりがあることが求められます。

それに加えて経済的条件として、年間最低25,000ポンド(370万円)以上の収入が必要です。満60歳以上から申請できます。

リタイアメントビザの有効期間は1年ですが延長ができ、いずれは永住権を取得できます。

大自然と都会が同居するスイスも、世界中から退職者が集まる人気国です。スイスのリタイアメントビザを取得するためには、55歳以上であること、長期滞在経験があったり、家族や親戚が居住していたりなどスイスとのつながりがあること、生活の中心がスイスにあることが求められます。

経済的条件については特に明示されていませんが、労働することなく滞在できる十分な資金があることを証明する必要があります。基本的には年金受給者を対象にしています。

具体的な金額が示されていないためハードルが低いように見えますが、実際には厳しく審査されるため、けして容易ではありません。永住権についても他のヨーロッパ諸国と比べて厳しい部類に入ります。

ヨーロッパは移民を受け入れすぎたため、相次ぐテロに見舞われています。そのため、各地で移民反対の暴動が起きるなど、外国人の移住を許さない空気が強くなっています。

ヨーロッパでのリタイアメントビザの取得は厳しくなる一方ですが、条件さえ満たせば比較的簡単に取得できる国もあります。それは、ポルトガルです。

ポルトガルのリタイアメントビザの申請には、具体的な年齢制限が設けられていませんが、定年退職者と年金生活者を対象にしています。

経済的条件として具体的な金額は示されていません。ポルトガルで生活できるだけの資産があることを証明する必要があります。

ユニークなところは、経済的な条件よりも移住の動機や目的が重視される点です。さらに滞在年数を自分で決めて申請できることも、他では見られないユニークなポイントです。

結局のところ、移民局のさじ加減ひとつで審査に通るか通らないかが決まります。

最後に南米からペルーのリタイアメントビザを紹介します。ペルーのリタイアメントピザは年齢は不問ですが、年金など月1,000ドル(11万2千円)以上の所得がある人のみが対象となります。

有効期間は1年ですが、条件を満たしている限り延長できることが約束されています。ただし、6ケ月以上継続してペルーを出国した場合には失効します。

最近のペルーは中国人に対する嫌悪感が異常なほどに増しており、日本人は外見から中国人と間違われることが多いため注意が必要です。横断歩道で信号待ちをしている際に後ろから体当たりされるなど、命に関わる嫌がらせも増えています。

 ビザ名(日本語)ビザ名(英語)年齢制限申請条件   滞在許可年数備考
資産不労所得投資その他
オーストラリア投資退職者ビザInvestor Retirement Visa 55歳以上75万豪ドル(地方居住者は50万豪ドル)年間65000豪ドル(地方居住者は5万豪ドル)75万豪ドル(地方居住者は50万豪ドル)・オーストラリア政府よりスポーンサー認可を受ける
・扶養義務のある家族がいないこと
・健康保険に加入すること
・健康であり犯罪歴がないこと
4年従来の退職者ビザが2005年度に廃止されており、現在では投資家として渡航する意味合いが強くなってきている。
ニュージーランド一時退職者ビザTemporary Retirement Visa66歳以上NZ$50万ドル(相当額)NZ$6万ドル(相当額)NZ$75万ドル・健康であり犯罪歴がないこと
・移民局が認める医療保険に加入すること
2年ニュージーランド在住の子供がいることで永住権を申請できる、ペアレントリタイアメントビザもある。
マレーシアマレーシア退職者ビザMalaysia My Second Home Visa特になし・最低35万リンギ(50歳以上)
・最低50万リンギ(50歳未満)
・月間1万リンギ(50歳以上)
・月間1万リンギ(50歳未満)
・15万リンギの定期預金(50歳以上)
・30万リンギの定期預金(50歳未満)
・医療保険への加入
・納税義務があるが、退職者は特別控除あり
10年配偶者や21歳未満の子供や60歳以上の両親も一緒に申請することができる。
タイノンイミグラントO-A(年金ビザ、リタイアメントビザ)Non Immigrant O-A50歳以上80万バーツ(タイ国内の銀行に)または月額6万5千バーツの不労所得健康で犯罪歴がないこと90日間後、申請により1年延長可資産と不労所得を合わせて年間80万バーツ以上ある場合も可。日本でも申請できるが時間とお金が多くかかることから、現地での観光ビザからの切り替えがオススメされる。
イギリスリタイアメントビザRetired person of independent means60歳以上年間最低2万5千ポンド以上の収入過去に滞在経験があったり、家族が居住していたりとイギリスとつながりがあること1年(延長でき、いずれ永住権の申請もできる)
フィリピン特別居住退職者ビザSRRV35歳以上・申請費1400ドル
・年会費360ドル
1万ドル〜5万ドル(年齢による)健康で犯罪歴がないこと条件を満たしていれば期限なし追加料金を支払うことで未成年を含めた家族もビザを取得することができる。
台湾日本人退職者180日滞在の数次査証55歳以上約500万円以上何らかの年金受給の証明書・犯罪歴がないこと
・医療保険へ加入していること
180日再申請可能。
ポルトガルリタイアメントビザD7年金受給者証明できる書類・健康で犯罪歴がないこと
・ポルトガルでの経済状況が説明できること
本人の希望年数資金よりも移住の動機や目的の方が重視される点でユニーク。
スイスリタイアメントビザ55歳以上労働せずに生活出来る十分な資金(明記されていない)スイスと何らかのつながりがある人無期限
インドネシア高齢者一時滞在ビザRetirement Visa55歳以上毎月2500ドルを証明・US$35,000以上の宿泊滞在施設の購入証明書または月額US$1,000以上の賃貸物件の賃貸契約書
・インドネシア人の使用人を雇用する旨の証明書
・医療保険の加入12ヶ月
ペルーリタイアメント査証不問月800ドル1年(永続的に更新可)家族が増えるごとに月500ドル条件が加算される。

2.比較から見えてくるフィリピンの優位性

一般

ここまで、各国のリタイアメントビザの状況について紹介してきました。こうして比較してみると、フィリピンのリタイアメントビザの優位性が自然に見えてきます。

2-1.35歳から取得できる

ほとんどの国で、リタイアメントビザを取得できる条件として、一定の年齢をあげています。たとえばタイは50歳以上、インドネシアは55歳以上です。リタイアメントビザが、本来は退職者や年金受給者を対象としている以上、それは当然といえるでしょう。

ところが、フィリピンの年齢制限は大幅に緩和されており、35歳以上であれば取得できます。このことは、フィリピンのSRRVが退職者や年金受給者だけを対象としていないことを意味しています。

経済的条件をクリアすれば35歳からリタイアメントビザを取得できるメリットには、計り知れないほど大きいものがあります。

なお、マレーシアのリタイアメントビザには年齢制限が一切ないため、フィリピンと変わらない優位性をもっています。しかし、マレーシアの経済的条件は厳し過ぎるため、若年層でそれだけの資産を保有する人は限られてくるでしょう。

2-2.他国と比べて経済的条件が低く、取得しやすい

通常、リタイアメントビザを取る上でもっとも障害となってくるのは経済的条件です。国によって年金の受給額や必要な資産額は異なりますが、基本的にはその国で問題なく生活できるだけの資金をもっていることが求められます。

フィリピンの場合、他国と比べてみればわかるように、経済的条件がかなり低く設定されています。年金受給者であれば1万USドル(112万円)の預託金があれば事足ります。

経済的条件よりも動機や目的を重視するポルトガルは例外として、百万ちょっとの貯金があるだけで経済的条件をクリアできる国は、フィリピンしか見当たりません。

経済的条件のハードルが低いため、フィリピンのリタイアメントビザは他国と比べて格段と取りやすくなっています。少なくともアジアのなかでは、フィリピンのリタイアメントビザはもっとも取りやすいと言われています。

ビザの取りやすさでは、月1,000ドル以上の年金受給を受けてさえいれば、貯金がなくても大丈夫なペルーをあげることもできます。ですが、最近のペルーの急激な治安悪化には心配が残ります。

2-3.一度取得してしまえば期限がない

ビザには通常、有効期限が設けられています。

たとえばタイやインドネシアでは1年、オーストラリアで4年、ニュージーランドで2年、マレーシアで10年です。基本的には期限が切れる前に更新手続きを行わないと、ビザが失効してしまいます。更新の際には各種の証明書を揃える必要があるため、その度に時間と手間、そして更新料がかかります。

しかし、フィリピンのリタイアメントビザには有効期限が設けられていません。一度取得してしまえば自分で解除しない限り、無期限で有効です。

今回取り上げた国のなかでは、リタイアメントビザが無期限なのはフィリピンとスイスだけです。

更新手続きの煩わしさから解放されることは、想像以上に大きなメリットです。

2-4.永住権を取得できるため自由に出入国できる

ほとんどの国では、リタイアメントビザの取得と永住権の取得は別個の制度として独立しています。通常、リタイアメントビザは、有効期限内はその国に滞在できることを意味しているに過ぎません。

ところが、フィリピンのリタイアメントビザは無期限のため、リタイアメントビザの取得は永住権の取得をも意味しています。

そのため、リタイアメントビザ取得後はフィリピンの出入国が自由になります。再入国の許可もいりません。このことは他国では見られない大きなメリットです。

たとえば、タイではリタイアメントビザを取ったあと、タイから出国する際に再入国許可証を申請して取得しておかないと、出国した時点でビザが失効してしまいます。

煩わしい手続きのことを考えることなく、自由に出入国できるフィリピンのリタイアメントビザの快適さとは比べものになりません。

フィリピンのリタイアメントビザは永住権がセットになっている分、他国のビザと比べて、かなり価値が高いと言えるでしょう。

2-5.家族のビザも取得できる

同伴する家族がいる場合のリタイアメントビザの対応は、各国によって違いがあります。たとえばオーストラリアのように、配偶者以外の扶養家族がいないこと自体がビザの取得条件になっている国もあります。

タイのように、リタイアメントビザに伴う家族同伴が一般的ではない国もかなりあります。

たとえば配偶者が50歳を超えている場合、タイでは別個にリタイアメントビザを申請した方がはるかに楽です。就労ビザに伴う家族ビザの取得は比較的簡単ですが、リタイアメントビザで家族ビザを取るのは専門業者でも知識がなく、一般的ではありません。

少なくとも、はじめから家族同伴を前提とした制度にはなっていません。

マレーシアのように配偶者や21歳未満の子供、60歳以上の両親も一緒に申請することができるリタイアメントビザを制度としてもっている国は、世界的に見てもごくわずかです。

ところが、フィリピンのリタイアメントビザは、はじめから家族同伴を前提にした制度になっています。配偶者および21歳未満の子供を2名まで、追加預託金なしで同伴できるからです。

同伴する家族が2名を超える場合でも、3人目から1人につき1万5千ドルの追加預金を積むことで、簡単に家族ビザを取得できます。

しかも、マレーシアの家族ビザとは異なり、通学も自由にできます。マレーシアでは学校に通う場合、別に学生ビザを取得する必要がありますが、フィリピンでは不要です。

フィリピンでリタイアメントビザを取得すれば、同伴する家族もリタイアメントビザ取得者とほぼ同じ権利を手にできるのです。

そのため、フィリピンのリタイアメントビザを取得しておけば、いざというときに家族でフィリピンに移住し、不自由なく暮らすことができます。これは大きなメリットといえるでしょう。

2-6.就労・就学ができる

通常はどの国でも、リタイアメントビザを取得した人の就労を禁止しているのが一般的です。就労を目的とする場合は、就労ビザを取得する必要があるからです。

基本的には就労ビザをもたずに仕事をしていると、不法就労として厳罰に処されます。

たとえばタイでは、リタイアメントビザを取得した人の不法就労を厳しく取り締まっています。発覚すると多額の罰金が課され、強制送還されることもあります。

しかし、フィリピンは例外で、リタイアメントビザであるにもかかわらず就労が可能です。ただし、就労のためには事前に外国人労働許可証(AEP)を取得する必要があります。

もっとも、外国人労働許可証は労働ビザを取っていても就労の前に取得する義務があるため、ハードルは低くなっています。会社に所属している外国人の数に対してフィリピン人が少ないなど、企業の側に問題がなければ、簡単に取得できます。

フィリピンのリタイアメントビザを取得することで、就学も認められます。観光ビザの場合、就学のためには特別就学許可(SSP)が必要ですが、リタイアメントビザを取得すれば、その必要がなくなります。

こうして各国のリタイアメントビザを比較してみると、フィリピンのリタイアメントビザには様々なメリットがあることが見えてきます。

実際に移住するかどうかはともかく、取得するのが楽な今のうちに取っておいた方が得といえるでしょう。

次回では、フィリピンのリタイアメントビザである、SRRVを取得するための具体的な方法について紹介しましょう。

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ドン山本
アジア在中のジャーナリスト
タウン誌の副編集長を経て独立。フリーライターとして別冊宝島などの編集に加わりながらIT関連の知識を吸収し、IT系ベンチャー企業を起業。 その後、持ち前の放浪癖を抑え難くアジアに移住。フィリピンとタイを中心に、フリージャーナリストとして現地からの情報を発信している。

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