こんにちは!2017年10月から、6週間にわたってセブ島に留学していた「恋する旅ライターかおり」です。私は、ライターの芸を活かし学費と滞在費が無料で提供される「一芸留学」という制度を使って、語学学校「3D ACADEMY」にて英語を学びました。

そこで、私が感じた「フィリピン留学のすべて」を、Vol.8までの連載として寄稿させていただいています。(当初はVol.7までの予定でしたが、書きたいことが多すぎて1記事増えました(笑))

Vo.5となる今回は、セブ島で活動するNPO法人「セブンスピリット」さんを初訪問。代表の田中宏明さんへのインタビューとともに、子どもたちの生演奏も聞かせていただきました。心底感動したとっておきの演奏動画も掲載。ぜひ、最後までお付き合いください!

物乞いをする子どもたちが発した「意外な一言」

11月4日に開催された「ホリエモン祭 in Cebu」にて

かおり:先日、セブ島で行われた「ホリエモン祭 in Cebu」に参加したんですが、セブンスピリットさんの子どもたちの演奏、ものすごく感動しました!私、一番前の席に座って観ていたんです。

田中さん:そうだったんですね。500人の前で演奏できたことは、子どもたちにとって忘れられない経験になったと思います。

かおり:子どもたちが退場する際、拍手で見送ったら心から嬉しそうに笑っていて、こちらまで幸せになりました〜。田中さんは、なぜセブ島でNPOの活動をはじめたんですか?

セブンスピリットを創立した田中宏明さん

田中さん30歳になって心機一転、新しい生き方をしようと思って選んだのが「海外でのNPOの設立」でした。当時読んだ本にとあるNPOのことが書かれていて、感化されたんですよね。それまでは、フリーライターとして主に雑誌の記事を書いていました。

かおり:え!?そうなんですか?リサーチ不足ですみません(実は田中さんは、パチスロライターだったことを後日知りました)。

田中さん:いえいえ。海外で活動するならまず英語を身に付けようと思って、2011年1月にセブ島留学に来たんです。そこで出会ったのが、道で物乞いをするストリートチルドレンたち。語学学校からは「ストリートチルドレンは犯罪者だから近づいてはいけない」と言われました。小林さんも学校から注意があったでしょ?

かおり:はい、「お金をあげてはいけない」「子どもが複数人で近寄ってきたら追い払って」みたいなことを言われました。実際、何人かストリートチルドレンに会いましたけど、無視すると離れていく感じで野蛮ではなかったです。

学校の周辺にいたストリートチルドレンたち。大概大人用のTシャツを着ている

田中さん僕は留学している5カ月間の間に彼らと友達になったんです。毎日会うから、そのうち声をかけるようになって仲良くなって。それである時「君たちは、なんでここで物乞いをしてるの?」と聞いたら、意外な言葉が返ってきたんです。

「だって、やることがないんだもん」って。

「お腹が空いた」とか「お金が欲しい」からじゃなくて、打ち込めるものがないから路上に出て物乞いをしていたんです。ちゃんと親もいるし、家もある子どもたちだったんですよ。

かおり:親は、なぜ物乞いをしている我が子を放置しているんですかね?

田中さん:子どもたちがやることに関心がないんでしょうね。小学校さえまともに通わず、教育によって自分が成長した経験がない親たちなので、教育の重要性、必要性を理解していないんです。

かおり:負の連鎖ですね。だから田中さんはセブ島でNPOを立ち上げたんですか?

田中さん:本当はドイツのNGOに行きたかったんですが、それがうまくいかず、「それならセブ島で自分のやりたいことをしよう」と思って、2012年の2月にNPO法人「セブンスピリット」を立ち上げました。最初は物乞いをしていた子たちに声をかけて、キーボード1つだけ持って公園で練習していましたね。

音楽・スポーツ活動を通して育む8つのライフスキル

かおり:田中さんがNPOの活動で音楽やスポーツをメインにしたのは、なぜですか?

田中さん:留学中に毎週、孤児院にボランティアに行っていて、そこで日本の大学生が子どもたちに音楽教育をしていたんです。日を追うごとに、音楽に触れている子どもたちの様子が明らかに変わっていく様子を見て、大学生の彼と「一緒に活動しようか」という話になって。

かおり:音楽によって子どもたちの様子は、どんなふうに変わったんですか?

田中さん:それは今、音楽教師を担当している永田くんに聞いてもらったほうがいいでしょう。永田くんは、以前セブンスピリットのスタディツアーに参加して、その後、音楽担当として仲間になってくれたんですよ。

音楽教育を担当する永田さん(写真右)

永田さん:初めまして。音楽担当の永田です。音楽に熱中することによって、子どもたちには明らかに成長が見えました。活動を始める前は教室内で争いが起きたり、ジッと話を聞けない子がいたりしたんですが、徐々に「練習に集中しよう」という雰囲気を自分たちでつくれるようになりました。

コンサートで演奏するなど大きな目標が定まると、自然と音楽に対するモチベーションが上がり、どんどんチームワークも育まれていきましたね。

田中さん:我々はライフスキル教育を掲げていて、音楽・スポーツを通して以下の8つの力を養うことを目標にしています。

1、自分らしさを見つけ、夢や希望を持つこと
2、目標に向かってよりよく行動すること
3、チャレンジを続けること
4、「やればできる」と前向きに考えられること
5、社会の一員として健全に生きること
6、相手の立場になって物事を考えられること
7、良好な人間関係を作り、保てること
8、効果的なコミュニケーションが図れること

教室の壁には指標となる「7S」が貼られている

かおり:素晴らしいですね。音楽とスポーツには、子どもたちの可能性を開花させる力が宿っていると私も思います。現在は、どれくらいの子どもたちが参加しているんですか?参加基準などありますか?

田中さん小学校低学年から日本で言う高校3年生までと、幅広い年齢層の子どもたちが60人ほど参加しています。参加基準はないんですが、保護者の同意は得るようにしていますね。

かおり:なるほど。スポーツ活動ではどんなことをするんですか?

田中さん:年に2回、日本から大学生がスタディツアーとしてやってきて、運動会の企画運営をしてくれているんです。子どもたちも運動会を楽しみにしていて、めちゃくちゃ盛り上がりますよ。子どもたちだけじゃなく、大学生たちの成長にもつながるような機会をつくっています。

貧困層に生まれた子どもたちが「夢」を持つために必要なこと

かおり:私、留学中のスクールトリップで「カオハガン島」へ行ったんですが、あの島に住む子どもたちは本当に人懐っこくて無邪気で、人を愛することが当たり前にできる子たちでした。すごく感動したしフィリピンの子どもたちの印象がガラッと変わったんですが、そういう触れ合いがなかったら、「フィリピンの子どもたちは怖い」って印象で終わってしまいそうだなって。

田中さんストリートチルドレンたちも、こっちが歩み寄れば心を開くと思います。本来、彼らはフレンドリーな気質を持っているので。でも、きっと心の余裕がないんじゃないかなぁ。

かおり:そうかぁ……。本来ある素質が活かされずに、お金を恵んでもらうのが当たり前になったり、人の物を盗むことを悪いと思わないような道徳観念が広がっていくのは、心配になってしまいます。

イナヤワンのゴミ山の様子

田中さんフィリピンには「困っている人は助けるのが当たり前」っていう宗教的な価値観があるので、僕らはそれを変えようとは思っていないんですよね。その分、ご近所付き合いが深いなど良い部分もありますし。

かおり:確かにそうですね。日本だと「不遇の環境に生まれても、それを乗り越えて成功した人」が評価されたりするじゃないですか。フィリピンにも、そういう価値観ってあるのでしょうか?

田中さん:僕の知人にはマニラのスラム街に生まれたけど、ものすごく努力してお金持ちになったフィリピン人女性がいますね。そういう逆境をバネにするような野心がある人もいるので、あるんじゃないですかね。

ピアトレスというスラム地域の様子

かおり:そのフィリピン人女性のような方が、自分の生き方を発信していって、子どもたちのロールモデルになってくれたらいいですね。子どもたちが夢を持つには「身近なロールモデルの存在」が必要だと思うんですよ。

田中さん:フィリピンにはドラッグが蔓延していて、グレる環境がすぐそばにあって、さらに親が自分のことで精一杯で子どもに関心が向かなくなってしまうと、その子どもは夢を見つけるのが難しくなってしまうかもしれませんね。

かおり:昔、物乞いをしていた子どもたちは、セブンスピリットで活動するようになって、物乞いはしなくなったんですか?

田中さん:そうですね。物乞いする時間があるなら、ここで音楽の練習をしたいと思ってくれているんだと思います。今は週6で活動していますし。

2017年の4月にはクラウドファンディングでいただいた支援金で、33名の子どもたちを日本に連れて行くことができました。日本人のお客さんの前で演奏し終えた子どもたちは、涙を流して喜んでいました。これまでの人生では考えられなかったミラクルが起きたわけですからね。

そうやって活動を深めるなかで、「ミュージシャンになりたい」など、子どもたちの夢が生まれたことも本当に嬉しい変化でした。

かおり:子どもたちにとってセブンスピリットは、学校とも家とも違う第3の居場所であり、夢が生まれる場所なんですね。いろいろなご苦労があったかと思いますが、素晴らしい成果ですね!

思わず涙があふれた生演奏。多くの留学生に体験してほしい

田中さんのインタビューを終えたあと、私は子どもたちの音楽活動の様子を見学させていただきました。17時を過ぎると、授業を終えた子どもたちが1人2人と集まり始め、気づけば30人近くの子どもが集まっていました。母親と一緒に来る子どももいます。お母さんも我が子の変化に喜んでいるんだろうな。

嬉しそうにニッコリ笑顔で楽器に触れる子どもたち。練習中も和気あいあいとして、ゆるやかな空気が流れています。みんな本当に仲が良さそう。年齢や性別やあらゆるボーダーを超えて、同じ目標を持った仲間同士になっているんでしょうね。

軽く練習を終えた子どもたちは、取材に訪れた私のために3曲も演奏を披露してくれました。楽曲は日本人なら誰もが知っているであろう「ハナミズキ」「カントリー・ロード」、そして「となりのトトロ」。

ぜひ、「となりのトトロ」の生演奏を映像でご覧ください。

3曲目の「となりのトトロ」を聞き終えた私は、こみあげる涙を止めることができませんでした。今も映像を見返しながら、ウルウルしてしまうほど。ひたむきに物事に打ち込む姿って、なんて美しいんだろう。

たった1人、私だけのために汗を流しながら懸命に演奏する子どもたちの姿は、強烈に私の心を揺さぶりました。そしてまた、涙を流して歓喜した私の姿に、子どもたちも心を熱くしてくれたんじゃないかなと思うんです。まさに、言葉を超えた心と心のコミュニケーション。

あれこれ言うよりも、一度セブンスピリットさんのスタディーツアーに参加して、ご自身で体感してみてください。私の言葉が嘘じゃないことがわかってもらえるはずだから。

★セブンスピリットさんのスタディーツアーの詳細はこちら。

スタディーツアーに参加し、スラム街を見学したあとに子どもたちの生演奏を聞いた人々の多くは、私と同じように涙を流して感動しているそうです。

せっかく留学でフィリピンに長期滞在するならば、1人でも多くの方にフィリピンの文化を学んでほしいし、子どもたちの可能性に触れてみてほしい。そう願ってやみません。

Vol.1:引っ越しか留学か。迷える私に届いた『一芸留学』という名のラッキーカード
Vol.2:英語力0からのフィリピン留学!初めての海外生活に浮かれまくりの私がつまづいた「学習の壁」
Vol.3:日本人が所有する「カオハガン島」に初上陸。贅沢な自然の恵みと惜しみない愛に触れた2日間
Vol.4:フィリピン留学ってぶっちゃけどうなの?経験者たちが「リアルな体験談」を明かします
Vol.5:「となりのトトロ」生演奏に涙……セブ島で活動するNPO「セブンスピリット」を初訪問。子どもたちの夢が生まれる場所
Vol.6:セブ島留学は勉強だけじゃない!お金をかけずに楽しめる観光&アクティビティ10選

私が通っている3D ACADEMY公式サイトはこちら
http://3d-universal.com/

【まとめ】セブ島にある有名・評判な語学学校の一覧表
小林香織

1981年、埼玉県生まれ。2014年ライターデビュー。

WEBメディアを中心に、【働き方、ライフスタイル、旅、恋愛、美容】など幅広く執筆。

東京を拠点に、ときどき国内外を旅しながら旅と仕事を両立して生きています。2017年10月からセブ島に一芸留学中!

自由に生きるための選択肢を提供したい。そんな想いで日々、文章を綴っています。

恋する旅ライターかおりのブログ:http://love-trip-kaori.com/
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