レアジョブ物語 後編

フィリピン人のマネジメント

Skypeだけでは思いを伝えられない

現地には常駐を置かない

レアジョブが始めた画期的に安価なオンライン英会話は口コミを中心に次第に広がり、いつの間にか業界トップとしての揺るぎない地位を築いていました。日本でもフィリピンでも正社員が増え、企業規模もどんどん膨れあがっていったのです。

加藤と中村の仕事にしても、マネジメントが大きなウェイトを占めるようになってきました。基本的に中村は日本側のマネジメントを担い、加藤はフィリピン側のマネジメントを担うという役割分担がなされました。

ことにフィリピン側のマネジメントにおいて加藤は、海外に進出している日本企業の担当者が聞くと目を丸くするような独特の方法を用いました。

その方法とは、日本人を一人も常駐させることなく、フィリピン人スタッフだけでオペレーションを行える仕組みを築いたことです。

現在ではフィリピン側のスタッフとしてフィリピン人講師 4,000人以上、正社員 120人以上を抱える大所帯ですが、レアジョブは長いこと日本人は一人も常駐させずに回してきました。
(注.現在はインターネット設備を備えたオフィスからレッスンを行うセンター講師の制度を取り入れたことで、日本人スタッフが常駐しています)

通常、日本企業が現地で120人もの外国人を雇用していたなら、日本人の管理職として4~5人が派遣され、常駐することが普通です。しかし、レアジョブは創業以来長期にわたり、フィリピン現地に日本人社員を配置することをかたくなに拒んできました。

このことは海外で外国人を雇用している日本企業からすれば、驚くべきことです。しかも進出先がフィリピンとなればことさらです。

フィリピンにオフィスや工場を構える日本企業は、複数の日本人社員を常駐させて雇用したフィリピン人のマネジメントに当たっています。筆者はセブに在住していますが、企業の代表や担当者から苦労話を嫌というほど聞かされています。

当たり前ながら日本人とフィリピン人では価値観が大きく異なります。たとえば「ここをキレイにしてね」と伝えた場合、日本人であれば即座に行動してくれますが、フィリピン人だとそうはいきません。

それは、日本人が真面目でフィリピン人が不真面目とかいう問題ではありません。価値観が共有できていないため、多くのフィリピン人には「どこまでかキレイ」で「どこまでが汚い」のかを判断できないためです。

そのため、単に「ここをキレイにしてね」と伝えただけでは事が進みません。「どこまでがキレイ」で「どこまでが汚い」のか、それらを解決するために具体的に何をしなければいけないのかを、デモンストレーションを交えて時間をかけて説明する必要があるのです。

こうした繰り返しを日常の業務ごとにこなすとなると疲れます。その結果が「フィリピン人はきちんと仕事をしてくれない」というぼやきにつながるわけです。

だからこそ「レアジョブでは日本人が常駐することなく、フィリピン人スタッフだけでしっかりしたマネジメントが行われている」と聞くと、皆一様に驚かざるを得ません。

日本人社員が常駐して管理していても上手くいかないのに、常駐なしなんていったいどんな魔法を使っているのかと、フィリピン人スタッフのマネジメントに頭を抱えている多くの担当者は、いぶかしがります。

今回は加藤が行ったフィリピン人のマネジメントにスポットを当てて、掘り下げてみます。

2週間ごとに日本とフィリピンを往復

- なぜ2週間ごとなのか -

常駐を置かないとはいえ、マネジメントのすべてをフィリピン人スタッフに丸投げしているわけではありません。フィリピン大学の新卒者を正社員として迎えた直後は、Skypeを使った遠隔マネジメントを行っていました。いかにも、Skypeを通してオンライン英会話のレッスンを提供するレアジョブの代表らしい手法です。

たしかにSkypeを用いることで、細かい調整はできます。しかし、Skypeだけでは思いが伝わらないことに気がついてからは、直接現地に赴くようになりました。

それ以来加藤は、2週間ごとに日本とフィリピンを行き来しています。そのため、日本とフィリピンの両方に部屋を借りました。

日本とフィリピンを定期的に往復することは、単にフィリピンで暮らすことに比べると何倍も大変です。体力的に負担となることはもちろん、家族との暮らしぶりにも大きな影響を及ぼすからです。

それでも加藤はあえて、2週間ごとに往復することを選択しました。「2週間ごと」に決めたのは、国をまたぐビジネスでは人々の思いにどうしてもズレができてしまうため、それを修復するためです。

思いのズレは小さなうちに解消しないとスタッフや講師のモチベーションを下げ、やがてはサービスの品質低下を招き、企業の業績をも押し下げてしまいます。本当は1週間で往復したいところですが、さすがにそれでは体力がもたないため、2週間ごとという期間を定めました。

- 講師に伝える言葉は「ありがとう」 -

2週間の間、加藤がフィリピンで行っていることは主にふたつのことです。ひとつは講師に「ありがとう」と伝えること、もうひとつはスタッフに対して「Be ambitious(大志を抱け)」というメッセージを届けることです。

なぜ「ありがとう」と伝えるのかといえば、レアジョブの事業モデルではユーザーと直接接するのはフィリピン人講師だからです。加藤にしても日本側の社員にしても、ユーザーに対して直接何かを為すことはできません。

講師が一生懸命にレッスンをしてくれるからこそユーザーにその気持ちが伝わり、「明日もレッスンしよう!」というやる気をもってもらうことができるのです。ユーザーのマインドを支えるのは講師の仕事であり、講師のマインドを支えるのは自分をはじめとするスタッフの仕事なのだと加藤は考えています。

だから講師たちに会っては、加藤は必ず伝えています。
「いつもいいレッスンをしてくれて、ありがとう。今日この場に来てくれて、ありがとう」

代表である加藤自身が講師と直接会って「ありがとう」と伝えることが大切なのです。

「『ありがとう』というメッセージはネットでも伝えられます。ですが繰り返し会い、一緒にご飯を食べ、握手をし、『ありがとう』と相手の目を見て言ったほうが、より確実に気持ちが伝わります」

Vol.01 気がついたら7年半、2週おきの海外往復生活のリアリティ|加藤智久「レアジョブ奮戦記」 より引用

現在、4,000人を超える講師がフィリピン全土に散らばっています。加藤は各都市を巡っては講師に会い、感謝の言葉を伝えています。加藤が回った都市はすでに40都市を超えました。

講師に対してもスタッフに対しても、加藤は何度も何度も「ありがとう」と伝えています。

「社長の仕事は二つしかないんじゃないかと思うよ。一つは良い人を採用すること。もう一つは、その人が活躍したら『ありがとう』と言うこと」

レアジョブのこと、 今日は本音で語り合ってみよう より引用

加藤の謙虚な姿勢には、学ぶべきことが多々あるように感じます。

- スタッフに伝える言葉は ”Be ambitious” -

講師以外にも多くのスタッフがフィリピンにはいます。加藤はフィリピン滞在中に現地スタッフとの四者面談を定期的に行っています。

スタッフ本人とその上司、人事担当者、そして加藤を交えた4人での打ち合わせです。あえて四者面談にしているのは、フィリピンの慣習に配慮したためと思われます。

その場で加藤は「レアジョブがどんなビジョンをもっていて、何を達成したいのか」を伝えるとともに、「あなたにどう成長してほしいのか?」を1時間ほどかけて話します。

その間、加藤は繰り返し「あなたはこの会社にとって、とても大事な人なんだ」「あなたのことを信頼しています」という思いを伝えます。

さらに、”Be ambitious”(大志を抱け)というメッセージを情熱を込めて伝えています。もちろん、その言葉は明治時代にクラーク博士が札幌で語った”Boys, be ambitious”に基づいています。

なぜ、あえてその言葉を使うのかといえば、五百年に渡る長い植民地時代を経てきたからか、才能があってもそれを開花させようとしないフィリピン人が多いと、常々感じているからです。

”Be ambitious” の言葉には、留まることなく常に成長を目指してほしいという加藤の思いが込められています。

大切なのは、気持ちや情熱を共有することだと加藤は考えています。それは、直接会って目を見て話さなければけして成し遂げられません。気持ちや情熱の共有があって、はじめて信頼関係が築かれていくのだという揺るぎない信念を、加藤はもっています。

思いが伝わったかどうかを確認するために、ミーティングが終わったあと自分の席に戻るスタッフの後ろ姿を、加藤は注意深く見守るようにしています。後ろ姿が元気にあふれているか、うなだれているかを見極め、ケースバイケースで対応するためです。

スタッフ一人ひとりに対するきめ細かな配慮があるからこそ、気持ちや情熱が共有され、強固な信頼関係が築かれているといえるでしょう。信頼できるスタッフがいるからこそ、駐在員が一人もいなくても事業を前に進めることができるのです。

共通言語は「7つの習慣」

試行錯誤の上にわかったこと

先にもふれましたが、フィリピン人のマネジメントに直面した担当者は異文化の壁に大いに悩むことになります。加藤にしても、はじめのうちはそうでした。

はじめてフィリピンで正社員を採用したとき、加藤はスタッフに細かいことを指示するのではなく、課題を与えたあとは自分で考えて自由にやってもらうマネジメントを行っていました。

日本のベンチャーでは、ごく一般的なマネジメントです。ベンチャーでは新しいサービスを創出することが多いため、どうしても手探りで進まざるを得ないことが多々あります。そこで、まずはスタッフにやらせてみて、そのあと「ここはおかしいから直してくれ」といったフィードバックを繰り返し、最終的にひとつのものに仕上げていくプロセスをとることが多いのです。

いちいち細かい指示をされるよりも、ある程度自由に任せてもらえる方が信頼されていると、日本人であれば感じるものです。機械的に作業をこなすよりも、自由度が高い方が仕事のやる気も高まります。

ところが、フィリピンではこうした考え方は通用しません。自由にやらせてみたところ、度々喧嘩が起きるようになってしまったのです。当時の加藤には、自由にやらせているのになぜ喧嘩になってしまうのか、さっぱりわかりませんでした。

話を聞こうとしても、フィリピン人スタッフはなかなか本音を吐きません。ここにも文化の違いが大きく影響しています。

しかし、何回か衝突を繰り返したことで、フィリピン人の価値観がようやく見えてきました。フィリピンの文化には、ベンチャー式の自由にやらせるという行為そのものがなじまなかったのです。

フィリピン人が仕事をする上での原動力となっているものは、ホスピタリティです。上司との関係でいえば、上司を満足させることが彼女たちの喜びです。ところが上司の指示が不明確だと、何をすれば上司が満足してくれるのかがわかりません。そのため、思いがあまり喧嘩へと発展してしまうわけです。

通常、フィリピンでは大局を理解して方向付けをするのは上司の仕事であって、部下の仕事ではありません。部下は大局を理解する必要などない、と考えられています。上司が大局に基づいて分解したタスクを、それぞれの担当者に具体的に指示を与えます。部下は指示された通りにタスクを仕上げるのみです。フィリピンでは部下が自分で考えて何かを為すことを、上司が嫌がる傾向にあります。

いわば軍隊型の上意下達のシステムの方が、フィリピンにはなじむのかもしれません。でもそれは、加藤のスタイルではありません。お互いの意見を尊重して、そこから相乗効果を生み出そうとする多様性尊重型こそが、これまで加藤が貫いてきたスタイルです。

フィリピン人の文化やものの考え方が日本人とは異なるため、日本と同じ感覚でマネジメントを行っても上手くいきません。だからといって、すべてをフィリピン人に合わせることにも抵抗があります。

そこで加藤は、日本人であろうとフィリピン人であろうと関わらずに、社内コミュニケーションのための共通言語を確立すべきだと思い至ります。共通言語といっても、日本語とか英語とかの言語のことではありません。すべての思考の基本となるものの考え方、価値観の共通言語のことです。

レアジョブの共通言語として加藤が定めたのは、「ロジック」と「7つの習慣」です。

ロジックで考えるということ

問題を解決するためにどこから手をつけるかは、人によってかなり違います。まして文化やものの考え方の異なる多国籍の人たちが集めれば、解決のプロセスはさらに多様化します。

そこで社内の共通言語としてロジックを導入しました。レアジョブのスタッフであれば、入社してすぐにロジックについての研修を受けます。ロジックとは、問題を解決するためのプロセスそのものです。

基本は物事を分解して考えることにあります。どれだけ難解に見える問題であっても、細かく分解していくことで、そのひとつひとつの要素について原因を追及していくことができます。そうして細部の原因がはっきりすれば、問題全体を解決するための方法を探ることができます。

たとえば「講師をどうやって集めるか?」といった課題に対しては、まずはロジックにしたがって分解することから始めます。一例として、この課題は「潜在的な講師を特定するプロセス」と「その人たちにレアジョブを認知してもらうプロセス」の二つの要素に分解できます。

さらに「その人たちにレアジョブを認知してもらうプロセス」についても分解して考えます。レアジョブの認知のプロセスについて分類し、レアジョブが関与することで彼らの生活がどうなるかを複数考えていきます。

このように課題を分解して議論を進めることで、問題解決の有効手段を見つけられるようになります。思考は技術です。思考のための共通の土台があれば、正しい問いをたて、正しい答えを導き出すことができるのです。

ロジックの優れたところは、言葉や文化・価値観の異なる人たちが議論をしていても、ロジックにしたがう限りは同じように対応できることです。日本でもフィリピンでも、ブラジルやアフリカでも、どこでも同じように考えることができます。

しかし、ロジックさえあればすべてが丸く収まるわけではありません。思考のプロセスが統一されたとしても、実際の思考そのものは個人や民族の価値観によって大きく左右されるからです。

ときには互いの価値観がぶつかり合い、ロジックだけでは解決できないときもあります。そこで、価値観をすり合わせるための更なる共通言語が必要になります。

それが、「7つの習慣」です。

「7つの習慣」とは?

「7つの習慣」とは、スティーブン・R・コヴィーによって書かれ1996年に出版された書籍のことです。2010年の時点で44か国語に翻訳され、全世界で 2,000万部を売り上げている世界的ベストセラーです。

どこの国であろうと、どんな文化や歴史が育まれていようと、どんな宗教を信じていようと、共通してもてる価値観を確認するための原則が「7つの習慣」です。

具体的には次の「7つの習慣」を指します。
第1の習慣 - 主体性を発揮すること
第2の習慣 - 終わりを思い描くことから始めること
第3の習慣 - 最優先事項を優先すること
第4の習慣 - Win-Winを考えること
第5の習慣 - まず理解に徹し、そして理解される
第6の習慣 - シナジー(相乗効果)を創り出すこと
第7の習慣 - 刃を研ぐこと、具体的には肉体・精神・知性・社会性を成長させること

フィリピン人はあまり読書をする習慣がありませんが、レアジョブではスタッフは必ず「7つの習慣」を何度も読み返し、度々勉強会を開きます。

加藤はフィリピン人スタッフに対し「僕に何か言いたいことがあったときは、必ずこれを使ってほしい。そうすれば理解できるから」と伝えています。「私もみんなに伝えたいことがあるときは、これをベースに話すようにする」とも伝えています。

こうして社内の共通言語として、「7つの習慣」を用いることを徹底させたのです。

「7つの習慣」が果たした役割

社内の空気が「7つの習慣」で染まったことで、さまざまな変化が起きました。たとえば「インサイド・アウト」です。著書の中に出てくる「インサイド・アウト」とは、なにか問題が起きたときに、相手を変えようとする(=アウトサイド・イン)のではなく、自分から変わろうとする考え方を意味しています。

フィリピンオフィスでは「インサイド・アウト」が社内の共通言語として根付いているため、まずは自分を変えようと誰もが率先して取り組みます。自分が変わることで、相手も変わり、事態は改善されます。

また、上司が頭ごなしに部下になにかを伝達することも、なくなりました。会議で決まったことを部下に伝える際にも、上司は常に「まず理解に徹し、そして理解される」という習慣を守っています。

自分の言うことにしたがわせることを考えるよりもまず、相手の話をよく聞き、相手を理解しようと努めるからこそ、伝えたいメッセージがはじめて相手にも理解されます。

こうして相互に理解し合うことで、はじめて Win-Winの関係を築けるようになります。

「自分を理解してもらいたかったなら、まず相手のことを理解しよう」といった習慣をスタッフ全員が共有することで、いつでも暖かな空気がレアジョブのフィリピンオフィスを満たしています。

一冊の著書を社内の共通言語に位置づけるという加藤の試みは、他ではあまり見られないユニークな手法です。

しかし、「7つの習慣」という中核ができたことで、人種や国家、歴史や文化、ものの考え方の違いを超えて、ひとつの価値観を共有することに成功しました。これらは社風として内外に自然とにじみ出るものです。

「7つの習慣」こそが、レアジョブが急成長を遂げる原動力となったといっても過言ではないでしょう。

加藤の採った個性的なマネジメントは、フィリピンに進出した日本企業にとって多くの教訓に満ちています。

会長職を退任、新たな旅立ちへ

なぜ去るのか?

加藤が中村とともに創りあげたレアジョブは、順調に成長しました。2014年の6月には東京証券取引所マザーズ市場に株式上場を果たしています。事業上において密接なつながりのある子会社が新興国にあるにもかかわらず上場できたことは、極めて珍しいケースといえます。

その後、加藤は日本とフィリピン双方のレアジョブの代表取締役を務めた後、日本のレアジョブでは会長として、フィリピンの RareJob Philippines, Inc.では CEO として経営に携わってきました。

しかし、2017年6月、加藤はレアジョブの代表取締役会長から退任しました。フィリピンの CEO からも外れています。

もちろん取締役として、大株主としての地位はそのままですが、常勤ではなくなります。スタッフに権限を委譲することで、加藤は事実上、レアジョブの経営から離れることになりました。

なぜ今、退くの?

多くの人が疑問に思いました。

ゼロから起業して苦労して育て上げた大企業なのに、創業者が自ら退く決断を下すとあっては、多くの憶測を生んでもやむを得ない面もありました。

されど、当の加藤にしてみれば、予定の範囲内に位置づけられる決断でした。もともと加藤には創業時より「放っておいても勝手に育つ組織を作りたい」という思いがありました。だからこれまでも、少しずつ権限をスタッフに委譲してきました。

そして、気がつきました。

「もはや僕がいなくてもこの会社はミッションの実現に向け歩み続けるだろう」と……。

レアジョブの掲げたサービスミッション「日本人1,000万人を英語が話せるようにする」は、まだ達成されていません。でも加藤は、もう自分がいなくても、やがてサービスミッションをクリアするときが来ることを確信できました。

そうであるならば、「僕は僕にしかできないことがしたい」と思うようになりました。今度はフィリピンの地で再びゼロからスタートして大きな企業を育ててみたいという思いを、抑えることができなくなったのです。

4-2.僕にしかできないことを!

フィリピンを見ていて加藤は、上場しているネット企業が一社もないことを疑問に思っていました。日本のヤフーや楽天・サイバーエージェントにあたる企業が、フィリピンにはまったくないのです。

加藤は綴っています。

どうやら、インターネット分野で上場社長経験のある人はフィリピンに僕しかいないらしい。
だとしたら、僕はフィリピンでRole modelとなる会社をゼロから立ち上げたいと思う。
日本のカネと経験、フィリピン人の優秀な人たちとのネットワークが僕にはある。
彼らと一緒にRole modelとなる会社をつくること。
それが「僕にしかできないこと」じゃないだろうか。

自ら創業した会社を離れて、何がやりたいのか。何のために働くか。 より引用

Role model とは、具体的な行動や考え方の模範となることです。フィリピンにネット企業のロールモデルとなる企業がないのであれば、自らの手で創出すればよいと、加藤は決意しました。

ひとつでもロールモデルとなる企業があれば、それに続くネット企業が次々と現れるはずです。それはやがてフィリピン経済を活性化させ、大量の雇用を生み出すことでしょう。そのためには誰かが口火を切る必要があります。

「ワクワクする方を選ぶ」というライフスタイルは、今回の決断へと加藤を迷うことなく導きました。そこには、重大な決断をする際に加藤が大切にしていた直感が働いていたのかもしれません。

今、未知なる新たな挑戦に挑む加藤の心は、弾むようにワクワクしているに違いありません。加藤がこれからフィリピンでどのような成功を収めるのか、それを見守る私たちもまたワクワクした思いを抑えることができません。

フィリピンの地で綴られる新たなレジェンドを、ぜひまた当サイトでも紹介したいと思います。その日が1日も早く訪れることを、願ってやみません。

加藤の新たなチャレンジは、まだ始まったばかりです。

*よりレアジョブ物語の雰囲気が伝わるように、シリーズを通して名前を敬称略させていただきました。

参照記事

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ドン山本
タウン誌の副編集長を経て独立。フリーライターとして別冊宝島などの編集に加わりながらIT関連の知識を吸収し、IT系ベンチャー企業を起業。 その後、持ち前の放浪癖を抑え難くアジアに移住。フィリピンとタイを中心に、フリージャーナリストとして現地からの情報を発信している。

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