16世紀から現代までのフィリピンの歴史をざっくり抑えたい方はこちら
5分で分かるフィリピンセブ島の歴史。フィリピン留学・観光前に必ず押さえよう!

レイテから振り返る、あの戦争

レイテ島

深く澄み切った青を何層も重ね塗りしたような静かな海の中に、その島はたたずんでいます。セブから北東の方向に飛行機で45分、フェリーであれば2時間ほどの距離にあるその島は、レイテ島と呼ばれています。

70年ほど前、かつてこの地で戦争がありました。日本とアメリカの軍隊がもっとも激しい戦いを繰り広げたのが、レイテを中心とするフィリピンです。そのときフィリピンは、アメリカの植民地でした。

美しく澄み渡ったレイテ沖において、かつて日本とアメリカの海軍は総力をあげて激突しました。その戦いは史上最大の海戦として、今も語り継がれています。神風特攻隊がはじめて飛び立ったのも、レイテ沖海戦が初めてでした。

レイテ島においては、上陸を果たそうとするアメリカ軍と阻止しようとする日本陸軍がせめぎあい、2ヶ月の後に日本軍8万はほぼ全滅に至りました。

フィリピンで戦死した日本の将兵は52万人を超えています。レイテやセブ島のジャングル、そしてレイテ沖の海の底には、37万人以上の日本兵の遺骨が未だ眠ったままです。野ざらしのまま密林の中で、そして深い海の底で、70年余の歳月を過ごした彼らの魂は今なにを思っているのでしょうか?

戦いで死んでいったのは兵士ばかりではありません。この戦争で犠牲になったフィリピン人は、100万人を超えています。

今日では東南アジアのなかでも一番の親日国といわれるフィリピンと日本の間には、そのような悲劇の時代もあったのです。

ではなぜフィリピンでそんな戦争があったのでしょうか?

それは「なぜ日本とアメリカが戦ったのか」を知らなければ原因がわかりません。

同様に「日本が真珠湾を攻撃しなければいけなかった理由」は、「アメリカが日本への石油輸出を止めた経済制裁」から来ています。
そして更に「アメリカが日本への経済制裁」をした理由は、その前の理由から来ています。

そうやってさかのぼって突き詰めると、フィリピンにとっての世界史は「なぜマゼランがフィリピンのセブ島に上陸したのか」から見ることで、全て紐付けることが出来ます。

今回からフィリピンを舞台に、あの戦争でなにがあったのかを「日本とフィリピンの大東亜戦争」として、シリーズでお届け致します。

フィリピン留学前に日本とフィリピンにどんな過去があったのか、フィリピン人と日本人は過去にどのような関係を築いてきたのかを知ってほしいと思い始まった企画です。

近現代史は学校の授業でもほとんど教わらないため、戦争があったことは知っていても、なぜ戦争が起きたのか、そこで何があったのか、戦争の痕跡(こんせき)とそれによって何が変わったのかを、私達の多くは知らないままです。

そこで、フィリピンで起きた戦争の痕跡をじっくりとたどることで、過去の戦争がどう今の世界、特に今の東南アジアにつながっているのかを、知ってもらいたいと思います。

このシリーズを読むことで、フィリピン人の立場にたった国際交流が出来るだけでなく、他国の人たちと交流を深める際にも必ず役立ちます。

まずは序章からご覧ください。

第一部:侵略か解放か? 日本が追いかけた人種平等の夢

序章:特集「日本とフィリピンの大東亜戦争」目次と序文
第1章 ふたつの世界地図はなにを語るか〜日本が追いかけた人種平等の夢〜

第2章 コロンブスの「発見」から始まる奴隷の歴史

第3章 大東亜戦争(太平洋戦争)への道筋
1.帝国主義の時代
2.日露戦争
3.黄禍論と日本人差別
4.満州事変はなぜ起きたのか
5.泥沼の日中戦争へ

第4章 日本はなんのために戦ったのか
1.三国同盟に託した日本の行く末
2.北部仏印進駐の余波
3.すべてを覆した独ソ戦の衝撃
4.日米諒解案をめぐる攻防
5.南部仏印進駐がもたらした経済制裁
6.日米交渉に隠されていた真実とは
7.なぜ開戦を決意したのか

第二部.レイテ島沖海戦から地上戦まで、かく戦えり(未定)

第三部.神風特攻隊とは何だったのか(未定)

第四部.フィリピンから見たレイテの戦い(未定)

参考URLと書籍の一覧はこちら

フィリピンの戦いと歴史の記事一覧
今回はフィリピン人の視点から、日本軍による占領と日米の戦いについて、振り返ってみます。
セブ慰霊の旅(第4回)観光地サンペドロ要塞近く、名もなき日本軍慰霊碑の秘話セブ慰霊の旅 第4回
セブ慰霊の旅(第3回)民間人の投降を許さなかった日本軍の罪と子供達の運命
タリサイの海岸 ~戦時と今を結ぶ絆
セブ慰霊の旅(第1回)セブ事件がもたらした神風特攻隊の誕生秘話
レイテ島慰霊の旅 ~レイテに降る涙雨 3/3
レイテ島慰霊の旅 ~レイテに降る涙雨 2/3
レイテ島慰霊の旅 ~レイテに降る涙雨 1/3
第1部4章 日米交渉(1/36)開国から日米戦争へ至る百年余の歳月のあらすじ
第1部4章 独ソ戦(12/12)仮想、日ソ開戦!ソ連を降伏に追い込める可能性はあったのか
第1部4章 独ソ戦(11/12)ソ連を救ったスパイ・ゾルゲとコミンテルンの陰謀
第1部4章 独ソ戦(10/12)もし日本がソ連に侵攻していたなら……
第1部4章 独ソ戦(9/12)ドイツはなぜソ連に侵攻したのか?ヒトラーの本当の狙い
第1部4章 独ソ戦(8/12)ついに独ソ開戦、松岡外相が天皇に上奏したその驚くべき内容
第1部4章 独ソ戦(7/12)アメリカの怒りを買う南部仏印進駐はどう決まっていったのか
第1部4章 独ソ戦(6/12)ドイツと共にソ連を挟み撃ちにすべきか、それとも...
第1部4章 独ソ戦(5/12)独ソ開戦間近!日本は米英親善へ舵を切るチャンスがあった
第1部4章 独ソ戦(4/12)大失敗だった日ソ中立条約。ロシア人にとって「条約は破るもの」
第1部4章 独ソ戦(3/12)日ソ中立条約はなぜ結ばれたのか?松岡外相の狙いは昭和史最大の謎
第1部4章 独ソ戦(2/12)大量の素人外交官を生み、情報戦に遅れをとる原因を作った松岡人事