フィジーで英語留学ができることをご存知でしょうか?
フィジーは観光地として有名ですが、留学先としてはピンとこない人もいるかもしれません。また、そもそもフィジーがどこにある国なのかも知らない人もいらっしゃると思います。
そこで今回は、フィジーの基本情報や特徴、そしてフィジー留学の体験談をまとめました。
この記事を読めば、フィジー留学の人気が高まってきている理由を知ることができるでしょう。あわせて、フィジーそのものの魅力にも気づけるかもしれません。
小林優香
一般社団法人海外留学協議会(JAOS)認定留学カウンセラー現在留学エージェント会社で働き、入社以来1,400人以上の留学生をサポート。
最優秀カウンセラーとして2度の表彰を経て、現在は留学カウンセラーの育成トレーナーを務めている。
目次
フィジーの特徴(基本データ)
まずは、フィジーの気候や文化といった基本データからご紹介していきます。
気候
フィジーはオセアニア州に属し、オーストラリアの東にある島国で、約330もの島によって構成されています。気候は熱帯海洋性気候で、平均気温は年間を通じて23~26℃のいわば常夏の国です。
【引用元】阪急トラベルHP
雨季(12月~4月)と乾季(5月~11月)に分かれていますが、雨季でもそれほど降水量が多いわけではありません。
気温、降水量の両面から見ても、過ごしやすい国といえます。
文化
フィジーの人口は約90万人です。
珍しい点として、フィジーにはフィジアンとインディアンの2種類の人種が、それぞれ人口の大半を占めているということが挙げられます。
【引用元】教育ネットひむか
全く違う文化を持ち異なる言語を話す民族同士が、どちらかが圧倒的な多数民族になることもなく共存しているというのは、日本人からすると想像しにくい環境かもしれません。
また、フィジーには「ケレケレ」という考え方があります。これは一言でいうと、「分け合う、共有する」という意味。
フィジーでは、人のものは自分のもの、自分のものは人のものと言わんばかりに、物はシェアするという考え方が根付いているのです。
日本では今でこそ各種シェアサービスが台頭してきていて、シェアの考え方も広まってきていますが、フィジーではずっと前からそれが当たり前だったのです。ある意味では先進的ともいえるのかもしれません。
言語
フィジーは先述の通り、2つの民族が住む国です。それぞれの民族は、それぞれの母国語を使います。フィジー人はフィジー語、インド人はヒンディー語といった形です。
さらに、フィジーはイギリスの植民地だった時代もあることから、ほとんどの人が英語を話すことができます。実際に、英語はフィジーの公用語として登録されています。
この「英語はフィジーの公用語」という点が、フィジーが英語留学に適している理由の一つです。
なお、英語はフィジー国内の、母国語の異なる民族間での会話でも使われています。
物価
フィジーの通貨は「フィジードル(FJ$)」。1FJ$は日本円にして66.46円(2023年11月時点)です。
物価は比較的安めで、屋台やローカルのレストランで外食すると、チャーハンやカレー、八宝菜などをだいたい一人500円以下で食べることができます。
ただフィジーは観光地も多い国なので、雰囲気の良いカフェなどは非常に高いお金がかかるところもあるためご注意ください。そういったお店さえ避ければ、食事は安く済ませることができるでしょう。
そのほか、バスやタクシーといった交通手段も格安で、バスだと市街はだいたい70セント(約40円)で移動できます。
タクシーは初乗りが約1.5ドル(約100円)で、その後100mごとに10セント(約6.6円)ずつ加算されていきます。これなら気兼ねなくタクシーを使うことができますね。
ちなみに、フィジーは比較的治安の良い国ですが、ひとり歩きはおすすめしません。積極的にタクシーを活用するようにしましょう。
なお日用品は輸入物も多く、それほど安くはないのが実態です。物価が安いとはいえ、あくまでも物次第だということは覚えておいてください。
なぜフィジー留学なのか
フィジーの基本情報がわかったところで、それらを踏まえ、留学先としてフィジーがおすすめな理由について解説していきたいと思います。
フィジー留学は、ほかの留学先では得られないメリットや魅力に溢れています。以下で詳細をご紹介していきます。
フィジー留学のメリット
まずは、留学先としてフィジーを選ぶメリットについて解説します。
留学先を検討するにあたってのポイントになると思いますので、ぜひチェックしてみてください。
英語を話せる人が多く、ゆっくりで聞き取りやすい
公用語として使われるフィジー人の英語は、比較的ゆっくりで聞き取りやすいのが特徴です。
先述のとおり、フィジーは2つの異なる民族が総人口のおよそ半分ずつを占める珍しい国。そしてそれぞれの民族内では、それぞれの母国語で会話することがほとんどです。
英語を使う機会は、主に異なる民族間で会話するとき。フィジー人の英語がゆっくりでわかりやすいのは、文化も暮らしも違う相手への配慮なのかもしれません。
ゆっくりと聞き取りやすく話してもらえるのは、英語を学びたい人にとって非常に嬉しいポイントといえるでしょう。
ホスピタリティが高く、フレンドリーな人が多い
フィジー人はとにかくフレンドリー。
街を歩いているときやバスを待っているときなど、「Bula!(こんにちは!)」と気軽に話しかけてきます。彼らにとってはそれが当たり前なのです。
日本人からするとちょっと驚いてしまいますが、見向きもされないよりも笑顔で向き合っている方がずっと気は楽。こちらも相手に合わせて「Bula!」と陽気に返すのが良いでしょう。
また先述のとおり、フィジーには「ケレケレ」の文化があります。すべてのものはお互いにシェアするというものですが、根底にあるのは「困っている人がいたら見返りを求めず助ける」という習慣です。
もし困っている日本人がいたら、迷わず救いの手を差し伸べてくれるでしょう。
人の温かさを普段あまり実感しないという人もいるかもしれませんが、フィジーではそれが日常なのです。なにかと不安な留学ですが、渡航先にそういった文化があると安心できますね。
物価が安い、留学費用も安い
物価については先ほど述べたとおり、他国に比べて安いものが多いのがフィジー。買い物だけでなく、留学費用も安く済ませることができます。
費用は内容や期間によって大きな差があるものの、アメリカやヨーロッパへの留学に比べ、フィジー留学はざっくり3分の1程度の費用といったところでしょうか。
観光や留学で人気があるとはいえ、フィジーは発展途上国なので、先進国に比べるとあらゆる費用が安めになっているのです。
関連記事:円安留学【徹底解説】留学期間を削らず費用を安く抑える方法とは?
公立病院では診察が無料
フィジーでは、国立病院の診察料がなんと無料です。国立病院はスバ・ラウトカ・ランバサの3箇所にあります。海外に滞在するにあたって何より心配なのは体調不良ですが、診察料が無料だと安心でしょう。
しかし、無料なだけあって国立病院は常に混雑しているのが実態です。早く診察や治療をしてほしいなら、私立の病院を検討すると良いでしょう。
日本人のコミュニティがあり、助け合える
フィジーには、本島に日本人会のようなコミュニティがあります。
これは必ずしも嬉しいと思う人ばかりではないかもしれませんが、いざというときに日本語で連絡を取り合って情報共有できるのは、とくに災害時などの非常事態においては安心できますね。
ただし、通常時はあまり日本人コミュニティに頼らないようにしましょう。留学は英語学習のために行っているはずですので、日本人コミュニティに頼る癖がついてしまっては本末転倒です。
海・ビーチがとてもきれい
留学とは直接関係ない話になりますが、せっかくですからフィジーという国も満喫したいですよね。フィジーの海は非常に透明度が高く、「手つかず」と呼ばれるほどの美しさを誇ります。
観光地としても人気のフィジーだけに、見どころのあるビーチがたくさんあります。
フィジー本島でのおすすめは、コーラルコースト海岸。離島であればママヌザ諸島やヤサワ諸島などが有名です。滞在中はぜひとも一度は訪れてみてほしいところです。
日本では決して見られないような光景に、感動を覚えることでしょう。
フィジー留学のデメリット
ここまでフィジーならではの魅力や留学のメリットを伝えてきましたが、フィジー留学にも少なからずデメリットはあります。
とはいえ、デメリットはいずれも用心することで避けられるもの。以下に挙げるものは、フィジー留学における注意事項として認識しておくと良いでしょう。
発展途上国ゆえの不便さがある
フィジーは発展途上国であるため、生活インフラは充分な整備がされておらず、平均寿命も短いです。
フィジーに長く滞在していると、リゾート地以外の場所にも足を踏み入れることがあるかもしれませんが、そこには日本で住んでいる人には想像できないほどの貧しい暮らしが広がっています。
先述した「ケレケレ」のような助け合いの精神も、貧しさからこそ生まれた文化と言えるでしょう。
衣食住のレベルは日本とは全く異なりますが、日本との違いを肌で実感することも留学において貴重な体験なので、しっかり向き合うことをおすすめします。
生活の不便さは、ある程度覚悟しておきましょう。
野犬や虫が多い
これも発展途上国ゆえのデメリットになりますが、フィジーには野犬がいます。野犬の何が恐ろしいかというと「狂犬病」です。
日本では、飼い犬には狂犬病の予防接種を受けさせることが義務付けられています。また、飼い主の不明な犬は動物保護センターに保護されるため、基本的に日本には狂犬病対策がされていない犬は存在しません。
ただ、フィジーではそこまでの管理ができていないのが実情です。狂犬病の犬はめったにいるものではありませんが、野良犬には気をつけてください。
日本にいるときのような感覚で犬に近づかないことが大事です。もし噛まれたらすぐに傷口をペットボトルの水で流し、石鹸やアルコールですぐに消毒をして、至急病院に行きましょう。
またフィジーは熱帯の国のため、虫にとっても過ごしやすい場所。蜂や蚊、アリなども多くいるので、虫対策は必ずするようにしてください。
なお、虫除けスプレーは日本のものを持参するよりも現地で購入することをおすすめします。
日本人留学生が多い
フィジーの留学人気が高まっているということは、当然ながら現地の日本人留学生の数も増えている傾向にあるということです。
至るところに日本人がいる、というレベルではないとはいえ、有名なスポットなどに行くとそれなりに多くの日本人を見かけるかもしれません。
留学に行くということは、日本語が通用しない環境に身を置くということ。日本人と日本語で話してしまっては、せっかく留学した意味も半減してしまうと言えるでしょう。それは非常にもったいないことです。
異国の地で日本人に会うのは嬉しい面もありますが、語学留学における足枷になるかもしれないということは肝に銘じておきましょう。
関連記事:フィジー留学【本音】短期留学は本当に最悪?口コミ評判や費用まとめ
フィジー留学の口コミ体験談
自分の英語が「使える英語」だと自信が付きました
・26歳・女性(事務員、貿易実務)
・留学した学校名:South Pacific Free Bird Institute
・留学期間:1ヶ月
1,なぜフィジー留学をしましたか?
英語教育に力を入れている大学に通ってはいましたが、実際に自分の英語が「使える英語」であるのか自信がなく、実践での経験を積みたいと考えました。大学生でお金もなく、1番安価に短期で留学が可能なフィジー留学は、とても魅力的でした。
また自分自身が暖かい国が好きで、海が綺麗な島国であることもフィジー留学を決めた理由の1つです。
2,フィジー留学の良かった点
寮や校舎内では、English only policyが徹底されていて、日本語で話す毎にイエローカード→レッドカード→強制帰国となる仕組みが良かったです。自然と英語で話す環境が出来上がっていました。また、物価が安く外食もアクティビティーもあまりお金をかけずできたので、お金のない大学生にはとても有り難かったです。
夜遅くなれば出歩かないことは基本的なルールですが、治安的にも当時はさほど危ない地域ではなく、女性の留学という点からもおすすめできる国です。
3,フィジー留学のイマイチだった点
フィジーは発展途上国です。南国の陽気な風土でも格差があり、町中でお婆さんからお金を要求されました。知らずに現地に入ると、カルチャーショックを受けるかと思います。
ホームステイを選択した場合は、各家庭の経済状況に左右されますが、寮のシャワーは太陽の熱で温まる仕組みです。ホテルのように快適な設備ではありません。友人は、ベッドで寝る度にダニ(ベッドバグ)に噛まれて、体中に痒みが出て辛そうでした。
4,総合評価・検討している方へメッセージなど。
総合評価は90点です。シャワーも虫の問題も生活していると慣れます。特に参加者は若い世代が多いので、現地で仲の良い友人ができると、そんなトラブルですら最後は楽しめるようになっていました。自分の英語が「使える英語」だと自信が付きました。留学を検討されている方は、フィジー留学も視野に入れてみてください。
低価格で留学できることは最大のメリット、学生さんにオススメ
・21歳・女性(学生)
・留学した学校名:South Pacific Free Bird
・留学時期と期間:2019年2月〜3月(4週間)
1,なぜフィジー留学をしましたか?
英語圏で留学先を探している中でダントツで留学費用が安かったからです。東南アジアの雑多で多様性に溢れる雰囲気は好きだし、多少衛生面や治安が悪くても私は気にならないと思いました。
旅行でタイ、ベトナム、カンボジア、インドネシアには訪れたことがありますが、フィジーは訪れたことがなかったので、行ってみたいという興味が湧きました。
2,フィジー留学の良かった点
決め手となった理由と同様に、比較的低価格で留学できたことは良かったです。現地の物価も安かったので生活費や食費などもそれほどかかりませんでした。食事も私の口に合いましたし、学校で喋る友人や、学校が終わった後に遊びに行く友人が出来たので良かったです。今もその人たちと連絡を取り合うくらい仲良くなれたし、フィジーの様々な観光スポットを訪れたのは思い出です。
3,フィジー留学のイマイチだった点
学校に日本人が多かったので、フィジー滞在中も日本語を喋ったり聞こえてきたりする機会は多かったように思います。自分の意思を持って英語しか喋らないと決めたら良いと思うのですが、どうしても日本人との交流が多くなって日本語を喋ってしまいました。
4,総合評価・検討している方へメッセージなど。
初めての海外留学や、短期間での留学を考えている方にはオススメの場所だと思います。先ほど述べたように低価格で留学できることは最大のメリットであり、学生さんにはオススメです。
実際に、学校のプログラムの中にもスポーツやレクリエーションが組み込まれており、他の留学生の人たちと仲良くなる機会は多かったです。英語だけではなく、フィジーの文化や多様性なども学ぶことができたのは良かったと思います。しっかりと英語を学びたい方やビジネス系の英語を学びたい方は別の場所の方が良いかもしれないと私は感じました。治安や衛生面は日本と比べるとあまりよろしくないです。
水道水は絶対に飲んでしまった友人は体調を崩し、入院して点滴を打つことになってしまいました。飲料水としてミネラルウォーターを購入することを忘れないでください。食事は日本人の口にも合う味付けだと思いますし、チェーンのハンバーガーショップやカフェなどもたくさんあるので困らないと思います。
行くか行かないか迷っている人は絶対に行った方がいい
・25歳・男性(ビール醸造)
・留学した学校名:ブルーウィル語学学校
・留学時期と期間:2017年4月(2週間)
1,なぜフィジー留学をしましたか?
フィジー留学で英語を勉強した理由は仕事をする上で英語で海外の人とコミュニケーションを取る必要があると感じたからです。私は当時、ビールの醸造士を目指していました。その職業は英語の本や海外の人とやりとりをすることが多々あるため、スキルアップのために英語を学ぶ必要がありました。
2,フィジー留学の良かった点
まずは、費用の面で安いということです。英語圏のどの国に比べても語学学校の費用、生活費が飛び抜けて安いと思います。フィリピンでも語学留学を2ヶ月間したのですが、それより良かった印象です。フィリピンよりも町は綺麗でフィジーの人はみなさんフレンドリーで温かみのある方が多い印象でした。南国の島国という感じで沖縄の感覚に似ているなと感じました。
語学の習得の面では、個人的な意見ですが、フィリピンよりも良かったように思えます。なぜなら、講師を方が良かったからです。フィリピンは講師は仕事をサボったりする人が多かったのですが、フィジーはそんなことはありませんでした。
3,フィジー留学のイマイチだった点
生活には困りませんが、ちょっと物足りなかったところもあります。それは私が想像してた以上に日本食があまりなかったということです。私は大丈夫でしたが、友人は日本食が恋しそうでした。日本食レストランはあったので、まだマシだったと思います。
4,総合評価・検討している方へメッセージなど。
行くか行かないか迷っている人がいれば、絶対に行った方がいいと思います。私も行く前と後では英語の理解度が格段に上がったように思います。お金の面も諸外国とは比べ物にならないくらいに安いので、学生さんでも気軽に行けると思います。自分が将来やりたいことをやるために頑張ってください。
フィジー以外の留学先でおすすめはフィリピン留学!
フィジー留学は英語の視点、文化の視点、観光の視点など、留学においてさまざまな視点で魅力のある国だということがわかったと思います。
ちなみに、非英語圏でフィジーと同じくらい安く済ませることができる留学先にフィリピン・セブ島があります。魅力はこちらでご紹介していますので、参考にしてみてください。
関連記事:フィリピン留学完全ガイド【2024年版】魅力は費用が安いだけじゃない!
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