数日から1~2週間の海外旅行では物足りない、長い期間海外に住んで現地の人と交流したいと感じる人にとってもおすすめしたいのが、ワーキングホリデー制度(以下、ワーホリ)です。
短期のホームステイや1~2カ月の語学留学と大きく違う点は、「就労が可能」であることです。どの国にでもこの制度があるわけではなく、日本と協定を結んでいる26ヵ国に限られます。
どの国へワーホリで行けるのか、ワーホリで英語力を向上をさせる方法、おすすめの国、そしておすすめのエージェントをご紹介します。
目次
ワーホリとは?
ワーホリは、1980年にオーストラリアとの間で開始され、現在では26の国と地域の間で導入されています。
外務省のホームページには、下記の説明があります。
ワーキング・ホリデー制度とは,二国・地域間の取決め等に基づき,各々が,相手国・地域の青少年に対し,休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度です。各々の国・地域が,その文化や一般的な生活様式を理解する機会を相手国・地域の青少年に対して提供し,二国・地域間の相互理解を深めることを趣旨とします。
ワーキング・ホリデー制度|外務省
簡単に言うと、ワーホリはその国で働いてお金を稼ぎながら、旅行や勉強をすることができる制度です。
通常はどの国でも外国人旅行者が、その国で働いて外貨を稼ぐことはできません。一部の国では学生ビザでアルバイトが可能な場合もありますが、学校の中だけや短時間に限られます。
ワーホリの場合は、働くことができ、さらに空いた時間は観光をしたり、語学学校に通うことも可能です。
ワーキングホリデー全26協定国の一覧(費用・期間・年齢・ビザ)
こちらが、ワーホリの協定国を表にしたものです。(2022年12月現在)
日本人がワーホリに行ける国は、日本とワーホリの協定がある国に限られます。
それぞれ発行ビザ数と応募期間、ビザ取得難易度、費用、そして、おすすめポイントをまとめました。
掲載の順番は、ワーホリ制度を開始した順番です。最初のオーストラリアとの間でワーホリ制度が始まったのが1980年、最後のオランダとは2020年です。
*2022年12月現在、2023年の情報が出ていない国あります。最新情報は各国の大使館や留学エージェントでご確認ください。
協定国 | 発行ビザ数 / 応募期間 | ビザ取得難易度 | 費用 | おすすめポイント |
---|---|---|---|---|
オーストラリア | 上限なし/通年 | 簡単 | 普通 申請料510豪ドル | ワーホリの人気国 ビザを取るのも簡単で、時給もそれなりにいい英語圏の国 就学最大4カ月と短い 政府指定の季節労働に従事すると最大3年間滞在可能 |
ニュージーランド | 上限なし/通年 | 簡単 | 安い 申請料無料 レントゲン・健康診断費用だけ | 大自然に囲まれ、のんびりと暮らしてみたいという人にピッタリ 就学最大6カ月 |
カナダ | 6,500人/通年 | 普通 | 普通 申請料256カナダドル バイオメトリクス費用 85カナダドル | オーストリアと人気を二分 都会と自然がうまく混ざり合い、英語はもちろん地域によってはフランス語も習得できる 就学最大6カ月 申請は2段階あり、人気国で定員に8~10月に達するので、早めに申し込みを |
韓国 | 10,000人/通年 | 普通 | 普通 申請料250米ドル 活動計画書、最終学歴証明書 | 近くて気軽に行け、韓国文化、美容にグルメと色々と楽しめる 韓国語を学べる |
フランス | 1,500人/通年 | 普通 | 普通 申請料無料 | ファッションや芸術、グルメなど人を惹きつける要素がたくさん。 英語はあまり通じないので、フランス語ができるといい 準備する書類が多いが審査は厳しくない |
ドイツ | 上限なし/通年 | 簡単 | 安い 申請料無料 | 意外と物価が高くなく、ドイツ語を学んだり、色んなドイツ文化を堪能できる 用意すべき書類が比較的簡単 同一雇用者最大6カ月 |
イギリス | 1,500人(2022年) (1月の抽選は800人、7月は残り)/1月と7月のそれぞれ2日間に申し込み | 難しい 抽選倍率20倍 | 普通(2022年) 申請料244ポンド 6カ月以上滞在予定者はHealth Surcharge Fee 600ポンド | 最大2年間の滞在可能、就労・就学に制限なしと好条件な英語圏の国なのでとても人気 高い倍率の抽選の当選後申請する 抽選の申し込みは年2回、それぞれ2日間だけ |
アイルランド | 800人/1月後半と7月後半、それぞれ約2週 | 少し難しい 申し込み数により抽選 | 普通 申請料13,800円 | ヨーロッパ兼英語圏で、イギリスより穴場 就労・就学に制限なし 申し込み期間が限定、人数が多いと抽選。申請許可が下りたら、ビザを申請 |
デンマーク | 上限なし/通年 | 簡単 | 安い 申請料無料 | 「幸せな国」とよく言われるデンマークを直に感じることができる 英語も通じる 用意すべき書類が比較的簡単 就労最大6カ月 |
台湾 | 10,000人/通年(2022年) | 簡単 | 安い(2022年) 申請料無料 台湾における活動の概要の提出が必要 | 近くて小さくても見どころがたくさんあり、親日家が多いことで知られる 中国語がメイン 就学最大3カ月 滞在180日でまた更新でき、最大1年滞在可能 |
香港 | 1,500人/通年(2022年) | 普通 | 普通(2022年) ビザ発給料270香港ドル | エネルギッシュな街と有名な香港 広東語がメインで英語も通じる 滞在費が高め |
ノルウェー | 上限なし/通年 | 普通 全ての書類に英訳が必要 | 普通 申請料3,700クローネ 健康診断書が必要 | 北欧に住んで生活することができる 英語も通じる 就学最大3カ月 就労同一雇用者最大6カ月 |
ポルトガル | 上限なし/通年(2022年) | 普通 | 普通(2022年) 申請料無料 犯罪経歴証明書・英文の健康診断書が必要 | 海に面し、豊かな文化を楽しめ、物価比較的安い ポルトガル語を学べる 4カ月以上の滞在なら、現地で滞在期間延長の手続きをしなくてはいけない |
ポーランド | 500人/通年 | 普通 | 安い 申請料無料 動機作文・滞在計画書が必要 | 中世の街並みがキレイで楽しめ、物価も低い ポーランド語が出来なくても少しは英語で伝わる ビザ発行1週間~10日、と早い |
スロバキア | 400人/通年(2022年) | 普通 | 高め(2022年) 申請料 33ユーロ 英文の健康診断所・犯罪経歴書が必要 | ヨーロッパの街並みと豊かな自然を堪能できる 公用語はスロバキア語 物価が安く治安もいい |
オーストリア | 200人/通年(2022年) | 簡単 | 安い(2022年) 申請料無料 保険・資金の証明必要ぐらい | 芸術や音楽、グルメで知られている 公用語はドイツ語 書類は集めるのが簡単なもので、1~2週間で発行 |
ハンガリー | 200人/通年(2022年) | 簡単 現地で新たな手続きが必要 | 普通(2022年) 申請料 60ユーロ | とても素敵な景色、芸術・文化に触ることができる 公用語はハンガリー語 比較的集めやすい書類 |
スペイン | 500人/通年(2022年) | 普通 | 普通(2022年) 申請料無料・NIE(外国人登録番号申請に1,155円) 健康診断書が必要 | 「情熱の国」スペインを直に感じるチャンス スペイン語を学べる |
アルゼンチン | 200人/通年(2022年) | 普通 | 普通(2022年) 申請料150米ドル 犯罪経歴証明書が必要 | ヨーロッパに近い街並みに大自然を感じられる観光地もある 公用語はスペイン語だが、他のスペイン語と違う点が多い |
チリ | 200人/通年(2022年) | 普通 | 普通(2022年) 健康証明書・無犯罪証明書が必要 | 南北にのびる細長い国土のため都市によって気候が違う 南米でトップレベルの治安 滞在は申請すれば、最大2年可能 |
アイスランド | 30人/発給数が少ないので早めに(2022年) | 普通 | 普通(2022年) 無犯罪証明書が必要 | 「火と氷の島」と言われる、知名度の低いヨーロッパの1国 最近追加されたので情報が少ない 英語も通じる 対象:18~26歳 |
チェコ | 400人/通年(2022年) | 普通 | 高め(2022年) 申請料無料 犯罪歴証明書 書類はチェコ語・翻訳 | 首都プラハは「北のローマ」と呼ばれ美しい街。 公用語はチェコ語 滞在期間は発給日から1年間なので、しっかり計画を立てて申請すべき |
リトアニア | 100人/不明(2022年) | 普通 | 不明(2022年) | バルト3国の小国。2019年にワーホリをスタートしました。 |
スウェーデン | 上限なし/通年(2022年) | 普通 | 普通(2022年) 申請料1,500SEK 英文の銀行残高証明書・保険加入証明書 • 航空券などが必要 | 日本人があまり多くないのに加え、英語が話せる人が多いです。 |
エストニア | 上限なし/通年(2022年) | 普通 | 普通(2022年) 申請料無料 | バルト海に面した小国。東はロシア、南はラトビアと接する。 |
オランダ | 200人/通年(2022年) | 普通 | 普通(2022年) 申請料58ユーロ | 酪農や園芸が盛んな国で、ドイツやベルギーにも行きやすい。 |
ビザ取得の難易度は、提出する書類の種類や抽選であることを踏まえて
普通 - 上記に加え、健康診断書、犯罪歴証明書、経歴書、渡航の動機・計画書など
難しい - 上記プラス、抽選で申請できるかできないか決定する
などを元に区別しています。
そして、費用は申請にどれくらいお金がかかるかによって分けています。
普通 - 申請料又は、健康診断書や犯罪歴証明書が必要だったり、書類を翻訳しなくてはいけない
高め - 申請料も有料、そして健康診断書や犯罪歴証明書が必要、書類の翻訳とすべてやらなくてはいけない
表を見て感じたかと思いますが、それぞれの国で申請時の手順や必要書類が全く違います。ですから、興味がある国の申請方法をしっかり読み、正しい情報を得ることがとても大事です。
18歳から30歳までの年齢制限がある
ワーホリは、ほとんどの国で18歳から30歳の年齢制限があります。ビザ申請時に30歳以下の制限がある国が多いです。そのため、ビザが取得できれば渡航時に31歳でも問題ない国もあります。アイスランドだけは、例外的に18歳から26歳です。
国によって異なるため、詳しくは申請先の国の大使館、または留学エージェント等にお問合せください。また、ビザ発行から入国までの期間が1年の国もあれば、1ヶ月弱と短い国もありますので、その点もあわせて確認してみてください。
発行ビザに制限がない国は8カ国のみ
発行ビザに制限がない国、つまり人数制限がない国は26カ国中わずか8カ国しかありません。
- オーストラリア
- ニュージーランド
- ドイツ
- デンマーク
- ノルウェー
- ポルトガル
- スウェーデン
- デンマーク
他の19ヵ国は、30〜10,000人の制限があります。特にイギリスの人気は高く、1,500人の枠に15,000人以上の応募がある年もあります。
期間は1年の国が多い
ワーホリでの滞在期間は、最長1年の国が多いです。これは滞在可能な最長であって、希望すれば1ヶ月程度からでも可能です。
一部の国は、1年以上の滞在が可能です。イギリスは2年、オーストラリアは3年の滞在が可能です。
オーストラリアは、「セカンドワーキングホリデー制度」「サードワーキングホリデー制度」と言うものがあり、これを2年目、3年目に取得することで最長3年間の滞在が可能となります。
Co-op留学という選択肢もある
ワーホリと似たような制度で、働きながら現地語学学校に通うことができる「Co-op留学」という留学があります。対象国はカナダのみです。
英語力の審査がありますが、ワーホリよりも幅広い仕事を体験することができます。年齢制限がないので31歳以上の方でも可能です。
コープ留学 | ワーホリ(カナダの場合) | |
ビザ | 学生ビザ+就労ビザ | ワーホリビザ |
---|---|---|
年齢制限 | なし(高卒以上) | 18〜30歳 |
滞在期間 | プログラム期間(2年プランもあり) | 1年 |
滞在延長 | できる | できない |
就労可能な職種 | 幅広い | 限られる |
最大就労時間 | 授業期間中:週20時間まで 就労期間中:フルタイム |
フルタイム |
英語力の審査 | あり | なし |
コープ留学の詳しい内容はこちら
→Coop留学(コープ留学)とは?費用・ビザ・英語力など総まとめ
英語圏のワーキングホリデーおすすめか5カ国
イギリスとアイルランドは申し込みの期間が限定されていますが、他国は通年通して受け付けています。
他のワーホリ国で英語圏といえば、カナダ・オーストラリア・ニュージーランドです。この3ヵ国は比較的ビザの取得が簡単なので、英語学習のためにワーホリに行こうと思っている方におすすめです。
定員/年齢(申請時) | 期間 | メリット | デメリット | 航空券/時差 | |
---|---|---|---|---|---|
オーストラリア | なし 18〜30歳 | 12ヶ月(最大36ヶ月) | ①雄大な自然や動物を楽しめる。 ②日本と変わらない治安の良さ。 ③日本語の需要が高く仕事を見つけやすい。 | ①英語の発音やイントネーションなどに癖がある。 ②物価が高い。 | 6万円前後 1時間 |
カナダ | 6,500人 18〜30歳 | 12ヶ月 | ①英語が聞きやすい。 ②日本人観光客や移民の多い地域では仕事も見つけやすい。 ③アメリカへ旅行しやすい。 ④ウィンタースポーツを楽しめる。 | ①気温の低さがストレスとなる場合がある。 ②物価は日本とあまり変わらない。 | 10万円前後 -13時間 |
イギリス | 1,500人 18〜30歳 | 最長24ヶ月 | ①2年間の滞在が可能。 ②就労・就学に制限がない。 ③ファッション、音楽、歴史、伝統など魅力が多い。 | ①ある程度英語が話せないと仕事が見つかりにくい。 ②物価がかなり高い。 | 10万円前後 -8時間 |
ニュージーランド | なし 18〜30歳 | 12ヶ月(3ヶ月延長可) | ①雄大な自然と関わる仕事がたくさんある。 ②同一雇用主の元で1年間働ける。 ③ワーホリができる国の中では物価が安い。 | ①ビザ申請書類がやや面倒。 ②英語のなまりが強い。 ③語学学校の学費が高い。 | 6万円前後 3時間 |
アイルランド | 800人 18〜30歳 | 12ヶ月 | ①就学制限がない。 ②日本人が少ない。 ③他のヨーロッパの国へ旅行しやすい。 | ①ある程度英語が話せないと仕事が見つかりにくい。 ②物価が高い。 | 10万円前後 -8時間 |
ワーキングホリデー人気NO.1「オーストラリア」
それではまずワーキングホリデーで1番人気の国、オーストラリアをご紹介します。
オーストラリアでのワーキングホリデーの魅力といえば、まずは雄大な自然です。オーストラリアならではの動物や17ヶ所の世界遺産など、観光するにもとっても魅力的な国です。
それゆえ当然観光客も多いわけですが、それでも日本とほとんど変わらない治安の良さも大きな理由です。
注意点としては、英語の発音やイントネーションの癖が強いということです。これについては、気になるようでしたらYoutubeなどで確認してみると良いでしょう。
あとはメリットくらいしか見つからないのが、オーストラリアでのワーキングホリデーです。さすが人気のある国だけあります。
オーストラリアは他の国に比べるとワーキングホリデーの機会も多くあると言えます。それはビザ取得はそれほど難しくなく、好きな時期にはじめることができるからなのです。
18歳以上30歳未満であることや、原則として約40万円ほどの資金があるなどの条件を満たしていれば、インターネットですぐに取得できるのですが、ただオーストラリアの場合はこのビザでは最長12ヶ月で1雇用主のもとでは最高6ヶ月しか就労できず、また語学学校へは最長4ヶ月しか通えないことになっていますので注意が必要です。
ただし期間に関してはセカンドワーキングホリデービザ、サードワーキングホリデービザと呼ばれるものもあるため、通常1度きりのワーキングホリデーが、申請すると最大36ヶ月滞在できるのもオーストラリアの魅力です。
オーストラリアについてはこちらもどうぞ
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オーストラリアに次ぐ人気国「カナダ」
カナダと言えば、カナディアンロッキーやナイアガラの滝を思い浮かべるでしょうか。国土が広く自然がいっぱいのカナダはたくさんの見所があります。
そんなカナダでのメリットは、たくさんの見所があるほか、人気の街でもあるバンクーバーやトロントなどからは本当にアメリカが近く旅行しやすいこともが挙げられます。
また、アメリカに隣接するカナダは発音やイントネーションもよく似ており、実はアメリカ英語より聞き取りやすいと感じる人も多いです。
トロントはカナダ最大の都市だけあり仕事も豊富で、またバンクーバーへ行けば日本人観光客や移民が多いことから日本語の需要が高く、英語にあまり自信の無い方でも仕事が探しやすいメリットもあります。
しかしそんな魅力的なカナダもデメリットと言える点は、気候です。一年の半分は冬のような寒い気候で、氷点下が当たり前の世界となります。そのためウィンタースポーツに興味がある人にはぴったりなのですが、そうでなければ気温の低さがストレスになるかもしれません。
そしてカナダは英語圏の国の中では比較的物価が安いと言われてはいるものの、留学には1年間200万円ほどかかると言われています。ただワーキングホリデーには収入がある利点がありますが、それでも半分くらいの費用は必要になってきます。事前の資金準備が必要になってきます。
カナダにはそもそもワーキングホリデービザたるものは存在せず、1年間限定で雇用主を特定しないタイプの就労ビザにワーキングホリデー目的であることがメモとして付け加えられます。
このビザの取得には余裕を持って1ヶ月見ておく必要がありますが、定員を6,500人としているものの、ここ近年応募者数は減少傾向にあり、ほぼ取得できると考えて間違いはなさそうです。
募集要項は毎年秋ごろに翌年のものが発表されますが、ワーキングホリデー自体は入国日から1年間有効となりますので、都合の良いときからはじめることができます。
ビザの取得にあたり知っておきたいのは、年齢制限やある程度の資金を所有していることが必要であるのに加えて、語学学校への通学は最長6ヶ月まで、そして義務付けられている保険加入、これが案外厳しく入国拒否や強制送還などの対象にもなってきますので滞在期間に関係なく、必ず1年間有効な保険に加入するようにしましょう。
カナダについてはこちらもどうぞ
→【まとめ】カナダ留学エージェント29選&人気都市ランキング
誰もが憧れる国「イギリス」
それでは次に英語留学といえば誰もが一度は夢見るイギリス、この国でのワーキングホリデー事情について見てみることにしましょう。
イギリスといえば世界的にも有名な博物館や美術館が数多くあり歴史的な面で楽しめる一方、ファッションや音楽など近代的な面でも最先端を行く、いろんなジャンルで楽しむことができる国です。
またイギリスは4つの国からなる連合国でもあり、それぞれに歴史や伝統、習慣などがありこれもまた魅力のひとつです。よく知られる大都市ロンドンはワーキングホリデーで人気のある都市のひとつで、さらに語学力のアップをおもな目的としている人には大学都市であるケンブリッジやオックスフォードが人気で、これらの都市には語学学校も点在しています。
しかしそんなイギリスもデメリットを挙げるとすれば、物価の高さです。他の国へのワーキングホリデーと比較しておよそ1.5倍ほど見積もって資金の準備をしていく必要があります。
イギリスでは平均して時給1,000円程度の収入が見込めますが、計画的に生活していかなければなりません。
そして何よりもよく知っておくべきなのが、イギリスでのワーキングホリデービザの取得に関することです。他の国と違って事情が異なる部分がありますのでしっかりとおさえておく必要があります。
イギリスのワーキングホリデービザはYouth Mobility Schemeと呼ばれているのですが、他国と大きく違うのはこのビザは抽選によって取得できるところなのです。つまりこの抽選に当選しなければ、申請さえすることができないので注意が必要です。抽選で選ばれた1,500人がビザを取得でき、その倍率は10倍、20倍とも言われています。
特に大きなイベントがある年にはさらに倍率もあがると言われていますので、運に任せるしかない状況です。
このYouth Mobility Schemeの取得の流れは、毎年10月~12月ごろに募集がはじまり、1月の初めに抽選が行われます。応募方法は非常に簡単で、名前、生年月日、パスポート番号、申請を行う国、電話番号のこの5点をメールで送信するだけです。
しかもこれだけ取得が困難なビザですがやはりそれだけの価値があり、なんと滞在期間は最長2年、また同じ雇用主のもとで期間に制限なく働けるという利点があります。
ただこの時期になるときまって悪徳業者が出回り、手数料の支払いでこのビザが取得しやすくなるなどの詐欺行為を働いてくるほどですから気をつけましょう。抽選ですので取得しやすい業者は存在しません。
いずれにしても他国に比べると取得は困難であるものの、抽選への応募は何度でもできますので繰り返しチャレンジしていくことが大切です。
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雄大な自然が魅力!「ニュージーランド」
ニュージーランドは日本語教育も盛んに行われており、日本語の需要が高く、仕事が見つけやすいメリットがあります。
ニュージーランドの場合には同一雇用主のもとで1年間を通して就労が認められているものの、語学学校への通学に関しては6ヶ月間という制限があります。
ビザの発給自体にはそれほど時間はかからないのですが、必要書類の中に自身のレントゲンが含まれてるという大きな特徴があります。つまり病院の予約から撮影など、そちらのほうに時間をとられる可能性がありますので、余裕を持って行動するようにしましょう。
ちなみにニュージーランドではオーストラリアと同様、農場での3ヶ月以上の就労を証明できるものがあると、ビザを3ヶ月延長できますのでぜひ利用したいものです。
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日本人が少ない「アイルランド」
アイルランドのビザはニュージーランドとまったく逆で、就学に制限はないものの、同一雇用主のもとでは3ヶ月しか働けません。よってどちらかというと語学の勉強に力を入れたい場合に選びたい国かもしれません。
応募に関しては毎年1月と6月の年2回となっていますので、募集時期にも注意しておく必要があります。
アイルランドはそもそも日本人観光客が多い国ではなく、どちらかといえばヨーロッパ言語の需要が高く、ある程度の英語力を持って渡航しなければ就職も難しい可能性があります。
いずれにしてもアイルランドには年間800名というビザの発給制限があるものの、定員に達することはほぼなく、ビザは取りやすい国であると言えます。またアイルランドはつい最近まで年齢制限が25歳までとなっていましたが、これも変更され30歳となり、さらに機会が広がりました。
ただビザの取得や内容に関しては、さまざまな違いがありますので注意が必要です。
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→【まとめ】アイルランド留学のメリット・デメリットとおすすめエージェント20選
おすすめのワーホリプラン
ワーホリに行く場合、英語が話せると仕事の幅が広がります。
全く話せないとせっかく意気込んで行っても、なかなか仕事が見つからない、もし見つかってもレストランなどの皿洗い担当など人と話さない仕事になることが多いです。
そのリスクを減らすためにも、英語力を少し上げてからワーホリ国に出発できるようにしましょう。
フィリピン留学→ワーホリ
そこでおすすめしたいのが、ワーホリに出る前にフィリピンへ行き、そこで数ヶ月語学学校へ通い英語力をつけるというプランです。
なぜ欧米ではなく、フィリピン留学なのか?マンツーマンレッスンであることも大きいですが、一番の魅力は費用の安さでしょう。欧米の語学学校と比較して、単純計算で半額以下です。これは授業料だけではなく、宿泊費、食費、航空券代などにも同じことが言えます。
語学学校にはなるべく費用をかけずに、英語力を上げてからワーホリ国に入る方法がおススメなのです。
ワーホリ期間は1年間と聞くと長く感じますが、実際に暮らしだすとあっという間に終わってしまうものです。もし、英語力不足に阻まれてワーホリ期間の最初の頃が充実できなくなってしまうのなら、そこへ行く前に少しでも英語力あげるべきです。
入国後1カ月は語学学校へ通う
ワーホリ国に入国した後は、少なくとも最初の1カ月は語学学校へ通うことをおすすめします。
英語学習のためでもありますが、その間にその国の生活に慣れたり、家や仕事を探したり、自分の周りの環境を知るためでもあります。いきなり知らない土地に降り立つわけですから、その町の様子などを知るのに時間がかかります。
語学学校へ通うと、そこの学校からサポートがあるでしょうし、そこで友人もできます。ちょっとしたことでも学校のスタッフや先生に相談できます。そういった人脈から情報を集めれば、限られたワーホリの時間を充実できるように幸先いいスタートを切ることができるはずです。
学校選びは、エージェントに相談してみましょう。
ワーホリにおすすめのエージェントの選び方
留学エージェントを通して、ワーホリを申し込むことをおすすめします。
ワーホリに行くのに個人で全て調べて申し込むことも可能ですが、特にコロナ禍で変更があった国も多いので、過去のインターネットの情報だけを鵜呑みにするのは気をつけましょう。正確な情報を持っている大使館や留学エージェントに相談することをおすすめします。
ワーホリは留学と異なり、ビザの取得、語学学校、宿泊施設、仕事と決めないといけないことが非常に多いです。また現地でトラブルがあった時に、相談できる相手がいることも非常に心強いです。
世界各国の留学を扱っているエージェントから選ぶ
世界中のワーホリを扱っている留学エージェントに相談すことをおすすめします。
まだ国選びで迷っているのならなおさらですし、もし希望の国を1カ国に絞っていても、英語力や条件次第では実は他の国がおすすめということがあります。
1つの国のワーホリだけ扱う現地エージェントですと、他国を紹介されることはまずないため、その点は気をつけましょう。
現地オフィスがあった方が良い
現地にオフィスを持つエージェントの方が良いです。
コロナ後の最新情報を持っていることに加え、もしワーホリ中に何かトラブルや悩み事があったときに、現地オフィスに行き相談することができます。
もし仕事探しだったり生活上のトラブルだと、語学学校では相談乗ってもらえないことが多いです。エージェントですと、生活上のことまで相談に乗ってもらえることが多いです。
抽選に当たりやすいエージェントはない
人気の国では、抽選となる国があります。イギリスなどは毎年10倍以上の倍率があります。
ごく一部ですが「当選しやすい」ことを謳っている、または匂わせている悪質な留学エージェントがあります。抽選の際、特定の留学エージェントを経由すれば当選しやすいということはありません。
ワーホリにおすすめの留学エージェント
世界中にオフィスを持つ、実績が豊富なエージェントをご紹介します。
旅行業を持っているエージェントには、航空券や保険の手配を依頼することが可能です。
スマ留
他社の最大半額と、料金がリーズナブルなことで有名な大手留学エージェントです。スマ留限定ワーホリプランがあり、25週以上であればもし他社より高い場合に差額分の2倍の返金が受けられる最低価格保証サービスがあります。
現地オフィス | なし(※365日24時間コールサポートあり) |
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日本オフィス | 東京(新宿) |
旅行業の有無 | 提携先(京王観光株式会社) |
→スマ留のサイトを見てみる
留学ジャーナル
創業から50年近い歴史があり、すでに20万人以上の留学生を世界に送り出しています。サポートに定評があります。
現地オフィス | 6ヶ国14都市 アメリカ(ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス)、カナダ(トロント、バンクーバー)、アイルランド、イギリス、オーストラリア(パース、ケアンズ、ゴールドコースト、ブリスベン、シドニー、メルボルン)、ニュージーランド |
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日本オフィス | 東京(新宿)、名古屋、大阪、福岡 |
旅行業の有無 | あり |
→留学ジャーナルのサイトを見てみる
WISH
大手留学エージェントの1つで、現地オフィスで仕事探しや宿泊先選びの情報をもらうことができます。
現地オフィス | 10ヶ国22都市 アメリカ(サンフランシスコ、ニューヨーク、ロサンゼルス)、カナダ(バンクーバー、ビクトリア、トロント、モントリオール、プリンスエドワード島、オタワ)、オーストラリア(シドニー、メルボルン、ケアンズ、ゴールドコースト、パース、アデレード)、ニュージーランド(オークランド)、イギリス(ロンドン)、ドイツ(フランクフルト)、イタリア(ローマ)、マルタ、フランス(パリ)、スペイン(マドリード) |
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日本オフィス | 東京(新宿)、大阪、名古屋、横浜 |
旅行業の有無 | あり |
→WISHのサイトを見てみる
成功する留学
30年近く運営している老舗の留学エージェント。HPでワーホリの情報を詳しく掲載しています。
現地オフィス | 9ヶ国12都市 |
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日本オフィス | 東京(八重洲)、大阪 |
旅行業の有無 | 確認できず |
→成功する留学のサイトを見てみる
ウィンテック留学センター
オーダーメイド留学を売りにしている留学エージェントです。国内は札幌や福井にもオフィスがあります。現地オフィスは確認できませんでした。
現地オフィス | 確認できず |
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日本オフィス | 東京(新宿)、神戸、札幌、福井 |
旅行業の有無 | あり |
→ウィンテック留学センターのサイトを見てみる
まとめ
海外で働きながら、英語を学ぶことができるワーキングホリデーは魅力的です。
実際のところ働くといっても、どんな職業に就けるかによって収入も大きく変わってきます。一般的に収入が出費を上回るということは、かなり難しいと言われているものの、やはり大きくその負担を軽減させることができます。
働いてお金をもらっているという責任感から、より英語もブラッシュアップできます。ワーキングホリデーは英語力があるかないかで、就ける仕事が大きく変わります。
英会話力がある程度あれば、日常的に英語が話せる仕事に就けるかもしれませんが、ほぼゼロの状況では日本語を話す環境でしか働けません。
そのため、どの国に行くにしても「事前にある程度の英会話力を高めていく事」が、ワーキングホリデーで更なる英会話力を高める、いわば成功の秘訣かと思います。
ワーキングホリデーの国で悩んでいる方はこちらをどうぞ
→【ワーホリ比較】オーストラリアとカナダ、両方経験した私が思う6つの違い