カナダのワーホリは延長できない。という情報をどこかで見かけたことがある人は多いのではないでしょうか?
カナダのワーホリは簡単に延長できるわけではありませんが、延長する方法はいくつかあります。
今回の記事では実際にカナダで2年目のワーホリをしている私が、ワーホリの延長システムについて解説していきます。ワーホリの1年はとても短いです。ワーホリを考えている人は延長の可能性も視野に入れて準備を進めることで、より充実したカナダ生活になるはずです。
目次
カナダのワーホリについて
まずはカナダのワーホリのシステムについて簡単に解説します。
カナダのワーホリはInternational Experience Canada(IEC)という正式名称で、若者の海外での経験を促進するプログラムです。
カナダのワーホリは1年間の就労場所の制限の無いOpen Work Permit(制限無し就労ビザ)が発給され、18歳から30歳の日本人が申請することができます。
カナダのワーホリビザ取得は人生で1度きりなので、基本的にワーホリビザを複数回取得することはできません。募集は毎年12月ごろから開始し、1年間で6500人の日本人がワーホリで渡航することができます。
延長のメリット
カナダのワーホリを延長するメリットは何でしょうか?ここでは私が考えるメリットを3つ紹介します。
カナダ、北米を満喫できる
ワーホリはその名の通りワーキングとホリデーが目的のビザです。その為旅行に行きたい人、旅行が好きな人がたくさんいます。
1年というビザの期間の中で行きたい場所全てに行くのは不可能です。しかし、延長することでカナダ国内やアメリカをはじめとする北米の国々を存分に楽しむことができます。
英語力の向上が期待できる
英語力を伸ばすためには日々の積み重ねが大切です。せっかく良い仕事を見つけても数ヶ月後にはビザの有効期限が来て退職することになってしまいます。延長をすることができれば気に入った職場でスキルを磨きながら英語力も伸ばすことができます。
生活の基盤を安定させることができる
ワーホリの生活はとても不安定です。家族や親密な友達が居ない異国の地で自分で全てやりくりするのは当然大変なことです。
1年という期間の中でようやく生活の基盤が固まったとしても、ビザの有効期限になるとまた1から生活の基盤を作り直さなければいけません。延長をすることで安定した生活を維持し続けることができ、貯金をして帰国することもより現実的になります。
ワーホリで渡航した場合、半年を過ぎたあたりで次に何をするか、どこに住むかということを考えなければいけません。そのような不安を取り除く為にも延長は有効な手段です。
ワーホリの延長方法
主なワーホリの延長方法には観光ビザ、学生ビザ、LMIA、ヤングプロフェッショナル、ROワーホリの5つがあります。ひとつひとつ解説していきます。
観光ビザで延長
観光ビザは就労、長期の就学は許可されていませんが、最大で6ヶ月滞在を延長することのできるビザです。ワーホリビザから観光ビザへの切り替えはオンラインで申請が完結し、再入国する必要はありません。申請費用は約$100(CAD)です。
旅行をして延長したい、働かなくてもいいからまだカナダに居たいという人は観光ビザで延長することができます。
ちなみに観光ビザでも6ヶ月以内であれば就学が認められています。短期間だけ学校に通いたい場合は観光ビザに切り替えることができます。
学生ビザで延長
学生ビザは現地のカレッジ、大学、語学学校に進学する場合に取得するビザです。一部の学生ビザでは制限付きで就労も許可されているので、働きながら学校に行くことができます。
ワーホリの滞在中に学びたいことを見つけた人は、学生ビザに切り替えて滞在を延長することができます。
また、学生ビザで一定期間学校に通うとポスグラビザ(Post Graduate Work Permit)というものが貰えます。この制度は学校の卒業後にカナダで学んだことを生かすために一定期間の就労ビザをもらうことができるというものです。
このビザは就学の期間によって決まりますが、永住権(PR)取得にも繋がります。永住権を取得をしたい人は学生ビザで延長する可能性も考えてみてください。
学生ビザでの延長のデメリットは当たり前のことですが、学費が掛かるのでワーホリの期間中に頑張って貯金をしなければいけないことです。
LMIA
LMIAとはLabour Market Impact Assessmentの略で、無理やり日本語にすると「カナダの労働市場への影響を評価する審査」という感じでしょうか。この審査は申込者がカナダで働く人としてふさわしいかを見極めるもので、審査に合格すると1年半から2年の就労ビザを貰うことができます。
このLMIAでもらえる就労ビザはClosed Work Permitといい、申し込みを一緒にした企業の元でしか働くことができません。LMIAで就労した場合でも永住権取得に役立つので、永住権を目指す人にはとても向いている延長方法です。
LMIAビザの延長のデメリットは、時間とお金がかかる事です。LMIAは審査にとても時間がかかるので早く動き出さなくてはいけません。人によっては全てのプロセスが完了するまでに半年ほどかかる場合があります。
LMIAの申請には申請費用の$1000(CAD)が必要ですが、会社が出してくれることもあります。しかし、ほとんどの人がエージェントやロイヤーを雇う為追加で$4000〜$6000(CAD)の費用が掛かります。
もうひとつのデメリットは、スキルのあまりいらない仕事はLMIAの対象外ということです。スーパーバイザーやマネージャーなどの高いポジションまたは資格の必要な仕事などを予め持っている必要があります。さらに自分の雇用主がLMIAビザの取得に協力的でないといけません。
ヤングプロフェッショナル
ヤングプロフェッショナルは18歳から35歳の人が申請できる最大で2年間のClosed Work Permitが貰えるビザです。こちらの方法は雇用主からのジョブオファーが必要です。こちらもLMIA同様に高いポジションまたはスキルの必要な仕事である必要があります。
2年以上の特定の分野での就労経験が求められたり、就学経験の条件が細かく定められてるので全ての人が申し込めるわけではありません。
LMIAと比べると費用が安く手続きも比較的簡単なので、条件が当てはまった人は挑戦してみても良いかもしれません。
ROワーホリ
ROワーホリはRecognized Organization(RO)という機関が仲介をしているワーホリビザです。こちらのワーホリは通常のワーホリと違い、18歳から35歳の人が申し込むことができ、一度ワーホリをしたことがある人でも申し込むことができることが大きな特徴です。
このビザでもらえるのは通常のワーホリと同じ1年間のOpen Work Permitなので好きな場所で働くことができ、掛け持ちで働くこともできます。申し込み方法、ビザの種類は通常のワーホリととても似ており、ワーホリの延長によく利用されるのでセカンドワーホリとも呼ばれることがあります。
ROワーホリのデメリットは発給されるビザの数が限られている為競争率がとても高いこと、日本のエージェントを通すと$5000〜6000(CAD)の大金が掛かることです。
私が延長した方法
私は5つ目のROワーホリビザというビザに切り替えて延長をしました。
延長の流れ
ROワーホリは先ほども説明したようにROというエージェントを介して取得する必要があります。
まずはエージェントに連絡をして待機リストに自分の名前を入れてもらいます。
招待が始まって自分の番がやってくると連絡が来るので料金を支払います。その後はワーホリの申請方法とほとんど変わりません。ワーホリを自分で申し込んだことがある人なら簡単に申請できます。
数日待つとビザの許可がおり、許可が降りた日から1年以内に今のビザから新しいビザに切り替えます。ビザの切り替えは一度国外に出る方法と、国境に行って切り替える方法があります。
ROワーホリは日本人にはあまり知られていない方法なのであまり情報がありません。詳しい申請方法、申請のタイミング、実際にかかった日数などをこちらの記事にまとめているので興味のある人は読んでみてください。(一部有料記事あり)
延長をしてみた感想
私は渡航して5ヶ月が経ったあたりで延長を考え始めました。私が延長を決めた理由はカナダでできた友達とすぐに離れるのが寂しいと感じたこと、旅行に行きたい場所がたくさんあったこと、せっかく築き上げたカナダでの生活を簡単に手放したく無いと思ったことの3つです。
実際に$1700(CAD)ほどを払って延長しましたが、延長して良かったと思っています。ROワーホリは招待さえもらってしまえば面倒な手続きは一切無く、とても簡単でした。
現在は1年目にできたカナダ在住の友達と遊んだり、アメリカの色々な都市にいくことができたり、職場の古株になってよりスムーズに同僚とコミュニケーションを取ることができたりと、延長して良かったことばかりです。
延長が必ずしも良いとは限りませんが、「カナダのことが気に入ったから延長する」という選択肢も視野に入れてワーホリの計画を立てるのも良いかもしれません。
カナダワーホリの延長方法は簡単では無いが様々な選択肢がある
今回はカナダワーホリの延長のシステムの紹介、そして延長のメリットを紹介しました。
この記事をまとめると、
・カナダのワーホリは18歳から30歳までで基本的に人生で一度きり
・ワーホリを延長すると北米をより満喫できる、英語力の向上などが期待できるなどのメリットがある
・ワーホリの主な延長方法は観光ビザ、学生ビザ、LMIA、ヤングプロフェッショナル、ROワーホリの5つ
・ワーホリは1年間という短い期間なので延長の選択肢を考えて準備を進めると良い
ワーホリをしてどう感じるかは行ってみないとわかりません。しかし、ワーホリ期間の終わり頃に延長したいと思っても手遅れです。自分に適切な延長方法は何かをしっかりと把握して渡航すると後悔のないワーホリ生活になるでしょう。