トロントのワーホリはどのくらいお金が稼げるのでしょうか?カナダでの生活は高そうというイメージがある人も多いと思います。
今回はカナダのトロントでワーホリを1年半している私が実際に稼いでいるお金、使っているお金について紹介します。カナダへのワーホリを考えている人の渡航費用の準備、全体的なプラン作りの参考になると思います。
※この記事は筆者が住んでいるトロントを基準に書かれています。他の都市とは異なる部分があるので注意してください。記事内容の$はカナダドルの略で1カナダドル=114円で計算しています。(2024/5/11現在)
カナダの物価
まずはカナダの物価についてみていきましょう。カナダの物価は昨今高くなってきています。
トロントの1ベッドルーム(日本の1LDK相当)の家賃の平均は約$2400です。東京23区の1LDKの物件の平均家賃は約14万6000円で、カナダドルに変換すると$1280なのでトロントの家賃がいかに高いかがわかります。
物価が高くなっている原因は、人口増に伴う需要の増加で全てのものの値段が高騰していると考えられます。特にトロントでは他の都市に比べて顕著に物価が高くなっています。
トロントの生活にかかるコスト
ここではカナダでの生活にかかるコストを紹介していきます。
家
月の中で一番大きな出費が家賃です。ワーホリで渡航する人はシェアハウスをする人が大半ですが、中には自分でアパートを借りたりホームステイをしたりする人もいます。
シェアハウスの場合は、e-mapleやFacebook MarketplaceというWebサイトを使って家探しをします。シェアハウスの平均家賃はダウンタウンの場合、水回りとキッチンが共有で約$800です。
トロントでワーホリをする人はほとんどが車を持っていないので、娯楽や仕事を求めてダウンタウンや中心部に住むことが多いです。従って家賃も高くなります。
トロントの家の良いところは契約が月単位で行われることが多いのでワーホリの人でも契約のハードルが低いことです。
トロントは移民がたくさんいるのでシェアハウスの市場がとても大きく、家が見つからないということは滅多にありません。また、電気、ガス、水道、インターネットは家賃に含まれていることが多いのでとても助かります。
食費
家賃の次に固定で掛かるのが食費です。食費も家賃と同じように値上がりが続いています。
Numbeoというサイトを元にトロントと東京の物価を比較してみましょう。
トロントの高級でない通常のレストランの平均価格は25$(約2850円)です。単品料理で大体$15から$20前後のものが多く、消費税の13%とチップの15%を入れるとそのくらいの金額になります。
日本のレストランの平均価格は1025円なので、外食はとても高いことがわかります。毎回外食をするのは現実ではありません。
次に食料品です。トロントの卵1パックの平均価格$4.86(553円)に対して、東京では334円です。トロントの牛乳1Lの平均価格$4.16(474円)に対して、東京では236円です。ほとんどの食料品はトロントの方が高いですが、フルーツや野菜はトロントの方が安いものも存在します。
また、カナダにはチップ制度というものがありレストランやホテル、美容院に行った際にはお会計の10%から25%を支払うという文化があります。
個人的には気持ちのよいサービスを受けて、チップをあげたいと思った時にだけあげれば良いと思いますが、義務のような形で根付いているのが現状です。
私は自炊が30%、テイクアウトが40%、デリバリーが30%の割合で食事をしています。レストランにはなるべく行かずに安いテイクアウトのお店に通ったり、Uber EatsのBOGOと言われる2つで1つの値段のものを同僚と頼んだりして節約しています。
交通費
車がないワーホリ生活において公共交通機関の料金はとても重要です。
トロントの公共交通機関(TTC)の料金は一律$3.30(376円)です。初めて乗車してから2時間は乗り放題なので、使い方によっては日本よりも安く移動することが出来ます。
しかし、通勤で利用する場合は$3.30を2回払うことになるので、1日当たり$6.60(752円)の支出になります。
またトロントは公共交通機関が不安定な上に治安があまり良くない為、UberやLyftといった配車アプリを利用することが多くあります。タクシーの料金自体は日本よりも安いですが、頻繁に利用するとかなりの額になります。
娯楽
ワーホリで来ている人の多くがトロントでのアクティビティを楽しんだり、旅行に行きます。
例えばクラブに行ってお酒を飲む場合、トロントでは1杯あたり税込みで$14(1596円)程掛かります。日本では高くても900円程なので、娯楽を楽しむのにもお金が掛かることがわかります。
トロントでのワーホリのメリットに、アメリカ旅行に気軽に行けるというものがあります。しかしアメリカの大都市はトロントよりもさらに物価が高いので注意が必要です。
私が実際にロサンゼルス旅行に行った時には航空券、宿泊費を除いて$920(104,880円)を使いました。たくさんアメリカ旅行に行きたい人は貯金をしましょう。
実際の生活コスト
ワーホリをしている人は実際に月にいくら稼いで、いくら使っているのでしょうか?ひとつの例として、私の2024年4月の総収支額を紹介します。
カナダでの収入の合計
私はホステルのフロントデスクとして1日10時間、週4日間働いています。
時給が$20(2280円)で18日働いたので$3600になり、そこから諸税を引いて$2880が手取り収入でした。SNS投稿の収入が$200追加で入ったので総収入は$3080(352200円)でした。
チップが貰える職場の場合は、同じ時給でも貰える額が大きくなります。
カナダでの生活費の合計
2024年4月に支払ったお金を計算してみました。
・家賃: $850
私はダウンタウンの職場の近くの専用水回り付きの物件に住んでいるのですが、2人でシェアをしているので$850に抑えられています。
・食費: $567
食費には全ての外食、スーパーでの買い物を含んでいます。誕生日月ということもあり外食することが多かったですが、1日当たり$20以下で抑えられているので自分としては満足しています。
・交通費: $203
4月のトロントはまだまだ寒いのでUberやLyftを使って移動することが多かったです。夏になればもう少し徒歩や公共交通機関での移動が増えると思います。
・携帯代: $38
カナダでのSIMカードはFreedom Mobileという会社のものを使っています。セール期間に契約したので88GBで税込$38(4332円)という破格のプランで使うことが出来ています。私のプランはアメリカでも同じデータを追加料金なしで使えるので、アメリカに頻繁に旅行に行く私にはとても助かっています。
・交際費、趣味に使うお金、雑費: $603
友達と遊びに行ったり、バーでお酒を飲んだり、服を買ったり、トイレットペーパーを買ったりといった費用を全てまとめて計算しました。
せっかくワーホリに来ているので、やりたいことや今しかできないことは進んでやることを意識して生活しています。なのでこのくらいの支出はしょうがないと思っています。
合計支出は$2261(257754円)でした。収入から支出を引いた$819(93336円)を貯金に回すことが出来ました。
全て計算してみてわかったことは、物価の高いトロントでも時給$20以上のフルタイムの仕事を手に入れることができれば、自分のやりたいことをやりつつ月約10万円程を貯金することができるということです。
一度安定してしまえば日本の正社員で働くのと同じくらいの生活水準で生活できることがわかりました。ワーホリに挑戦する人は時給$20以上のフルタイムの仕事を目標に仕事探しを頑張ってみてください。
カナダで節約するには?
カナダのワーホリでもっと貯金したいという人の為にいくつか節約術を紹介します。
郊外に住む
トロントの郊外(ノースヨーク、スカボロー、ミシサガ、エトビコーク)は、トロントと比べて比較的物価が安いです。家賃もトロントのダウンタウンに比べると安いので、仕事を家の近くで見つけることが出来れば、郊外に住む選択肢を考えていいかもしれません。
私は数ヶ月ノースヨークのシェアハウスに住んでいましたが、家賃は$550(62700円)でした。
食費は自炊で節約
外食、テイクアウト、Uberを利用しすぎると便利な一方で食費がかさみます。物価が高いダウンタウンの中でも、チャイナタウンの八百屋や地元民の行くスーパーでは野菜や果物は安いものが多いので、工夫次第で食費を抑えることができます。
日本の食材や調味料は全て手に入らない上にとても高いので、現地で容易に手に入る食材や調味料を使って料理をするのもいいかもしれません。
自転車または徒歩で通勤
トロントのほとんどの職場では交通費の支給がありません。往復で公共交通機関を使う場合、1日で$3.30×2の$6.60(752円)が掛かります。1ヶ月に21日働くとすると$138(15800円)ものお金が交通費に消えていくことになります。
そこでオススメするのが自転車か徒歩で通勤できる職場を選ぶことです。例え安い物件を見つけたとしても、交通費が高ければ意味がありません。公共交通機関のストレスに悩まされない為にも職場は家から近いところを選びましょう。
トロントで自転車に乗る場合は自転車盗難に細心の注意を払ってください。私は家の横に停めていたUロックとワイヤーロック付きの自転車が盗まれました。
掛け持ちをして稼ぐ
もし空いた時間があれば仕事の掛け持ちに挑戦してみてください。トロントではパートタイムで募集している所もたくさんあるので、相当運が悪くない限り仕事は見つかります。
色々な仕事に挑戦できる事もワーホリの一つの魅力なので、新しい仕事や複数の仕事を経験する事はとても良い事です。
トロントで時給$20のフルタイムの仕事があれば貯金もできる
今回の記事ではトロントの物価と東京の物価を比較し、私の実際の1ヶ月の収入と支出を紹介しました。
この記事をまとめると、
・トロントの物価は家賃、食費、交通費どれをとっても東京よりも高い
・時給$20のフルタイムの仕事で1ヶ月働くと約35万円を稼ぐことができ、約10万円を貯金することができる
・節約をする為には自炊、職場の近くに住むことが効果的
物価が高いトロントでもやり方次第では貯金を作って帰国することも現実的です。収入支出の金額は誰にでも当てはまる訳ではありませんが、ひとつの例として参考にしてみてください!