みなさんは海外移住、特にオーストラリアに移住することに興味はありますか?
治安が良くて、気候が穏やかで、美しい海と豊かな自然に囲まれたオーストラリア。
オーストラリアは世界の国々の中でも人気の移住先です。そのため年々オーストラリアへの移住が難しくなっていましたが、新型コロナによって状況が少し変化しています。
この記事では、オーストラリアに留学経験&現在もオーストラリア企業で働いている筆者が、オーストラリアに移住することのメリット&デメリット、永住につながるビザの紹介、オーストラリアの移民の受け入れの現状について詳しく解説します。
オーストラリアへの移住は計画的、かつ戦略的である必要があります。この記事を参考にしながら、留学プランを立ててみてください。
立教大学英米文学部(2010年)
モナッシュ大学大学院観光学部卒業 (2021 年) 大学院卒業後
オーストラリア企業でデジタルマーケターとして活動中
目次
オーストラリアってどんな国?
まずは、オーストラリアの基本情報についてご紹介します。下記の表をご覧ください。
面積 | 7,692,000km2 |
人口 | 2,569万人(2021年) |
首都 | キャンベラ |
気候 | 北部:熱帯性気候 北東部:亜熱帯性気候 中央部:砂漠性気候 南部・西部:温帯性気候 |
オーストラリアは、世界で6番目に広大な国で、面積は日本の約20倍あります。それゆえにオーストラリアでは地域によって気候が異なるのです。
南半球にある国なので、北部に行くほど温暖で暖かい気候になります。
しかし、その面積と比較すると人口は非常に少ないです。人口は2,500万人ほどで日本の人口の20%程度しかいません。
そのため、オーストラリアは国として発展していくために労働力を求め、これまで多くの移民を世界中から受け入れてきました。
オーストラリアに移住するメリット
オーストラリアに移住するメリットは下記の6つです。
- 治安が良くて暮らしやすい
- 気候が穏やかで暮らしやすい
- 日本との時差が小さい
- 自然災害が少ない
- 国民保険に加入することができるため医療費を抑えることができる
それぞれのメリットについて1つずつ説明します。
治安が良くて暮らしやすい
オーストラリアは日本と同様に銃の使用が禁止されています。3年以上オーストラリアに暮らしていますが、毎日テレビでニュース番組を見ていても大きな犯罪や事件が報じられたことは今のところ経験がありません。
「海外では日本よりも治安が悪いから、電車やバスで居眠りしてはいけない。さもないと財布や貴重品をすられてしまう。」
といったことを聞いたことはありませんか?
オーストラリアのバスや電車で居眠りをしている人はたくさんいます!しかし、そのような人から何かを盗んでいる人を見かけたことは一度もありません。
そのため、平和で治安が良い日本に暮らすことに慣れている人でも、オーストラリア移住は安心して暮らすことができる国です。
他にも毎年エコノミスト誌が実施している「世界で最も住みやすい都市ランキング」においてオーストラリアの多くの都市がトップ10の常連なのです。
このランキングは、世界172都市を対象にしたランキングで、下記の項目を評価対象にしています。
- 安全性
- 医療
- 文化・環境
- 教育
- インフラ
下記の表は2021年の結果をまとめたものです。
ランキング | 都市(国) |
1 | オークランド(ニュージーランド) |
2 | 大阪(日本) |
3 | アデレード(オーストラリア) |
4 | ウェリントン(ニュージーランド) |
5 | 東京(日本) |
6 | パース(オーストラリア) |
7 | チューリッヒ(スイス) |
8 | ジュネーブ(スイス) |
9 | メルボルン(オーストラリア) |
10 | ブリスベン(オーストラリア) |
出典:ウィキペディア
この結果を見ると、オーストラリアの4都市がランクインしており、日本の大阪や東京と同じレベルの安全性や生活レベルであることが分かるでしょう。
気候が穏やかで暮らしやすい
上記にもありますが、オーストラリアは広大な国であるため、地域によって気候が大きく異なりますが、他の国と比較すると全体的に気候が穏やかで暮らしやすいと言えます。
特に夏は、日本の夏より快適です。
日本の夏は、高温多湿で、じっとしていても汗が滴ることが一般的ですが、オーストラリアの夏は異なります。確かに気温自体は高く、メルボルンも40度を超える日はありますが、湿度がないため、カラッとしています。
そして、朝晩は気温がグッと下がるため、寝苦しいと感じたことが一度もありません。夜エアコンをつける必要がないのです。
日本との時差が小さい
オーストラリア国内には3つのタイムゾーンがあり、日本との時差は-1〜+1時間です。
オーストラリアにはサマータイムを導入している州もあるので、サマータイム時(毎年10月第1日曜日から翌年の4月の第1日曜日まで)には、日本との時差が+2時間になる州もあります。
いずれにしても日本との時差は非常に小さいです。
また、日本との時差が少ないことで、日本にいる家族や友人といつでも連絡を取ることができるというメリットがあります。
オーストラリアは2020〜2021年の間に多くの都市で国境封鎖とロックダウンを行っていました。私はメルボルンに住んでおり、ロックダウンを1年以上経験しました。ロックダウン中は下記のようなルールがあり、非常に厳しかったです。
- 自宅から5キロメートル以内のみ移動可能
- 1つの家で外出していいのは1日で1人のみ
- 夜の8時から朝の5時までは自宅にいること
- 病院・食料品や生活用品などの買い物・仕事・介護以外の理由での外出禁止
- 散歩や運動による外出は1日1時間以内
このような生活を1年近くに渡り経験しました。みなさんは耐えられますか?発狂しそうになったことが何度もありましたが、なんとか持ち堪えることができたのは日本の家族や友人のおかげです。
日本とオーストラリアの時差が小さいおかげでいつでも連絡を取ることができました。日本の家族や友人と連絡を取りすぎると英語力の向上には繋がりませんが、どうしても辛い時は精神的な支えにもなります。
この時ほど日本とオーストラリアの時差が小さかったことを感謝したことはありません。
オーストラリアに移住しても、日本の企業と仕事をしているフリーランスの方にとってはこのメリットは大きいのではないでしょうか?
また、時差が小さいことで日本を行き来しても時差ボケすることもないというメリットもあります。
オーストラリアのそれぞれの都市と日本との時差
都市 | 時差 |
シドニー メルボルン |
+1時間 サマータイム導入時は+2時間 |
アデレード | +30分 サマータイム導入時は+1時間30分 |
ケアンズ ゴールドコースト ブリスベン |
+1時間 サマータイムなし |
パース | -1時間 サマータイムなし |
自然災害が少ない
地震、津波、火事、台風、土砂崩れ…日本は数多くの自然災害がある災害大国です。
オーストラリアは自然災害が少ないという魅力があります。
オーストラリア北部や北東部にはサイクロンが通過するため、大雨や洪水といった災害が発生しますが、このような災害は雨季の時期に発生することがほとんどです。
オーストラリア全土で心配するべき自然災害は、ブッシュファイヤーと呼ばれる山火事だけです。オーストラリアは夏は非常に乾燥しており、雨がほとんど降りません。
そのため山火事が起こりやすいのです。
そしてオーストラリアで有名なユーカリの木は油分を多く含んでいるため、ユーカリの木を通して火事が広がりやすいという危険性があります。
しかし、山火事の被害が深刻なのは主に田舎です。都会への影響はそこまで大きくないので、都会に住めば山火事を心配する必要がないでしょう。
2019年から2020年の夏にかけて10年に1度と言われるほど大規模な山火事がオーストラリアの東部で発生しました。
これほどの大規模な山火事が発生すると街全体が煙で覆われて数十メートル先が見えなくなったり、空気が汚れているため外出すると健康被害がでたりといったリスクがあります。
私は当時メルボルンに住んでいましたが、一時期はオーストラリア東部の空気は中国やインドを凌ぎ、世界で最も汚染されていると言われているほどでした。
しかし、繰り返しになりますが、これほど大規模な山火事は毎年発生するわけではないので安心してください。
下記のYouTube動画は当時の様子を表したものです。興味がある方は参考までにご覧ください。
国民保険に加入して医療費を抑えることができる
オーストラリアの医療費は非常に高額です。学生ビザを取得する際にOSHCという保険に加入することが義務付けられますが、それでも医療費が高いことに変わりありません。
例えば、オーストラリアでは歯石の除去をするだけで15,000円ほど、救急車を呼ぶだけで30万円かかります。
私自身、何度も日本の国民保険制度は素晴らしい制度であると感じたくらいです。
しかし、オーストラリアで永住権を取得できると、オーストラリアの国民保険であるメディケアに加入することが出来ます。
メディケアに加入すると、課税所得の2%を健康保険料として納めることで総合診療医や公立病院での治療や入院を無料で受けることが可能です。
オーストラリアに移住するデメリット
つづいて、オーストラリアに移住するデメリットは下記の4点です。
- 紫外線が強くて年中日焼け対策が必要
- 日本よりも物価が高い
- 就職・転職活動が難しい
- 永住権を取得しても5年ごとに更新したり、5年のうち2年はオーストラリアに滞在する必要がある
それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
紫外線が強くて年中日焼け対策が必要
オーストラリアの紫外線は、オゾン層の減少により、日本よりも5〜8倍強いと言われています。
そのため、皮膚ガンはオーストラリア人がよくかかる病気の1つです。
ハリウッド俳優のヒュー・ジャックマンはオーストラリア出身の俳優ですが、彼はこれまでに皮膚ガンに6回もかかり、まだ再発する可能性があると言われています。
日焼け止めを年中塗布するだけでなく、夏は特にサングラスを着用することがおすすめです。オーストラリアの太陽光は非常に強いため、私は最初の夏に目を日焼けしてしまい、シミを作ってしまいました。
おしゃれのためではなく、目の健康を守ためにUVカットができるサングラスを必ず着用するようにしましょう。
日本よりも物価が高い
オーストラリアは世界で最も最低賃金が高いと言われており、現在の最低時給は21.38ドルで、これは日本円に換算すると約1,900円です(2023年1月現在)。
しかし、賃金が高いから良いというわけではありません。これほどまでに人件費がかかることから、オーストラリアでは多くのものが日本よりも高価であることが多いです。
特に外食は1食で20ドル以上(1,800円以上)かかることが多いため、結局は賃金が高くても、生活費もかかるため、貯金ができるわけではないということです。
下記の表はオーストラリアと日本の外食や食品にかかるコストを比較したものです。
上からそれぞれ下記の項目を比較しています。
- 比較的リーズナブルなレストランでかかる飲食代
- マクドナルドなどファーストフード店でかかる食事代
- コカコーラのボトル1本(0.3リットル)
- ミネラルウォーターのボトル1本(0.3リットル)
右側のパーセンテージが日本でのコストとオーストラリアのコストを比較したもので、いずれも日本よりも平均で2倍ほど高くなることが分かるでしょう。
就職・転職活動が難しい
オーストラリアでの就職や転職は、留学生や移住したばかりの人にとってはかなり難しいです。
まずは英語力が大きな壁になるでしょう。そして現地での就業体験や人脈がないこともかなり不利な状況を作り出します。
オーストラリアは島国意識が強い国なので、「自国での」就業経験や学歴がないとあまり高く評価してもらえません。
また、オーストラリアで仕事を見つける際には、SeekやIndeedといった求人サイトを使った就職活動よりも、友人や知り合いからの推薦や紹介によるものが一般的です。
このような状況であることから、留学生や新たに移住したばかりの人にとっては非常に不利なのです。
下記のグラフをご覧ください。オーストラリアの失業率の推移を表しています。
出典:The Guardian
新型コロナの影響で一時は失業率が7.5%まで上昇したものの現在は3.5%まで下がっています。
現地でコツコツと努力を続けることで必ず道は開けます。時間はかかるかもしれません。オーストラリアに移住し、現地就職をしたい場合は、経済的に余裕を持っておくことをおすすめします。
>>オーストラリア・ファームステイ【徹底解説】費用、メリット、稼ぎやすさは?
永住権を取得しても制約がある
晴れて永住権を取得できても、永住権は永続的なものではありません。5年ごとに更新料を支払ってビザの更新をする必要があります。
そして、ビザを更新するための条件として、5年間のうち2年をオーストラリアに滞在している必要があります。
つまり、永住権を取得すると、実質日本で暮らすことが出来なくなるということです。
オーストラリアでの1ヶ月分の生活費の目安
オーストラリアでの1ヶ月分の生活費にかかる費用は、人それぞれですが15〜30万円ほどで、日本での生活費より高くなることが予想されます。
下記の表はその内訳をまとめたものです。
内訳 | 費用の目安 |
家賃 | 6〜12万円 |
光熱費 | 1〜2万円 |
インターネット関連に係る費用 | 設置:10,000〜15,000円 月々の使用料:5,000円 |
スマホに係る費用(通信費) | 2,500〜8,000円 |
食費 | 50,000〜100,000円 |
交際費 | 15,000〜25,000円 |
交通費 | 10,000〜15,000円 |
その他 | 20,000〜25,000円 |
オーストラリア移住にかかる費用の目安と内訳
オーストラリアに移住にかかる費用は多めに用意しておくことをおすすめします。その理由は下記の通りです。
- オーストラリアでの生活費は日本よりもかかるから
- オーストラリアに移住してすぐに就労できるとは限らないから
200万円ほどあると安心でしょう。その費用の内訳については下記の通りです。
- 渡航費(往復)
- 海外留学・旅行保険
- 数ヶ月分の生活費
- 交通費
- 引越しや荷物の輸送にかかる費用
- パスポート申請に係る費用
- ビザ申請に係る費用
オーストラリアの永住権取得につながるビザ一覧
下記の表はオーストラリアの永住権取得につながるビザをまとめた表です。
ビザの種類 | 申請できる人 |
技術独立永住ビザ | オーストラリアで求められている職種に従事できる人 |
才能ビザ | さまざまな分野において世界レベルのスキルや技術を持っている人 |
雇用主指名ビザ | 会社がスポンサーになり、企業から必要な労働者として指名された人 |
配偶者ビザ | オーストラリア人、ニュージーランド人、そしてオーストラリア永住権保持者と結婚する人 |
家族呼び寄せビザ | 既にオーストラリア移住を果たし、自国の家族を呼び寄せたい人 |
投資家関連ビザ | これまでの投資経験を生かして、オーストラリアでも投資活動を行う予定の人 |
事業者関連ビザ | 自国でのビジネスをオーストラリアでも起業して行う人 |
永住権につながるビザはいくつかありますが、この中で最も皆さんが取得できる可能性が高く、かつ自分の努力だけで取得できるのが技術独立永住ビザでしょう。
詳細は後述しますが、オーストラリア政府も技術独立永住ビザの発給に積極的な姿勢を見せているため、このビザが最もオーストラリアへの移住を実現するために現実的なビザであると言えます。
配偶者ビザを取得している人もいますが、近年オーストラリアでは結婚詐欺や偽装結婚が横行しているため、配偶者ビザに対する取り締まりが厳しくなっています。
ビザ取得にかかる時間も費用も非常にかかること、そして、このビザはあなたの努力だけで取得できるものではないことからも、あくまでオプション程度に捉えておくことが望ましいでしょう。
オーストラリア移住の現状
オーストラリアへの移住は年々難化の一途を辿っていましたが、朗報です。新型コロナによって状況が少し変わりました。
新型コロナによるロックダウンや国境封鎖により、多くの移民、留学生、ワーホリ参加者を受け入れることができなかったのです。
上記にもありますが、オーストラリアは国として発展するために、これまで多くの移民を受け入れてきたため、移民なしでは成り立たない国となってしまいました。
そして新型コロナによってオーストラリア経済は大きなダメージを受けたので、回復する必要があります。
このような経緯や現状より、オーストラリアは今後4〜5年は積極的に移民、特に技能移民の受け入れに力を入れて、経済の復活を図ろうとしています。
つまり、今後4〜5年は、オーストラリア移住のチャンスの年であると言えるでしょう。
オーストラリアへの移住を真剣に検討しているのであれば、まずはオーストラリアで必要とされている職種がリスト化されている職業リストに目を通し、その職業に自分が就けるかどうかを考えることが大切です。
そして、その職種につながる分野をオーストラリア国内の学校で学び、現地就職することがオーストラリアで技能移民になるための近道です。
オーストラリア移住に向けてやるべきこと
就労ビザを通してオーストラリア移住を実現させたいのであれば、下記の4つのことに気を付ける必要があります。
- オーストラリアのTAFEか大学に通う
- 英語力をつける
- スキルや経験を身につける
- 若いうちにチャレンジする
オーストラリアのTAFEか大学に通う
まずは、永住権取得に繋がりやすい職種に関することを学べるTAFE(専門学校)や大学に通いましょう。
日本国内で既に学位を持っていたり、就業体験を持つ人もいるでしょう。しかし、オーストラリアは島国意識が強い国で、「オーストラリア国内」での学歴や職歴を重視し、海外での経験はあまり重要視されません。
そのため、留学を通じて現地の学校で知識やスキルを学び、現地企業で就業経験を積むことが永住権への近道です。
英語力をつける
オーストラリアの永住権取得や現地での就職を実現させるためには、英語での高度なコミュニケーション能力が必要です。
最近、パートナービザ申請者についてもIELTSやTOEFL等の英語試験でのスコアの条件を設け、スコアを提出するよう義務付けるようになりました。
他にもIELTSのオーバーオールのスコアが8.0以上であると、永住権申請の際にポイントが加算されるというメリットもあります。
英語力をつけるため、そしてオーストラリア移住をする練習として、オーストラリアへ是非一度留学をしてみてください。
スキルや経験を身につける
上記にもありますが、オーストラリアの就職戦線は日本以上に厳しいです。
日本企業のように新入社員の教育や研修がないケースが非常に多く、新卒であっても即戦力になることを求められます。
そのため、TAFEや大学に在学中の時から、ボランティア、インターンシップ、そしてアルバイトといった経験を通じてスキルや経験を身につけていくことが大切です。
若いうちにチャレンジする
オーストラリアで就労ビザを通して永住権を取得する場合は、年齢制限があるので注意が必要です。ビザの申請は45歳までと決まっています。
また、オーストラリアの永住権取得に向けたビザはポイント制となっており、年齢が若いほど高ポイントです。これは、若いほどオーストラリア経済への貢献度が高くなるだろうという期待を込めているからです。
それゆえに、オーストラリアへの移住を真剣に考えている方は一刻も早く行動を起こすことをおすすめします。
>>オーストラリアワーホリ【2023年】費用・申請・仕事探し完全ガイド
オーストラリアで求められている3つの職種
オーストラリアで労働力が不足している職種に就くことで永住権を取得しやすくなります。現在オーストラリアで特に求められている職種が下記の3つです。
- 看護師
- エンジニア
- シェフ
それぞれの職種について解説していきます。
看護師
看護師はオーストラリアで求められている職種です。
オーストラリアは、医療従事者に新型コロナウィルスのワクチン接種を義務付けました。2023年現在、医療従事者は4回接種していないと職を失ってしまいます。
これに反発した多くの医療従事者が職を失ってしまいました。
しかし、まだまだ新型コロナにより医療現場は逼迫しています。このような状況であることから、看護師不足はますます深刻化しているのです。
オーストラリアの看護師の待遇は日本よりもかなり良いです。まとまった有給が取りやすく、高給で、残業や夜勤も少ないと聞きます。
現地のTAFE(専門学校)や大学に通って看護師の資格を取得することで、オーストラリアで看護師になることが可能です。
エンジニア
世界中の多くの国々でIT人材が不足していますが、オーストラリアもご多分に漏れず、IT人材、特にエンジニアが不足しており、永住権取得のためのビザが比較的容易に発給してもらえる職種です。
オーストラリアのエンジニアは日本よりも待遇が良いと聞きます。有給が取りやすく、残業が少ない割に高給であるということで看護師と同様です。
ITや工学に興味や関心がある方は、オーストラリアのTAFEや大学でエンジニアについて学んでみてはいかがでしょうか?
シェフ
オーストラリアは新型コロナの影響で2020〜2021年に国境の封鎖をし、多くの州でロックダウンを実施してきました。この影響で、外国から移民や留学生を受け入れることができなくなったのです。
そして、既にオーストラリア国内にいた留学生や移民も自国に戻りました。
それゆえに、カフェやレストランといったホスピタリティ業界で深刻な労働力不足に見舞われたのです。
現在は国境を再び開き、留学生や移民が自由に出入りできるようになりましたが、まだまだ労働力が不足していると言われています。その中でも特に不足しているのがシェフです。
あまりにも不足しているため、「未経験可」のシェフの求人が多かったので驚いた記憶があります。
シェフは高度な英語でのコミュニケーション能力は求められない職種です。料理が好きな方や得意な方は検討してみてはいかがですか?
職業リストって何?
オーストラリアで特に求められている職種を3つご紹介しましたが、他にもたくさんの職種が求められており、それぞれリスト化されています。
職業リストに掲載されている職種に就くことでオーストラリア移住や永住への道が開けるでしょう。
しかし、職業リストに掲載されている職種は度々変更があるため、ハイリスクハイリターンであることを心得ておいてください。
職業リストには下記の3つがあります。
- MLTSSL(中・長期戦略技能リスト)
- STSOL(短期技能職業リスト)
- ROL(地域職業リスト)
それぞれの職業リストの違いについてここで紹介します。
MLTSSL(中・長期戦略技能リスト)
MLTSSL(中・長期戦略技能リスト)とはオーストラリア国内で中〜長期に渡って必要とされている職種です。つまり、このリストに掲載されている職種に就くことで永住権を取得し、オーストラリア移住を叶えることができる可能性が最も高い職種です。
雇用主・地方・州などのスポンサーが不要であるという点も魅力的なポイントです。
STSOL(短期技能職業リスト)
STSOL(短期技能職業リスト)はオーストラリア国内で短期的に必要とされている職種です。MLTSSLに掲載されている職種とは異なり、雇用主・地方・州などのスポンサーが必要で、さらに頻繁に掲載される職種が変更されるというデメリットがあります。
この職業リストに掲載されている職種を通じて永住権取得を目指すのは非常に難しい状況です。
ROL(地域職業リスト)
ROL(地域職業リスト)とはオーストラリアの地方や田舎の地域で需要が高い職種のリストのことです。
指定された地方に滞在しながら、この職業リストに掲載されている職種で就労することで地方政府がスポンサーとなってくれます。永住権取得につながるでしょう。
オーストラリアで就労ビザを通して移住を実現させる場合の注意点
オーストラリアの大学院に留学を経験した者から忠告させてもらうと、オーストラリアの移住や永住の実現に重きを置きすぎて、自分の興味があることや好きなことをおざなりにするのは得策ではないです。
理由は2つあります。まずは、自分があまり興味がないことや好きでないことを学び、職にできるほど甘くはないということです。
私自身、オーストラリアの大学院の観光学部に留学をしていましたが、毎日5時間以上は勉強していました。
新型コロナの影響で、残念ながら観光系の仕事に就くことが出来ず、現地企業であまり興味がない分野のマーケティング職に就きましたが、仕事を続けていくのはかなりキツかったです。
想像してみてください。就労ビザを取得するために、オーストラリアのTAFE(専門学校)や大学でその分野を2〜3年勉強し、そして最低4〜5年その仕事を務める必要があります。
多くの時間と労力をかける必要があるため、相当の覚悟が必要になるでしょう。
2つ目の理由は、オーストラリアのビザ政策は非常に流動的であるということです。オーストラリアは国内外の情勢を見ながら、かなり頻繁にビザの政策や方針を変更します。
つまり、上記にある現在オーストラリアで求められている職種も、数年後には必要とされなくなることもあるということです。
永住権の取得につながるビザの取得まで留学期間も含めて10年近くかかることから、あなたが永住権を申請する頃には、職業リストからあなたが従事している職種が除外されることもあります。
あなたは、それだけのリスクを背負ってオーストラリアに移住したいと思いますか?
オーストラリア移住はよく考えるべきです。
オーストラリアで移住するのにおすすめな都市
オーストラリア国内には数多くの魅力的で暮らしやすい都市がたくさんありますが、下記の3つの都市をおすすめします。
- シドニー
- メルボルン
- ゴールドコースト
ここでは、これらの都市をおすすめする理由についてご紹介します。
シドニー
多くの人々が、シドニーをオーストラリアの首都であると勘違いしてしまうほど、シドニーはオーストラリアの経済と商業の中心地です。
そのため、シドニーやシドニー郊外には多くの語学学校や大学があり、そして仕事も見つけやすいというメリットがあります。
メルボルン
メルボルンはシドニーに次いでオーストラリアで人口の多い都市です。また、教育の街として知られているため、世界各国から留学生が来ており、非常に国際色豊かな都市であると言えます。
このような状況であることから、シドニー同様に求人数が多く、外国人にとっても仕事を得やすい環境であるため、メルボルンもおすすめな都市の1つです。
ゴールドコースト
ゴールドコーストは、オーストラリア北東部にあるクイーンズランド州内にある都市です。同じくクイーンズランド州内にあるブリスベンは2032年の夏季オリンピック・パラリンピックの開催地として選ばれたため、同州は今後ますます発展していくものであると期待されています。
ゴールドコーストは年間300日以上が晴天日と言われており、年間を通して温かく、マリンアクティビティが人気な街です。
1990年代には多くの日本人が移住した街であるため、現在でもその名残が残っており、ジャパニーズレストランや日系企業を多く見ることができるため、職に就きやすいです。
そして現地オーストラリア人にも親日家が多いという特徴があります。日本人にとっては移住しやすい街と言えるでしょう。
まとめ:オーストラリア移住を実現させるためには計画的になる必要がある
いかがでしたか?オーストラリアへの移住・永住は決して簡単ではありません。しかし、だからと言って不可能なものではありません。
私の知人や友人にもオーストラリア移住に成功した人は数多くいます。オーストラリア移住を実現させるためには就労ビザを通じた移住が最も現実的でしょう。
その夢を叶えるためには、留学経験は必要不可欠です。そして、留学先で「何を学ぶか」も非常に重要になってきます。
オーストラリアへの移住を見据えた留学は計画的、かつ戦略的になる必要があるのです。
>>【まとめ】オーストラリア留学エージェント32選&人気都市ランキング
オーストラリア移住に関するQ&A
才能ビザ
雇用主指名ビザ
配偶者ビザ
家族呼び寄せビザ
投資家関連ビザ
事業者関連ビザ
以上のビザがあります。個人の努力で取得可能なのが技術独立永住ビザです。配偶者ビザは近年取得が厳しくなっています。