はじめまして。私は保育科の短大を卒業し、3年間保育士として働いた後、諦めきれなかった海外に行きたいという漠然とした夢を叶えるため、アメリカのメリーランド州で2年間、オペアプログラムに参加しました。
2018.10
帰国後は都内にあるシェアハウスを主とした不動産業界に就職し、年齢・性別・国籍が違う入居者の方々とシェアハウス生活を楽しみながら今春まで働いておりました。
現在は、渡米に向けて準備中です。
目次
きっかけ・諦めかけていた海外生活
高校生の頃に音楽の授業でハイスクールミュージカルの映画を観てから、洋楽や海外ドラマにはまり、いつか海外に行きたいという夢を持ちました。ただ私の家庭は兄妹も多く、経済的にも勉強が苦手な私の英語力から考えても、海外留学は夢のまた夢の話でした。
そんな私が短大生の時、韓国好きの友達が夏休みの間1ヶ月韓国留学をしました。夏休み明けに会った彼女から「やっぱりその国に行った方がいいよ、海外留学しなよ」と目を輝かせて話してくれました。
お金がないと留学はできないよ、と諦めかけながらもネットで「保育 アメリカ 留学」と検索しました。すると【初期費用30万円でアメリカ生活】と記載された記事があったのです。そこから私はオペアについて色々調べました。
正直なところ短大卒業と同時にオペアになろうと考えていました。ただ学費を払ってもらっていること、保育士は経験がないと帰国時に就職が難しくなると思ったので、3年間だけ保育士として働こうと心に決め短大を卒業しました。
その後3年間保育士として働き、保育士を辞める年の2月ころからオペアになる準備を始めました。
渡航までの流れ
私はIntraxというオペアの仲介会社の説明会に参加し、面談をしました。最初に書いたように私の英語力は皆無です。
英語力のテストの結果は【要練習】「オンラインでもいいので、英語のクラスをこれから受け、少しずつまずは英語に慣れてください。ただ日本人の家族や日本語を話してほしい家族もいるので、そういったホストファミリーをおすすめします。」とのことでした。
その日からオンライン英会話を毎日15分始めました。それと同時に仲介会社から送られて来たオペアになるまでに必要な書類集めが始まりました。
私は海外に行ったことがなかったので、パスポートや国際運転免許証の申請、プロフィール作り、そしてオペアになるために必要なオンライン講座を受講しました。(アメリカの運転に関してやオペア生活に関する英語の短いビデオです)
英語ばかりの資料に戸惑いながらスマホ片手に何時間もかけて分厚い冊子を読んでました。(正直読み切れませんでした。ただ保育の勉強をしていたので内容はほぼほぼ把握していたはずです。。。)
それと同時進行だったのがファミリー探しです。私はマッチしたファミリーを含め3組の家族とインタビューをしました。マッチしたのは日本人とアメリカ人のミックスのママ、アメリカ人のパパそして1歳の女の子と2匹の犬のいる家族でした。
実際のインタビューでは私が英語ができないとあらかじめ伝えていたので、ホストマザーのお母さん(日本人)が通訳として参加してくださいました。
インタビューの時には「今のオペアの連絡先をあげるから、彼女と話してほしい。彼女には良いことも悪いことも正直に話すように言ってあるからなんでも聞いてね。」と言われ、この言葉でホストファミリーとオペアの間に信頼関係があると確信し、この家族にしようと決めました。
実際に現役オペアの方とビデオ電話で話し、家族や地域の治安など、オペアになる上での不安や必要な情報を直接質問できました。これにより、オペアになることへの不安が解消されました。
この家族に巡り合えたことで私のオペア生活は本当に充実したものになりました。このご縁に感謝です。
良かった点
留学と比較してかなり低コストで海外にいける
経済的な面で留学を諦める人は多くいると思います。前職で住んでいたシェアハウスには、海外の方も多く、日本人の中には海外が好きな人、興味を持つ方も多くいらっしゃいました。
その中でも特に20代の若い女の子たちは、海外に行ってみたいと話してくれていた印象です。そんな子たちが口を揃えて言うのが「資金が足りない、でも英語話せるようになりたい」、その言葉を聞く度に「オペアしなよ」と声をかけていました。
海外で生活してみたい、海外の文化に触れてみたいという、漠然とした夢であれば私はオペアをおすすめします。オペアの仲介会社によってはキャンペーン等もあり、私は当時のキャンペーンのおかげで15万(契約料+渡航費込み)でした。
私がごり押しする理由はもう一つあります。それはオペアにはVISAの関係で年齢制限があるからです。
シェアハウスに住んでいた時、30代の方がフルタイムで働きながら留学のために勉強していました。30歳になるとワーホリのVISAも取得ができなくなるので、海外に行くハードルが高くなります。
もちろんしっかりお金を貯めてする留学も素晴らしいですし、語学はいつからでも始められると思います。
ただ、若いうちに海外に行くほうが新しいことへの吸収力も、環境への順応も早いと思います。また帰国後の就職活動も20代であれば比較的、有利かと思います。
年齢はどう頑張っても変えられないので、若いうちに行ってきなよと背中を押したくなります。
アメリカにファミリーができる
オペアをして一番良かったことは、アメリカにもうひとつの家族ができたことです。
私のホストファミリーは、元気で明るいママ、誰よりも優しくて仏のようなパパ、食べることと恐竜が大好きなRと当時はまだ生まれていなかった、おしゃべりでハグが大好きなKの4人家族です。
オペアによってはファミリーとの関係はあくまでベビーシッターという人たちもいました。
月に1度あるオペアのイベントでよく「あなたのファミリーどう?」と聞かれました。私が即答で「私ファミリー大好き」というと、大抵「あ、あなたラッキーね(苦笑い)」と言われてました。
私はこの家族の2代目オペアなのですが、1代目から今のオペアまでみんなオペア後も家族と交流があり、先月アメリカに行った時は現オペア、前々オペア、私を交えたパーティーもしました。
この家族がオペアを本当の家族として受け入れているからこそ、みんな帰国後や家族を離れてからも会いに来ているのだなと改めて実感します。
言葉だけではなくアメリカの文化を肌で感じられること
家族と一緒に生活するので、言葉だけでなくアメリカの祝日やイベント、料理、食べ物、生活習慣など、日本ではなかなかできない体験ができます。
私のホストママは料理好き、パパはお菓子作り好きだったので、アメリカの家庭料理に触れることも多くありました。アメリカには人種のサラダボールと言われるほどそれぞれバックグラウンドが違う人々が住んでいます。
家庭それぞれの代々受け継がれる秘伝のレシピがあることも多く、他のファミリーのパーティに行くとまた違った料理が楽しめます。また季節ごとのイベント(エッグハンティングやハロウィン、サンクスギビングにクリスマス)もオペアの醍醐味です。
国境を越えて色んな人と出会えること
アメリカにもう一つの家族ができるのはもちろんですが、オペアの繋がりがあるので国境を越えて色んな国の友達ができます。
月1の同じコミュニティに住むオペアたちのイベントやSNSを活用し、違うエージェントのオペアを見つけるなど共通点を活かし繋がりができます。
私もタイやコロンビア、メキシコ、ポーランドやスロバキア、南アフリカと色んな国のオペア仲間ができました。
オペアはアメリカで過ごす期間が決まっているので、出会いと別れが多いのですが、その分色んな人と繋がれる場でもあります。
アメリカ国内旅行が楽しめる
日本にいると本場のディズニーランド、ハワイにグランドキャニオン…テレビやYouTubeでよく目にするけれど、なかなか現地に行くのは難しいと感じますよね。しかし、オペアになれば国内旅行です。
確かに、アメリカの国土は広いので、飛行機を使うことも多々あるのですが、それでも国内旅行です。週2万円弱の給料を貯金すればその夢が叶うのです。
私は、本場のディープディッシュピザが食べたくてシカゴへ、クラムチャウダーがおいしいと聞いてボストンへ、スターバックス1号店があると知ってシアトルへ…またハイキングが好きでユタ州やアリゾナ州も行きました。
日本にいるとハードルが高くてもアメリカでは国内旅行、旅好きな方にはおすすめです。
ただ一人旅をする際は注意も必要です。私は一人旅中にアジア人好きの変なおじさんに追いかけられたり、ホームレスの人にお金をしつこくせがまれたりした経験があります。まずいと思ったら逃げるまたは近くの人に助けを求めてください。
一人じゃちょっと不安という方にはSNSを使ったオペアのグループもあるので、こちらを使い旅先に住むオペアにコンタクトを取ることもできます。旅もまたオペア生活を充実させてくれる一つです。
気を付けたいこと、回避するために
ホームシックや文化の違いは覚悟のうえで
正直なところ私はホームシックになりませんでした。というのも近くに先輩の日本人オペアがいたこと、アジアンマーケットに日本食材が揃っていたからです。
オペアの友達の中には、国に帰りたいという子も何人かいました。最年少だと18歳の子もいたので無理もない気がします。
私の場合、ホストキッズには日本語を話し、日本人と遊ぶ機会や日本食を作っていたことでホームシックは回避できていたのかもしれません。
ただ1度だけ日本食を初めてアメリカで食べた時に和食が恋しくなったことはあります。
アメリカのお寿司はアボカドやクリームチーズ、ヤムヤムソースがかかっていて、お米も酢飯じゃなかったりと日本のお寿司とは全然違います。
当時初めてアメリカのお寿司を食べたときは衝撃でしたが、日本に帰ってきた今、あのアメリカンなお寿司が恋しくなっています。
時差があってなかなか日本の家族や友達と連絡を取るのも難しいですが、アメリカで生活できる時間も限られているので、文化の違いを楽しむのも一つのコツかもしれないです。
英語で何かを学びたいという人には合わないかも
オペア留学といっても、オペアは学生ビザではなく異文化交流VISAなので学生ではありません。プログラムの中では6単位取らなければいけないのですが、やはり生活の大半は子どもたちと過ごしています。
最初に書いた通り、英語が苦手な私は、ホストファミリーとの会話から英語を学びました。なので現在でも読み書きが苦手で文法の勉強中です。
会話は比較的問題なくできるのですが、文法は中学レベルが問題なくできるくらいかと思います。私の場合、単語の意味を知らなくても文で相手に伝える癖があり、新しい単語を学ぶのをやめてしまったのが原因かと思います。
例えば「コーヒー」という単語が分からなかったとしても私の場合は、「黒くて、苦くて、大人が飲む飲み物」といったように単語ではなく知っている単語を並べて相手に伝えることが多々あります。
オペア中に日本人の留学生に会う機会があったのですが、話を聞いてみると短期留学とは違い、長期留学は毎日勉強に追われて遊ぶ時間が本当にないと話していました。
そんな彼女の英語はきれいで文法も完璧、私の英語力がないことも原因ですが、オペアはアメリカに住んで実際の文化に触れてみたいという方に向いているかなと思います。
オペアの人たちの中には、プログラム終了後もそのまま学生ビザに切り替えて、現地のコミュニティカレッジにいく人たちも多くいるので、留学前の最初のステップとしてプログラムに参加するのもおすすめです。
ファミリーが住む地域の下調べも欠かさずに
日本の国土の何倍もあるアメリカでは、場所によってはとても田舎で1軒先まで1時間近くドライブしなければならないこともあります。そのため、月1会のオペアイベントに参加できなかったり、なかなか友達ができなかったりするオペアの悩みを聞いたことがあります。
ホストファミリーではなく、住んでいる地域があまり合わずリマッチした人もいます。マッチをする前に気になる家族には近くのお店やダウンタウンなど色々聞いたり、ネットで調べたりすることでこういった問題は回避できると思います。
また、可能であれば現役のオペアの連絡先をホストファミリーから聞くのもいいと思います。私はあらかじめ当時のオペアから話を聞いていたので、地域に関するミスマッチは全くありませんでした。
ファミリーとのコミュニケーションはしっかりと
私はホストファミリーが大好きですが、いつも関係が良好だったわけではないです。2年間も一つ屋根の下で暮らしていれば言い合いにだってなります。それでも大きな問題が無かった理由は、ハウスルールが”隠し事をしないこと”だったからです。
私は残業になった日や長期で休みが欲しい時はいつも相談していました。ただ中には家族とうまくいかず、リマッチした人、オペア生活を楽しめず帰国した人たちもいました。
私の友達の中には、子どもに新しいiPadを壊されてしまったが、本人の不注意だと言われてしまったり、監視カメラを設置され子どものお世話に関して事細かにクレームを言われたりしていたオペアも何人かいました。
日本は察する文化、そしてなかなか自分の意見が言い出せず我慢してしまう人も多いと思います。
しかし、アメリカは言葉に出す文化なので、何かあったら拙い英語でも話し合うことを心がけることをおすすめします。
それでも話し出せないという時は、地域のコーディネーターに相談、改善されない場合はリマッチをおすすめします。
日本人オペアが少ないことも事実ですが、日本人オペアは人気があります。1年(最長でも2年)しかないアメリカ生活を充実させるためにも、リマッチも一つの手段だと思います。
英語はできるだけ日本でインプット、上達にしたいなら100%英語の環境に
私の当時の英語力は Nice to meet you がやっと言えるレベルでした。具体的に言うとレジで支払いをするときに「Hold on」と言われても聞き取りすらできず、カードを抜き取ってしまい、支払いがなかなかできなかったことがあります。
今でもホストママには「あなたは1年目、ほんとに静かだったよね、2年目になってやっと話し出したわ。でもその1年はインプットをする大切な時期だったのね。」と言われます。そう、私はインプットに丸一年使ってしまったのです。
私は英語が苦手ということから100%英語だけの環境の家族は最初から候補に挙げていませんでした。ただ今思うのは2年目は英語環境の家族にしていればもう少し英語が伸びていたかもしれないです。渡米前に勉強しておけば、英語力は格段に上がっていたと今でも後悔しています。
これからオペアをするみなさんへ、海外に住めば自分の努力次第で英語力が伸びますが、より充実させたいのであればできるかぎり勉強(特にインプット)していくことを心からおすすめします。
行政関係の手続きは慎重に
これに関しては詰めが甘い私の不注意なのですが、オペアであっても収入があるので、年に1回納税手続きが必要です。
オンラインで簡単にできるのですが、私はSSN(マイナンバーのようなもの)を打ち間違え、1年以上に渡る税関とのやりとりが続きました。解決できないと次回渡米する際に、トラブルになる場合があるとのことだったので、手続きは慎重にすることを心がけていただければと思います。
ちなみに私は州知事に手紙を書いて解決しました。もちろんホストファミリーが協力してくれたおかげです。
国際恋愛も楽しめるけど、自分の身は自分で守る
オペアでは国際恋愛をする人も多くいます。その中には結婚したオペア仲間もいます。出会いはさまざまですが、ほとんどの人がデートアプリでした。
私が渡米して6ヶ月くらい経った頃、英語の伸びが一気に停滞したことに気づき、オペアの友達に相談したら「男だよ、男。」とデートアプリをすすめられました。そこからデートアプリを使いはじめたのですが、やっぱり実際に会うのはかなり抵抗がありました。
そこで、ホストマザーからもらったアドバイスがこちらです。
- 車に乗らない、家に行かない
- もし不安ならすぐ帰る
- 次のデートに繋げるためにも2時間で切り上げる
- 最初に会う時はフードコートのような周りに人がいるところ
- 初デートは夜に合わない
- 何かあれば必ずホストマザーにSOSすること
私は上記のことを守ってたつもりだったのですが、一度だけ初デートで家に連れていかれたことがあります。
「綺麗な景色のところに連れてってあげる」と言われたのですが、実際に連れて行かれたのは彼の家、、、すぐに帰ると伝えて帰ったのでとくに問題はなかったのですが、オペアの知り合いの中にはレイプに会った人もいました。
しかし、警察に相談しても、同意の上で家に入ったことやすぐにシャワーを浴びたことなどを指摘されて証拠がなかったため、泣き寝入りしたそうです。
自分の身は自分しか守ることができないということを抑えた上でデートを楽しんでいただければと思います。
たしかに言えることは、仲のいい友達やパートナーができると英語力は伸びます。
ちなみにデートアプリだけではなくMeet upやlanguage exchangeでも出会いはあるので、1対1で出会うことに抵抗がある人や、すでに日本にパートナーがいる人は、現地の友達作りに活用できると思います。
オペアプログラムに参加して
私はオペアプログラムに参加して、心から良かったと胸を張って言えます。この2年間で培ったもの、人とのつながりや体験、お金では得られないものがたくさんありました。
私は24歳になる歳で渡米したので、渡米中に結婚ラッシュがあったり、27歳手前で帰国した時は、30歳手前で職歴も浅いと正直思いました。
しかし、英語力が身についたことで職の幅も広がり、いい意味で海外にかぶれ、年齢・性別・国籍関係なく人と話すことに抵抗がなくなりました。
ぜひ、少しでも海外に行ってみたいという方は、ちょっと勇気を出して一歩踏み出してほしいです。
2022.05