こんにちは。留学ライターの高橋ミモザです。
今回からシリーズで、ドイツの高校へ留学した男子高校生のリアルな留学体験談をベースに、高校生が海外に飛び立つ「高校留学」のさまざまな情報を、皆さんとシェアしたいと思います。
留学先としてはまだ珍しい欧州の国・ドイツへ、日本の片田舎で育った高校生の長男が年間留学に旅立ってから早1年。先日、元気に帰国しました。
帰国した息子の口から飛び出してくる留学中の悲喜こもごもの体験から、驚きや感動をたくさんもらいました。そんな息子のドラマいっぱいの体験談を聞きながら、今回の留学で息子がたくさんの人々と出会い、異国で大きく成長できたことをとても嬉しく思います。
今回のシリーズ【準備編】では、留学先の選定から出発するまでのさまざまな手続きや用意についてご紹介します。
わが家の体験をベースに、高校留学のさまざまな情報を皆さんとシェアしていきます。
「留学すると日本の学校はどうなるの?」
など、友人知人から何度も聞かれた質問や疑問をシェアしたいと思います。
ヨーロッパ圏への留学を検討している方や高校留学を検討している方にも参考になる高校留学のさまざまな情報をたくさん載せていきますので、ぜひお楽しみに!
今回は、準備編の第一回目として、ドイツ留学のプログラムに申し込みするまでの話を紹介しながら、高校生が留学する方法について詳しく解説していきます。
お子さまにあった高校留学を計画することができると、お子さまの将来の可能性を無限に広げることができますよ!
- 留学を考え始めてから留学するまでの流れ
- 留学を決意するまでに考えたこと
- 高校生ができる留学方法4つ
- 高校生のドイツ留学に関するサイト
- 高校生の留学情報サイト
目次
【体験談】ドイツ留学のプログラムに応募するまで
高校留学の話題は、ある日突然やってきました!
高校受験を終えて、無事に息子が高校へ入学して一段落ついた4月のある日のこと。息子とふたりでいる時に、ふと「高校留学」の話題になりました。
息子が中学生のときに参加した海外研修プログラムの教育交流団体が、高校生の年間留学を取り扱っていることを、なぜだか急に思い出したのです。
中学1年生の時に、息子はこの研修プログラムに参加して、はじめて異国へ行きました。
2週間程度の体験でしたが、海外での体験は息子に非常に強いインパクトを与えたようです。
空港で出迎えた時に、数か月前はランドセルを背負っていた小学生だったのに、すっかりと自信がついてたくましくなった息子の顔つきに驚くとともに、「海外の経験はこんなにも子どもを成長させるんだ!」と実感しました。
その時から「いつかこの子は留学するんだろうな」という予感がありましたが、その日は本当に突然やってきたのです。
私たちのところへスッと下りてきた「留学」の話題でしたが、その場ですぐにスマホで検索した息子の「今年の締め切り、1週間後だって!」の一言で、漠然とイメージしていた高校留学が、にわかにリアルなものになりました。
本人も、受験勉強で忘れていた留学の経験や感動を一気に思い出したようで、すでに心は「留学」へ一直線です。
まず、私たちは高校留学の情報を集めることからはじめました。その時に考えたり感じたりした疑問についてシェアします。ぜひ皆さんもご家族みんなで考えてみてください。
「もし高校生で留学するなら、何年生がよいのか」
「休学期間はどうするのか」
「年間留学ではなく、短期留学でもいいのでは?」
「どの国へ留学するのか」
「言語の習得に心配はないか」
「帰国後は、元のクラスに戻るのか、1つ下の学年に戻るのか」
「部活動は、問題ないのか?」
「そもそも高校へ入学したばかりなのに、留学できるのか」
「大学受験の勉強に支障が出ないか」
「大学生になってから留学すればいいのでは?」
「新型コロナウィルスやロシアによるウクライナ侵攻の影響は?」
など、考えることは山積みです。特に、入学したばかりの日本の高校のことを真っ先に考えていました。
ひとつひとつ考えて答えを出していき、
「行くなら(行かせるなら)、高校1年生の間に出発しよう(出発させよう)!」
という話にまとまりました。
それからは、本当に急ピッチでプログラム申し込みの準備をしました。
まず、高校の担任の先生に相談して、申し込みのために必要な推薦書や成績表を作成してもらいました。
本人が作成する申請書類も揃えて、書類はアップロードしてオンラインで申し込みを済ませました。
申し込みしたプログラムは、申込者全員が行けるのではなく、書類審査のあと面接試験を経て合格者が決まります。ひとまず、書類審査の結果を待ちました。
無事に書類審査を通過すると、次は保護者同席での面接試験です。
コロナ禍でしたので、自宅から母子でオンライン面接を受けて、合否判定待ちになりました。その後、無事に教育交流団体のすべての審査をパスして、派遣国がドイツに決まったという決定通知書が届いた時には、出発まで残り8カ月ほどでした。
高校生留学の方法〜どのような留学方法があるの?~
高校生が留学する方法はさまざまで、それぞれに特徴があります。
はじめに、お子さまの留学の目標や目的を確認しましょう。語学の習得の場合は、短期留学も効果的です。海外の高校を卒業したい場合は、正規留学として編入試験や入学試験にパスする必要があるでしょう。
お子さまの希望にあった留学方法を選ぶために、高校生の留学についてそれぞれの特徴を理解しておきましょう。
今回は、高校生が留学する4つの方法について説明します。
- 海外の高校へ1年間の交換留学(→復学して日本の高校を卒業する)
- 海外の高校へ進学(→海外の高校卒業が目標)
- 長期休暇を利用した短期留学(語学学習、異文化交流などが目的)
- 高校卒業後に海外大学進学
ひとつずつ見ていきましょう。
1. 海外の高校へ1年間の交換留学(→復学して日本の高校を卒業する)
日本の高校に在籍しながら、海外の高校に年間留学する方法です。わが家の方法です。
年間交換留学の場合は、個人手配では難しいケースが多く、日本で在籍している高校の留学プログラムに参加したり、教育交流団体や留学エージェントが実施するプログラムに参加したりする方法を検討しましょう。
卒業後の進学希望や受験計画を考慮しながら、留学計画を立てることが重要です。
特に、帰国後に進級した学年に復学を希望する場合は、留学先の高校の成績評価を日本の高校で単位認定してもらう必要があります。
認定されるかどうかは、もちろん留学中の成績次第です。また、日本側の校長先生の判断になりますので、留学前にどのような科目が必要になるのか相談しておくと安心です。
単位認定が必要な場合、留学先の国によって教育制度が異なることに注意しましょう。日本のように、4月に新学期が始まる国ばかりではありません。そのため、日本の高校で休学期間の取り扱いについて相談しましょう。
また、留学先での学習についても、日本の同学年の履修範囲とズレが起きることが考えられるので注意が必要です。
留学するタイミングによっては、留学中に受験対策も同時に進める必要がある可能性も考えられます。無理のない学習計画を立てましょう。
お子さまの語学力を含めて準備に必要な期間は変わりますが、準備期間の目安は1年ほどと考えて進めましょう。
2. 海外の高校へ進学(目標:高校卒業)
海外の高校へ進学または転入して、卒業までの数年間の長期留学をします。
留学先の国の教育制度や学校によって教育プログラムが異なります。希望するタイミングで入学できるように、早めに情報収集を行って準備を進めることが重要です。
国内の高校受験の場合でも情報を集めて、どこの学校を受験するか検討すると思いますが、それと同様に、海外の高校へ進学を希望する場合は情報収集が大切です。
現地の公立学校と私立学校の違い、進学状況、留学生の受け入れ状況などを調べて、どこの学校がお子さまにベストなのか検討しましょう。
保護者さまに十分な語学力があれば自己手配も可能です。不安な場合は、留学エージェントのサポートを利用することもぜひ検討してみましょう。
会社としての信頼性や高校留学の取り扱い実績、情報の正確性を確認して、適切な留学エージェント選びをしましょうね。
お子さまのことを一番理解しているのは保護者さまです!
学校を決める際は、留学エージェントなど他人任せにしないようにご家族でしっかりと話し合いましょう。ご家族で決められるようになるためにも、ぜひ最新の情報を集めて検討してみてください。
お子さまの語学力を含めて準備に必要な期間は変わりますが、準備期間の目安は1年半〜2年ほどと考えておきましょう。
3. 長期休暇を利用した短期留学
高校生に人気の夏休みや春休みなどの長期休暇を利用して、海外で実施される短期留学プログラムに参加します。
留学の期間は数日程度から数か月まで、語学学習をはじめ文化体験やスポーツなどのアクティビティなど、豊富なプログラムの中から選択ができます。
進学に必要な語学力の補強や異文化体験を重視したプログラムなど、お子さまの目的に合ったプランを検討してみましょう。
人気のプログラムは募集開始後すぐに満席となってしまうこともありますので、情報収集は早めに行うことをおすすめします。半年から遅くても3か月前には準備を始めましょう。
長期留学の前の体験としてもおすすめです。
4. 高校卒業後に海外大学進学
日本の高校を卒業後、海外の大学へ進学する方法の長期留学です。高校在学時から準備が必要になります。
海外の大学の教育制度や進学先の国や地域を理解して、お子さまの目標に合った学校選びが大変重要になります。
各国によって留学生受け入れの条件はさまざまです。
入学に必要な高校卒業資格だけではなく、最近では現地の大学入学資格と同等の実力を証明するものとして「大学入学共通テスト」のスコアの提示や、語学能力試験のスコアが必要なケースもあります。
留学申請書類の準備も複雑になります。基本的には英文での卒業証明書、成績証明書、推薦書などが必要となります。高校に相談して必要書類の準備を進めていきましょう。
合わせて、留学に必要なビザ申請の手続きも複雑になってきますので、必要があれば留学エージェントを活用しましょう。
お子さま自身は、語学力をアカデミックレベルまで高めておく必要があります。
海外大学への進学を検討する場合は、語学力だけでなく学力や生活力など長期的かつ総合的な準備が必要です。高校在学中にしっかりと準備をすすめましょう。
お子さまの語学力を含めて準備が必要な期間は変わりますが、準備期間の目安は2年ほどと考えておきましょう。長期休暇を利用して短期留学を試してみることもおすすめです。
留学目標を明確に定めて、適切な準備期間を設けることが成功への近道です。
公的機関が提供する情報や、留学エージェントの留学相談を利用しながらお子さまが主体的に留学準備を進めることが大切です。
まとめ:留学方法をまず決めよう!
今回は、ドイツ留学のプログラムに応募するまでのわが家の体験談と、高校生ができる4つの留学方法についてお伝えしました。
ご紹介したリンク先でも高校留学に関するさまざまな情報を集めることが可能です。
次回の準備編vol.2では、「どんな方法で留学したの?」という疑問にお答えしながら、交換留学のプログラムについて掘り下げるとともに、高校留学のメリットや魅力についても詳しく解説したいと思います。
ドイツ留学の話だけでなく、高校生の留学に役立つ情報もたくさん載せますのでどうぞお楽しみに!