ワーホリの仕事の選択肢のひとつ「ホステル」を知っていますか? ホステルとは主に海外旅行者用の宿泊施設のことで、ワーホリができる国にはたくさんのホステルがあります。
今回はホステルのフロントデスクで実際に働いている私が、ホステルそしてフロントデスクの仕事について詳しく紹介します。
ワーホリを考えている皆さんは自分がホステルで働くことをイメージしながら読んでみてください。
こちらの記事は連載となっております。最初から読みたい方はこちらから
>>【カナダワーホリ#1】トロントでワーホリをする前に知っておきたい10のこと
ワーホリの仕事
トロントのワーホリで働いている人はどのような仕事をしているのでしょうか?
多くの日本人が働いているのが日本食レストランです。ジャパレス(ジャパニーズレストラン)とも呼ばれる日本食レストランは日本人がとても採用されやすく、高い英語力も求められないので海外経験のあまりない人にはとても向いています。
その他には日系美容室、日系居酒屋などでも日本人がたくさん働いています。ごく少数ですが、ローカルカフェ、ローカルバー、今回紹介するホステルなどで働いてる日本人もいます。
ホステルとは
ホステル(Hostel)とは冒頭で紹介したように、海外旅行者向けの宿泊施設です。ホステルはバックパッカー、ユースホステル、ゲストハウスと呼ばれることもありますが日本ではあまり馴染みがありません。
部屋に2段ベッドがいくつかあるホステル、カプセルホテルのように小さなユニットがあるホステル、プライベートルームがあるホステルなどホステルにも様々なタイプがあります。
ホステルのお部屋の様子
どのホステルにも共通して言えることは相部屋かつ共有のトイレ、シャワーが基本なので宿泊費用がホテルと比べると安くなっています。
共用エリア
お客さんは海外旅行者やワーホリで来ている人が多いので、カナダの人だけでなく様々な国の人と話すことが出来ます。色々な国の文化を知りたい、外国の友達が欲しい人にはもってこいの職場かもしれません。
フロントデスクにあるどの国からのゲストが滞在しているか表しているマップ
私のホステルでは1つの部屋がスタッフ用の部屋になっていて住み込みで働くことも出来ます。いろいろな国の人と出会い、いろいろな国の人と働くことができるのがホステルの魅力です。
ホステルはホテルと比べると安いので、ワーホリで渡航してから家を決めるまでの間によく利用されています。私も渡航してから3週間はホステルに泊まっていました。
ホステルでの仕事のポジション
ホステルでの仕事はホテルでの仕事と似ています。主なポジションはフロントデスク、ハウスキーパー、メンテナンス、アクティビティです。
フロントデスク
フロントデスクの仕事はゲスト(お客さん)のチェックイン、チェックアウト業務、備品の販売、緊急時の対応などです。基本的にフロントにいて接客をする仕事です。私はナイトデスクという夜勤専門のフロントデスクをしています。
ハウスキーパー
ハウスキーパーの仕事はベッドメイキング、部屋や共有部の清掃などがあります。ハウスキーパーはベッドリネンや掃除用具などの重いものを持ち歩くので力仕事ができる人でないといけません。
メンテナンス
メンテナンスの仕事は、ベッドや共用部の家具の修理や設置、電気系統のメンテナンスなどです。メンテナンスは重いものを持つ必要がある上に、修理や電気の知識がないと働くことが出来ません。
アクティビティ
ホテルにはない仕事のひとつにアクティビティというものがあります。簡単にいうとツアーガイドのような仕事です。私の働いているホステルではアイランドツアー、バーホッピング、ムービーナイトなどの季節にあわせた無料のアクティビティをお客さんに提供しています。
お客さん同士の親睦を深める為のアクティビティなので、人と話すことが好きな人はアクティビティの仕事に向いています。
こちらはトロントアイランドツアー中の景色
パスタナイトのパスタと参加者
フロントデスクの仕事内容
主な業務
フロントデスクの仕事は先ほど紹介したように主にチェックイン、チェックアウト、物品の販売、緊急時の対応などです。
チェックインはお客さんのIDを確認し、支払いをしてもらい、ホステルのルールを説明します。チェックアウトは、カードキーを返却してもらい、後ほどシステムでチェックアウト処理をします。
お客さんがフロントデスクにいない時には明日以降の予約の支払い状況のチェック、メールの返信、電話対応、ベッドリネンの洗濯物の手伝いなどをします。
その他にはお客さんの観光に関する質問に答えたり、部屋に問題があった場合はその問題を適切な部署に伝えたりします。ごく稀に他のお客さんに危害を加えたり、ホステルのものを壊したりする人がいるのでその人を追い出したり、警察を呼んだりすることもあります。
フロントデスクは接客なので、1日でたくさんのお客さんと話す機会があります。中には英語が全く話せない人もいるのでその場合は翻訳機を使い時間をかけて対応します。
私の部署はナイトデスクといって夜勤専門のフロントデスクです。カナダではナイトオーディット(Night Audit)と呼ばれることもあります。
日勤と比べるとチェックインをする回数は少ないですが、その代わりに深夜にホステルに入ろうとする不審者の対応をしたり、館内の簡単な清掃をします。また、朝食の準備などハウスキーパーの補助的な業務も行っています。
ホステルの朝食
1日のスケジュール
現在私は1回10時間のシフトに週に4回入っています。シフトの時間は午後10時から翌朝の8時です。1回のシフトのスケジュールを簡単に紹介します。
22:00 出勤、システムにログイン
22:00〜2:00 チェックイン業務
2:00〜3:00 共用部の掃除
3:00〜4:00 ノーショーキャンセル作業
4:00〜6:00 交代で休憩
6:00〜7:00 チェックアウト業務
7:00〜8:00 朝食の準備
8:00 退勤
基本的にチェックイン、チェックアウトも数が少ないのでお客さんがいない間はベッドリネンの洗濯物をしたり同僚と話したりとゆったりと過ごしています。
私は私の働く支店のSNSの投稿担当も行っているので、勤務中に投稿内容を考えたり、写真撮影を行ったりしています。
ホステルの部屋から見える朝焼け
ホステルで飼っていた猫
求められる能力
フロントデスクで働く上で求められる主な能力は以下の4つです。
接客
フロントデスクは接客がメインなので、接客が向いている人はフロントデスクにも向いています。日本でホテルのフロントデスクで働いていたり、レストランで働いていた経験がある場合はうまくアピールすることで採用されやすいと思います。
また、フロントデスクはカスタマーサービスの中でもお客さんと密に話したり、衣食住の住を提供する仕事なのでおもてなしの心(ホスピタリティ)がある人はホステルのフロントデスクで大活躍できるはずです。
英語力
お客さんとの会話、スタッフ間の会話は基本的に英語で行われるので、スムーズにコミュニケーションが取れる英語力が必要です。ただし高級ホテルとは違うので英語が第一言語でない私たちのようなスタッフもたくさんいます。
なので完璧な英語を話さないといけないわけではありません。
同僚はオーストラリア、カナダ、ベトナム、ドイツなど様々な国のひとがいるので英語学習者の気持ちをわかってくれる人が多く、英語を学ぶには最高の職場です。
さらに宿泊施設という業務形態で働くことで生活に必要な英語がひと通り学べるというメリットもあります。
ちなみに、カナダにはメキシコ、ヨーロッパからのお客さんがとても多いので、スペイン語やドイツ語、イタリア語などの言語が話せる場合は重宝されます。
問題解決能力
ホステルは安いという特徴があるため、ホステル内の治安は良くありません。酔っ払った人が嘔吐したり、私物が無くなったと泣き叫ぶ人がいたりと騒ぎが絶えません。その時に必要になるのが問題解決能力です。
フロントデスクではその場その場のシチュエーションに合わせて、最適な方法で対処することが求められます。私のホステルでは1人で10時間働くこともあるので、自分で全てを決める能力も必要です。
中には警察を呼ばなければいけないケースもあり、その場合は警察に端的に起こったことを電話で説明しなければいけません。現在は慣れましたが、最初は自分の言いたいことが伝わるかとても不安でした。
断る力
私の働いているホステルでは他のホステルと比べてクレジットカードがないとチェックインできないなど、チェックインの条件が厳しいです。
そこで大事になってくるのが、ルールに従ってお客さんに「ノー」と言える力です。自分よりもガタイのでかい外国人にノーというのは最初は怖いですが、勇気を持ってノー言えるようになる必要があります。
土地柄ホームレスや薬物中毒者がホステルのフロントデスクに入ってこようとすることもよくあります。その人たちから自分たちのお客さんを守る義務もあります。
チームワーク
どこの職場でもチームワークは必要ですがホステルでは同僚と話す時間が長い上に、部署がいくつかあるので報連相そしてチームワークが特に大切になってきます。
物静かで人とあまり話したくない人は、ホステルで働いてもスタッフから歓迎されないイメージがあります。
まとめ
今回はホステルのフロントデスクの仕事について紹介しました。この記事をまとめると、
- ホステルにはフロントデスク、ハウスキーパー、メンテナンス、アクティビティの部署がある
- フロントデスクはチェックイン、チェックアウトの他に警察を呼ぶなど緊急時の対応が主な業務
- 日本食レストランと比べると求められる英語力は高いが、英語力の向上が見込める
私の働いているホステルでは常に日本人が数人在籍しています。ひとつの選択肢としてホステルで働くことを視野に入れてみてはいかがでしょうか?
カナダのワーホリについて詳しく知りたい方はこちら
>>カナダワーホリ【2024年版】費用、出稼ぎ方法をご紹介!