習い事でも人気の高いバレエ。小さい頃から通っている方も多いのではないでしょうか?
プロのバレリーナになりたい、国内だけではなく海外で本格的なバレエを学びたい!という方のために、海外バレエ留学について自身の経験も交え紹介します。
- バレエ留学とは何か?
- 国内で学ぶのと何が違うのか?
- どこの国でバレエ留学できるのか?
- バレエ留学の費用は?年齢制限は?
などなど、バレエ留学に関して気になることを一つずつ解説していきます。将来バレエ留学について考えている方は是非、ご覧になってくださいね。
実際に留学した国:私は過去にウクライナに2年、ドイツに1年、また短期でイタリアに1ヶ月、ドイツに2週間バレエ留学をしたことがあります。
イタリア短期留学は中学2年生、ドイツ短期留学は高校2年生、ウクライナとドイツの長期留学は高校卒業後になります。
目次
バレエ留学とは?
まずバレエ留学とは、海外のバレエ学校へ入学し、通常の学校の時間でバレエに関係する授業を受けることです。
日本で学ぶことが難しい、本格的なクラシックバレエのメソッドやコンテンポラリーダンス、民族舞踊やマイムのクラス、また座学での解剖学やダンサーのための食事法など様々な授業を受けることができます。
バレエ留学には短期(1週間から1ヶ月程度)のものから、長期(1年から4年など)のものまで幅広くあります。
国内に比べて海外バレエ留学はどんなメリットがある?
では、なぜ国内ではなく海外に出て留学をするのか。
大きなメリットとしては、プロダンサーになるため本格的にバレエを学ぶことができるということです。
日本国内では通常の学校に通い、その後に学校が終わってからバレエを習うという形になるため、自ずとバレエをする時間が限られてしまいます。
しかし、バレエ留学となれば朝から晩までバレエのレッスンを受けることができます。また、国立のバレエ学校であればオーディションを受けてそのままバレエ団に入ることも可能です。
私立のバレエ学校であっても、近くの国立、プライベートのバレエ団に対して道が出来ていることも多いため、留学をすることでプロダンサーになるという夢に近づくことができるでしょう。そこが国内と海外の大きな違いです。
バレエ留学で行ける国は?どんな国が人気?
留学先として人気が高いのは、ロシアやウクライナです。これらの国は本格的なワガノワメソッドを学ぶことができるため、日本人からの人気はかなり高いです。(ただし、昨今の国際的な情勢上、現在は受け入れ可能な学校が減っています。)
また、イギリスも人気の国の1つです。
理由はもちろん世界三大バレエ団の一つ、ロイヤルバレエ団があることです。ロイヤルメソッドを学ぶために毎年かなりの人が留学します。
その他には、フランスメソッドが学べるフランス、コンテンポラリーダンスに強いドイツ、日本人でも比較的就職のしやすいアメリカなどたくさんの国が留学先になっています。
バレエ留学で人気の国
- ロシア(ワガノワメソッド)
- ウクライナ(ワガノワメソッド)
- イギリス(ロイヤルメソッド)
- フランス(フランスメソッド)
- ドイツ(コンテンポラリーダンスに強い)
- アメリカ(就職しやすい)
国別、人気のバレエ学校
では、具体的に人気の高い学校はどこなのか。
一番日本で有名なところと言えば、まずはイギリスのロイヤル・バレエ学校でしょう。熊川哲也さんや吉田都さんなど日本のバレエ界を引っ張っている方々の出身校です。
このバレエ学校はロイヤルメソッドが学べること、世界中からダンサーが集まっていること、また専属のロイヤルバレエ団にはさまざまな人種のダンサーがおり、黒人やアジア人でも主役に抜擢されたダンサーが多いことで日本人から人気の高い学校になっています。
次に人気の高い留学先はワガノワバレエスクール。こちらはロシアのバレエ学校になります。
ワガノワメソッドが学べ、世界中のハイレベルな先生陣を初め、質の高いレッスンを受けることができます。たくさんの方がこのワガノワを目指す一方で、外国人が卒業まで過ごすことはかなりレベルが高いことです。
ただ、ここを卒業した生徒はどのバレエ団からも引っ張りだこになると言われているほどレベルの高い学校になっています。
この2校以外にも、国立や州立のバレエ学校はどこも人気が高いです。国立バレエ学校や州立バレエ学校には専属のバレエ団、劇場があり、それなりの施設が揃っていることも人気の理由になります。
そのほか、私立のバレエ学校で人気の高いところもたくさんあります。
アメリカのエリソンバレエスクールがその1つです。
大手国際コンクールでのスカラシップ提供などにより近年レベルの高い生徒を集め、またワガノワ出身の先生を集めることで、アメリカでワガノワメソッドを提供しています。コンクール上位入賞も多く排出し、人気の高まっている学校と言えるでしょう。
各国の留学先の違い
では、それぞれの国でどのように違いがあるのか。
これはあくまで学校の方針によって大きく変わります。しかし、各国の国民性の違いのよってもまた大きく変わると思います。
イギリス
イギリスはロイヤルメソッドを中心に教えており、さまざまな人種に寛容です。クラスメイトにはアジア人、黒人、ヨーロッパ人と色々な人種が交わることが多いでしょう。
また、クラシックバレエに1番力をいれ、その次にコンテンポラリーダンスに力を入れています。そのため、ロイヤルメソッドを学びたい方はイギリスをお勧めします。
東欧(ロシア・ウクライナなど)
これらの国々はワガノワメソッドを中心に教えています。先生自身がワガノワ出身のことも多く、本格的なワガノワメソッドを学ぶことができます。
クラシックバレエの次に民族舞踊をやることが多いです。コンテンポラリーダンスも独特の文化が広がっており、東欧人の身体能力を生かした作品が多く披露されています。
一方で、閉鎖的なところがあり他人種を受け入れない先生方も多く存在します。
そのため、「日本人クラス」のように日本人だけでクラスを構成する学校も存在しますので、よく考えて入学する必要があります。(日本人クラスは良さも悪さもあると思っています。)
西欧諸国(ドイツやスペインなど)
これらの国々はコンテンポラリーダンスの比重が高く、公演数が多いです。そのため、バレエ学校時代から本格的にコンテンポラリーダンスを学ぶ機会が他の国に比べ多いです。
コンテンポラリーダンスにもさまざまなメソッドがあるので、それぞれの良さや好みによって学校や先生を選ぶといいでしょう。
アメリカ
アメリカは州立バレエ学校から私立バレエ学校まで幅広く、学校のシステムやメソッドは場所によって大きく異なります。ヨーロッパよりも学費が高いことが多く、金銭面で余裕のある方にはお勧めです。
ただ、金銭面に余裕がなくてもスカラシップ制度も発展しているのでそれらを利用することができます。また、学校卒業後バレエ団へのオーディションが比較的に受けやすいのはアメリカになります。
そのままアメリカに残って仕事をしたいかたは、アメリカ留学をお勧めします。
バレエ留学の費用と年齢制限について
留学費用は学校が国立か私立によって大きく変わり、また国の物価によっても大きく変わります。
国立学校の場合、ほとんどは学費が無料であることが多いです。
学校によっては寮費なども無料のところもあるので、かかる費用としてはお小遣い程度になるでしょう。
ただ、学費は無料だけど寮費のみがかかる場合もあります。
私立の学校の場合、学費は数十万円から数百万円と幅が広いです。これは学校の規模やシステム、学校の設備によって大きく変わります。また、学校に付属の寮がついているかついていないかによってもかかる費用は大きく変わってきます。
また、年齢制限に関しては国立の場合ほとんどが18歳以下になります。それは、バレエ学校自体が高校卒業程度を設定されているからでしょう。
私立に関してはほとんどの場合年齢制限がなく、高校卒業の資格が取れるところから大学卒業の資格が取れるところなど様々なところがあります。
国立学校の場合 | 私立学校の場合 | |
留学費用 | ほとんどが無料、寮費は無料、有料どちらの場合もある | 学費は数十万から数百万 |
年齢制限 | 18歳以下 | 年齢制限はない |
中学生・高校生でもバレエ留学できる?している人はいるのか
答えはYESです!
私も中学生、高校生のときに留学をしました。実際に中学生や高校生からバレエ留学をする人は多いです。
特に、現在では日本国内のコンクールにてスカラシップ(奨学生)を受けることができ、長期留学として中学生から留学する子も多いです。
短期留学では小学生、中学生、高校生とどの年齢でも可能です。
バレエ留学をするための手順
では、実際にバレエ留学をしたいと思ったらどうすればよいのか。
留学ルートは沢山あります。
一番分かりやすいのは、コンクールにて留学許可の賞をもらうこと。ただ、これは基本的に上位入賞者しかもらうことができません。
そのため確率は低くなります。
次に、日本国内でオーディションを受けること。
日本国内では「〇〇バレエ学校 オーディション」などと、特定のバレエ学校のオーディションが開催されることが多くあります。また、私立の学校などでは合同でオーディションを開催することもあります。
東京、大阪で特に多く、実際にバレエ学校の先生が足を運んで見てくださることが多いので、よりチャンスは広くなるでしょう。
次に現地で実際に受けること。
これは旅費や時間の問題が発生しますが、現地オーディションでは「日本人」という枠で見られなくなります。また、オーディション開催時期でなくてもオーディションを受け入れてくれる可能性もあるので期間は選ばないでしょう。
その他にはビデオオーディションや紹介など様々な方法があります。
バレエ留学する方法
- コンクールで留学許可の賞をもらう
- 日本国内でオーディションを受ける
- 現地でオーディションを受ける
- ビデオオーデション
- 紹介等
なぜ私がバレエ留学をしたのか?ドイツ留学の流れと感想
実際に留学した国
私は過去にウクライナに2年、ドイツに1年、また短期でイタリアに1ヶ月、ドイツに2週間バレエ留学をしたことがあります。
イタリア短期留学は中学2年生、ドイツ短期留学は高校2年生、ウクライナとドイツの長期留学は高校卒業後になります。
どちらも私立の学校に留学しました。
留学の内容
それまでは、地元の通常のバレエ教室で週5回習い事として1日2時間程度レッスンを受けていました。
イタリアとウクライナの留学に関しては、通っていた教室からの紹介でした。そしてドイツ留学は、完全に自分で調べて留学した形になります。
もともとドイツは、コンテンポラリーダンスの強い国という認識が私の中にはあり、日本での舞台やローザンヌ国際バレエコンクールのコンテンポラリーダンスを見た私は、コンテンポラリーダンスに大して強い憧れがありました。
そのため、将来的にコンテンポラリーダンスが踊れるダンサーになりたく、ドイツなら本格的に学ぶことができると思い、高校2年生のときにドイツの学校を調べ始めたのがドイツ留学のスタートです。
まずはひたすらにインターネットで「Ballet Summer School in Germany」と調べていきました。
もちろんドイツはドイツ語圏のため沢山はヒットしません。
しかし、その中でヒットしたものの中から条件の良い【期間、場所、費用、学校の知名度】をピックアップし、その後はひたすら自分のダンス写真と動画をメールにて送りました。
その中で数件返事があり、短期留学の許可がおりたあとに、高校2年生の夏に2週間のサマースクール(短期留学)に参加します。
この短期留学では、朝からヨガまたはピラティスクラス、そのクラスの後にバレエ、バレエクラスが終わるとポワントクラスがあり、ポワントクラスが終わるとヴァリエーションもしくはパドドゥクラスが始まります。
ドイツでの留学ということもあり、ポワントクラスが無くてコンテンポラリーダンスも週の半分弱はありました。
その他にも、ジャズクラスやキャラクターダンス(民族舞踊)クラスもスケジュールに入っていました。
朝から2レッスンを行い、昼食休憩がありその後さらに2レッスンの日が2週間、週6で続きました。空き時間にはスタジオが自由に使えたので、友達と自主練をしたりして1日を過ごしていました。
短期留学では日本人やドイツ人だけでなく、他の国からたくさんの方が来て、また年齢別にクラスがあったため、小学生から高校生までと幅広い年齢層のダンサーがいました。
そして、短期留学最終日にはパフォーマンスを披露する日がありました。
2週間の成果を皆で一つのショーとしてパフォーマンスをする日です。バレエからジャズ、パドドゥ、ヴァリエーションとクラス毎に作品を踊り、最後は参加者全員でぎゅうぎゅうになりながら踊るという盛り沢山のプログラムで2週間が終了しました。
長期留学は1年間のプログラムで参加しました。
東京で合同オーディションが開催され、その中の1つの学校にとても興味があったため参加しました。
オーディション内容は至って普通で、バーレッスンから始まり、センターレッスンをし、最後はポワントを履いて踊りました。そしてオーディションから数週間後に合格の通知があり、当時ウクライナに留学していた私はウクライナから直接ドイツに入りました。
1日のプログラムは朝からドイツ語の授業、その後ピラティス、ピラティスが終わるとクラシックバレエのクラスがありました。
ここで午前が終了します。
お昼休憩を挟み、ポワントもしくはヴァリエーションクラス、コンテンポラリークラス、キャラクタークラスなどがあり、1日で4〜5クラスを週6で受けていました。
週に1回は夜のバレエレッスンを受けることができ、その日は夕方学校が終わって一度家に帰り、昼寝など休憩をしたあとにまた学校に戻っていました。
今回の長期留学の学校は寮がなかったため、ドイツ国内でバレエダンサーのサポートをしているエージェントと連絡をとり、一般の学生も入ることのできる学生寮で生活をしていました。
クラスメイトには寮ではなく普通のアパートを借りている子もいました。
バレエ留学に関するQ&A
どのメソッドを学びたいか、興味のあることを学べる国を選ぶようにしましょう!
現地にいってオーディションを受けるのもいいでしょう。現地のオーディションは開催時期問わず受け入れてくれる場合があるからです。
まとめ
これはあくまで私が体験したドイツ、バレエ留学の1例です。
同じ学校であっても入学方法は私と違うこともありました。それぞれにあったオーディション方法やチャンスがあると思います。
ただ総じて言えることはドイツ留学は楽しいということです!
10月にはオクトーバーフェスト、12月にはクリスマスマーケット、4月にはイースターとキリスト教関係のイベントもあり街中が賑わいます。
皆様も素敵な留学ライフをお過ごしください!
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