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留学経験は「ガクチカ」でアピールできるか?書き方(ポイントや例文)、留意点も解説!

大学生または大学院生が就職活動を行う際には、「学生時代に最も力を入れたこと」、略して「ガクチカ」を企業のエントリーシートに記入し、自分の強みやその企業にどのように貢献できるか、アピールする必要があります。

最近では、大学在学中に留学(短期含む)に行く学生も増えましたが、その留学経験がガクチカでアピールできるのか、また留学経験は就職活動で有利に働くのか、気になる人も多いのではないでしょうか。

本記事では、留学経験はガクチカでアピールできるのか、また留学経験を使ったガクチカの書き方について、ご紹介していきたいと思います。

エントリーシートで留学経験をどのように書こうか迷っている人、企業の面接官に「刺さる」書き方を知りたい人は、ぜひ本記事を読んでいただければと思います!

1. 留学経験はガクチカでアピールできるか

結論から申し上げますと、留学経験はガクチカで大いにアピールすることができます。

大学時代に日本を離れ、海外で一定期間滞在した経験や、現地での生活を通して様々なことを吸収したことを伝えれば、自身の行動力や目標達成能力をアピールすることができます。

ただし、「留学に行った」「海外で生活をした」という「事実」が評価されるのではなく、留学前と留学後で自分にどのような変化・成長があったのか、アピールすることが重要になります。

企業側はその学生が留学経験を企業の業務・活動でどのように活かしてくれるのか、どんな形で貢献してくれるのか知り、その学生を採用するか決定しますので、企業側の目線に立ち、エピソードの伝え方に工夫を凝らす必要があります(留学経験に関するエピソードの書き方は後述します)。

2. 留学経験をガクチカでアピールできること(評価されるポイント)

「留学経験をガクチカでアピールしたい!」と思っていても、何をアピールすればよいかよくわからない、どのようなことが企業に評価されるのか知りたい、という方も多いのではないでしょうか。

本章では、留学経験でアピールできることについて、ご紹介したいと思います!

(1)行動力や対応力

言語の異なる異国の地で思い通りに物事が進まないことが多いにも関わらず、その環境に身を置くという決断をすることで、その行動力が評価されます。

また、留学に行けば、経済的にも精神的にも自分で管理しなければならない事が多いため、そのような状況に適切に対処することができる対応力もアピールの対象となります。

常に変化に対応することが求められる企業では、様々な困難を乗り越え、どのような環境にも適応することができる人材が求められていますので、留学経験で行動力、対応力を身につけたエピソードがあれば、積極的にアピールするようにしましょう!

(2)語学力

短期留学でも長期留学でも一定期間、海外に滞在した経験があれば、現地の人との交流や大学の授業に参加することを通して、語学力が向上したことをアピールすることができます。

最も分かりやすい例としては、資格試験のスコアが伸びたことを証明することができれば、「これだけスコアが向上した」という「数値的な伸び」を企業側も知ることができます。そのため、留学前と留学後で同じ資格試験を受験し、スコアを比較することをおすすめします。

この資格試験についてですが、TOEICではなく、TOEFLやIELTSを受験することをおすすめします。

その理由は、
(1)TOEICよりもTOEFLやIELTSの方が国際的な認知度が高い
(2)TOEICがListening&Readingのみ扱っている※のに対しTOEFLやIELTSはWritingとSpeakingもまとめて総合的なスコアを出すことができるためです。

※TOEICでもWritingとSpeakingを受験することができますが、4技能まとめて受験することはできません。

ご参考までに、日系企業が求める語学力(英語)の水準はTOEIC730点以上となります。これは、英検準1級以上、TOEFL70点前後、IELTS5.5-6.0が同等のスコアとなります。

(3)協調性、コミュニケーション能力

海外で生活をするということは、国籍、人種、宗教、言語など、様々なバックグラウンドを持った人とコミュニケーションを取りながら、交流を深めるということです。

やはり、日本で日本人と交流を深めるよりも、海外でバックグラウンドの異なる外国人と交流を深めることの方がハードルは高いため、協調性やコミュニケーション能力の向上はガクチカにおける大きなアピールポイントとなります。

外国の企業とやりとりをする日本の企業にとっては、留学経験があり海外の人と円滑なコミュニケーションをとることができる人材は貴重であり、評価の対象となります。

3. 留学経験をアピールするためのガクチカの書き方(ポイントや例文も)

留学経験をアピールするためのガクチカの書き方
前章でご紹介した通り、留学経験をガクチカに書く際に、アピールするべき点についてはご理解いただけたかと思います。

続いては、実際に留学経験をアピールするために、ガクチカをどのようどのように書けば良いのか、例文と一緒にご紹介していきたいと思います!

(1)留学の概要や取り組んだ活動

まずは、留学でどのようなことに取り組み、どのような結果を出すことができたか(またはどのような力を身につけることができたか)簡単にまとめ、以下で記述することの概要を説明しましょう。

ここでは「私はこのような活動をしました」ということがわかるような概要のみ記述し、細かい情報は後で記述するようにしましょう。

例:私はイギリスへの留学中に、現地大学の授業中に行われるディスカッションを通して、語学力及び異文化理解の向上に努め、現地の外国人、留学生とのコミュニケーションを円滑に行う能力を身につけることができました。

(2)その活動に取り組んだ理由

概要を書いたら、次はその活動に取り組んだ理由や動機、きっかけなどを書きましょう。

企業としては、なぜその活動に取り組んだのかという「モチベーションの源泉」や、学生がどのような目的意識で行動しているのかを知りたいので、企業の目線に立って、記述するようにしましょう。

例:その理由は、将来的にグローバルな環境で働きたいという希望があり、そのためには留学を通して語学力や異文化理解を基盤とした「国際感覚」を身につける必要があると考えたためです。

(3)その活動において掲げた目標

次にその活動や取り組みを行うにあたって、設定した目標を書きましょう。ここでは、その目標が現実的かつ具体的なものになっているか、ということが重視されます。

仮に目標が非現実的なものになっている場合は、自分の現状と目指しているものの差を理解していないと見なされてしまいます。

また、目標が抽象的なものになっている場合、その目標達成について、留学後にどのように達成の有無を確認することができるのか、ということに疑問を持たれてしまいます。

定量的な目標であればとてもわかりやすいですが、定性的な目標であっても、その目標が現実的かつ具体的であれば問題ありません。

例:その国際感覚を身につけるために、①私はIELTS7.5を取得すること②授業内のディスカッションにおける意見交換を滞りなく行う、この2つを目標に掲げました。

(4)困難や課題

掲げた目標を書いた次は、その活動の過程で直面した困難や課題について書きましょう。困難や課題について書くことで、企業はその学生にとって感じる「困難のレベル」を知ることができます。

些細なことで困難と感じるのか、または誰が読んでも「これは大変困難だ」と感じるのか、ということを意識して書くようにしましょう。

また、次の文で記述する「どのようなアクションで課題を克服したか」と連動するように、この困難が「どのように大変だったのか」具体的に書くようにしましょう。

例:しかし、実際ディスカッションを行うと、私だけが発言できなかったり、発言しても自信を持って自分の意見を主張することができない時が何度もありました。

(5)アクションと結果

その活動における困難や課題を書いたら、(4)で書いた課題に対して、どのようなアクションを起こし、どのように解決を図ったのか、困難を克服することはできたのか、を書きましょう。

ここでは、なぜその解決策を講じたのか、またそのアクションの結果、課題を解決することはできたのか/できなかったのか、書くようにしましょう。

結果については、成功/失敗を気にする必要はなく、失敗であったとしてもその経験を経て、学んだことを次に記述すれば問題ありません。

例:ここで、私は現在の授業における練習量だけでは足りないと感じたため、大学の授業とは別に開講されている授業に積極的に参加したり、寮の友人にディスカッションの練習をしてもらうよう、協力をしてもらうように声をかけました。

(6)学んだことや現在活かしていること

その活動・経験で学んだことはどのようなことか、またそれを現在の学業や日常生活、サークル活動などでどのように活かしているか(または今後どのように活かしていきたいか)書きましょう。

活動で学んだことを活かせていれば、企業に入っても成功/失敗に関わらず、「経験を糧にする」と証明することができるでしょう。

例:その結果、大学の授業中に実施されるディスカッションで、自信を持って発言をすることができ、自身の目標であったIELTS7.5も取得することができました。この経験から、私は自分の足りない部分を理解し、それを埋めるために、自身で努力したり、周りを巻き込むことの重要性を学びました。
※ガクチカ書き方のまとめ

ガクチカを書くにあたって最も重要なことは、「再現性」です。再現性とは、同様の状況に直面した際、同じような思考と行動で問題を解決することができるか、ということです。

企業は学生のガクチカを聞いて、学生がその企業でどのように働いてくれるか、イメージします。そのため、その学生がその企業で活躍する姿をイメージできるかどうかがカギになります。

ガクチカを書く際には、自分で書いた内容がビジネスではどのように活かすことができるかを意識して書くようにしましょう!

4. 留学経験をガクチカでアピールする際の留意点

これまで、留学経験がガクチカや就職活動一般で有利に働くことについてご説明してきましたが、エピソードの内容や伝え方によっては、留学経験が高く評価されません。

本章では、留学経験をガクチカでアピールする際に、注意すべき点についてご紹介していきたいと思います!

(1)語学力向上のみでは評価されにくい

語学力向上自体は評価に値することなのですが、留学経験をガクチカに書く際に、「語学力を向上させることができました」と書くだけでは、大きなアピールポイントとは言えません。

なぜなら、今の時代、留学に行かなくとも、オンライン英会話レッスンや英語塾に通うことで、語学力を向上させることができるからです。

それでは、どのようにアピールすれば良いのでしょうか。

まず、どのような方法を駆使して語学力を向上させたのかアピールすることが重要です。現地大学での授業での発言回数を意識的に増やした、留学生用に開講されていた授業に積極的に参加した、など様々な方法があると思います。

また、語学力向上+αを書くようにしましょう。その「α」のインパクトが強ければ強いほど、好印象を与えることができます。

例えば、ボランティア活動に参加した、現地企業のインターンに参加した、など評価されるためには語学力向上に加え、特定の活動を行なっていると他の学生と差別化することができます。

(2)留学の目的や留学前後の変化、成長がない

留学経験をガクチカでアピールする際には、「なぜその留学を志したのか」「留学の明確な目的は何か」ということを問われます。

このような問いがあるのは、留学に行く人の中には具体的な目的などなく、「ノリ」で留学を決断し、特に何も達成せずに日本に帰国する人もいるためです。

そのため、どのような経緯、過程で留学に行くことになったのか、また留学前後で自分にどのような成長があったのか、説明できるように頭の中を整理しておきましょう。

「ガクチカでアピールするための留学」と捉えられてしまうと、就職活動はうまくいきません。

自分の留学にはどのような目的があったのか(例えば、語学力向上や異文化交流など)、言語化し、留学があくまで自分の目的を達成するための「手段」であることを伝えるようにしましょう!

(3)エピソードが具体的でない

エピソードに具体性がないと、ガクチカを読んでいる人からしたら「この人は嘘をついているのではないか」や「少し誇張して書いているのではないか」と感じてしまいます。

ガクチカを読んでいる人は、知り合いや友達ではなく、いわゆる話したこともない「他人」ですので、誰が読んでもわかりやすいように具体的に記述することがとても重要です。

ただ、エピソードを具体的にしすぎようとして、必要のない部分まで書いてしまうと、文字数が多すぎて書ききれなくなってしまったり、「結局何が言いたいんだっけ」という風に呆れられてしまう可能性もあります。

「具体的に」を意識しながらも、そのエピソードを書くにあたって、必要/不要な部分は何か、準備して、ガクチカを準備するようにしましょう。

5. ガクチカに関するよくあるFAQ

短期留学や語学留学をガクチカに書いても評価されるか
交換留学が評価されたり、留学に長く行った人が高い評価を得られるというルールはありませんので、短期留学や語学留学をガクチカのテーマとしても、アピールすることはできます。

ただし、長期留学や大学の交換留学に比べて、短期留学や語学留学は経験できることが相対的に少ないことは事実です。

そのため、留学中の活動のことはもちろんですが、留学で学んだことをどのように現在の生活や学業に活かしているか、に焦点を当てることが重要です。

例えば、短期留学の場合、2週間〜1ヶ月ほどしか海外で生活することはできないので、留学から帰国した後に、留学で刺激されたことを受けて、日本で国際交流サークルで活動したり、オンライン英会話を本格的に開始してみるなどの行動があれば、それをアピールすることができると思います。

または、留学前に、ある目標設定を行い、その目標を短期留学(または語学留学)でどのように達成することができたのか、未達成であればどのように改善をしたのかなどがあれば、目標達成能力を示すことができると思います。

他の活動(アルバイトやサークル活動)よりも留学経験をガクチカに書いた方が良いか
もちろん、各活動のインパクトや成果によりますが、留学経験を書くことをおすすめします!なぜなら、アルバイトやサークル活動は、ほぼ全ての学生が経験しているのに対し、留学は一部の学生のみ経験していることだからです。

留学は、異国の環境に自ら飛び込んで、様々なチャレンジに立ち向かうことで精神的に鍛えられますし、その環境が東南アジアやアフリカなど過酷な環境であればあるほど、その「バイタリティ」を高く評価されるでしょう。

特に海外に事業を展開しているグローバル企業に就職を希望する場合、海外での留学経験は「武器」としてアピールすることができますし、企業側も国際的感覚のある人材は即戦力として採用したいと考えています。

海外に事業を展開していない企業であっても、留学経験は、普段とは異なった環境に適応することを強いられますので、例えば、企業の中での異動や業務内容変更にも柔軟に対応できる、どのような業務でも責任を持って取り組むことができる、とアピールできるでしょう。

留学で語学力を伸ばすことができなかったが、留学経験をガクチカに書かないほうが良いか
結論から申し上げると、留学で語学力が伸びなくても留学経験をガクチカに書くべきです。

語学力の向上は、留学で身につけた能力としてアピールしたいポイントですが、「アピールするほど伸びなかった」と感じる人もいるかと思います。

もちろん、語学力があるに越したことはありませんが、新卒採用の場合、多くの日系企業は学生のスキルや能力ではなく、「この人には伸びるポテンシャルがあるか」という「ポテンシャル採用」形式のため、語学力を十分にアピールできなくても、「自分はこのように目標に向かって努力することができる」ということを証明することがとても重要です。

または、留学中に語学力が伸びなくとも、帰国後に「英会話に力を入れた」や「大学の英語の授業を進んで受講した」などの「行動」があれば、それをアピールすることができると思います。

その他にも、語学力以外で、留学を通して身についたことがあれば、それをアピールすることで、語学力がアピールできなくとも、カバーすることができると思います。

6. 終わりに

本記事では、自身の留学経験を「ガクチカ」でアピールすることができるのか、また留学経験を使ったガクチカの書き方について、解説しました!

留学経験自体が評価の対象になることは少ないため、留学で得たことや学んだこと、留学を経て自分がどのように成長したのか、を積極的にアピールできるように、準備をしていきましょう。

バビ / 元DMM英会話講師
バビ / 元DMM英会話講師
早稲田大学政治経済学部政治学科 卒業

【資格】
・英検1級
・IELTS7.5

【経歴】
学生時代に英国へ留学。帰国後DMM英会話講師として、英会話及び文法を含む英検対策も実施しておりました(約2年間)。

現在は翻訳業、通訳業、執筆、企業講師など行っております。
お仕事のご相談はこちら→shunbb9201アットマークicloud.com

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