奨学金の申請先としてよく名前があがるJASSO。留学に向けて奨学金の申請をしたいけど、選考に通るのは難しそうと諦めていませんか。
奨学金申請は、事前準備をしっかりすれば合格率を上げることが可能です。
今回は、JASSOの海外留学奨学金を得た経験のある執筆者が、JASSO奨学金の概要や選考通過のコツについてお伝えします。
海外留学にJASSOの奨学金申請を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
奨学金の倍率は種類や年度によって異なりますが、2倍〜5倍程度になっています。最後のFAQの箇所でURLを記載しています。
目次
日本学生支援機構(JASSO)とは
JASSOは、若者の学びを支援する独立行政法人です。
主に、
①日本人学生が国内外で学ぶための奨学金
②留学生支援
③学生生活支援
の3つの事業を展開しています。
JASSOの奨学金にはどのようなものがある?
JASSOは、日本人学生を対象に、国内外の進学にかかる学費や生活費を支援する奨学金を提供しています。奨学金には、返済が必要なものと返済の必要がない給付型のものがあります。
返済が必要な奨学金には、返済に利子のつかない第一種奨学金と利子のつく第二種奨学金があります。このほかに、入学時の一時金として、利子つきの入学時特別増額貸与奨学金を支給しています。
「JASSO海外留学のための給付型奨学金(返済不要)」とは
本記事では、海外留学を対象とした返済不要の給付型奨学金に焦点をあてて解説します。
「JASSO海外留学のための給付型奨学金」にはどのような種類がある?
JASSOの海外留学を対象とした給付型奨学金には、下記の4つがあります。短期留学、学士留学、修士や博士課程の留学など用途に応じて最適な奨学金を選びましょう。
奨学金 | 概要 | 給付額 | 給付期間 |
海外留学支援制度(協定派遣) | 日本の大学等が海外の大学等に 在籍する学生を派遣する際に奨学金を給付する。 |
渡航支援金:32万円 奨学金:月額6~10万円 |
8日以上1年以内 |
トビタテ! 留学JAPAN |
海外留学をする高校生や大学生に 奨学金を支給する。 |
奨学金:月額60,000 円~160,000 円 留学準備金:150,000 円~250,000 円 授業料:300,000 円 |
特になし |
海外留学支援制度 (学部学位取得型) |
海外の大学に学士の学位取得を目指して 留学する学生を対象に奨学金を給付する。 |
奨学金: 月額5万9,000円〜11万8,000円 授業料:年度250万円を上限とする実費額 |
原則4年 |
海外留学支援制度 (大学院学位取得型) |
修士または博士の学位取得を目指して海外に留学する学生等を対象に奨学金を給付する。 | 奨学金:月額8万9,000円~14万8,000円 授業料:年度250万円を上限とする実費額 |
修士は2年
博士は原則3年 |
「JASSO海外留学のための給付型奨学金」にはどのような人が応募できる?
海外留学を対象とした給付型奨学金の応募要件を、2022年11月時点で掲載されている募集要項をもとにまとめました。
下の表のとおり、奨学金によって応募できる対象年齢や家計基準、英語スコアや大学等での成績が異なります。最新の情報は公式サイトの募集要項で必ず確認してください。
奨学金 | 対象年齢 | 家計基準 | 必要な英語スコア | 必要な成績 |
海外留学支援制度(協定派遣) | 大学等に 在籍している学生 |
経済的理由により自費のみでの派遣プログラムへの参加が困難な者 他の奨学金との併給可否は要確認 |
特になし | 学業成績が優秀で、 人物等に優れている |
トビタテ!留学JAPAN | 30歳以下 の学生 |
JASSOが実施する国内の奨学金「第二種奨学金」に掲げる家計基準を満たす者 | 特になし | 特になし |
海外留学支援制度(学部学位取得型) | 応募時に日本に在住し、高校等卒業後、海外にある大学で「学士号」を取得する課程に直接進学する者 | 家計支持者の所得金額(父母が共働きの場合は父母の合算額)が、2,000万円以下である者 | TOEFL iBT (Internet-based Test)の得点が80点又は IELTS 6.0(Academic Module Overall Band Score)以上 |
応募時までに在学した全ての高等学校等における全履修科目の評定平均値が、5段階評価で3.7以上 |
海外留学支援制度(大学院学位取得型) | 修士は35歳未満 博士は 40歳未満 |
支援期間開始時から終了時までの間に、大学、企業等に雇用されていない者 | TOEFL iBT(internet-Based-Test) 100点、又は IELTS 7.0(Academic Module Overall Band Score)以上 |
大学学部以降の直近の成績について、総在籍期間における累積GPAが3.00(最高値を4.00とした場合)以上 |
「JASSO海外留学のための給付型奨学金」の申請フローは?
海外留学支援制度(協定派遣)とトビタテ!留学JAPANは、在籍している大学等を通じて応募する必要があります。具体的な応募方法やスケジュールは在籍している大学等に確認してみてください。
海外留学支援制度(協定派遣)は、在籍大学等が支援対象学生の選考を行います。大学側が提示した支援対象学生の承認可否は、JASSOが決定します。
トビタテ!留学JAPANは、在籍大学等の指示に従ってオンラインで応募する必要があります。第一次審査は書類審査、第二次審査は面接審査が実施されます。
海外留学支援制度の(学部学位取得型)と(大学院学位取得型)は、毎年9月頃に募集要項が公開され、10月中旬に応募が締め切られます。
応募はオンラインシステム上での受付となるため、事前登録を済ませておきましょう。第一次審査は書類審査、第二次審査は面接審査が実施され、合否は3月頃に通知されます。
海外留学の奨学金をもらうコツ
給付型の奨学金をもらうには、選考に通過する必要があります。選考を通過するには、常に最新情報を入手し、応募に必要な英語スコアや大学等の成績のアップに努めることが大切です。
奨学金支給団体のメーリングリスト等に登録する
奨学金の説明会や申込時期等の最新情報を常に確認できるようにしましょう。
奨学金を提供している団体のメーリングリストに登録するほか、奨学金情報などを発信している人をSNSでフォローするのもおすすめです。
応募書類を早めに揃える
奨学金の申請には多くの書類を揃えて申し込む必要があります。締め切りギリギリになって焦らないためにも、過去の募集要項等をあらかじめチェックして、準備を早めに進めましょう。
特に推薦状が必要なケースでは、大学の教授や会社の上司にお願いしなければいけないため、時間がかかります。
必要な英語スコアをとる
奨学金の応募には必要な英語スコアが定められているケースが多いため、早めに必要なスコア基準を満たすことに注力しましょう。語学試験の結果を受け取るのに日数を要することもあるため、注意してください。
JASSO以外の奨学金も探してみる
JASSO以外にも、他に活用できそうな奨学金がないか情報収集をしましょう。いくつかの奨学金に申し込むことでチャンスが広がります。執筆者もネット上で当初応募を予定していなかった奨学金を見つけて、給付してもらえた経験があります。
ただし、併給ができない奨学金もあるため、事前に募集要項をしっかり読みましょう。
先輩や大学の関係者とコミュニケーションをとる
奨学金を受給した経験のある先輩や、奨学金情報に詳しい大学の事務員や担当教授など、有益な情報を持っていそうな人には積極的に話を聞きましょう。
面接の雰囲気等、経験者からしか得られない情報もあります。大学の事務員に奨学金申込みの意志をあらかじめ示しておくと、手続きの際に気にかけてもらえるということもあるかもしれません。
執筆者は、大学の教授に相談して、奨学金の申込書に添付する研究計画書等にアドバイスをもらいました。
自分に付加価値をつける
奨学金の選考に通るには、募集要項にある応募要件を満たすだけでなく、なにかアピールできるポイントを作ることも大切です。
短期海外留学や学会での発表等、学生生活でできることを日頃からしておくと応募書類や面接の際にアピールできます。
返済が必要な奨学金で免除を狙う
給付型の奨学金選考に漏れてしまった場合、JASSOの返済が必要な第一種奨学金に申込み、返済免除を狙うというのもありです。実際に執筆者はこの方法で、国内進学の際の奨学金免除を受けられました。
大学院での成績が良く、学会発表、短期海外留学、ボランティア等の経験があると、返済免除の確率が上がります。詳しくは、JASSOの公式サイトを参照ください。
よくある質問
>>トビタテ!留学JAPAN:2.2倍(2021年度)
>>学部海外留学支援制度(学部学位取得型):4.9倍(2022年度)
>>海外留学支援制度(大学院学位取得型):3.7倍(2022年度)
大学院の入学許可は、奨学金の支給開始時までに得る必要があります。入学許可は「条件付」のものは認められず、条件のない入学許可である「無条件入学許可」を得なければいけません。入学許可の証明として、入学許可書をJASSOに提出する必要があります。
奨学金をもらって海外留学しよう!
奨学金を活用すれば、将来の選択肢が広がります。海外留学の心配事が経済面ならば、まずは、応募してみることをおすすめします!すぐに応募しなくても、各奨学金の募集要項をチェックすることは、将来のキャリアプランを考える良い機会になります。
早いうちから目標を定めて準備をすれば、給付型奨学金の取得チャンスもグッと上がるでしょう。
海外留学で使える奨学金一覧はこちら。
>>海外留学で使える奨学金9選【返済不要】高校生・大学生・社会人まで