
セブ市長に当選したトーマス・オスメニャは就任したらまず、「昨年デベロッパー3社に売却されたサウス・ロード・プロパティーズ(South Road Properties:SRP)内の45.2ヘクタールの土地の売却をなかったことにしたい」と語りました。
昨年、市がアヤラ・ランド-セブホールディングス(Ayala Land-Cebu Holdings Inc.)とSMプライム・ホールディングス(SM Prime Holdings Inc.)の合弁企業、フィリンベスト・ランド(Filinvest Land Inc.)に許可したこの売却はおかしいと彼は考えています。
と、バランガイ・グアダルーペにある自宅での記者会見でオスメニャは話しました。
この件に関しオスメニャは、裁判での解決は時間がかかりすぎるとして、選挙管理委員会に市民投票かもしくは特別な選挙を行うよう要請しました。
前市長は「この売却を進めるかどうか決めるのは市民である、SRPを所有するのは彼らだ」と話しました。
入札時は「独占権」があったため、オスメニャにとってSRPの売却は異例に思えました。デベロッパーたちはどの部分を購入するか同意していたと言われています。
「この売却計画を黙認した罪で、私は(市長のマイケル)ラマも含め全員を告訴します」と彼は言いました。
嫌がらせ
コメントを求められたラマは、7月1日から市議会の多数を占めることになるチームラマの議員たちと話し合います、とコメントを出しました。
「黙認しているのは彼の方です。公開入札で売却が決まるという時にどうやって黙認できるのでしょう?また何かやりたい(騒ぎを起こしたい)と思っているだけです。 彼のやり方は変わっていません。 ずっとあーだ、こーだ、っと言っていたいだけなのです。」とラマは言いました。
この45.2ヘクタールの土地に対し公開入札を市が行ったのは、昨年6月30日のことでした。
その中の26ヘクタールはアヤラとSMの合弁企業が買い取り、残りの19.2ヘクタールはフィリンベストが購入しました。
彼らは1平方メートルあたり35,000~38,000ペソで買い取ったと言われています。この売却は167.6億ペソで決定しました。
8月には市が50%の前金をデベロッパー3社から受け取っており、その額は83.5億ペソに上ります。残りの50%は今年からの3年間の間に支払われることになっています。
ぎりぎりの財政
では、すでに支払われている額はどうなるのでしょう?
オスメニャは、この件と市民投票についてしっかりと議論する時間を市民に与えることが最重要事項だと話します。
市は、今年の年間予算134億ペソの足しにするため支払い額の一部をすでに使ってしまっています。このうち45億ペソがSRPの売却から来ていると市は認識しています。
「もう市には現金は残っていないので、そこはどうにかしなければなりません 。80億ペソを取ってしまったら破産してしまいます。わかりませんが、どうなるかはまた後で見えてくるでしょう。とりあえず、なんとかしなければなりません」と彼は言いました。
2015年12月31日時点のキャッシュフロー明細を見てみますと、市は銀行に70.5億ペソを所有しているとされています。
オスメニャはとりあえず、ポンドFの1.5ヘクタールを売って当面の収入を確保したいと話しています。
「これによってSRPが今どれくらいの価値があるのかを大衆に示すことができます。」とオスメニャ氏。彼は、1ヘクタールあたり10億ペソの価値はあるだろうと推測しています。
闘い
市民投票について選挙管理委員会7のディレクター、ホセ・ニック・メンドロス(Jose Nick Mendros)は、現地自治体条例の定めるところにより、票集計の体制などは可能 だと言います。
「それについて 彼らはまず法案を作成し、市民から支持をもらわなければならない。そうすれば 選挙管理委員会がそれを遂行する、ということです」と彼は言いました。
オスメニャは、アヤラ、SM、フィリンベストとは闘えないので市民投票の方がよいと話しています。この3社について彼は「その気になれば弁護士を5,000人雇える」巨大企業だと語りました。
「この闘いは私のためではありません。これはセブ市民のためなのです」。
彼はまた、7月1日から始まる、チームラマが多数を占める議会とも協力していく意向を示しています。政党に限らず、何名かの議員には重要なポストを与えるとも口にしました。
しかしオスメニャは、チームラマもバンドゥ・オスメニャ・プンドック・カウスワゴン(Bando Osmeña Pundok Kauswagan) 議会も、得することは何もない、と語ります。「それぞれが何をしたいと思うか、そして何ができるのかが問題です」。
オスメニャが重要権力を与えようとしている議員には、マリー・アン・デロス・サントスも含まれています。
彼女はセブ市医療センター(Cebu City Medical Center:CCMC)のことを全て取り仕切っています。
彼女がボスだ
「マリー・アンは、セブ市医療センターに関して言えばセブ市長のようなものです。彼女がボスであり、私に指示をします。医療に関わる書類は、彼女のイニシャルがなければ私は署名しません」と彼は公言しました。
セブ市医療センターの建設継続もデロス・サントスにかかっていますが、オスメニャが言うには彼女は新しい病院を建設したいと願っているそうです。旧セブ市医療センターは、2013年10月に発生したマグニチュード7.2の地震で被害を受け、その後解体されています。
デロス・サントスは、以前チームラマに属していましたが離党し、オスメニャ側へつきました。2014年のセブ市医療センターの第一回入札が失敗に終わると、彼女とラマの関係はぎこちないものへと変わっていったのです。
病院の運営を停止しなければならない可能性について、オスメニャは「デロス・サントスもまたこの市所有・運営の病院施設を止めたくないと思っている」と話しました。
ではセブ市医療センターの職員はどうなるのでしょう?
「保証のことは全く気にしません。海にでも投げ入れてやりますよ。それでおしまいです。もううんざりだ」
公金流用や汚職はセブ市医療センターの建設現場にはないが、病院内の何人かは関わっている、と彼は断言しました。
プランB
昨年、1,200万ペソの医療予算がグバ・コミュニティ・ホスピタルに充てられたが、そこから恩恵を受けた人は誰もいなかった、とオスメニャは例を挙げました。
彼はまた、ベッドの数が減っているのにセブ市医療センターの運営になぜ年間2億7,000万ペソもかかるのかを疑問視しました。旧セブ市医療センターが400床で運営していた時と予算は一緒だと指摘しています。
病院の事情がうまくいかなくなったらプランBがあるとオスメニャは言います:貧しい人々にはフィルヘルス(Philhealth:健康保険)の保証を与え、他の病院に行けるようにすることです。
これには少なくとも、1,600万ペソかかると言います。
しかし、フィルヘルスの恩恵は限られていますので、追加で2億ペソを投入し患者が10万ペソまでカバーされるようにするつもりです。
「フィルヘルスへ行くことはつまり、医療サービスを外注しているのと同じことです」と彼は言います。
オスメニャは、チームラマ一色に染まった議会でも何の問題もないと強調します。「私にとっては何の問題でもありません。私は誰とでも話をします。そして誰にでも手を差し伸べます、しかし全ての人にではありません。私は合理的な人間ですから」と彼は話しました。
参照元:http://www.sunstar.com.ph/
http://www.sunstar.com.ph/cebu/local-news/2016/05/12/cebu-city-mayor-elect-osmena-stop-2015-srp-sale-473140
翻訳:ニーナ
コメント
SRPの土地については以下。
参照:セブ島3大開発エリア比較「SRP・SMシーサイドVSロビンソンガレリアVSマクタンニュータウン」
元々セブ島の新しい収益源のために計画されたSRP、それを前のラマ市長が私欲のため、各大手企業や国に(破格の値段で)売り飛ばしてしまった事が大きな問題になっているようです。
売って、しかもそのお金使っちゃったもの「やっぱり、なかったことに!」なんて出来るのでしょうかw 今後のSRPの行方が気になります。
ちなみに、SRPの開発費は元値+35年ローンで利率が4.2%らしいです。
▶Interest of City’s SRP loan fixed for 35 years at 4.2 %
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