「突然、仕事で英語を使うことになってしまった、どうしよう……」
英語なんて話したことないのに、突然使うことになったビジネスマンは多いです。
記事を書くわたしも、その一人でした。
英語を使って3社の外資系に計15年勤務
英語学習は社会人からスタート、数えきれない失敗を経て10年かけて習得
アメリカ人の同僚から、ネイティブレベルとお墨付きをもらう
当時、高校生までしか英語を勉強してなかったわたしは、社会人となり突然の英語の環境に戸惑いばかりでした。そもそも何から勉強したらよいかも分からず、手探りの日々。学習を始めて10年ほど経つまで英語に自信が持てませんでした。
記事を読むあなたも、英語の学習は学生までで、何から手を付けたらよいか迷いませんか?
本記事では、英語ネイティブレベルとなった筆者が、一から英語学習を始めるあなたのために、英語学習のロードマップ 5ステップを紹介します。
社会人のやり直し英語最短5ステップ
ステップ① 中学英語の復習
はじめに中学英語の復習をしましょう。なぜなら、中学英語は全ての基礎だからです。中学英語は、日常会話でもビジネス英語でも頻繁にでてきます。
実際に、筆者であるわたしは毎日英語を使いますが、ほとんどの会話を中学英語レベルでこなしています。逆にいうと、中学英語なしでは聞くことも話すこともできないです。理由は、英語の基礎が何もないからです。
中学英語の何を勉強すればいい?
具体的に中学英語の何を勉強すればいいのか、これらを勉強してください。
・中学1〜3年の文法
・中学1〜3年の単語
3年間の文法と単語はボリュームが多いように感じますが、過去に学んだことなので、結構覚えてますよ。文法なら、Be動詞から始まります。単語ならBook、Penなど簡単な単語がほとんどです。そのため、2ヶ月程度で全て完了することができます。
どう勉強すればいい?
何を勉強すればいいか分かりましたね。
しかし、どのように勉強したらよいか分からない人も多いでしょう。
勉強には教材が必要です。教材は本を買いましょう。本はとりあえずAmazonなどのサイトで、レビューの高いものを買えば間違いないです。
理由は、中学英語の内容はどの教材も同じだからです。
また、たくさん買う必要もありません。文法と単語でそれぞれ1冊ずつあれば十分です。中学英語は基礎固めなので、2ヶ月くらいの短時間で終わらせるようにしましょう。
ステップ② シャドーイング
中学英語で英語の基礎を学びました。しかしビジネスでは、リスニング・スピーキングなど会話の能力が必要です。
「会話と言えば英会話か!」
そう思う人もいますが、ちょっと待って、いきなり英会話を始めても大半の人は話せません。
理由は、初めて扱う言語をいきなり口から出せないからです。まず、新たな言語を口から出す、ということに慣れる必要があります。
口から英語を出す、というステップを飛び越える人が多いので、英会話で挫折する人が多いです。
口から英語を出す一番最適な学習方法は、シャドーイングです。
シャドーイングとは
シャドーイングは、聞いた英語を瞬時に口から出す訓練法。シャドーイングをすることで、口から英語を発することに慣れます。また、通常のリスニングより注意深く聞くので、リスニング力も向上します。筆者は2ヶ月程度で、リスニング力が劇的に上がりました。
わたしがシャドーイングを知ったのは、英会話中級レベルになってからです。英語学習を始めて数年たったころですが、リスニング力が劇的に上がりました。
あまりに効果的な学習法で、「シャドーイングを最初にやっていれば、スピーキングもリスニングももっと速く上達したな……」と驚いたくらいです。
シャドーイングは種類がある
「英語を聞いて瞬時に口から出すなんて、難しすぎるよ!」
安心してください。シャドーイングには順序があって、誰でもできるように工夫されています。
・リスニング
・マンブリング
・シンクロリーディング
・プロソディシャドーイング
・コンテンツシャドーイング
一つ一つ解説していきます。
■ リスニング
いきなり英文を聞いてすぐ、口から発するのは難しいでしょう。最初は英文をただ聞くだけでOKです。
聞くだけでも、実際のシャドーイングには効果があります。聞くだけで、何となく英語の音や知ってる単語が頭に入るので、シャドーイングがやりやすくなります。
■ マンブリング
マンブリングとは、聞いた英語を口でぶつぶつ言う練習法です。ぶつぶつ言うレベルなので、間違えても全然OK。聞いた英語の雰囲気をぶつぶつ言えばいいだけです。
マンブリングをすることで、自然と脳が英語のスピードについて行こうとします。いきなりシャドーイングをするより、追いつこうとする感覚を覚えることで、スムーズにシャドーイングができるようになります。
■ シンクロリーディング
シンクロリーディングとは、英語を聞くだけでなく、文章を見てシャドーイングする方法です。
マンブリングまで練習しても、まだシャドーイングは難しいでしょう。シンクロリーディングをすることで、文章を見て覚えられるのでシャドーイングに効果的です。
文を覚えてしまったら、シャドーイングの意味がなさそうに思えますが大丈夫。なぜなら覚えることで、次に同じ文章や単語に遭遇したら100%聞けるようになるからです。
■ プロソディ・シャドーイング
ここからようやくシャドーイングです。プロソディ・シャドーイングとは、英文の音、リズム、速さなどの聞いた音声になるべく近いかたちで、英語を発する練習法です。
プロソディック(Prosodic)、日本語で「韻律の〜」という意味からきています。聞いた音を再現することで、リスニング・スピーキング・発音の3つが効果的に鍛えられます。
■ コンテンツ・シャドーイング
最後にコンテンツ・シャドーイングです。ここまで英文の意味は置いておきましたが、コンテンツ・シャドーイングでは英文の意味も感じ取りながらシャドーイングします。プロソディ・シャドーイングで行った音の再現も同時に行います。
難しく感じるでしょう。しかし、ここまで何ステップにもわけて英語を口から発してきたので、問題なくできますよ。
最初は中学1年レベルの文章でもOK
シャドーイングについて5ステップの練習法を紹介しました。
しかし、いきなり難解な文をシャドーイングするのは不可能です。そう聞くと「どのくらいのレベルが初心者に適切なの?」と、疑問に思うでしょう。
最初の一回目は、中学1年レベルで十分です。
理由は、中学1年レベルでも最初は難しいからです。しかし同じ文章を1〜2週間続けることで英文に慣れます。完璧になったら、中学2年レベルに進むなど、こちらもステップを踏んで進めると効率的です。
ネットでシャドーイングの本を調べると、初心者向けの教材があるのでおすすめです。評価が高いものを選べば、ほぼ間違いありません。
シャドーイングについての詳しい内容はこちら。
→ゼロからわかる【シャドーイング】勉強法・教材・効果を出す正しいやり方
ステップ③ 英会話
ようやく英会話です。中学英語の文法・単語で基礎を、シャドーイングでリスニング・スピーキングを鍛えたので、英会話を始めても喋れないことはないでしょう。
一口に英会話と言っても、やり方はたくさんあります。参考に紹介するので、自分にあった方法を選んでくださいね。
・英会話
・オンライン英会話
・外国人の友人をつくる
・外国人の恋人をつくる
・英会話カフェ
一つずつおすすめの理由を説明します。
英会話
はじめは英会話です。オンライン英会話ではなく、店舗型の通うタイプです。NOVAやECCなど、たくさんありますよね。
英会話のメリットは、対面で外国人から学ぶので外国人に慣れるという点が期待できます。わたしも1年半ほど通いましたが、対面で外国人と話すことに慣れ、臆することがなくなりました。
デメリットは、月額が高いことと、通うのが大変という点です。
オンライン英会話
オンライン英会話は、昨今英会話学習の主流になっています。わたしの同僚も受講していますが、いつでもどこでも手軽にできるのが便利です。月額も一般の英会話に比べれば安いので、金銭的負担も少ないでしょう。
デメリットとして、対面で話さないので身振り手振りなどに頼れないことです。確実に相手に英語で伝える必要があります。
外人の友人を作る
次に外国人の友人を作ることです。英語圏の友人がいれば、無料で英会話ができます。友人でなくても、同僚でもOKです。会社に外国人がいれば毎日会えるので、話しかければすぐ英会話がスタートできます。
デメリットとして、どこで外国人と出会えるのかです。プライベートで外国人と知り合う機会は少ないので、ハードルは少し高いです。会社で出会うにしても、外資系などに行く必要があるでしょう。転職しないと達成できないので、こちらもハードルが高いです。
外国人の恋人を作る
英会話をすぐ上達させたいなら、外国人の恋人を作るのが一番速いです。
理由は、恋人関係は信頼が一番大事だからです。言葉が通じないと信頼関係は構築できないので、コミュニケーションは必須。そのため英語は確実に必要です。
デメリットは、友人と同じくそもそもどこで出会うのか、ということでしょう。
しかし今の時代、出会う方法はたくさんあります。例えば繁華街で出会うとか、外国人と出会うパーティーに行くとか、ネットにさまざまな方法が解説されているので、調べてみてください。
英会話カフェ
最後に英会話カフェです。毎月お金を払いたくないし、友人や恋人を作るのもハードルが高い。そんな人におすすめです。
英会話カフェは、一人の外国人を囲んで英会話するカフェです。初級者から上級者まで、さまざまな人がいます。
デメリットは、英会話上級者がいると、上級者がたくさん話して時間が終わってしまうことです。昔、経験したことがあります。
関連記事:【英会話カフェ】東京都内中心のおすすめ英会話カフェ10選
ここまで5つの方法を紹介しましたが、ポイントは外国人と話すことです。それだけなので、他にも自分に合う方法があれば試してみてください。
ステップ④ 実務で使う
実務で英語を使うのは英会話の次、というよりは並行して進めたい項目です。
本記事を読むあなたの最終ゴールは、仕事で使えるようになることですよね。であれば、実務で英語を覚えるのが一番手っ取り早いです。実務に即した英語を学べます。
英会話だけで仕事に使える英語を学ぶのは困難です。理由は、英会話ではビジネスのような会話をしないためです。
英会話では会話はしますが、仕事に必要な説明・交渉・同意などの人に何かを納得してもらうようなコミュニケーションはしませんよね。
しかし仕事では、英語を使って人に何かをしてもらう必要があります。そのため、早い段階で実務で英語を使っていくことが、英語習得の近道なのです。
またビジネスで使う表現や単語も、実践から学んだ方が効率的です。わたしもたくさんの表現や単語を仕事から覚えました。
「なんて意味だろう?」と思えばすぐ調べ、「こんなときに使うんだ!」と感じたら、すぐ真似をするようにしています。そうすることで、仕事で使う英語の引き出しが増え、どんどんビジネス英語に磨きがかかるのです。
ステップ⑤ TOEICの学習
最後にTOEICの学習です。ステップ④まで学習を進めれば、かなり英語力が向上しています。さらに英語力を鍛える意味で、TOEICに挑戦することは適切でしょう。
理由は、TOEICはビジネス英語が主体で、学習することで間接的にビジネスで使える英語が学べるからです。また転職に有効なTOEICのスコアも取得できます。本業のキャリアアップも、転職というステップアップも叶うので、一石二鳥ですよね。
一つTOEICの学習でおすすめしないのは、会社からTOEICの点数を求められたから、転職で必要だから、という自分以外から強制される場合です。かなりの確率で、英語学習のモチベーションが下がります。
理由は、TOEICはすぐに点数が上がらないからです。
わたしもTOEICの点数が700点を超えるまで、7年以上かかっています。そもそも勉強の頻度自体少なかったですが、自分で受けようと決める以外に、受験はしません。解説のとおり、他者から強制されて勉強するのは楽しくないからです。
ある程度、英語の下地がついて、延長線上でTOEICを受けるのが一番効率的でモチベーションも下がりません。これがおすすめの方法です。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございました。まとめです。
【ステップ① 中学英語の復習】
英語の基礎は中学英語。中学英語なしでは英語は扱えない。
勉強する項目
・中学1〜3年の文法
・中学1〜3年の単語
・文法と単語でそれぞれ1冊ずつあれば十分
【ステップ② シャドーイング】
シャドーイングをすることで、英語を口から発するのに慣れ、英会話をする際に英語が話せないことがなくなる。最初は中学1年レベルの文章でもOK
【ステップ③ 英会話】
中学英語とシャドーイングを経て、スムーズな英会話が可能になる。
【ステップ④ 実務で使う】
ビジネス英語は英会話だけでは学べない。仕事で英語に触れ、実践で学ぶのがもっとも効率がよい。
【ステップ⑤ TOEICの学習】
英語学習のさらなる強化として、TOEICがおすすめ。TOEICはビジネス英語のため、仕事ですぐ使える英語も学べる。
英語学習ロードマップとして、最短で戦力になれる学習方法を紹介しました。
しかし英語習得で重要なことは、楽しんで学ぶことです。理由は、言語学習というのは勉強というよりトレーニングの側面が強いためです。
わたしは、英語はスポーツのようなものだと思っています。英語は感覚的な要素が多く、サッカーのリフティングのように、最初からできる人はいないのです。
実際に、英語習得には1,000時間以上の学習時間が必要と言われています。
そんな膨大な時間、仕事のためと割り切っても絶対に学習は続きません。わたしも含め多くの英語力が高い人材は、学習というより趣味の領域で習得した人が多いです。
歌や映画など、楽しんで英語と触れ合った結果、話せるようになったという人ばかりです。
英語は何にでも掛け合わせられるので、あなたの趣味に合わせて英語を取り入れてみたらどうでしょうか?
その他、独学英語勉強法はこちら
→独学英語勉強法一覧
社会人のやり直し英語に関するQ&A
・中学1〜3年の単語
これらをやりましょう。文法と単語でそれぞれ1冊ずつあれば十分です。中学英語は基礎固めなので、2ヶ月くらいの短時間で終わらせるようにしましょう。
・リスニング
・マンブリング
・シンクロリーディング
・プロソディシャドーイング
・コンテンツシャドーイング