先日、VERSANT(ヴァーサント)という社会人向けの英語スピーキング資格試験を受講してみました。
スピーキング試験は色々ありますが、VERSANTは結果がすぐに出て、かつ正確な英会話力を測れることで最近話題になりつつあり、英会話スクールや企業で取り入れられる所が増えてきています。
そんなVERSANTで高得点を出そうと思ったら、自習だけでなく、英会話に慣れる必要があります。現在、国内の主流の英会話といえばフィリピン人とのオンライン英会話ではないでしょうか、その時によくあるの心配事が以下の話です。
「フィリピン人から教わっても英会話力は伸びないのではないか?」
「発音がフィリピン訛りになるのではないか?」
未だにネイティブ英語を重要視する方は、こういった理由からフィリピン人から英語を学ぶ事に抵抗があることでしょう。
そこで、純度の高いフィリピン仕込みの英会話といえば私です!
私の英会話力は、2012年のフィリピン留学4ヶ月と2013年のオンライン英会話半年で支えられています(ほぼ全てフィリピン人から習いました)。
むしろその時期以外で、自習含めて英語学習を頑張った記憶がありません!
数年前にハワイ留学もしましたが、留学期間は語学学校へ2週間程度です。
そんな私がTOEICではなく、英会話のテストで何点とれるのか?
今回は実際に初めてVERSANTのテストを受けてみた感想と、結果、受け方、そして点数を上げる方法を詳しくご紹介します!
「VERSANTとは」についてはこちらの記事を御覧ください。
関連記事:英語資格試験【VERSANT】で目標設定を!日本人平均、海外赴任のスコア目安付き
数年でTOEICからVERSANT(ヴァーサント)になる!?
2020年時点でVERSANTは一部の法人や英会話スクールなどで、導入されていますが、TOEICののように日本で浸透しているとは言い難いです。
しかしながら、実際に受験を受けた限り、私個人としては今後かなり注目される試験になるだろうと思いました(TOEICに取って代わるとは思いませんが)。
そもそも、英会話力を測る試験にはいくつかの問題点があります。まずはなんと言ってもTOEIC LRがありますが、これが英会話においてあまり指標にならないのは言うまでもありません。
スピーキング力を測るテストとして有名なのは英検、TOEIC SW(スピーキング&ライティング)、IELTS、TOEFLなどがありますが、どれも受講を申し込みしてから受講、テスト結果が返ってくるまで、タイムラグがあります。
申し込みは相当前に行わないといけませんし、試験会場に行くのもめんどくさいですし、試験会場についてからも何か色々ルールがあってそれに合わせなければいけません。更にそれらの試験を受けたとしても、国内就職ではあまり評価されない・・・となれば受ける理由がありません。
VERSANTが違うのは以下3点です。
1. VERSANTはスマホ、パソコンがあればどこでも受験ができる
VERSANTはコロナ禍で外に出かけるのが億劫になっている方々や、そもそも資格試験のためにわざわざ出かけたくない、電車乗りたくない、元々人混みが嫌いな方に最適な試験です。
スマホかパソコンがあれば、パジャマ着て寝っ転がりながら受講しても、全く問題ありません。
また、オンラインのため海外在住の方でも受講ができる点も、海外組にはありがたいです。
2. 最短翌日テスト、30分以内で点数がわかる
これも今までの試験とは大きく異なります。今までのスピーキング試験は受験を決める数週間前に申し込みをして、受験票をもらって、受験会場にいかなければいけません。(IELTSはネット受験が出来るみたいですが)。
試験結果も最短1週間、長ければ結果をもらうまでに1ヶ月かかりました。
VERSANTなら受験申し込みをして最短で翌日、結果は10分程度で出てきます。忙しいビジネスパーソンやせっかちな人にとっては最適の英語試験です。
3. 点数が正確に英会話力を反映している
「そんなに早く点数が出て、結果は正しいの?」と思われるかもしれませんが、受験した限り、VERSANTの結果はかなり正確です。
この表は一般的によく見られる図表です。CEFR(セファール)とTOEICに注目してください。B2で785点〜、C1が945点となっています。
しかし、この表はVERSANT基準からするとかなり甘く作られています。
なぜならVERSANTによると(*法人用の資料)、TOEIC800台の平均スコアは46.8点でギリギリA2+〜B1付近、900点〜990点の平均でさえ53.8点のB1+です(日本人の平均は38点)。
つまり、TOEIC945点以上の方でも、C1どころかB2も少数はという結果になっています。なので、TOEICが高いからCEFRもこのぐらいだろうと思っていると痛い目をみるという事になります。
逆に言えばTOEICの点数が高くて英会話ができない方もいらっしゃると思いますが、それは決して少数派ではなく、むしろ当たり前ととらえても問題ないぐらいです。
法人向け資料の中にはTOEIC990点を取っているにも関わらず、VERSANTは47点の例もありました。さすがにこれは極端な例だとは思いますが、そのぐらいTOEICとスピーキングは乖離しているという事です。
ちなみに、ではどちらの基準が本当のCEFRに即しているのかといえば、VERSANT側の厳しい基準の方が海外留学や大学、業界でもスタンダードといえます。
関連記事:CEFR(セファール)とは?文部科学省が作成した英検、TOEICとの相対表つき
VERSANT(ヴァーサント)の受け方
VERSANTは公式サイトから申込みをします。
2つの会社に委託していますが、どちらでも問題ありません。
申込後にすぐに受講できると思っていたのですが、私の場合は1日後にメールで受験票が送られてきて、そこからアクセスをして受講します。
*5営業日以内が基本なので、金曜日に申し込みをしたら月曜日以降になります。
VERSANTを受ける方法は2パターン、ネットに繋いでパソコンから受講するか、スマホのアプリをダウンロードしてそこから受講するかです。
VERSANT側からはスマホのアプリを推奨されます。
ちなみに、 ブルートゥースのイヤホンやヘッドホンは推奨されていません。恐らく途中で途切れることを懸念してだと思われます。
PDFに受験番号が書かれている。また最初の1問目の問題文章があるので予め練習しておきましょう。(PARTAの部分は白で塗りつぶしています)
VERSANTのテストにかかる時間は約20分程度です。事前に点数がつかないプレテストを受講できますので、どんな形式なのか確認しておいた方が良いでしょう。
プレテストを受講することで、全体の流れとどんな質問が来るのかがわかるので、心の準備ができます。
Versant(ヴァーサント)の点数の目安
VERSANTはなんと言っても公式に記載されている、比較表(早見表)がわかりやすいです。
https://www.versant.jp/_common/_img/score/business_scene.svg
ビジネスパーソンにとって重要なのは、その点数が実際のビジネスシーンでどの程度使えるのかという目安です。
他の資格試験よりもビジネスシーンをより具体的に想定して、早見表で提案してくれています。
・47点 海外赴任・英語を仕事で使う最低限のレベル(CEFR B1はここから)
・54点 TOEIC900点〜990点の人たちの平均(CEFR B1+程度)
・58点 ビジネス英語上級者レベル(CEFR B2はここから)
この58点まで行くとVERSANTの受講者のTOP8%のようです。
VERSANT(ヴァーサント)を受講してみました
実際に私もVERSANTを受講してました。
受講後、すぐにデータがオンラインでアップロードされてAIによって試験結果が10分前後で届きます。
↓↓ その結果はこちら ↓↓
56点でCEFR B1+
58点取れたらいいなと思っていたのですが、願い叶わず(苦笑)。
まあでも、TOEIC900点の平均が54点らしいので、TOEIC800点台の私としては頑張っている方かもしれません。
流暢さは61点とB2並ですね。ここはちょっとだけ嬉しかったです。逆に一番低いのが発音の51点、完全に足を引っ張ってます。
VERSANT(ヴァーサント)の点数を考察
初めてVERSANTを受講してみたのですが、この試験結果は非常に正確だと思いました。
というのも、私のスコアを具体的に見てみると、流暢さが高く、語彙力が低いという結果で、これは思い当たるフシがあるからです。
冒頭でハワイ留学(2019年)をしたと書きましたが、当時はCEFR B2クラスを割り当てられました。
実際にB2クラスに入ってみた感想としては、喋りはB2で十分やっていけると感じていたものの、リスニング力はクラスメイトに比べて相当弱いなと感じる事が多かったです。
また、これはハワイ留学の前からですが、自分が喋っている内容は文法が抜け落ちる事があり、相手は分かりづらいだろう時もあるだろうと、以前から薄々気づいていました。
クラス分けしたときの先生は、事前のテストで私の英会話の流暢さでB2に入れたんだと思いますが、リスニング力や語彙力はまだB2には達していなかったといえます。
だから、このVERSANTのそれぞれの項目の結果と解説を見て、非常に納得しました。
発音に関しては51点となっていますが、この51点というのがどのぐらいの発音力かというと、「カタカナ英語は脱しているかな!?でも、日本語訛りの発音だよね。」という感じだと思います。
VERSANTで1点を伸ばすために必要な学習時間は?
1回しか受けていないので何とも言えませんが、VERSANTの1点はかなり重いです。
例えば、私はあと2点でB2になるわけですが、恐らくこの2点を上げるのには、相当時間がかかると思いました。
恐らく点数が一番低い発音は、集中して行えば比較的短期間で伸ばすことができると思いますので、総合点数の底上げにはなると思います(1点ぐらいは)。
問題は文章構文です。これが54というのが致命的です。
文法を使って文章を作れる力が弱いということなので、基礎から鍛える必要があります。そして、私のフィリピン留学とオンライン英会話学習の経験上、これはめっちゃ時間がかかります。
受講後に、VERSANTを受講したことがある方々のブログをいくつか読ませてもらいましたが、その中の一つに1点伸ばすためには、留学期間1ヶ月分に相当すると書かれていました。
実際にそれが正しいかどうかはわかりませんが、体感としては1点を伸ばすためにそのぐらいかかりそうという印象はあります。
TOEIC300点台からここまで上げるのに、英会話を700時間ぐらいはやっていると思いますので、仮に58点までの2点を上げるとしたら、どうでしょう、、、プラスで100時間〜200時間ぐらいは見込まないとだめな気がします。
VERSANTで50点はどのぐらの学習時間が必要なのか?
ネットで他の人達はどうなのか少し気になって、VERSANTを定期的に受講している人たちのブログをを見てみたのですが、50点に到達することに苦労している記事が多いように見受けられます。
一見、50点というと何となく低そうに見えますが、VERSANTの50点はフィリピン留学の最低3ヶ月のレベルです。
しかも毎日フルマンツーマン、土日も勉強込みのレベルでコミットしないと、50点は届かないぐらいのボリュームかと思います。欧米留学なら最低半年間は必要じゃないかと思われます。
もっとも、最初からTOEIC700点、800点ある方はもっと短くても達成できるかもしれませんが。。。
ブロガーさんの中にはほぼ自習だけで、50点まで届かせようとしている人もいるみたいですが、私個人としては英会話もガンガン入れたほうがいいんじゃないかと思います。そうしないと流暢さがなかなか上がらないです。
VERSANTの4項目のうち、海外留学組は「流暢さ」が他の項目に比べて高い傾向にあり(私のように60点台とか)、逆に国内英語学習組は「語彙」が高い傾向にあるようですね。つまり、同じVERSANTの点数でも何の点数で稼いでいるかは人それぞれだということです。
先程のTOEIC990点の方がVERSANT47点と書きましたが、その方のうちわけは語彙力が61点で、流暢さが37点というふうに書かれていました。自習ばかりやっていると(もしくは自習の仕方によっては)そういう事も起こり得るという話だと思います。
ちなみにVERSANTの分布表を見る限り、VERSANT55点以上の方でTOEIC800以下の方はほとんどいないです。「TOEICの点数が高い→VERSANTの点数が高い」にはなりませんが、「VERSANTの点数が高い→TOEICの点数も高い」は比較的言える話です。
VERSANT(ヴァーサント)のテスト項目を分析&対策
VERSANTはテスト結果(自分が喋った内容)が返ってくるわけではありませんが、自分自身できたところとできなかったところは何となくわかりますので、それをレビューして何がどう点数に影響したのかを確認していきたいと思います。
具体的に何をチェックしているかは、こちらに書かれていました。
https://www.versant.jp/versant_test.html
1,最初の音読
これは申込後にPDFが配られ、そこに文章が書かれています。事前に音読練習をやりまくれば大丈夫です!
唯一、問題が配られる科目です。
2,復唱
流れてきた音声をリピートする。
簡単な文章もあれば、比較的長いものもあります。
文法や構文が頭に入っていて、情景を思い浮かべることができるかどうかです。リスニング力でありつつ、実は単語力が要求されていると思います。
私はこれはだめでした。
3,質問
質問されたことをほぼ単語で答える問題。
ひっかけみたいなのはほぼなく、文章も短めがほとんどなので、単語が頭に入っていれば答えれます。難易度は低めですが24問と数が多い。私は多分何個かミスしてます。
4,文の構築
これはセンテンスの組み換えです。問題集の英作文の箇所でよくある、あの組み換えて文章を作る作業の音読版です。
基本的に3セットをどう組み替えるか、というシンプルな問題なのですが、私はこれはかなり駄目でした。
I don’t knowを何回か言った記憶があり、そのあたりが点数を下げた要因ではないかなと思います。要は言っていることを理解できなかったということです。英語力不足ですね、単純に。
5,30秒でストーリーを伝える問題
最初にストーリーが伝えられるので、それを頭で理解し、自分の言葉でそのストーリーを語る問題。これが3問。
これはノンストップでかなり言えました、言うだけはですが。。。
ボキャブラリーの数が少なかったとは思いますが、30秒をフル使って言い切れましたので、その部分が流暢さの61点として上がったんだと思われます。
要は言われたことをそのまま伝えるにしても、一言一句真似して答えれるわけではないので、自分でしゃべる時は自分がよく使う構文や単語を織り交ぜつつ喋ります。
なので、より難しい単語や細かいニュアンス、レベルの高い構文を伝えれた方が、点数高いのかもしれませんね。
6,40秒で自分の意見を述べるディベート系問題
例えば、「ダイエットするならランニングと食事制限があります。どちらが良いですか?その理由を教えて下さい」のような質問です。
これはたしか2問あったのですが、1問目はギリギリまで答えることができて、かつうまくまとめれました。しかしながら、2問目は5秒〜7秒ぐらい時間が余っちゃいました。失敗したかなぁ〜という印象です。
前回の問題もですが、30秒や40秒の感覚がわからず、最初は喋りきれなかったので2回めをコンパクトにしたら、逆にコンパクトすぎて余ってしまったという形です。残り何秒あるかは表示されないため困ります。
日本語でも30秒で回答しなさいと言われたらめっちゃ焦ってしまうのに、英語だともっと大変です。(でも60点台以上の高得点を取っている人たちはそんな理由を物ともせず、クリアしているわけで言い訳はできませんが。)
とはいえ、この手のディベート系はパターンがあります。
・理由:「その理由は1、2、3だからです(それぞれの理由も)。」
・まとめ再び:「なので私はこっちが好きです。」
これで30秒ぐらいいきます。全てこのパターンでいけるのかどうかはわかりませんが、私が答えた2問はこのパターンでいけました。
注:このパターンで答えると評価されるのかどうかは全くわかりません。私がただ使ったという事実だけです。
しかし、難しいのは理由の1〜3を喋りながら考えれるかどうかです。
最初に質問が2回流れるので、それまでに自分のアイディアをある程度まとめておいて、その上で、喋りながら文章を文法的に正しく作れないといけません。
イメージとしては
SVOがあったら最初に「First…SV」を話す → SVを話しているうちにO(目的語)を話す → その目的語を喋っている間に、裏付けするためのbecauseやsince、などを考えて、文章が単調にならないように喋りながら後付けして、長くしていく感じです。
First, といった段階で「SVO+接続詞や関係詞+SVO」の文章が完成されていれば最高ですが、私は厳しいので喋りながら文章を付け足すことで、間をもたせる努力をしました。
いずれにしても、英語を頭から文章を作れるようになっている、自分の得意な喋りの型(構文)がある程度頭に入ってないと、この問題は厳しいと思います。
この5番目と6番目のテストは全ての能力を試されているので、結局ここがきれいに決まらないと評価は上がらない気がしました。
私は喋るだけ喋ってましたが、文法や単語はイマイチだったと思います。だから総合評価は完全に納得です。
プラスにはなっても、少なくともマイナスにはならないと思います。というのも何も喋らないとAIは判定ができないためです。 注:点数が上がる確証はないです(念の為)。
なお、VERSANT側は禁止していますが、自宅で行えばメモを取れないこともないです。
ただ、メモを取ったら正しい実力がわからないですし、そもそもメモを取ったとしても点数が上がるかといえば、そうでも無い気がします。なので、メモは気にせずVERSANT側が提供しているテスト練習を1回〜2回ぐらいやってみて慣れる事をおすすめします。
VERSANT(ヴァーサント)のまとめ
というわけで、フィリピン人から習う英会話だけでも少なくともVERSANT56点は到達することが証明できました。
もちろん、私の点数が56点なだけであって、私と同じようにフィリピン留学やオンライン英会話中心の学習をした方の中には、56点以上の英会話力を身に着けている人は多数いるはずです。
フィリピン人から習う英語に対して偏見を持っている方もいるとおもいますが、「なまりが〜」とか言う前に、まずは聞ける、話せるようになることが大事です。
ゴール、目的、手段を間違えないようにしたいですね。
Part E(Story Retelling)ではなく、
2021年4月時点ではPart F は自動採点ではスコアされないと記述があります。企業や機関などの指定で受けた場合はその担当者がスピーチを聞いて判定をするために使われるようです。
“The two Open Questions are not scored automatically.”
【出典】Versant™ English Test : Test Description and Validation Summary
(https://www.pearson.com/content/dam/one-dot-com/one-dot-com/english/SupportingDocs/Versant/ValidationSummary/Versant-English-Test-Description-Validation-Report.pdf)
Aya様
なるほど、そうなのですねー。貴重な情報ありがとうございます。後ほど資料を確認してみたいと思います。
Story Retellingは採点項目ではないので点数に影響しません
その情報はどちらからですか? 恐らく影響していると思いますが・・・
https://www.versant.jp/versant_test.html