日本で行う手続きから始まり、今回がいよいよ最終回です。
今回は、よくやく海外に来て1年経った私から見たメルボルンと、暮らしの情報、海外生活ならではのアレコレについてご紹介していきたいと思います。
これからワーキングホリデーをされる方も、学生ビザや旅行で来る方にも役立つ、メルボルンでの生活について触れていきます。
目次
1.メルボルンについて
オーストラリアは自然が多く、のどかなイメージがありますよね。
そんな中でもメルボルンはわりと都会的で、特にCBD(シティ)と呼ばれるメルボルンの中心街にあたる地区には人も多く、いつも賑わっています。
そのため、シティの中には多国籍の方々が住んでおり、最近では日本人の移民の方も増えてきています。アートやカフェの文化が盛んで、街の至るところにオブジェがあったり、中心街を外れると、どこを切り取っても絵になるような街並みです。
メルボルンの街の風景(オブジェやウォールアートが沢山あります)
また歴史の名残からか、英国を思わせるブロックやタイルを使った建物だったり、宮殿や教会も点在していて、雰囲気があります。
シティの中にも広場や公園がたくさんあるため、ピクニックや読書などが楽しめます。外でひなたぼっこやスポーツを楽しむ人もたくさんいます。
街中に点在する英国風の建物や協会
2.語学学校について
そんなメルボルンに来るには、多くの方が学生ビザかワーキングホリデービザを選択されるかと思います。
そしてその中には海外で生活するのが初めてで、英語に不安がある方もいらっしゃると思います。なので、英語の環境に慣れるためにも、数週間でも語学学校に通われることをおすすめします。
私が通っていた学校は『IMPACT ENGLISH COLLEGE』というところで、ビザや国籍関係なく、通うことが出来ます。
【入学費用】
私の場合はワーキングホリデービザだったので、最大17週しか通うことができませんでしたが、
17週の授業料(テキスト含む)=$6000
ホームステイ6週間=$2100
空港からのピックアップ=$160
という内訳で、合計$8915(約90万程度)かかりました。
この金額は、他の語学学校と比べると安くはありませんが、この学校の”イングリッシュオンリーポリシー”や、授業以外のサポートも充実していたので、安心して語学を学びたい方にはおすすめです。
実際の授業の内容とカリキュラム(毎週授業後に無料カリキュラムがありました)
3.居住地について
次に、必ず決めなければならないことは、滞在先をどうするかです。
とりあえず海外に来てから決めるという方は、ホテルやバックパッカーなどに滞在し、物件を探すという手もありますが、コロナが明けた現在は移住者が大勢いるので、住む家が見つからず泣く泣く日本に帰る…なんて方もいらっしゃいます。
また、家賃も年々高騰しているので、なるべく安く立地の良い物件を探すというのも骨の折れる作業です。
物件探しについては、下記【日本から海外に向けての準備編】にて紹介しておりますので、今回はそれ以外で滞在先を探す方法をご紹介します。
①デミペア
住み込みで家事や育児(子供のお世話など)をしながら、一般家庭に泊まることのできるホームステイのことです。通常のホームステイとは異なり、仕事も一緒に見つかるので、仕事探しに悩まれる方には必見です。
②学生寮
大手の語学学校には学生寮や専用のアパートメントがあるので、語学学校に通う予定の方は併せて問い合わせてみるのが良いと思います。
ほとんどの場合は個室で、日本人のみだったり、語学学校が管理しているのでトラブルも少なく安心して使用できると思いますが、家賃が高いというデメリットがあります。
③ホームステイ
一般家庭に個室+食事付きで住む場合がほとんどで、シェアハウスなどよりはプライベート空間があると思います。ただ、それぞれの家族との相性に悩む可能性があります。(後ほど詳しくご紹介します)
④シェアハウス
何部屋かあるマンションやアパートに、友人や他人と住みます。バスルームやリビングは共有の場合が多いですが、そういった環境にストレスがなく、共同生活が好きな方には向いていると思います。
⑤シェアルーム
シェアハウスと似ていますが、ワンルームに2人以上住むので、シェアハウスよりもプライベート空間が少なくなります。家電やコンセントなど細かい所までシェアすることになるため肩身は狭くなるかもしれませんが、家賃は他の方法に比べてかなり安く抑えられます。
①②③については、語学学校から紹介してもらえる場合がありますが、枠が埋まっている場合もあります。どうしても見つからない時は、エージェントを使うという手もあります。
スマ留さんでしたら、そのあたりもしっかりサポートしてくれるので安心です。
私の第一希望は学生寮だったのですが、立地が良く人気があり、一番安価な寮は枠が空いていませんでした。他の寮は料金が倍だったり、少しハードルが高かったため、渡航して数日はホームステイでお世話になることにし、慣れた頃に移動しようと考えて渡航しました。
ホームステイ先の家では、部屋数が多く他の学生も数人同居していましたが、プライベート空間はしっかりありました。また、必要最低限の家具が個室にあったため、着いてすぐの生活にも支障はありませんでした。ただ、シャワー、トイレ、洗面所は他の同居している学生と共有だったのと、食事付きのホームステイだったので自由にキッチンを使ったり、洗濯は週1回という決まりがありました。
こういったルールはどこの家庭でもあるようで、例えば他のホームステイ先では『シャワーは5分以内』『外出時は必ず何時までに帰宅』など、しっかりとしたルールのある家庭もあったそうです。
特にオーストラリアでは、水を大切にするという文化があるようで、シャワーや洗濯の制限はそういった環境問題も関係しているのかもしれません。また日本同様に光熱費も高くなっているため、ホームステイをする学生も、共通意識を持ってお世話になった方が、ギャップがないかもしれませんね。
ホストマザーの食事(平日は朝+夕食、休日は朝+昼+夕食)
4.仕事探しについて
日本より物価が倍のオーストラリアでは、日本での蓄えがよっぽどあるという人以外は仕事をせずに生活をしていくのが難しいと思います。なぜなら家賃を週$400としても毎月16万以上が必要になってきますし、外食では1食あたり$25程度かかります。
この値段はオーストラリアで働く平均時給とほぼ同額です。
そのため、物価と同じく給料が良い分、出稼ぎ感覚で他国からオーストラリアに来る方も多く、逆に言えばその分仕事探しの倍率も上がってきています。なので、資金が底を付く前に現地に着いたら早めに仕事探しを始めることをおすすめします。
仕事の探し方
オーストラリアでの仕事探しは、レジュメをお店に直接持って伺うというのが主流です。手渡しの方がお店の人からも印象が良く、運が良いとそのまま面接やトライアルに進めるケースもあるからです。
しかし、お店側も多くのレジュメを沢山受け取っているはずなので、ほとんどの場合連絡がありません。最初から期待せずに最低1か月はレジュメ配りを続けるという心構えで望んだ方が良いと思います。
また、IndeedやSeedなどの求人サイトを利用している会社もあるにはあるのですが、求人自体があまり多くはありません。ファームバイトなどはfacebookで求人や募集をしている所もありましたが、同じように倍率は高そうでした。
他にも、知人や友人のツテでバイト先を紹介してもらうという手も意外と有効です。
レジュメを作るには
パソコンで簡単に作成できますが、ない方は図書館や学校のパソコンを使用するかスマホでも作成可能です。
図書館のパソコンを利用する際は、メルボルンならシティに2つ図書館があり、コピー機も併設しているので作成したものをそのまま印刷できるので便利です。
注意点としては、印刷機を使用する際に個人アカウントが必要になってくるので事前に登録を行っておきましょう。さらに自分のパソコンを使ってレジュメを作成する方はオフィスワークで印刷するのが安価でおすすめです。
レジュメを作る際の注意点
ネットでレジュメのつくり方を検索するとひな形が出てくるので、そちらを使用すると簡単にできます。また顔写真があると印象に残りやすく、
・ビザの種類と期限
・英語力
・勤務可能時間
・住所、電話番号
・職歴(同業種の経験がある場合は特に)
このあたりの情報を入れておくと、面接官の対応もスムーズに行くと思います。
ホームステイ先の近くにショッピングモールがあり、そこで日本食レストランを中心にレジュメを配りました。2週間後、連絡が来た第一希望のお店でインタビューを受け、トライアルを開始してもらい、そのまま採用となりました。
当時(2022年頃)は今ほどではありませんでしたが、コロナ以降の現在は特に、メルボルンでの仕事探しは年々さらに難易度が上がっているようです。私の現在働いている日本食レストランでも、ほぼ毎週日本人がレジュメを配りに来ています。またインタビューに繋がったとしても、求めている働き方ではなかったり、トライアルを受けても中々シフトが入れてもらえないという話もよく聞きます。ひどい場合は、自分のシフトを減らしたくないから、ボスにレジュメを渡さなかったり、その場で捨てられてまうなんていうところもあるそうです。
仕事探しは、本当に運とタイミングが重要なので、とにかく足しげく通うこと、お店にボスがいるようなら声をかけてその場で面接をしてもらえるに頼んだり、積極的に動くことをおすすめします!また、レジュメを配る際には、平日の混まない時間帯(3時から5時)や、その場ですぐ働ける服装(黒い服など)も好印象を与えるポイントになると思います。
5.公共交通機関について
つづいて、ちょっと特殊なメルボルンの公共交通機関についてご紹介していきます。日本との大きな違いは、現金でチケットを買うのでなく、全てマイキーカードが必要になるので、必ず乗車前に購入してくださいね。
①電車
電車の乗り方は、日本と同じようにマイキー(公共交通機関専用ICカード)をかざして改札口から入ります。
シティの中には4つのメインステーションがありますが、それらはほぼすべての路線が停まるくらい大きな駅ですので、乗り場を間違えないように注意が必要です。
また、電車に乗降時は、ドアは自動では開きません。ボタンを押すか、手動扉は停車時に自分で扉を開けなければなりませんので気を付けてください。
メルボルンの電車の路線図(真ん中の円の部分がシティループとなっており、全ての線が走っています)
②バス
バスに乗る際もマイキーを使用します。電車と同様、乗降時どちらもマイキーをかざす必要があります。バス停によっては多方面のバスが停まる場合があり、乗りたいバスの時は手を挙げるなどの乗車意志を見せましょう。
これは運転手にもよるのですが、たまにバス停から離れてたっていたりすると見過ごされてしまい止まってくれないバスもあります。
さらに、バスによっては乗車中のアナウンスがありませんので、地図アプリをオンにして現在地を確認しながら目的地に向かうことをおすすめします。そして、降車時もボタンを押したり、降車意志を見せた方が確実に降車出来ます。
③トラム(路面電車)
時間がとてもアバウトで、基本的に時刻通りに来ることはほとんどありません。
よく使われるトラムステーションには電子時刻版があるのですが、表示されている時間に来なかったり、突然時間が変更されることも頻繁にあります。
トラムの停留所によっては、電子時刻板がないところもあるので、永遠にトラムが来ない、なんていうこともあります。そういった場合は、電子時刻版がある次のトラムステーションまで歩くか、他の公共交通機関に乗ることをおすすめします。
ただ、トラムのメリットは、無料で乗れる区域があることです。【フリートラムゾーン】と言って、シティ内では、料金がかからず自由に乗降できるので、少しの移動ではトラムが圧倒的に便利です。
ただ、ひとつ注意点があり、このフリートラムゾーンは慣れていないと見過ごすこともありますが、フリートラム外で無料乗降すると違反($200の罰金)になってしまいます。フリーゾーン外へ行く時は、乗車時に必ずマイキーをタップしましょう。
フリートラムゾーンのサインと範囲
実際に大きな駅で電車を乗り間違えたり、停留所でバスを降りられなかったりと、最初のうちは慣れるまで苦戦しました。時間通り来ないトラムについては、いまだに悩みの種ではありますが、これものんびりとしたメルボルンの特徴の一つだと思うことにしています。
トラムの不規則さは時間だけではなく、突然のデモやイベントにより運休したり、ルート変更したりすることも頻繁にあります。そのため、アルバイトをする人などは、時間に余裕をもって行動したり、あらかじめいくつかルートを調べておいた方が良いかと思います。不便なことも多いですが、時間に余裕を持って行動する習慣が身についたので、良い意味ではゆとりをもった生活ができるようになるかもしれません。
6.その他の暮らしについて
①ポイントカードの作成
メルボルンで生活していると、大体買い物する店が決まってくると思います。というのも、メルボルンは大手スーパーは3社のみ、日用品を買うお店も、日本で言うニトリのようになんでも揃っており、大体のものはそこで購入できます。
ほとんどは同じポイントカードを利用できる系列店なので、必須というわけではありませんが、海外生活を有意義にするためには、作ってみるのも良いかもしれません。
有名なものは、【FLYBUYS】と【Everyday Rewards】というカードです。
②換金
オーストラリアはクレジット文化なので現金はほぼ使用しません。まれに、マーケットは現金指定のお店がありますが、半数以上は大抵クレジットでもOKです。
しかし、クレジット決済が心配な方は、空港や街中の至るところに換金所があるため使ってみても良いかもしれません。ただ、換金率はかなり悪いので、思っていたより少額になる可能性は高いです。
③郵便局
日本にいる家族や友人に荷物を送る機会があれば、是非使ってみましょう。
荷物を送る場合
国際便の場合は、手書きではなくQRコードから郵便データを作成するのが便利です。
相手の住所と連絡先、自身の住所と連絡先を入力し、商品の重さや金額、内容を入力したら自動的にQRコードが完成するので受付で見せましょう。
※日本への国際便では郵送不可のものがあったりするため、必ず事前確認が必要です!
受付の際に、Express(速達)かStandard(通常便)の指定を聞かれたり、補償をつけるか尋ねられる場合があります。
荷物を受け取る場合
オーストラリアのアパートに住む人で、案内所に荷物が預けられる人は、まれに受付に担当者がいないと近くの郵便局に配送される場合があります。
到着予定のものが届いていなかったり、受け取れていない荷物がある際は、近くの郵便局の窓口に確認に行くことをおすすめします。
7.さいごに
いかがだったでしょうか?
これまで、オーストラリア留学について、日本で行う手続きから、海外生活までをまとめさせていただきました。
29歳の時に思い立ち、0から自分で準備して渡航計画を立ててきました。そこから手探りで始まった海外生活でしたが、最初は言語の違う国で暮らすことに不安やストレスもあり、1年たった今だからこそ、ようやくオーストラリアでの生活にも慣れ、こうして振り返ることができています。
今回冒頭で紹介した通り、メルボルンはとても素敵な街です。ただ、もちろん良い面ばかりではありません。治安が悪い場所があったり、騒音がひどかったり、街中にゴミがあふれかえっていたり、日本人ならではの差別や偏見を受けたりすると、残念で悲しい気持ちにもなります。
ただ、私がメルボルンに住んでいて思うことは、日本にもメルボルンにも、それぞれ比較できない素晴らしい魅力が沢山あるということです。
日本には思いやりやおもてなしという精神がありますが、メルボルンには他人を家族のように温かく迎える文化があります。初めて出会う方にも「その服素敵だね!」と声をかけたり、電車で隣になった方と意気投合したりなんてこともあります。
そんなメルボルンの人たちは、日本のことが大好きです。私は日本食レストランで働いていますが、日本に旅行に行くために日本語を覚えてくれたり、街中にも沢山の日本食品店やレストランがあります。日本人のことを真面目で誠実だと言ってくれる方たちもいます。
メルボルンの日本食居酒屋と日本食品店
ただ、私は、そんな風に素直に人のことを褒めたり、見た目や形に囚われず、パジャマのまま外を歩いても受け入れてもらえるメルボルンの人たちも、この街のことも大好きです。
そういった文化や感性の違いも、海外に来て初めて感じることができましたし、自分が日本人として誇りに思ってきた考え方や価値観も、海外では無意味だということも思い知りました。
日本のことを恋しく思う日もありますが、思い切って外の世界に触れなければ気付けなかったことばかりなので、今でも刺激を受けることは沢山あります。
これからワーキングホリデーをする方、海外留学をされる方、誰に何を言われてもあなたの人生です。後悔のないように、自分で選んで答えを出してください。
失敗も成功も、あなたが起こす経験が、ここでは全て実りのある思い出になります。どうかあなたの経験が、今後の人生を豊かにしますように。そしてこの記事が、あなたの旅路のお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。