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愛場 吉子(3/3) 再びニューヨークへ。アメリカで就職活動Calvin Klein入社

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前回の記事はこちら

二度目のニューヨーク生活をスタート

2011年夏、夫がニューヨーク勤務になったことをきっかけに、私もアルクでの企業研修講師の仕事を辞め、渡米しました。

前回はタイムズスクエア近くの賑やかなエリアに住んでいましたが、今回は同じマンハッタンでも少し落ち着いたアッパーイーストサイド(セントラルパークの東側)にあるマンションに決めました。

以前友人夫婦が住んでいて何度か訪れたことがあり気に入っていたからです。管理人やコンシェルジェがとてもフレンドリー、庭やジムなどで住人達と交流する機会も多く、素敵な友達が沢山できました。

とはいえ、今回のNY生活の大きな目的は「就職活動+働きながらビジネス現場の英語力を高める」でしたので、引っ越しが落ち着いた段階で就職活動をスタートさせました。

再びニューヨークへ。アメリカで就職活動 パート1
マンションのジムの外の日光浴ベンチ。毎週ヨガのクラスに参加してヨガ仲間が増えました

再びニューヨークへ。アメリカで就職活動 パート1
我が家のホームパーティ。色々な友人が遊びに来てくれました

就労ビザ

外国人である日本人がアメリカで正式に働くには就労ビザが必要です。

前回の記事で、アメリカの大学や大学院を卒業すると、就労ビザを取るのに有利となる話に触れました。

学生の時は学生ビザ(F1)を貰えますが、アメリカの大学・大学院を修了すると、そこから1年間アメリカ国内で法的に働くことが許されるOptional Practical Training(OPT)というワークビザを申請できます。OPTを発行してもらい、その1年の間に働きながら、より長期に働けるビザを発行して貰える職場を探すこともできるのです。

OPI以外の主な就労ビザの種類

  • H1B(特殊技能職ビザ)
  • H2B(熟練・非熟練労働者ビザ)
  • H3(研修生ビザ)
  • L-1(企業内転職者ビザ)
  • L-2(同行家族ビザー配偶者の米国内就労可)
  • P(芸術家、芸能人用ビザ)

※その他、アメリカ人と結婚してグリーンカードを取得するという手や、お金があれば50万ドル(約5,000万円)を投資して永住権を買い取るという手段もあるそうです…!
詳しくは以下のサイトを参照ください。

http://www.ustraveldocs.com/jp_jp/jp-niv-typework.asp#visadescription
http://www.acojob.com/services/visa_system.htm

私自身がもっていたのはL-2ビザでした。申請してから発行されるのに約3か月かかるということで、その間を就職活動にあてようと計画を立てました。

アメリカでの就職活動のプロセス

アメリカでの就職活動は人によっていろいろな経緯があると思いますが、私が経験した3つをご紹介します。

1)直接お目当ての企業、組織に応募する
自分の学歴や職歴とつながりがありそうな教育業界、教材の出版社などを中心に会社のウェブサイトの募集案内から応募しました。

5社ほどに履歴書を出し、実際に面接を受けた会社は1社。採用したら中東エリアを担当してもらいたいとのことで断念。

2)人材紹介会社、ヘッドハンティング会社に登録、エージェントから仕事を紹介される
私が登録したのは3社。1社はコロンビア大学の卒業生専用のエージェントで、もう2社はニューヨーク地域の企業に強い日系のエージェントでした。

ここから紹介された仕事は4件で、最終的に入社を決めたカルバンクラインNY本社での仕事もエージェントから紹介されたものです。

3)知人など個人的なつながりからの紹介
以前、新卒で働いていた時の会社でビジネスパートナーだったトムソン・ロイター社のフランス人ディレクターが推薦をしてくれて、トムソン・ロイター北米社の人事から連絡をいただきました。

あいにく勤務先がフィラデルフィアと遠く、カルバンクラインとも契約を結んだ直後だったためお断りする結果に。

※上記のプロセス以外にも、出身大学が主催するネットワーキングのイベントに参加して人脈を広げたり、キャリアフェアに参加して企業や組織の採用担当者と話すといったアプローチもあります。

再びニューヨークへ。アメリカで就職活動 パート1
コロンビア大学ティーチャーズカレッジ卒業生のネットワーキングイベントに参加

英文履歴書

どのようなプロセスで就職活動を行うにしても、まず初めに必要なのが英文履歴書 (レジュメ, CVと呼ばれる)です。説得力のある英文レジュメを書くには以下のポイントがあります。

英文履歴書のポイント

  • 英語 (スペル、文法)にミスがない →大前提
  • 目的の職種に結びつく経験、スキル、知識、業績をアピールする(日本人の謙虚さは捨てましょう!)
  •  

  • 過去の経験は、単純にdid (やった、行った) という単語を使わずに、achieved (達成した)、created (創った)、contributed (貢献した)などのAction-oriented verb(行動を表す動詞)を使う。数字なども使って具体的に書くと効果的
  • 複数人にレビューしてもらう

英語のネイティブスピーカーでも自分のレジュメは必ず何度も見直して、他人にも見てもらうようにするそうです。私たちのようにノンネイティブでしたら、「英語面」と「内容面」の両方から、少なくとも3人には見てもらって意見を貰いたいですね。

英語面接

次にやってくるのが採用側との面接です。

最近は、一次面接は電話やスカイプを使うケースが多くなっています。その分、英語の高いリスニング力、スピーキング力が必要とされます。それを乗り切るためには、何といっても面接の前の「入念な準備」が欠かせません!

準備1

その会社の歴史、事業内容、文化や、募集職種の仕事内容についての理解を深め、なぜ自分がその仕事に適任であるかを明確に言えるようにする。

準備2

想定される質問への回答を準備。特に、レジュメに書いた仕事内容について突っ込んで尋ねられた場合を考え、仕事や学習経験を「具体的に」説明、アピールする練習をする。

準備3

リハーサル。友人に頼んでロールプレーを実施。

私は、コロンビア大学のキャリアセンターで、模擬面接をやらせてもらいました。ビデオを撮ってくれてそれを見ながら、カウンセラーがフィードバックをくれました。(これが恥ずかしいのなんのって…でも効果抜群!)

また、友人にも面接のロールプレーをお願いして、本番に備えました。

再びニューヨークへ。アメリカで就職活動 パート1
就職活動中から親身になってサポートしてくれた恩師であり、アメリカでの私の母的存在のJanetと。寒い冬のNYで、チャイナタウンの美味しい飲茶を食べに行った時の写真。

次に、私自身が体験したCalvin KleinのNY本社への実際の入社プロセスをシェアさせて頂きたいと思います。

就職先を選んだポイント

エージェントから何件かお勧めの仕事情報をいただいた時に考慮した内容は、以下のようなものでした。

・仕事内容
ビジネス英語力を向上できる環境であること(いずれ日本に戻り英語教育に携わることも見据え)

・米国企業
NYに進出している日系企業ではなく、米国企業ならではの企業文化や働き方が学べる米国企業であること

・職場のロケーション
自宅から公共交通で通えること

・報酬、ベネフィット
年俸、研修制度、社会保険等がある程度充実していること

エージェントから紹介を受けた仕事の中に、Calvin Kleinの本社のライセンスビジネス部門で日本市場を担当する仕事があり、その条件が、上記にかなり当てはまりました。しかも個人的に大好きなファッションの世界を覗けるというややミーハーな気持ちもあり、こちらの面接を受けてみることにしました。

ファッション業界、ライセンスビジネス未経験で臨んだ緊張の面接

私の経験した採用プロセスは3ステップありました。

Step1: カルバンクラインの人事マネジャーとの面接
Step2: 直属の上司との面接
Step3: 日⇔英翻訳試験、PCテスト (エクセル、パワーポイント)

Step1:人事マネジャーとの面接

カルバンクラインの本社ビルは、地下鉄のタイムズスクエア駅から徒歩4分ほどのところにある、Fashion Avenue (=7th Ave) と呼ばれるファッション企業の本社やファブリックの会社が軒を連ねる通りにあります。

 アメリカで就職活動 パート2- Calvin Klein入社への道。
The Fashion District(ファッション ディストリクト)のインフォーメーションブース。手前の銅像はミシンをかけるユダヤ人で、ブースの奥にあるのは大っきなボタンに針が刺さっているオブジェ。

カルバンクラインの本社はこの通りを渡った向かい側にありました。

店舗とは違い、入り口にカルバンクラインのロゴなどは出していないので分かりにくいですが、いったんオフィスに入るとやはりそこはファッションカンパニー。カルバンクラインのブランドイメージに合わせて、すべて白と黒で統一されたクールな内装のオフィスにうっとり。

 アメリカで就職活動 パート2- Calvin Klein入社への道。
Calvin Kleinオフィス内は各階、真っ白な壁に黒のロゴで統一されていました。

採用担当の人事マネジャーは、カルバンクラインのスーツを着こなしたとっても素敵な、また温厚な男性でした。受付の女性に案内され、彼のオフィスに入り1対1で30分程話したと思います。

私の過去の経歴が、ファッション業界やライセンスビジネスと何ら関係なかった為、そこを説明するのにひと工夫必要でした。

アピールしたのは、以前フランスの企業と日本のクライアントの間に入ってリエゾン業務を行った経験で、その実績をカルバンクラインのNY本社と日本のライセンシー企業との間に入って行う本業務に生かすことができると伝えました。

「What do you see yourself doing five years from now? (5年後にどうなっていたいですか?)」と聞かれた時は「NYでの仕事経験を、将来日本の英語教育の発展に生かしたいと思います!」とは勿論答えずに、「アジア地域での御社のファッションビジネスの拡大に貢献していたい」と伝えた記憶があります。(嘘つき?いや当時、ファッション業界での別のキャリア構想を思い描いたことも事実です!)

 アメリカで就職活動 パート2- Calvin Klein入社への道。
初めに面接を受けた当時の人事マネジャー。
写真は会社を辞める時に撮ったもの。

Step2: 直属の上司との面接

次に面接を受けたのは、直属の上司となるシニアエグゼクティブの女性。日本人でありながら、米国企業でシニアVPという地位に就いていると聞いていたため、かなり緊張して臨みました。

想像通り率直でスピード感のある話しぶり。始めは日本語で話していたのに、そのスピード感に瞬時に対応するのさえ難しかった記憶があります。面接では具体的な業務内容について「こんなこともできる?やってもらえる?」といった質問をされました。

カルバンクラインとライセンス契約をしている企業とのやり取りに加えて、彼女のアシスタントとしての仕事もこなす為、忙しい仕事になりそうな反面、力がつきそうだと感じました。

意外に突っ込んで聞かれたのがPCスキル。

ファッション業界とはいえ、ビジネス部門であり、月ごと、期ごと、年度ごとに売上レポートや、ビジネスオーバービューの作成が必要で、見栄えのよいエクセルやパワーポイントの資料を経営陣に提出したいとのこと。

新卒で働いていた会社が富士ゼロックス「The Document Company」のグループ会社だったことが功を奏しました。面接には、当時営業用に作成した様々な提案資料を持参していたので、それをお見せして説明したところなかなか良い反応。

そのあとは、英語に切り替えての質問。

自分の強み、弱み、そして弱みを改善するために何をしているか、を聞かれました。最後に彼女がコロンビア大学のエグゼクティブMBAコースに在籍中とのことが分かり、共通のコロンビア大学ネタで少し話をすることができました。

40分ほどで二次面接は終了。直属の上司となる人は、あまり感情を顔に出さない人だったため、良かったのか悪かったのか反応がつかめず「ダメだったかも~。やっぱりファッション業界の経験がないのが痛いかなあ…」としょんぼり気味で帰宅しました。

ところが、同じ日にエージェントの方からお電話があり「先方が気に入っているので是非最後の筆記試験に進んでください」との連絡が!キッチンで小躍りしたのを覚えています。

Step 3: 日⇔英翻訳試験、PCテスト (エクセル、パワーポイント)

数日後の筆記試験の為準備したのは、主にエクセル関数やパワポ機能のおさらいでした。翻訳は日常的にやっていたので特に準備はせずに臨みました。

今回訪れたのはカルバンクラインの人事部のフロアにある会議室で、試験時間は翻訳テスト、およびPCスキルチェックの計2時間でした。翻訳とPCスキルを、それぞれ1時間ずつに時間配分して臨んだのですが、先に手を付けた翻訳は日⇒英1、英⇒日1の計2つの文章があったため、意外と時間をとられてしまいました。

残り45分ほどになったところで、エクセルの生データを何種類かの表にしてパワポ上でレイアウトするタスクをやりました。時間との勝負で少し焦りましたが、何とか時間ぴったりに仕上げることができました。

終了時間ぎりぎりまで粘って見直しをしていた私に、「It’s time, Yoshiko…」と人事のマネジャーが申し訳なさそうに時間を告げに来ました。「僕は翻訳とかとてもできないから、君はすごいよね~」と最後に励ましの言葉をいただいてオフィスを後にしました。

試験中かなり集中していたせいか、終えた後は頭がぼ~っとして、タイムズスクエア駅を通り越して、グランドセントラル駅まで歩き、そこから地下鉄に乗って帰ったのを覚えています。

同日の午後、エージェントから採用が決まった連絡がありました。今度はリビングで跳ねました。その後人事から、採用通知のメールと契約書が届きました。大学院卒ということを考慮し、年俸をもともとの金額から多少アップしてくれていました。そちらにサインをして送付、2週間後に勤務がスタートすることになりました!

 アメリカで就職活動 パート2- Calvin Klein入社への道。
こちらはオフィスではなくCalvin Klein Collectionの店舗。社員割引のお陰でよく通うことに♪

ライセンシング事業部での業務スタート

私の所属したライセンシング事業部は、マンハッタンにあるカルバンクライン本社ビルの3階にありました。(写真1) 

ライセンス事業部は、カルバンクラインの製品を開発、生産するライセンス契約を結んでいる米国内はもちろん、国外の企業(ライセンシー)の事業を管理する部署で、私の担当は日本市場でした。

日本にも製品のカテゴリー別に、オンワード樫山、伊藤忠商事、デサント、グンゼ、ナイガイなど、カルバンクラインのライセンシーが10社ほどあり、その売上を毎月、毎期集計し、財務部門と経営陣に提出する報告書にまとめるのがメインの仕事でした。

また日本市場向けの製品の開発に関わる仕事もありました。

ライセンシーにはNYのデザイン部門から発信される次シーズンのテーマやデザイン情報を伝え、それをもとにライセンシー(のデザィナー)が試作した製品をapproval meetingと呼ばれるデザイナーとの承認会議で一点一点チェックします(写真2)。

この会議では、NYのデザイナーと日本のライセンシーとの間に入って通訳、調整をするのですが、互いの主張がぶつかることが多く、双方のビジネスにとって、また日本の顧客にとってハッピーな結論を導く難しさとともに、醍醐味を感じる貴重な機会となりました。

(第11週) NYファッション業界で生きた英語を身につける パート1|マナビジン
写真1:ライセンス部門のオフィス。手前から2番目が私のデスクでした

(第11週) NYファッション業界で生きた英語を身につける パート1|マナビジン
写真2:ライセンシーの試作品をNYのデザイナーがレビューする承認会議をコーディネート&通訳

華やかな職場:モデルのような社員とオフィスを訪れるセレブたち

同じ階にファッションショーやPRイベント、セレブリティ・サービスなどを扱うPR部門がありました。

会社の顔となってPR活動をする彼らは、実に容姿端麗、「ってかあなたモデルになれるでしょー」と思う人も多かったです。一方身長154㎝のちびっこな私…日本のOLスタイルからモードに変わるのにも苦労するようなありさまで・・・。

レッドカーペットやショー、イベントでカルバンクラインを着てもらい広告塔になってもらうため、PR部門には頻繁にセレブが訪れていました。

>またファッションショーには大物映画俳優やファッション雑誌VOGUEの編集長のアナウィンター(『プラダを着た悪魔』のモデルになった人)が必ず招待されていました。(写真4)

アメリカの芸能事情にとことん疎い私(おそらく日本のにも)は、オフィスでたまたま出くわしたカニエ ウェスト(キム カーダシアンの夫)と、誰であるかを認識しないまま話を交わしていました。後で同僚に「Who’s he, by the way? (ところで彼誰?)」と聞いてみたら「You don’t know him? He’s Kanye West!(知らないの?カニエウェストだよ!) 」と驚かれました。

(第11週) NYファッション業界で生きた英語を身につける パート1|マナビジン
写真4:Calvin Klein Collectionのランウェーショー最前列に座るサラジェシカパーカーと、ヴォーグ編集長のアナウィンター

(第11週) NYファッション業界で生きた英語を身につける パート1|マナビジン
写真5: シーズンごとに開催されるプレス向けプレゼン。本社イベントスペースは毎回工事され様変わりしていました。

英語のスピードが問われる職場

そんな華やかな職場ではありましたが、仕事はとても忙しかったです。

イベントなど特別な事情が無い限り、アメリカの企業は残業を容認しない会社が多く、カルバンクラインも同様でした。定時以降に仕事をしていると「仕事ができない」「家庭に問題がある」と思われたりするそうで、本社スタッフの多くの人が5~6時を過ぎると帰宅していました。

業務が多い上に残業できないので、高い集中力と業務処理のスピードが重要でした。

上司や同僚、ライセンシーなど含めて一日に50通を超える依頼や問い合わせメールを処理し、毎月の売上の集計と、ビジネスレポート作成は、タイトな納期があったので、背中に「ぞぞぞっ」と感じるほどの緊張感で仕事をしていたのを思い出します。

母語である日本語でならもう少し余裕があったのかもしれませんが、外国語である英語での業務だけに、同じだけのパフォーマンスを出すにはやはり、かなりextra effortが必要でした。

英語での業務処理スピードを上げるためにやったこと

‐参考になる他人の英文メールを、シチュエーション別に整理(依頼、お礼、催促、謝罪、お誘い、お祝い etc.)、
必要に合わせて役立つ表現をすぐに使えるようにした。
-毎朝、通勤時間は、英字新聞を速読。地下鉄に乗っている20分間で、できるだけ多くの記事に目を通すようにした。
-大事なミーティングや電話をかける前に、心で一人リハーサル。しくじりたくない時は小さな声を出してリハをすることも。
-時々自分が作るビジネス文書をネイティブの同僚にチェックしてもらい、ミスがないか、伝わり方は問題ないかを確認。
-ドラマやトークショー(Late Showなど)を継続的にみて、複数人の話の掛け合いの仕方、スモールトークの参考にした。

入社して数ヶ月過ぎると、仕事で関連するデザイン部、財務部、エグゼクティブ秘書など他部門の人の名前や役割、性格なども分かってきて、徐々に仕事がやり易くなってきました。

どんな職場でも、仕事をスムーズに進める最大の武器は、良好な人間関係を構築していくことだと今では考えています。

その職場がアメリカであれば、アメリカの文化の中で信頼関係を構築する高い英語のコミュニケーション能力が必要不可欠であると実感しました。私は失敗と反省の繰り返しを通してそのことを学びましたが…(^^;)

ボランティアが盛んなアメリカの企業

アメリカは建国以来、ボランティア活動を国の基礎として重要視しており、学校や企業が地域のコミュニティを通じてアメリカ社会に貢献する機会を推奨、保証しています。 

私が勤めていたカルバンクライン社も、その親会社であるPhillips Van HeusenがCSR(企業の社会的責任)の重要性を強く掲げていました。それゆえ、環境や従業員の人権への配慮、地域コミュニティへのボランティア、寄付、世界の女性や子供のケアなど、様々な形で社会貢献をする機会やイベントが多い会社でした。

グループ全体で2013年度にコミュニティサービスに貢献した額は18億円(1ドル100円換算)を越えます!(グループ売上額8,200億円)

No12 - NYファッション業界で生きた英語を身につける パート2 (最終回)
難病を抱える親子が長期の治療の為に滞在する施設でディナーを提供

とはいえ、ボランティアといってもそこはアメリカ、資金集めでも何でも、ちょっと楽しいイベントにして楽しんじゃう所が面白かったです。

例えば:

– オークション(カルバンクラインの貴重なアーカイブ品、デザイナーズ家具、人気テレビ番組への参加チケット、旅行券 etc.)様々なアイテムをオークション形式で出品して資金を集める
– サンプルセール(洋服やバッグの試作品を一般に売り出す)の売上をすべて慈善団体に寄付
– ヨガ講師を招いて社内ヨガイベント。参加費一人10ドルが、病院へ寄付(↓写真)

No12 - NYファッション業界で生きた英語を身につける パート2 (最終回)
ヨガ・チャリティイベントにて。参加費はすべて病院に寄付。一緒に映っているCEOの秘書は、普段は気難しい人だったけれど、ヨガを通じて仲良くなりました。

社内横断的なコミュニティサービスの委員に。英語力もアップ!

私は入社してすぐのタイミングで、上司から一任されて、CSRのための社内コミュニティサービス委員になりました。私にとって会社を通じて地域と関わり、また他部門の人とも知り合いになる良い機会になると、上司も考えてくれたようです。

実際、コミュニティサービスのような場では、普段の業務とは異なるコミュニケーションが発生するわけで、その分英語力(スモールトーク力)も鍛えられて良い機会になりました。

ここで一つ例をご紹介。以下は、社内のチャリティイベントの一環で、豪華アイテムが当たるRaffle(くじ)を売り出しますよ、という主旨で私が社内に出した案内メール。

Hello all,
① Starting tomorrow Wednesday 11/13, I will be pre-selling raffle tickets for the 10th Annual PVH Cares Event, to benefit this year’s spotlight organization Every Mother Counts. The event will take place on Thursday, November 14 from 4-6pm in the Look Spaces.

② There are 2 tiers of raffle tickets & Drink tickets
• Premium tickets- $5 each
• Regular tickets- $2 each
• Drink tickets- $3 each (max of 3 drinks per person)
< CASH ONLY! >

③ The list of raffle items will be emailed to all CK associates on Wed. 11/13.
The winners will be called by the ticket numbers, so please make sure to hold on the “keep this coupon” part of the ticket after you deposit your tickets into the boxes on Thursday.

④ Let me know if you have any questions, otherwise I will make my rounds on Wednesday and Thursday until 2PM.

⑤ Best regards,
Yoshiko Aiba

なんかTOEICの問題に出てきそうな文面ですね(笑)。

これを例に英文ビジネスE-mailライティングのポイントを簡単に解説してみます!

① まず初めに一番伝えたいことを述べる(背景から始める傾向のある日本語と違う!)
このメールでは「明日からチャリティ目的でチケット販売を開始します」ということ

② 次に読み手にアクションをとってもらう為に必要な情報を提供
このメールでは「具体的なチケットの種類と価格」「Cash=現金でしか買えないこと」

③ 補足説明
このメールでは、景品内容はいつ公表され、そして当選者はどうやって発表されるのか

④ 「ご不明な点・質問があればお知らせください」の決まり文句

⑤ 〆の挨拶&名前

これはあくまで社内アナウンス的な英文メールの一例であり、その他「問い合わせ」「苦情」「依頼」「提案」など状況に応じて、また相手に応じて、ライティングの方策は当然変わってきます。

ただ、共通して言えることは、日本語だと最後にもってきがちな「どうしたいか、相手に何をしてほしいか」を英語ではできるだけ初めに明確に伝えること、そしてその目的を達成するために必要な情報(詳細、理由、納期等)をしっかり伝えるということだと思います。

今やビジネスのコミュニケーションの6割がE-mailに頼ると言われており、グローバルビジネス環境では毎日大量の英文メールをこなすという作業は避けて通れません。英文メールの参考書は沢山出ていますので、ご自身に合ったものを選んで、「相手を動かす」英語の練習を今からすることをお勧めします。

またメールは書くだけでなく、音読しておくようにすると、スピーキングの練習にもなりますよ!

自分の働きが評価された! “Great Job”賞

私のカルバンクラインでの勤務期間を通じて、最も思い出に残る出来事の一つが、上司から「Great Job 賞」を貰ったことです。

カルバンクライン社が所属するPVHグループの人事業績評価は、年始に立てた目標に対する結果を本人と上司とが評価し、それにより翌年度の報酬やボーナスが決まる、というシステムでした。これとは別に、各部門長が非常に良い働きをした人を推薦して贈られるのがGreat Job賞で、報奨が贈られます。

入社から半年ほどたったころ、上司からこのカードをもらいました。初めてのアメリカでの仕事は、日本と異なる企業風土で、ファッション業界での経験もない私には慣れないことだらけ。とにかく無我夢中で走ってきたので、この賞をもらった時は「この組織でバリューを出せている!」という大きな喜びと自信につながったことを覚えています。

No12 - NYファッション業界で生きた英語を身につける パート2 (最終回)
Great Job Card

今思い返すと、新しい、国、文化、仕事という環境でも、なんとか踏ん張ってこられた要素が3つあると思います。

①好奇心 ②学習欲 ③英語力です。

① 新しい世界を知りたい!というチャレンジ精神や好奇心が、異文化で働くための柔軟性をくれました。

② については、足りないスキルを補うために、夜間にFIT(Fashion Institute of Technology)に通い、ファッションのブランドマネジメントやライセンシングについて学んだり、社内のコミュニケーション研修にも積極的に参加させてもらいました。(職場のダイバーシティ尊重、ビジネスライティング、タイムマネジメント、ファイナンス入門、プレゼンテーションetc.)

③ 「英語力」が無かったら、これらの多くを成し遂げることは難しかったと思います。

No12 - NYファッション業界で生きた英語を身につける パート2 (最終回)No12 - NYファッション業界で生きた英語を身につける パート2 (最終回)
写真左:退社の際、同僚からもらったプレゼント。ファッション企業らしい洋服の贈り物も
写真右:3年弱通ったオフィスを出る時のショット ‐ 涙と笑顔の旅立ち

おわりに

二十歳を過ぎるまで海外経験ゼロでスタートした私のここまでのキャリアパスと、グローバルなキャリア形成過程で実践してきた英語学習方法についてお話してきました。

この連載を通じて、「英語力」が、人生の選択肢や可能性を世界で広げてくれること、そして人生をより豊かにしてくれることを、少しでもお伝えできていたら幸いです。

それから、今までは余り触れずにきましたが、海外の厳しい環境でも精神的、物理的にいつも支えてくれた夫や、友人、日本で応援してくれる家族の存在は大きく、彼らへの感謝は尽きません。

2014年春に帰国、同年4月にビジネス英語の研修会社Q-Leapを立ち上げ、実践的英語スキルの指導をさせていただいています。これから世界へ羽ばたく日本の皆さんを応援、サポートしていきます!

3回に渡り、お付き合いくださり、本当にありがとうございました!

愛場吉子

Q-Leap株式会社のホームページはこちら
http://q-leap.co.jp/

Q-Leap株式会社のFacebookページはこちら
https://www.facebook.com/pages/Q-Leap-株式会社/

愛場吉子の5年で「海外で働くを」叶える方法シリーズ

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愛場吉子 Q-Leap株式会社 COO
「Q-Leap株式会社 代表取締役副社長 COO」
http://q-leap.co.jp/

筑波大学第三学群国際総合学類卒業
コロンビア大学大学院にて英語教授法(TESOL)修士号取得

アルクの企業研修英語講師、スピーキングテストの試験官、評価官を経て、2011年よりCalvin Kleinニューヨーク 本社のライセンスビジネス事業部にて勤務。
2014年春に帰国、ビジネス経験と英語教授のスキルを活かし、IT企業や外資系製薬会社をはじめとする企業にてビジネスパーソン向け英語指導に従事。

著書合計5冊:『詳細はこちら(amazon)
2015年より中央大学ビジネススクール講師。
リクルートの「スタディサプリEnglish」英会話レベル7の講師(https://youtu.be/vh8tkcGri8Y)

《資格》
M.A. in TESOL (Columbia University)
TOEIC® 990点(満点)
ACTFL Proficiency Test – Advanced High Level
アルク社 SST/TSST スピーキングテスト試験官・評価官
厚生労働省認定キャリアコンサルタント資格(CDA)

《趣味》
歌、ファッション、ヨガ、旅行

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