ご挨拶
皆様はじめまして!この度「マナビジン」の斉藤さんとご縁がありまして、こちらのサイトに合計4回に渡って寄稿させて頂く事になりました「K子」と申します。
私は現在、アメリカが本社の外資系企業の日本法人で役員秘書をしています。
直属の上司は日本人ですが、社内の公用語は英語で海外のビジターや秘書さんなどと頻繁に英語でやり取りがあり、日々の業務では英語が不可欠です。
英語がある程度自由に使えるレベルでないと務まりません。(現在のTOEICスコアは935点です)。仕事上で英語のメールを送受信したり、英語で電話を受けたりかけたりなども日常的にあります。
今は外資系企業の秘書をしていますが、これまでにも英語に関わる仕事をいくつかしてきました。翻訳・通訳・英語講師・TOEIC講師などです。
これから数回に渡って私自身が経験してきた「英語に関わる仕事について」を皆様に紹介していきたいと思います。出来るだけ詳細に、良い事も悪い事も包み隠さず書いていくつもりです。
そして「こんな仕事もあるのか。」「自分も留学から帰ったらこんな仕事をしてみたい。」などと感じて頂ければ光栄です。
英語学習歴
これからの時代は英語とパソコンだ!
仕事について書く前に、まずは私の英語学習歴を書かせて頂きます。
私が漠然と「英語を勉強した方がいいんだろうなー。」と思い始めたのは今から18年前の事です。その頃はある大企業で事務の仕事をしていました。(立場は契約社員でした)。英語に関わる事は全く無い業務でした。
その時の直属の上司が「これからの時代は英語とパソコンが出来れば、どんな会社でも勤まる!」と力強く断言したのを真に受け「そうか、じゃあ私はこれから英語を勉強すればいいのだな。」と単純に思ったのでした。
今思い返してみると、その言葉は「決して間違いではないのですが100%正しくも無い。」というのが率直な感想です。
なぜなら外資系企業では、英語もパソコンも出来て当たり前で、なおかつ「仕事が出来る」「人間関係能力がある」「人を管理する能力がある」などという能力が求められるからです。
「英語とパソコンは最低限出来なければならない事であり、特技にはなり得ない。」というところでしょうか。
何から手をつけていくべきか・・・
「英語が出来るようになりたい」と思ったものの、18年前の自分は一体何から手をつければいいのかが全く分かりませんでした。
当時の私の英語力は英検3級(中学卒業程度の英語力)を6年前に取ったきりでしたから、ほぼ皆無に等しいと言えました。
とりあえず「NHKのラジオ英会話だ!」と何となく思ったので、本屋に行きテキストを買いましたが、朝起きてラジオを聴くという事がつらかったのと、内容にあまり興味を持てなかった、という理由で3ヶ月で挫折しました。
その後、「CMもいっぱい流れているし、やっぱり英会話教室に通うしかない。」と思い、高い月謝を払って外国人講師のマンツーマンレッスンに1ヵ月半通いました。(朝から夕方までずーっと受講しました)。しかし何十万という金額を払った割には、英語がペラペラになど全くならず、外国人に多少慣れただけ、という悲しい結果に終わりました。
今思えばそれは当然です。たった1ヶ月ちょっとで英語がペラペラになるわけがありません。英語は長い年月継続する事でマスター出来るようになるのです。継続こそが語学学習の王道です。
自分があの頃に英会話学校で習った事は、ほとんどオンライン英会話でカバー出来るからです。
18年前は外国人の先生と話す機会を得る為に大金を払う必要がありました。今は大金を払う必要がありません。お金に余裕がある人だけが英会話を習える時代は終わったのです。大げさではなく、オンライン英会話は日本人の英語学習の革命だと思います。
英検2級とTOEIC
さて英会話教室に通っても大して効果が出なかったのを間の当たりにした私は、「地道に勉強するしかないのかなぁ。」と思い始め、英検2級に挑戦することにしました。
英検2級といえば高校卒業程度です。英検2級の問題集は、その頃の自分には決して簡単ではなかったのですが、根性で毎日毎日解きまくり、1ヵ月後には合格することが出来ました。(その後の練習の甲斐もあり、2次の面接も無事合格しました)。
それに気をよくした私は「TOEICを受験してみよう。」と思いました。その頃はまだ今ほどTOEICがメジャーではなく、どちらかというと英検の方が知名度が高い状態でした。
一部の大企業でチラホラとTOEICの点数による足切りなどが行われていた程度です。
TOEICを受験するからには「700点を目標にしよう!」と決めて問題集を開きましたが、どうも英検の時とは様子が違いました。
TOEICは英語初級者から上級者までが同じ問題を解くため、難しい問題や単語が目に付き、自分には理解不可能なちんぷんかんぷんな問題がたくさんあったからです。これで一気にやる気を失いました。
またTOEIC特有の「スピードを上げて問題を解く」という形式を理解しておらず、じっくり考えながら解いたので時間が全く足りず、TOEICの初受験は440点という惨敗に終わりました。
英検2級はTOEICの点数に換算すると500点程度と言われていますから、440点しか取れなかった事は大きなショックでした。
TOEIC初受験の惨敗にショックを受けながらも「いずれは700点は突破したい。」と思っていたので勉強を続ける事にしました。しかし効果的な勉強方法が分かりません。
困った挙句「ケイコとマナブ」(お稽古事の情報雑誌)に載っていたTOEICの専門学校に通う事にしました。まず初日にそこの学校長が出てきて「何?あなた、たったの440点?そんな点数、私なら鉛筆転がして適当にマークしても取れるよ!」と偉そうに言いました。
そして2回目以降の授業でも、訳のわからないTOEFL(TOEICではありません。トフルです!)の問題を解かされ、宿題を出されました。
また担当の50代位の女性講師もやる気がなく、くらーい雰囲気で毎回登場しました。その講師にマンツーマンで習ったのですが、彼女からは何の熱意も感じませんでした。仕方なく英語を教えているというオーラが満載でした。
結果、週に1回3ヶ月間その専門学校に通いましたが、510点にしかなりませんでした。(何万円も払って60点しか上がりませんでした)。
その学校はほとんど詐欺に近かったと思います。TOEICの点数を上げたい生徒に、TOEFLの問題を解かせ、講師もやる気がないなんて、今ある本格的なTOEICの専門学校とは雲泥の差だと思います。
18年前はそんな学校があったのですね。しかしこの学校に通った事により、後に自分がTOEIC講師になった時、「ああいう意味不明な指導は絶対にしないようにしよう。」という反面教師にはなりました。
ファミレスにこもって勉強
TOEICの専門学校に通ったにも関わらず点数がほとんど上がらない事に嫌気がさし、「他力本願では駄目なのか。自力で勉強するしかないのか!」と思い始めた私は、平日退社後に友人と一緒にファミレスに行き、ご飯を食べてから勉強することにしました。
ドリンクバーで2時間位ねばり勉強し続けたのです。そして3ヵ月後に受けたTOEICは550点でした。40点しか上がりませんでした。
自分では700点を目指していたので納得がいきませんでした。「あんなに毎日時間をかけて勉強したのに。」と悔しい気持ちでいっぱいでした。
転機
さてTOEIC550点を取得してからすぐに私は結婚し、地理的に通勤が難しかったので、今まで勤めていた会社を退職しました。しかし何か仕事がしたいと思い、ふらりとハローワークに入った時のことです。たまたま地元の工場の「英会話が出来る人募集」という求人を見つけました。
「英会話に自信は無いけど、応募だけしてみよう」と思ったところ、なぜかとんとん拍子に採用され、「簡単な英語の翻訳&外国人へのヘルプ」という業務内容で早速働く事になりました。(パートですけどね)。
当時の自分の英語力TOEIC550点というレベルでの英語の翻訳は、苦しく厳しい事もありました。
しかし「自分はやっと憧れの英語に関わる仕事に就けたんだ!だからチャンスを逃したくない。」という一心で頑張り、家に資料を持ち帰り無給で仕事し、土日もつぶして翻訳し、何とか仕上げていました。
そのような英語付けの毎日を過ごして1年後、TOEICの点数は680点に跳ね上がっていました。1年で130点UPしたのです。今までの蓄積と継続が花開いた瞬間でした。
そこから更に出勤前の早朝の自習学習を経て、半年後には90点UPの770点に到達しました。初受験の440点からトータルで340点UPしたことになります。(ここで経験した初めての翻訳の仕事については、次回詳しく書かせて頂きます)。
英語力を上げる秘訣
自分の経験から言えるのですが、英語力をどうしても上げたいなら「まずは何でもいいから英語に関わる仕事に就いてしまうこと」をおススメします。「そしてその仕事に誠実に全力で取り組み、努力を怠らないこと」です。
この2つが揃えば、あなたの英語力はぐーんと伸びます。放っておいても勝手に伸びていきます。仕事には報酬が伴うので責任が発生します。
その責任感により英語を頑張らざるをえない状況に追い込まれます。追い込まれると人間は火事場の馬鹿力を発揮するのです。まずは仕事で英語を使う環境に身を置きましょう。
それが私の(乱暴な?)アドバイスです。
そうは言っても、英語の仕事に就くための最低限の英語力は自力で身につける必要があります。そのためのツールとして、オンライン英会話や短期留学を上手に活用して下さいね。
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