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留学マナビジンarticlesフィリピン貧困の連鎖(1/2)なぜ経済成長しても一般国民は豊かにならないのか?

フィリピン貧困の連鎖(1/2)なぜ経済成長しても一般国民は豊かにならないのか?

1.フィリピン貧困の連鎖(1/2)

1-1.経済成長のなかに残された貧困

フィリピンといえば、「アジアのなかでも特に貧しい国」といったイメージをもっていませんか?

たしかに、フィリピンはかつては「アジアの病人」と言われるほどに経済が落ち込んでいました。フィリピンの経済不振は、マルコス政権によって生まれた政治的混迷と内乱に端を発します。

1983年には、第二次オイルショックが引き金となり対外債務のデフォルトへと追い込まれ、1990年代まではASEAN主要国のなかでもっとも低い経済成長率のまま低迷していました。フィリピンが貧しいというイメージは、その頃に定着したものです。

しかし、当時のイメージを引きずるあまり、今でもフィリピンを「アジアのなかでも特に貧しい国」とイメージすることは、明らかに間違っています。

アキノ前大統領が就任した頃からフィリピン経済は持ち直し、今や世界でもトップクラスの高い経済成長率を誇る国になっています。ASEAN諸国のなかでも、その経済成長率の伸びはずば抜けています。

貧困の連鎖

参照:https://www.rappler.com/business/

ASEAN諸国のGDP成長率を比較した上のグラフを見てもわかる通り、フィリピン経済は今、上昇気流に乗っています。現在のフィリピンは活気にあふれ、かつての日本が高度経済成長を迎えた頃とよく似た状況を呈しています。

一人当たりのGDP(USドル)を見ても 2017年度のフィリピンは3,022ドルまで上昇しており、ついに3,000ドルの大台を超えました。

一般的に、一人当たりの名目GDPが3,000ドルを超えると近代化を迎えたといわれ、家電製品や家具の売れ行きが加速します。5,000ドルを超えると、自動車が広く普及すると言われています。

下の図表は、日本の一人当たりのGDPの推移を、2016年度のASEAN諸国の一人当たりのGDPに当てはめたものです。

この表によると、今のフィリピンの一人当たりのGDPは、田中角栄総理が日本列島改造論を唱えた1970年代前半の日本と同じくらいの規模です。その後、日本は高度経済成長期を迎え、一気に世界第二位の経済大国へとのし上がりました。

現在のフィリピンが示す高い経済成長率を織り込めば、これからのフィリピン経済が日本の高度経済成長をなぞる可能性も十分に期待できます。

実際のところフィリピンは、米投資銀行のゴールドマン・サックスとエコノミストのジム・オニールにより発表された「21世紀有数の経済大国に成長する高い潜在性がある11カ国」(NEXT11)のひとつに名を連ねています。

▶ 関連記事:NEXT11 – wikipedia

しかし、今日のフィリピン経済は、残念ながらけして明るい展望ばかりを描ける状況ではありません。

かつてのような貧しい経済状況からは完全に脱却したものの、経済が上向いているにもかかわらず、国民の大多数が貧困を感じているという現実が横たわっているからです。

2017年12月4日に、民間調査機関のSWS(Social Weather Station)が、主観的貧困率の調査結果を発表しています。

「主観的貧困率」とは、年収などの客観的なデータに関係なく、個人が貧しいと感じる率を表したものです。あくまで主観に基づくため、個人によって受け止め方は異なります。

そのため、信頼性に欠けるように思われがちですが、近年は「主観的な指標の方が、客観的な指標よりも実態を正しく表している」といった研究結果もあり、重視されています。

調査によると、フィリピン国内で「自分の家庭が貧しい」と答えた人の割合は47%でした。

貧困の連鎖

フィリピン国内の主観的貧困率の推移
参照元:https://www.sws.org.ph/swsmain/artcldisppage/?artcsyscode=ART-20171128154728

フィリピン国内の主観的貧困率は、1980年代には70%を超えていたこともあるだけに、近年は多少上下に揺れながらも緩やかに下降しているといえます。

しかし、経済が絶好調で推移しているなか、主観的貧困率が50%近いという現実は、明らかに異常です。

フィリピンという国家は、年を追うごとに豊かさを増しているにもかかわらず、国民の大半が貧しいと感じているのはなぜでしょうか?

フィリピンに横たわる貧富を生み出す構造について、今回は掘り下げてみます。

1-2.フィリピンにはどの程度の貧富の格差があるのか

フィリピン

「貧富の格差」という言葉は、最近では日本でもよく耳にするようになりました。「一億総中流」と言われたのは、すでに過去のことです。現在は日本でも貧富の格差が広がっています。

しかし、フィリピンと比べたとき、その「貧富の格差」の中身には大きな違いがあります。

www.entrepreneur.com に掲載された記事のデータを引用しながら、フィリピンにおける「貧富の格差」の実態を紹介しましょう。
スイスの金融サービス会社 Credit Suisse のレポートによると、フィリピンは東南アジアのなかでベトナムに次いで2番目に高いGDP成長率を誇っています。

しかし、成人人口の純資産を比べてみると、フィリピンはシンガポール・ブルネイ・マレーシア・インドネシアに次いで、5番目の地位に甘んじています。

貧困の連鎖

Credit Suisseが発行しているGlobal Wealth Databookの最新版によると、6000万人を超えるフィリピン成人の2017年の平均資産額は、9773ドル( およそ107万円)でした。

2016年に報告された平均資産額は9878ドル(およそ108万円)ですから、今回のほうがわずかに低い数値だったことになります。

上の図表は、ASEAN諸国10カ国のそれぞれの成人一人当たりの平均資産額を表しています。図表をひと目見ればわかるように、ASEAN諸国には大きな格差が存在しています。

トップのシンガポールは平均純資産額が268,776ドル(およそ2,940万円)と最も高く、世界でも9番目という裕福さを誇っています。

続くブルネイが43,151ドル(およそ470万円)、マレーシアが22,804ドル(およそ249万円)、インドネシア11,001ドル(およそ120万円)と続き、そのあとようやくフィリピンが登場します。

Credit Suisseの調査によると、シンガポールやブルネイを除く ASEAN諸国のほとんどの成人の大半の純資産額が 1万ドル未満であるとされています。このことは、富の分配において著しい格差があることを物語っています。

実際のところ、ASEAN10カ国の半数で90%を超える成人が、1万ドル未満の財産しか貯蓄できていません。このように、ASEANの発展途上国での貧富の格差は、はっきりと数字で示されています。

では、富の分配がどれだけ不公平に行われているかを見るために、富豪の人数を比較してみましょう。国民全体に占める富豪の割合を比較すれば、その国の富の分配にどれだけの格差があるのかがわかります。

2017年に、少なくとも100万ドル(およそ1.1億円)以上の純資産額をもっている成人の数を比較してみると、フィリピン人は38,122人で ASEANのなかで3番目に位置しています。

このデータを入手できる国はASEAN5カ国のみですが、トップはシンガポールの151,703人、最下位はタイの 30,032人でした。

このデータを人口比に当てはめてみると、フィリピンで100万ドル以上の純資産をもっている成人は、成人全体のわずか 0.06%に過ぎません。

アジア太平洋地域の平均値である0.5%や、世界平均値である0.7%と比べてみると、フィリピンの0.06%という数字が異常に低いことがわかります。

このことは、フィリピンでは富の分配に、他国とは比較にならないほどの激しい格差があることを示しています。

しかも、100万ドル以上の純資産額をもっている富豪のなかにも、大きな格差が存在します。

1000万ドル(およそ11億円)以上の純資産を保有するフィリピン成人ともなると、2,587人に減少します。さらに、1億ドル(およそ110億円)の純資産を保有する成人は、わずか179人に過ぎません。

富豪のなかでも富の偏りに激しい差が見られることが、フィリピンの特徴です。

一方、Credit Suisse の発表によると、2017年の時点でフィリピンの人口の86.6%が、1万ドル(およそ109万円)未満の純資産しかもっていません。

1万ドル未満の純資産しかもっていない人の割合は、アジア地域では72.9%、世界では70.1%に過ぎません。フィリピン人の貧しさがアジアでも世界規模でもずば抜けていることが、この数字からも見えてきます。

貧困の連鎖

先にフィリピン成人の平均的な財産額が 9,773ドル(およそ107万円)であることを述べましたが、フィリピンの平均純資産額を見ると 2017年の時点で 2,478ドル(およそ27.2万円)しかありません。

純資産とは資産総額から負債総額を差し引いた金額です。つまり、財産額が土地や株券など純粋に所有している額を示すのに対して、純資産はそこから借り入れしている分を差し引いた額です。

一般的に、この2つの平均値に大きな差があるほど、持てる者と持たざる者の間に著しい不均衡があることを示すといわれています。フィリピンでは、2つの平均値の間に激しい差が見られます。ここからもフィリピンに横たわる貧富の格差が浮き上がってきます。

左の図表はフィリピン成人の保有する純資産額を基準に、人口比を表したものです。この図表をひと目見れば、フィリピン人の大多数は貧しく、富裕層はほんの一握りしかいないことがわかります。

富裕層のほとんどは、財閥や大地主の一族を中心とする資本家階級です。80%を超える大多数のフィリピン人は、労働者階級に属します。資本家が労働者を搾取(さくしゅ)するという前近代的な構造が、フィリピンではいまだにまかり通っているという現実を、この図表のピラミッドが語っています。

フィリピンに横たわる貧困の格差をなくすと言うことは、このピラミッドを突き崩すことを意味しています。

極端な人口比からなるピラミッドは、フィリピン経済の抱える闇をなにより能弁に物語っています。

1-3.経済成長よりも大切なこと

アジアには、フィリピンよりも貧しい国がいくつもあります。私が実際に訪れた国のなかだけでも、カンボジアやミャンマー、ラオスの貧困の度合いは、フィリピンを上回っています。

成人1人あたりの平均純資産額を比べても、フィリピンの9,773ドル(およそ107万円)に対して、ラオス5,662ドル(およそ62万円)、カンボジア3,881ドル(およそ42万円)、ミャンマーは1,831ドル(およそ20万円)に過ぎません。

ことに、カンボジアやミャンマーでは、命に関わるほどの貧困を極めた人々がフィリピン以上に多数います。

それでもカンボジアやミャンマーには、まだ救いの光明を見出せます。経済発展が足りていないために国民が貧しい場合は、国全体の経済を成長させることで、やがては貧困から抜け出せる目処が立つからです。経済が発展するにともない、国民の暮らしぶりも改善されます。

ところが、フィリピンは違います。現に「アジアの病人」と言われていた頃よりも、今は経済がはるかに好転したにもかかわらず、貧富の格差はさほど改善されていません。

これからさらにフィリピン経済が成長を遂げても、貧富の格差が解消されない可能性の方が高いと予測できます。

なぜなら、経済成長によってフィリピンという国がどれだけ豊かになっても、その富のほとんどを富裕層に吸い上げられるという現実があるからです。

少し古い記事になりますが、INQUIRER.net に「Economic growth for all」という記事が掲載されています。

この記事によると、2010年から2011年の1年間にフィリピンの富豪上位40名の資産は、130億ドル(およそ 1.4兆円)上昇しました。一方、この1年間にフィリピンのGDPは、170億ドル(およそ1.8兆円)上昇しました。

GDPの上昇額は、国内全体の収入上昇額を表しています。ということは、フィリピンの富豪上位40名の資産上昇額は、国内全体の収入上昇額の実に76.5%を占めることになります。

これは明らかに異常な数字です。経済成長によって得られた富の8割近くを、富豪上位40名が独占し、一般国民にはほとんど還元されなかったことになります。

ちなみに、同年度の日本の富裕層40人の富は、国内全体の収入上昇額のわずか2.8%に過ぎません。マレーシアは3.7%、タイは33.7%です。比較してみると、フィリピンの76.5%という数字が、いかに異常なものであるかが浮かび上がってきます。

経済成長に身を任しているだけでは、貧困の格差を解消できないことは明らかです。富裕層に集中している富の分配を是正して、国民の大多数を占める貧しい人々にも富が行き渡るように変えていかなければ、いつまで経ってもフィリピンの貧困の格差は解消されません。

フィリピンには、貧富の格差が生まれる構造がガッチリと組み込まれています。こうした貧富の格差が生まれる構造そのものを変えていかなければ、少数の富裕層が大多数の貧困層を搾取する今の状態は永遠に変わりません。

貧富の格差が生まれる原因については、これまでも何回か記事にしてきました。

今回は、それらの記事を大雑把にまとめながら、フィリピンには支配層である少数の富裕層とその他大多数の搾取され続ける貧困層が存在すること、富裕層にしても貧困層にしても親から子へと経済状況がそのまま受け継がれ、負の連鎖が永遠に続いていること、その連鎖を断ち切るために何が必要なのかについて紹介します。

貧富の格差が生まれる構造に風穴を開け、貧困の連鎖を断ち切ることで、一部の富裕層が大多数の貧困層を支配するピラミッドを、やがては突き崩せるに違いありません。

2.貧困の連鎖とは、どういうことか?

フィリピン

「貧困の連鎖」とは親から子へと、貧困にあえぐ状況がそのまま受け継がれることを意味しています。

フィリピンという国は一つでも、少数の富裕層と大多数の貧困層が暮らす世界は、まったくの別世界です。二つの世界が混じり合うこともなければ、富裕層が貧困層に没落したり、貧困層が富裕層の仲間入りを果たすことも、まずあり得ません。

なかにはボクシングのマニー・パッキャオ氏のように、貧困層の最底辺から富裕層のてっぺんにまで駆け上がった人物もいますが、それは例外中の例外であり、奇跡の物語に過ぎません。一般の人々には、いつまで待っても奇跡は訪れません。

多くの富裕層は、小高い丘の上にある高級ヴィレッジにある豪邸に住み、運転手や女中などの使用人を何人も抱えています。

雑事のすべては使用人が済ませてくれるため、彼らはめったに街中に出てくることもありません。たまに高級ホテルのレストランで知人と会食したり、ビジネス上の特別なイベントに出席する程度です。

フィリピン

一方、貧困層の人々の暮らしぶりは悲惨です。最貧困層ともなるとゴミ山に囲まれたスラムに掘っ立て小屋を建て、食べ物を口にできるかどうかわからない毎日を過ごしています。彼らにとっては、生きるために毎日の食をつなぐことが人生の最大の目標です。

富裕層は生涯、日本人では想像できないほどの贅沢な暮らしを堪能し、貧困層はどれだけあがいても一生を貧困のうちに閉じます。フィリピンでは富裕層と貧困層のどちらに属する親の元に生まれるかで、一生が決まります。

努力のいかんに関わらず、生まれた時点で生涯が決まるため、そこには夢も希望もありません。

ゴミ山に生まれたあなたの一生涯

話をわかりやすくするために、具体的な一例をあげます。たとえば、あなたがゴミに囲まれたスラムに生まれたとしましょう。あなたは順調に成長し、晴れて小学校に入学することができました。

しかし、学年が進むにつれ、食べられるものを口にできない日々が増えていきます。弟や妹が生まれたことで、生活費が余分にかかるようになったためです。

小学校へ通うにもお金がかかります。もちろん、フィリピンにも義務教育の制度はあるため、公立校であれば授業料は無料です。しかし、学校は徒歩圏内にないことが多く、ジプニーやバスなどの交通機関を利用するケースがほとんどです。そのため、交通費と昼食代がかかってきます。制服も自分で揃えなければいけません。

毎日の食費にも事欠くようになり、あなたの両親は苦渋の決断をします。あなたを小学校に通わせる余裕は、もうありません。

あなたは仕方なく小学校に通うことをあきらめ、翌日からは母親の仕事を手伝うことになります。母親の仕事は、ゴミのなかから換金できるモノを拾い集めるスカベンジャーです。

母親からゴミの分別や金目のものを見つける技術を習い、あなたは子供ながらにスカベンジャーとして家計を支える働き手の一人になりました。まだ幼い弟や妹を背負い、子守をしながら毎日毎日ゴミ拾いを繰り返す日々が続きます。

ペットボトルは 1キロ25円、空き缶は1キロ30円、プラスチックは1キロ10円ほどです。頑張れば1週間で、2,500円ほどの収入を得られます。1ヶ月で1万円ほどです。でも、どれだけ頑張ってもそれ以上に稼ぐことは無理です。

あなたは、その日に家族が食べていける食費を稼ぐことだけを目的にゴミ拾いを続けます。今日食べることが精一杯で、将来を考える余裕などありません。

それに、考えたところでどうにもなりません。あなたはゴミ拾いにかけてはプロフェッショナルになりましたが、それ以外のことはなにも知らないからです。

母親と同じ仕事に就くことしか、あなたに選択肢はありませんでした。それは、これから先も同じです。あなたにはゴミ拾いとしての知識と経験しかありません。それ以外の仕事に就くチャンスも知識も、あなたにはありません。

あなたが女子であれば、早ければ13歳ぐらいで身ごもります。フィリピンでは中絶が法律で禁止されているため、身ごもった以上は産むよりありません。

子供が生まれても、あなたの毎日は変わりません。狭苦しい掘っ立て小屋の中で大家族といっしょに暮らしています。家族が多いため子育ては助けてもらえますが、毎日の食費を稼ぐためにゴミ拾いをする日々には何も変わりありません。

やがてあなたの子供が成長して小学校に上がりますが、苦しい生活のなか、あなたと同様に小学校を中退して、あなたの仕事を手伝うことになります。

あなたは、スカベンジャーとしての仕事を子供に教えていきます。あなたに教えることができる知識はそれしかないのだから、他に選択肢はありません。

こうして貧困の連鎖が親からあなたへ、あなたから子へと、永遠に続いていくことになるのです。「貧困」とはお金がないことに加えて、あらゆるチャンスがないことも意味しています。

教育を受ける機会を奪われるため、貧困層の子供たちは社会を知りません。そのため、黙って親の仕事を受け継ぐことしかできません。ゴミ拾いの子はゴミ拾いに、物売りの子は物売りに、物乞いの子は物乞いになるだけです。他の道を選ぶ機会は、ほとんどありません。

フィリピンでは男性よりも女性が働くことが一般的なため、たいていの子は母親と同じ仕事に就きます。祖母も母親もあなたも同じ仕事に就くことが普通です。そして、あなたの子供もまた、同じ道をたどります。

そこに待っているのは、抗うことのできない貧困の日々です。祖母から母へ、母からあなたへ、あなたから子へと、その日に食べられるものを口にできるかどうかわからない毎日が受け継がれます。

ときには食料を買うお金が尽き、何も口にできないまま空腹に絶えるよりない日もあります。お腹が空いたと泣く子を、なだめなければいけない日もあるでしょう。

それでも、この貧困から抜け出す道はどこにもありません。最貧困層には「選ぶ」という贅沢は許されていません。常にひとつの道だけしかなく、それは確実にさらなる貧困へとストレートにつながっています。

それが、救いようのない貧困の連鎖の実態です。

いったい、なぜフィリピンは貧困が連鎖するような社会になってしまったのでしょうか?

次回は、フィリピンに見られる貧富を生み出す構造について3つの観点から紹介するとともに、貧困の連鎖を断ち切るための方策について見ていきます。

▶︎フィリピン貧困の連鎖(2/2)フィリピン国内に仕事がない2つの理由

ドン山本 フリーライター
ドン山本 フリーライター
タウン誌の副編集長を経て独立。フリーライターとして別冊宝島などの編集に加わりながらIT関連の知識を吸収し、IT系ベンチャー企業を起業。

その後、持ち前の放浪癖を抑え難くアジアに移住。フィリピンとタイを中心に、フリージャーナリストとして現地からの情報を発信している。

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