留学先として毎年人気のイギリスとカナダ。
「どちらも留学先として良さそう」とは思うけれど、
実際どちらの国に留学することが自分に向いているか?
留学するにあたり、どういう部分が違うのか?
と疑問に思うこともあるでしょう。
私はこれまで、英語圏5カ国に留学をしてきて、その中でもイギリスはヨークにあるヨーク大学、カナダはトロントにあるゲルフ大学にそれぞれ約2ヶ月に渡る語学留学をしてきました。
そこで今回は、その経験からイギリスとカナダで異なるメリット・デメリットを比較していきます。
留学を検討している人にとってどちらが自身の留学像に合うのか参考にしてください。
(トロント)
(ロンドン)
目次
イギリス留学VSカナダ留学その1:発音の違い
(イギリス英単語とアメリカ英単語の違いのスライド)
まずは発音の違いです。
いわゆるイギリス英語とアメリカ英語で、はっきりと分かれております。
日本ではアメリカ英語を習うため、人によってはリスニングの面や単語、発音がこれまでとは違うことで苦労する人も少なくなかったです。
しかしながら、どちらも英語は英語ですので、2〜3週間すると慣れてきます。
そして、私個人の意見ですが、イギリス英語の方が母音をしっかり発音するため、慣れればイギリス英語の方が日本人にとって習得しやすくなると思っております。
一方、TOEICをはじめ、英検など基本的にはアメリカ英語で出題されるため、日本大企業でも通用するアメリカ英語をしっかり身につけたい方はカナダ、将来イギリスにある大学への進学や、ヨーロッパでの就職を考えている方はイギリスが良いと考えます。
ただ、地力が目安TOEIC650以上の方が、それぞれの国で英語をネイティブレベルを目指し会得しようとする場合、発音の違いは大きな障壁とはならないでしょう。
イギリス留学VSカナダ留学その2:語学プラスアルファの選択肢
■イギリスの場合
大学をはじめ、教育機関のレベルが高く、語学力だけではなく英語で学問を志したいと考える方におすすめです。
大学の数はもちろん、専攻やレベルの幅広さはとても秀でていています。
留学生の受け入れ実績も豊富です。
また、隣国のアイルランドでは、ビザのハードルが低く、25週間以上語学学校に通うと就労が可能な学生ビザを現地発行することができます。
そのため、長期であればアイルランドとイギリスの留学との柔軟な組み合わせもおすすめです。
(パソコンを使った授業プレゼンの資料作り)
■カナダの場合
もちろん日本と同等レベルで大学はありますが、イギリスに比べると、やはり留学生にとっての学問の選択肢は減ってしまいます。
一方で、アジア人の渡航が多いことからもワーキングホリデーの種類は豊富で、就職活動の準備の一環で訪れたい方に向いていると考えます。
(少人数10人ほどのクラス授業)
イギリス留学VSカナダ留学その3:留学費用の違い
■イギリスの場合
渡航費は直行便片道18万からで所要時間は13〜14時間ほどです。
直行便は数が少ないため、基本は経由便を利用することになるでしょう。
費用は直行便に比べ経由便だと10万円前後抑えられるかと思いますが、渡航に丸一日使う事がしばしばです。
学費(週5日/9:00〜16:30授業)と居住費(ホームステイ朝夕付き)、渡航費で1ヶ月約60万円(カリキュラムや時期によって変動有り)かかります。
そこに交際費など雑費を含むと1ヶ月の合計で約80万円が目安です。
また、物価は日本の1.5倍ほどのイメージです。
生活費に関しては、東京都心に住むということをイメージしていただくと分かりやすいかと思います。
もし、ロンドンで1人暮らし用のアパートを借りる場合は、おおよそ15万円ほどするようです。
しかし、居住費はホームステイをすると1週間あたり2〜3万円ほど(カナダと同程度)で、生活費用は多少抑える事ができるでしょう。
(ホームステイ先の夕食)
(アフターヌーンティー)
■カナダの場合
渡航費は、直行便片道13万からで所要時間は12〜13時間ほどです。
こちらは基本直行便ですが経由便(15〜20時間)だと約5万円抑えられます。
学費(週5日/9:00〜16:30授業)と居住費(ホームステイ朝夕付き)、渡航費で1ヶ月約45〜50万円(カリキュラムや時期によって変動有り)かかります。
そこに交際費など雑費を含むと1ヶ月の合計が約60万円が目安です。
そのため、費用面はイギリスよりもカナダの方が留学先として人気な理由の1つと言えるでしょう。
カナダの物価は変動しやすいようですが、総じて日本と同じかほんの少し高いぐらいの印象でした。
生活費は日本の地方の百万都市で暮らす際とほぼ同額だと考えていただくと良いでしょう。
(学校のカフェテリアでの昼食)
イギリス留学VSカナダ留学その4:国籍の割合の違い
■イギリスの場合
アジア系よりもヨーロッパや中東、南米の留学生が多い印象でした。
具体的には、ブラジル15%、トルコ15%、韓国10%、日本5〜10%、スイス(ドイツ)10%、台湾5%、サウジアラビア5%、フランス5%、イタリア5%などなどという割合です。
日本人の数は少ないため、日本人以外の友人を作りやすい環境と言えるでしょう。
私は、ホームステイ先のルームメイトがスイス人でかなり英語が上手でした。
留学生同士であれば、そこまで高いレベルの英語をお互い話さないため、こちらのレベルに合わせてくれます。
したがって、授業外で英会話を積極的に練習する機会が増えます。
経験上、私はあまり外向的な方ではないため周りに日本語が無い環境の方が会話力が上達しました。
■カナダの場合
アジア人留学生の比率(日本と韓国)が多い印象です。
トロントの場合、日本20〜25%、韓国15〜20%、ブラジル25%、メキシコ5〜10%、コロンビア5%というおおまかな比率です。
バンクーバーは日本人割合と韓国人割合がトロントの逆になります。
アジア系が多くて心強さはありまずが、やはり日本人同士で固まって日本語を多く話してしまう傾向にあるでしょう。
そのため、授業外でも日本人と一緒いないという覚悟を持っている方やコミュニケーション能力が高く現地や諸外国からきた生徒の輪に飛び込める方には向いていると思います。
イギリス留学VSカナダ留学その5:食文化の違い
■イギリスの場合
よく「イギリスはご飯が美味しく無いんじゃないの?」と聞かれます。
確かに一昔前はそうだったかもしれませんが、現在のところそんなことはないと思います。
家庭の主食は芋やパンですが、街に出れば日本食レストランや中華など幅広い料理を楽しむ事ができます。
■カナダの場合
いわゆる欧米の食文化が根づいており、テレビで見るアメリカ合衆国の食卓をイメージしていただくと早いかと思います。
味付けが濃かったり薄かったり独特な時もたまにありますが、基本日本人留学生でカナダの食文化を許容できないという人はみた事がありません。
イギリスに比べるとジャンキーなイメージです。
イギリス留学VSカナダ留学その6:休日の過ごし方の違い《番外編》
大前提として勉強が1番大事ですが、せっかくの海外ですから休みの日は思い切り楽しめる方がいいと思っております。
立地の違い
■イギリスの場合
イギリスは、島国で国内旅行は行きやすいけれども国外へは必ず飛行機(船は時間と費用のコストパフォーマンスが悪い)に乗らなければなりません。
かつては、EU加盟国へはパスポート無しで気軽に行けましたが、現在はパスポート情報をインターネット経由で提出しなければなりません。
そのため、留学中に海外旅行をするハードルは費用面、時間等でハードルは高いですが、ヨーロッパを周遊できるチャンスがあるということはメリットと言えるでしょう。
また、イギリスは連合王国ですので、イングランドとスコットランドなど国内旅行でも地域毎の特色が味わえるという利点もあります。
金銭面で余裕がある方やヨーロッパ諸国を訪れてみたい方は、イギリスが良いと思います。
(宮殿衛兵交代式)
■カナダの場合
主に留学先の候補は、バンクーバーかトロントだと思います。
トロントであれば、ニューヨークまでバスで8時間ほどで行けるという利点があります。
費用は片道約1万円で、金曜の夜から土日を利用して訪れる事が可能です。
アメリカ合衆国東海岸の都市に訪れやすいです。
一方バンクーバーは、西海岸のシアトルやポートランドに近い利点があります。
それぞれの都市の特徴としては、どちらも都会でありながら自然にも触れられる点が魅力です。
しかしどちらかと言うと、トロントの方が都市の周りも都会で、バンクーバーはより自然に囲まれています。
(トロントからバスで8時間ニューヨーク)
(バンクーバーから車で2時間30分のジョフリーレイク)
スポーツ
■イギリスの場合
サッカーが有名ですので、世界最高峰の試合を現地観戦できます。
サッカー好きにオススメです。
(マンチェスターシティ対FCバーゼル)
■カナダの場合
トロントは野球メジャーリーグのブルージェイズ、NBAのラプターズの本拠地です。
また、アイスホッケーなどのウィンタースポーツも盛んです。
アメリカ本場のスポーツを楽しめる魅力があります。
(フィリーズ対ブルージェイズ)
その他、日本人が知っておくべきこと
今回は、イギリスとカナダの留学を比較して解説しました。
本文では詳しく触れませんが(あくまで一部の方々ですが)、悲しいことにアジア人に対する人種差別がどちらの国でも存在します。
例えば、カナダでは、歩いて登校中にすれ違った車の窓から汚い言葉を吐かれたり、イギリスでは、同じバスに乗るだけで嫌な顔をされたりしました。日本では考えられないようなことが、海外では起こりえます。
それを含めて留学だと思ってください。
共通する点もあれば異なる部分もある2カ国ですが、それぞれの個性を自身の味方につければより有意義な留学生活を送ることができます。
イギリスやカナダへの留学を検討している人は、今回の記事を参考に自身に合う留学先を探してみてください。