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AI翻訳の進化で、未来は英語を学ぶ必要がなくなる?【2021年版】

AI翻訳の進化で、英語学習しなくてよい未来がもうすぐ来る!?

「感無量です。創業から17年、ついにこの日がやって来ました。
今ここに高らかに宣言します。我々はついに言語的ハンディの呪縛から解放されました。
『言語フリー』の世界が実現しました。
長年に渡って人類を分断し続けた言語の壁は、今ここに崩壊したのです。」

ある社内文書が英語業界で大きな反響を呼んでいます。

格調高く始まるこの文言は、人工知能(AI)翻訳を手がけるロゼッタグループが、2021年3月1日付けで発令した「英語(外国語)禁止令」の冒頭に掲げられています。

「英語禁止令」の趣旨は、ロゼッタグループに属する全社員に対し、母語以外の言語を話すことを禁じるものです。勤務中に日本人社員が英語を話すことも、外国人社員が日本語を話すことも一斉に禁止する、と命じられています。

ただし、ネイティブ並みに英語などの外国語を話せる社員については、代表の承認を得ることで例外的に、その外国語を話すことが許可されるとしています。該当者はわざわざ外国語使用許可を申請する必要がある、という手の込んだ仕様になっています。

ロゼッタグループがこのような型破りな英語禁止令を出したのは、グループ内の株式会社Matrixが、従来にはなかった実用レベルのAI翻訳をVRオフィスのシステム内に組み込むことに成功したからです。

これにより、株式会社Matrixが運営するWEB上の言語フリー部屋に入ることで、英語だろうが中国語だろうが日本語だろうが、本人の母国語で話すだけで相互にコミュニケーションがとれるようになる、とのことです。

WEB上の言語フリー部屋にはVRでなくても、PCやスマホからでもワンクリックで入れます。

「言語フリー部屋」についての詳細はまだ発表されていないため現時点では不透明ですが、おそらくAIによる相互通訳が実現しているのだと考えられます。

もし、本当に英語禁止令を徹底しても業務に支障がないほどに完成度の高い実用レベルのAI通訳が実現したのであれば、世界を揺るがすほどの大きなニュースになることは間違いありません。

もはや英語力がまったくなくても、会話が成り立つのです。こんなに楽なことはありません。

そうなると、ひとつの疑問が湧いてきませんか?

果たして今さら、苦労して英語を学ぶ必要なんてあるのでしょうか?

1.AIの進化は英語力を不要にするか

ロゼッタグループの英語禁止令には、次のような文章も掲げられています。

「人種や性別とまったく同じように、英会話力など、本業の能力とは何の関係もありません。

英語ができる無能な人が重宝され、本当に実力のある人々が抑圧される暗黒時代はもう終わったのです。

英語ができないだけで不遇な目に会っていた、優秀で素晴らしき人達。あなた方はついについに、檻から解放されたのです。自由に、羽ばたいてください。思う存分、きらめいてください。」

https://ledge.ai/rozetta-english/ より引用

英会話力は「言語フリー部屋」を利用することで完全に補えるため、もはや英会話力が不要となる新しい世界が始まったのだとの宣言が高らかに謳(うた)われています。

「言語フリー部屋」の優秀さを強調するために、あえて挑発的な言葉を並べたのかもしれません。

「AIの進化は、英語などの外国語をマスターする必要性を本当になくすのか」このテーマは近年、繰り返し話題になっています。

今回は要点のみに絞って考えるために、解決のためのアプローチを、あえて2つに絞ります。

ひとつは、そもそも実用レベルに耐えられるほどのAI翻訳が現時点で実現しているのか、という疑問です。もうひとつは、AI翻訳は英語脳を超えられるのか、についてです。

その1.AI翻訳の現状

私は2017年にこのような記事を出しました。
「英語翻訳の進化」の先に、英語を学ぶ必要がない未来は待っているのか?(2017年版)

当時は翻訳ソフトの大幅な進化がメディアで話題になり、すぐにリアルタイムな翻訳がされる時代が来るのではないかと、言われていました。あれから4年・・・。

AI通訳は、人が発した音声をテキスト化するための音声認識技術と、テキストを翻訳するためのAI翻訳エンジンから成り立っています。音声認識については近年目覚ましい進化を遂げ、十分に実用レベルに達しています。問題はAI翻訳です。

AI翻訳は注目度が高い花形産業であり、Googleをはじめ多くの巨大IT企業が取り組んでいます。専門家の見解によると、中学生レベルの英語翻訳であれば、AIでも十分に対応できる段階にあるとのことです。

また、法律文書や論文など記述のルールが定まっている文書であれば、AI翻訳の精度はかなり高まっているといわれています。

一方、実用レベルに遠く及ばないのが小説やシナリオの翻訳です。人の感情の揺れ動きをくみ取ったり、人間性に根ざした翻訳については、まだAIでは太刀打ちできない、ということです。

つまり、構造が単純な文章や定型文書には対応できるものの、ビジネスの現場で通用するようなレベルには、まだ達していない、ということです。

たとえば「Google翻訳」の精度が、少し前と比べれば格段と進歩してはいるものの、未だに実用レベルに達していないことは、多くの人が感じていることではないでしょうか。

ポケトークなど海外旅行では役立ちそうな新たな機器も次々に誕生していますが、ビジネス上のコミュニケーションに使うには明らかに役不足です。

今回、ロゼッタグループで利用を開始する「言語フリー部屋」が、これまでのAIの常識を覆すほどの実力を備えているのであれば、まさに言語の壁を打ち破る画期的な発明といえるでしょう。その実力の程は、まだ不明です。

「言語フリー部屋」が「今度こそ」を何度も繰り返してきたAI翻訳の歴史を塗り替えることになるのかどうか、見守りたいところです。

その2.AI翻訳は英語脳を超えられるか

AI翻訳を用いた通訳のなかでも、現段階ではことに精度が低いと指摘されているのが、同時通訳です。

人の話す言葉は、文語体と比べると極めて曖昧です。特に日本語は、この傾向が顕著です。たとえば話し言葉では主語が省かれることが、よくあります。主語以外にも言葉が抜けたり、語順が変になることも珍しくありません。

また、人には機械と違って感情があるため、同じ言葉を発しても声の大きさや抑揚によって、全く異なる意味になることもあります。ことに感情が高まると、口ごもることもあれば、文章として体をなしていない言葉を口にすることもあります。

それらの複雑な情報を瞬時に読み取り、同時通訳する実力を備えたAIは、今のところ見当たりません。

ですから現在のAI通訳は、通訳のプロが間に入り、日本語と英語を相互に通訳する状況となんら変わりません。

しかし、「AI通訳が実現すれば英語を学ぶ必要はなくなる」とは、よく言われるものの、「プロの通訳を雇えば英語を学ぶ必要はなくなる」とは言いません。

なぜなら多くの人が、会話に通訳を介在させるよりも、直に会話を交わした方が効率的だと理解しているためといえるでしょう。これは非常に重要なポイントです。

通訳を介すと日本語を英語に翻訳して伝え、なおかつ英語を日本語に翻訳して伝えなければならないため、会話の時間がどうしても延びてしまいます。直に話せば30分で済むことも、通訳を介することで1時間、あるいは2時間弱もの時間を要することは、往々にしてあることです。

でも、このことはAI通訳を用いても同じことです。翻訳という余計な作業が入ることで会話は間延びし、コミュニケーションを図る効率は著しく低下します。

ところが英語脳を取得している人が英語を用いれば、このような時間のロスを防ぐことができます。英語を日本語に翻訳することなく、英語のままに理解できるスキルこそが英語脳の正体です。

AIが行っても人が行っても、「翻訳」という作業を介在させる限り、そもそも「翻訳」そのものが不要な英語脳には遠く及びません。

淀むことなく相互に会話が活発に進む状態と、どちらかが話す度にAI翻訳が入ることによって中断され、遅々として会話が進まない状態とでは、どちらが好ましいかは考えるまでもないでしょう。

同時通訳でも同様のことがいえます。

堀江貴文さんがカルロス・ゴーンさんと対談インタビューをする際、なぜ同時通訳者を使わなかったのか。

元メジャーリーガーの川崎選手が、あれだけ人気選手になったのはなぜか。

円滑なコミュニケーションの質に着目する限り、英語脳を取得した人に、同時通訳もAIも勝ることは永遠にない、と言い切れます。

AIがどれだけ進化を遂げたとしても、同じことです。どこまで進化しても「翻訳」という余計な作業が介在するだけに、AIが英語脳を超えることはあり得ません。

したがって、この先AI翻訳がどれだけ画期的な進化を遂げたとしても、英語を学び英語脳を獲得する意義は十分にある、ということです。

ただし、中途半端な英語力では、そのうちAI翻訳に太刀打ちできなくなる可能性は高いです。
最低でも英語脳を獲得できるまでは、英語学習を続けるべきです。英語脳を取得するだけの高度な英語力を身につけることにより、はじめてAIを超えられるのです。

2.AI翻訳の進化は何をもたらすか

次に、AI翻訳の進化に伴い、英語学習はどう変わっていくのかを考えてみましょう。

AI翻訳はどれだけ進化を遂げたとしても、ひとつのツールであることに何ら変わりありません。ツールを使いこなせるかどうかは、使う人次第です。

たとえばスマホやタブレットにしても、それらのツールをどう使いこなすのかは所有者の勝手です。ゲームに興じれば無為(?)に時間を過ごすことになるでしょうし、webから有益な情報を収集できれば、インフォメーション・テクノロジーを最大限に活用したことになるでしょう。

その差は歴然としています。前者に比べて後者は、情報を活かして高い報酬を得る確率が高く、より豊かな人生を送れることでしょう。

つまり、テクノロジーは格差を拡大させる働きがある、ということです。

AI翻訳についても、まったく同じことがいえます。AI翻訳というテクノロジーを活用できるかどうかで、格差は確実に広がります。

ここで重要となるのは、AI翻訳を活用するためには英語力が必要になる、という事実です。

現在、「Google翻訳」を最も有効に活用できているのは誰かと言えば、実は英語力に優れている人たちです。

先にもふれたとおり「Google翻訳」の吐き出す訳文は、未だに実用レベルに達していませんが、英語力がなければ「おかしな訳文だ」と納得して終わってしまいます。

ところが、英語力が備わっていれば、「Google翻訳」を下訳として活用し、間違っている単語を直したり、文法上のミスを修正できます。そうすることで一からすべて自分で翻訳するよりも、より早く翻訳作業を終えられます。

この場合、もともと英語に堪能な人の能力が、「Google翻訳」によって拡張したといえます。

もちろん、時代が進めば今の「Google翻訳」よりも優れたAI翻訳が登場するでしょうが、本質は変わりません。

そうした便利なツールによって大きな恩恵を受けられるのは、いつの時代も英語力に優れた人なのです。

これはスペイン語に置き換えてみればわかります。
スペイン語を全く知らなければ、どんなに高い精度の翻訳・通訳がされても直すことはできませんし、正しく伝わっているのかもわかりません。

したがって英語を学習する必要性は、AIがどれだけ進化しても変わらないといえます。

むしろ、AI翻訳が身近になることによって、英語を使ってコミュニケーションを図る楽しさを知り、英語学習を始める人が増えるかもしれません。

VR
たとえばVRが普及したことにより、自宅に居ながら世界中をリアルに旅行できるようになりました。あくまでVRだけに安全かつ快適に、世界中どこでも見て回れます。

では、「VRで十分に楽しんだから、もう実際に旅行しなくていいや」となるかといえば、けしてそんなことはありません。

VRで感動した美しい景観を実際に自分の足で訪れたいと思う人は、確実に増えています。現在はコロナ禍のために無理矢理抑えられてはいるものの、VRによって旅行需要は高まっていると指摘されています。

英語学習にも同じことがいえそうです。AIが介在することで英語によるコミュニケーションがスムーズに実現すれば、「楽しい」という記憶が残ります。それが引き金となり、自ら英語を学ぼうとする人は、今後増えていくと予想されます。

AI翻訳が普及する時代になっても英語学習の需要はなくならない、ということです。

ですから今、英語学習をしている人、あるいはこれから新たに始めようとしている人は、安心して学習に取り組んでください。AIがどれだけ進化しようとも、身につけた英語力は、けしてあなたを裏切りません。

そして英語を使う楽しさを、どうぞ思いっきり味わってください。あなたの英語学習が捗るように、マナビジンは応援し続けます。

マナビジンのコンセプトは「英語が伝わる楽しさをより多くの方へ」です。

これからもマナビジンは、英会話が伝わる楽しさを知りたい方のためのメディアでありたいと願っています!

どうやって英語学習をすればよいのか具体的な How to について知りたい方は、短期間のうちに英語力を獲得することに成功した人たちの声を集めた「成功事例集」を手に入れてみてください。
→ https://ceburyugaku.jp/lp/

斉藤淳 / マナビジンの代表
斉藤淳 / マナビジンの代表
マナビジンの代表

TOEIC300点台、英会話力ほぼゼロから、さまざまな試行錯誤した果てにフィリピン留学にたどりつき、4ヶ月の留学で英会話力が伸びるコツを会得。

その後、自身で立ち上げた留学メディアを8年運営しながら、多くの英語学習者を見守るうちに、短期間で英会話のスキルを身につけた成功者には、共通点があることに気がつきました。

マナビジンではその共通点を一個人の意見だけでなく、様々な角度からできるだけ裏付けしつつ、ご紹介予定です。

また、合わせて仕事でその場を乗り切りたい方のための、今日覚えて明日使える英語フレーズ集もどんどん作成予定。
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主な仕事:ウェブメディアのディレクター
ウェブメディアのゼロからの立ち上げや、ディレクション業務などを中心に、複数の法人サイトを運営管理しています。その傍ら、自身でもこのマナビジンを含め、ウェブサイトをいくつか所持し、情報発信中。応援よろしくお願いします!

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