ネイティブスピーカーが会話で頻繁に使う「just」。
なんとなく使ってみるも正しく使えているのか自信がない、という方は多いのではないでしょうか。「just」は細かいニュアンスを伝えられる便利な言葉ですが、会話によって様々な意味を持ちます。
ジブリアニメを観ながら英文法を学ぶシリーズでは、実際にジブリアニメで使われているシーンを基に英文法の使い方とニュアンスを学びます。英会話学習に必要な、英語のニュアンスを英語のまま掴むことができますよ。
今回は”千と千尋の神隠し”を観ながら、「just」の5つの意味と使い方をご紹介します。
justの基本的な意味とルール
「just」は形容詞としての意味と「副詞」としての意味があります。形容詞としては名詞を修飾する「正しい/公正な」等の意味で使われます。
(我々のチームメンバーは、その決断が正しかったと思っている。)
一方、日常会話で頻繁に使われる「just」は副詞としての役割で、主に5つの意味を持ちます。基本ルールとして「just」は、修飾する言葉の前に位置します。
では、5つのそれぞれの意味を順番にみていきましょう。
justの意味その1. とにかく強調を表す
とにかく~しなさい/とりあえず~して、と動詞を強調するニュアンスで使います。有名なNIKEのキャッチコピー、「Just Do it.」 もこのニュアンスで使われていますね。
ジブリの例を見てみましょう。
湯婆婆(ゆばーば)の所へ仕事をもらいにきた千。しかし何度お願いしても、ゆばーばは決して仕事をくれません。それでもめげずに「仕事が欲しいのです!」と懇願する千に、ついに諦めたゆばーばが言い放つシーンです。
英語訳:All right. Just pipe down.
「pipe down」は黙る、静かになるという意味です。この動詞の前に「just」をつけると、とにかく黙ってくれと、強調して言っているニュアンスになります。会話の流れにもよりますが、強い言い方に聞こえるので、広告などメッセージ性が高いものや、親しい間柄で使われます。
Just don’t think about it so much. (とにかくその事をあんまり考えないで。)
justの意味その2. だけ/ただ~である、onlyのニュアンスを表す
たった~だけ、と少なさを強調するニュアンスで使われます。「only」と同じニュアンスで使われます。
例を見てみましょう。
千が働く湯屋(油屋)にきたお客さんが、もっとお湯を出してほしいという要求に対して、千が答えるシーンです。
<英語訳> What? Just a minute.
「a minute」の前に「just」をつける事で、「1分だけ」という意味になります。
口語なので省略されていますが、正確に言うと「Give me just a minute」で「1分だけ私に時間を下さい」という文になりますね。「ほんの少し待って」というニュアンスで、日常会話で頻繁に使われるフレーズです。
この様に、「たった~だけ」と少なさを強調して言いたい時に使われます。
Would you like some sugar in coffee? Yes, just a little. (コーヒーに砂糖入れますか? はい、少しだけ。)
justの意味その3. 単に/ただ simplyのニュアンスを表す
単に~であるや、ただ~である、という意味で疲れます。「simply」のニュアンスを表します。
例を見てみましょう。
引っ越しの途中、家族と共にトンネルを超えて不思議な世界に迷い込んでしまった千。自分に起きている事が信じられず、自分自身に言い聞かせるように言うシーンです。
<英語訳>It’s just a dream!
「これはただの夢だ!現実の世界ではない」というニュアンスですね。
「It’s a dream」でも意味は通じますが、現実を受け入れられない千が自分に言い聞かせるように「ただの夢だ!何でもない、大丈夫だ!」というニュアンスが含まれていますよね。
この様に、それ以上何でもないというニュアンスを伝えるために「just」が使われます。
Is he your husband? No, he is just a friend. (彼、旦那さん? 違うよ、彼はただの友達だよ。)
justの意味その4. ちょうど今/少し前 時間を表す
たった今、もしくは少し前という時間を表す意味として使われます。「a short time ago」や「recently」のニュアンスを表します。
例を見てみましょう。千のお世話役であるリンが、千を起こしに行こうと階段を登っている途中、千を見つけて言うシーンです。
<英語訳>I was just coming to wake you up, look!
「I was coming to」でも意味は通じますが、まさに今、起こしに向かっていたという「まさに今」という時間を強調したニュアンスを伝えるために「just」と使われていますね。
この様に、ほんの少し前のことやまさに今、という時間を表す意味として使われます。
She just told me that she’ll go to business trip next week. (今さっき彼女が来週出張に行くって言ってたよ)
justのニュアンス5. ちょうど/ぴったり/正に、exactlyのニュアンスを表す
ちょうど~である、や正に~であるという意味を表します。「exactly」のニュアンスを表します。
<英語訳>Haku turned up one day, just like you.
「like you」はあなたみたい、という意味ですよね。「just」がつくことで、「まさに、あなたみたい。そっくりだ」という意味になります。ハクがやってきた時は千と全く同じ様子だったという二人の共通点が強調して伝わる文になりますね。この様にぴったり、正確だというニュアンスを表すために使われます。
That is just what I need! (まさにそれ、私が必要としていたことです)
justを使った慣用句
その他、日常会話でよく使われる、「just」を使った慣用句をご紹介します。
I’ll bring an umbrella just in case. 念のため、傘持っていくわ。
Why did you move to Tokyo? Just because. なぜ東京へ引っ越したの? なんとなく。
The grapes are just about ripe now. ブドウはほぼ熟しています。
まとめ
いかがでしたか?
色々な意味を持つ「just」ですが、それぞれ5つの意味はシンプルですよね。
「just」を会話の中で使いこなせると、ネイティブスピーカーが使う自然な表現に近くなり、細かいニュアンスが含まれるより深みのある英語表現ができるようになります。ぜひ千と千尋に出てきた5つの意味を自分の日常に置き換えて、練習してみてくださいね。
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