日本語で「私は~と思う」を、毎回「I think」と言ってしまう方は多いのではないでしょうか。決して間違いではありませんが、日本語の「私は~と思う」には、「~と想像する」「~だと確信する」「~だと感じる」と文脈によって様々な意味が含まれている場合がありますよね。
英語には「私は~と思う」を意味する言葉が数多くあり、ネイティブスピーカーは会話のニュアンスや意図する文脈にあわせて使い分けをしています。
ジブリ映画を観ながら英文法を学ぶシリーズでは、実際にジブリ映画に使われているセリフをもとに、ネイティブスピーカーが使う英語のニュアンスと英文法を学びます。
今回は、「となりのトトロ」から、「私は~と思う」を意味する頻出用語をご紹介します。
I guess 多分~だと思う 推測を表す
多分~だと思う、という推測を表す意味で使われます。本当かどうかは分からないけど、私はそう思う、多分~ではないかな、というニュアンスで使われます。
例を見てみましょう。
迷子になったメイをサツキが必死に探しています。クラスメートの少年カンタに出会い、不安な思いを話すシーンです。
英語訳:I guess she got lost on the way to the hospital.
オリジナルの日本語でも「きっと」と言っている様に、メイが病院に行こうとして道を間違えたかどうかは誰も分かりません。あくまでもサツキの推測にすぎないのですが、この様に自分が推測して「~と思う」という時に、「I guess」は使われます。
ここの文章が、「I think she got・・・」でも、もちろん意味は通じますが、「I guess」を使うと、より推測しているニュアンスが伝わりますね。
(先週のプレゼンの時、彼女はちょっと緊張していたと思うよ)
I guess there is a lot of snow this winter.
(今年の冬は雪が多いと思うよ)
I am sure 絶対~だと思う 確信を表す
話し手が確信を持って「絶対~と思う」というニュアンスで使われます。実際には100%正しいと限らなくても、感覚的に「絶対そうだよ!」というニュアンスです。
ジブリの例を見てみましょう。
子ども達が寝る準備をしているシーンです。妹のメイが、庭に植えたドングリの芽がいつ出るか父親に聞いた後、父親が答える台詞です。
英語訳:Well, I’m sure Totoro would know.
芽がいつ出るかは、父親も分かりません。しかし、森に住んでいるトトロなら絶対知っていると思う、という意味で「I’m sure」が使われていますね。この様に「絶対~だよ!」の様なニュアンスで使われます。
日常会話では「Are you sure~?」の疑問文や、「I’m not sure」の否定文としてもよく使われる言葉です。疑問文では「本当に~?」と相手に確認するニュアンス、否定文では「分からない」と確信がないニュアンスで使われます。
疑問文の例をトトロで見てみましょう。
メイは、トトロに会ったことを皆に証明すべく、姉と父親と一緒にトトロに出会ったところにきました。しかし、トトロがいたはずの場所がなくなってしまっています。そこで姉がメイに対して尋ねるシーンです。
英語訳:Are you sure it was here?
疑問文「Are you sure~?」では、「本当に~だと思う?」という、確信を問うニュアンスが強くなります。この様に、何かを確かめる時に頻繁に使われます。一方、否定文では、確信が弱くなるので「~かわからない」という「I don’t know」に近いニュアンスになります。
彼女が僕のオファーを受けてくれるかどうか分からない。
I’m sure he will come to the party.
私はきっと彼がパーティにくると思う。
I bet ~に違いない 高い確信を表す
「bet」=賭ける という意味である様に、「~に違いない」というニュアンスを表します。スラングの様な言い方で、特にアメリカ英語で日常的に使われます。
例を見てみましょう。
トトロに初めて出会ったメイ。あなたはトトロなの?との質問に、タイミングよくトトロが声を発したので、それが返事だと思ったメイは、トトロであると確信をしたシーンです。
英語訳:I bet you’re Totoro.
直訳すると、「あなたがトトロである事を賭ける」となり、「トトロであるに違いない」というニュアンスが伝わりますね。この様に、高い確信を持っている時に「I bet」が使われます。友人や家族など、カジュアルな間柄で使われる印象があります。
(彼はあなたと話すためにここに来るに違いないよ)
I bet you and your boss will make a good relationship.
(あなたは絶対上司と良い関係を築けるよ)
その他の「私は~と思う」の言い方
となりのトトロには使われていませんでしたが、他にもネイティブスピーカーが頻繁に使う「I think」以外の「私は思う」を表す言葉を紹介します。
1. 「I suppose」・・・推測して「~だと思う」という意味で使われます。「I guess」とほぼ同じ様に使われますが、「I suppose」の方があまり自信のない時に使われることが多いです。
(お昼頃にはそこへ到着できるかなと思う(自信があまりないニュアンス))
2. 「I believe」・・・「~と信じる」という意味ですが、「~のはずだと思うよ!」と話し手の思いが強いニュアンスの「私は思う」に使われます。
(確か彼は明日休みだと思うよ)
3. 「I would say」・・・「(控えめに)~かなぁと思う」 控えめに柔らかく意見を伝える時に使われます。会話では「I would say」が省略されて「I’d say」と言われます。
(この状況下では、家にいることが一番良いと思うよ)
4. 「I feel」・・・「~だと感じる」という意味ですが、自分の感情や体調について話すときによく使われます。
(アメリカに旅行した時誰とも話せなかったので、英語を上達しないといけないと思っています)
5. 「In my opinion」・・・「私が思うに」「私の意見では」 という意味で、何か議論をしている時や意見を言う時に使われます。
(私が思うに、英会話ではリスニング力を高めることが最も重要です)
6. 「I wonder」・・・「~かしらと思う」 悩んでいる時や迷っている時に使われます。控えめな言い方として何かを依頼をする時にも使えます。
(来週の引っ越し、手伝ってくれないかなぁと思ってたんだけど・・・)
7. 「I figure」・・・「~だと考えている」 想像して自分で考えた意見を述べる場合に使われます。
(2時間前に出発したので、もうそろそろ彼女は到着すると思います)
まとめ
いかがでしたか。
日本語では「~と思う」と頻繁に使いますが、英語になると非常に多くの言い方がありますよね。
今回ご紹介したフレーズは、どれもネイティブスピーカーが日常会話で頻繁に使うフレーズです。難しい単語はないと思いますが、使いこなすには日頃から声に出して練習する事が大切です。ジブリの例を参考にしながら、練習してみてくださいね。
「I think」以外の言葉を使いこなせると、英会話の幅が広がりますよ。
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