“could”と聞くと、”can”の過去形と覚えている方は多いのではないでしょうか。もちろんその使い方もありますが、実は”could”には他にも様々な意味があり、日常会話で頻繁に使われる言葉です。
ジブリアニメを観ながら英文法を学ぶシリーズでは、実際にジブリアニメで使われているシーンを基に英文法の使い方とニュアンスを学びます。英会話学習に必要な、英語のニュアンスを英語のまま掴むことができますよ。
今回は”耳をすませば”を観ながら、”could”の4つの意味と使い方をご紹介します。
Canの基本的な意味
まずは、”can”の意味を確認しましょう。“can”は基本的に「~できる」、「~でありうる」という能力や可能性を表す助動詞です。
例えばこの2つの例文をみてみましょう。
Can you speak English?
Do you speak English?
どちらも「英語が話せますか?」と訳されますが、実は聞きたいポイントのニュアンスが少し違うのが分かりますか。
Can you speak English? は、「あなたは英語という言語を話すことができますか?」と、能力を問うニュアンスになります。
一方、
Do you speak English? は、「あなたは(日常的に)日本語を話しますか?」というニュアンスになります。
会話の状況にもよりますが、例えば海外旅行中に相手に英語での会話を求める場合は、「Do you speak English?」の方が「英語で会話できる?」というニュアンスに近くなり、より自然に聞こえるでしょう。
「Can you speak English?」は、話す能力があるのか、ないのか?と、能力の有無についての質問に近くなり、場合によっては少し直球すぎて失礼に聞こえる場合もあるかもしれません。
日本語だと少し違和感を感じるかもしれませんが、英語のニュアンスとはまさにこういう事ですね。
この様に”can”が能力や可能性を表す単語であることを念頭において、”could”の様々な使い方を知ると、よりニュアンスが掴みやすいですよ!
couldの用法1 ~できた “can”の過去形
“can”の~できるという、能力を表す意味の過去形で使います。
耳をすませばのシーンをみてみましょう。
主人公の女の子である雫が、生まれて初めて書いた物語を最初にお爺さんに読んでもらい、感想を聞くシーンです。
英語訳:Say what you really think! I couldn’t write what I wanted!
“I couldn’t write what I want”を直訳すると、”書きたかったことが書けなかった”という文ですね。この、書けなかったのは過去の話なので、”could”が使われています。ここでは否定形のcould notが省略されてcouldn’tと表現されています。
(二十代の時は速く泳ぐことができた)
couldよりwas/were able toを使う方が伝わりやすい?
この例文では、in my twenties (二十代の時は)と過去であることを言及しているので、”泳げた”という意味になりますが、もしI could swim.という文章だと、用法3ででてくる、可能性を表す意味「私は泳げるかも」に誤解されてしまう場合があります。
明確に過去に”~できた”と言い表したい場合は、”was/were able to”を使って、I was able to swim. と言うとより正確にニュアンスが伝わります。
Couldの用法2 ~できますか? 丁寧な依頼を表す
疑問形の“Can I~?”や”Can you~?”を丁寧にした言い方で、依頼をする時に使われます。
”~することができますか?”というニュアンスです。
例をみてみましょう。
主人公の雫が、先生にお願いをするシーンです。
英語訳:Could I ask a favor?
直訳すると、私はお願いしてもいいですか?という意味ですよね。Can I ask a favorでも意味は通じますが、先生に対しては少し失礼な言い方になるでしょう。
この様に、目上の方やビジネスシーンでは”could”が使われます。
少し高級なレストランやお店などで”Can I~?”か”Could I~?”で迷った場合は、”could I”~?を使うと良いでしょう。
同じ様に丁寧な意味を表す言葉に、”would”があります。
”Could you~?” の代わりに”Would you~?” も使えますが、” Would I~?” とはあまり使いませんので注意をしてください。
Could I have a glass of wine? ((レストランで)グラスワインを頂けますか?)
couldの用法3 ~ができるかもしれない 現在や未来の可能性を表す
仮定の話で、~ができるかもしれない、や、~しても良いかもねと、可能性を表すニュアンスで使われます。
例をみてみましょう。
主人公、雫の友達の夕子が好きな人の話をしているところです。もし自分に恋人がいれば・・・と想像をして話をしているシーンです。
英語訳:We could encourage each other.
直訳すると、「もし、恋人がいたらお互い助け合えることができる」、という意味ですよね。でも実際には恋人はおらず、仮定の話です。
この様に、現在または未来の可能性を表すために、”could”が使われています。便利な言葉なので日常会話にもたくさん出てきますよ。
Whose bag is this? It could be Joe’s bag. (この鞄は誰のですか?ジョーのかもしれません)
couldの用法4 ~できたかもしれない 過去の可能性を表す
~できたけどしなかったという過去の可能性を表すときに使われます。主語 + could + have + 過去分詞 の形で表されます。
例を見てみましょう。
雫のお姉さんが、親戚のおばさんの家に行っているのに対して、雫のお父さんが雫に言うシーンです。
英語訳:You could have gone to your aunt’s, too.
雫もおばさんの家に行くことができたけど、実際は行かずに家にいますよね。この様に過去においてその選択をしなかった場合に、”~できたのに(~という選択肢もあった)”というニュアンスを表すために使われます。
日常会話ではcould haveが省略されて、”could’ve” と発音されることが多いです。
(もっと寝ることができたけど、その代わり会社に少し早く来ました。)
また、過去に起きたことを推察して、~かもしれないという時にも使われます・
例:I could have(could’ve)left my bag in the restaurant. (レストランに鞄を置き忘れてきたかもしれない)
まとめ
いかがでしたか?
“could”は思ったよりも色々な用法がありますよね。そして、同じ文章でも前後の文脈や会話の流れによって意味が変わってくるのが”could”の特徴でもあります。
しかし、”can”の基本的なルール、可能性表す意味は”could”でも同じです。
その基本ルールを念頭において、今回学んだ4つの用法を使ってぜひ自分で文章を作ってみてくださいね。そして自然に使いこなせるようになるまで何度も声に出して練習してみましょう!
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